本会議会議録
質問文書
令和6年11月人口減少社会課題対応特別委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 杉山 淳 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 11/25/2024 |
![]() | 会派名: | ふじのくに県民クラブ |
○杉山(淳)委員
自治体はどこもコンサルタントに人口減少の提案を受けるが、ほとんどが移住促進と観光振興だそうです。同じ業者さんが書いているので同じようになってちょっとだけ変えてやるという状況で、日本全国が人口の奪い合いみたいな、大都市から地方ならいいんですが、どちらかというと地方から地方みたいなことにもなりかねない状況です。典型なのが子育て支援のサービス合戦で、私は流山市がどういう実態か分からないけれども、流山市の周辺の議員さんの話を聞くと、迷惑していると。
子供が増えているわけじゃないのに、子供のいる世帯だけ引っ張っていって表面上統計は上がるんだけれども、実際問題その周辺の人口は増えていませんと話を聞いて帰ってきたんですが、そういう移住などの問題について、先生の率直な考え方やどこかで聞いたことも含めてお願いします。
○坂本貴志氏
人口減少に対する対応として移住促進というのはほとんどの地域で最優先課題になっていますけれども、9番委員の御指摘のとおり、基本的にはゼロサムですし、つまりどこかから引っ張ってくれば、その引っ張られたところがさらに困窮していくわけですから根本的な解決策にはならないことになります。
そう考えれば、引っ張ってくるんじゃなくて、人口が減っていく中でどう経済を回していくのかを考えなければならないというのが1つです。あともう1つは、出生率の向上をどう政策的に実現していくかを考えていかなくてはいけないと思いますので、どうしても移住促進という考えになりがちですけれども、それは必ずしも好ましくない側面もあるのかなと私も考えています。
○杉山(淳)委員
賃上げができない企業がだんだん自然に退出していって、労働市場の流動化が進んでいくとの話ですが、明らかに20年後にかなり減ってしまうのが学校で、大学も高校も恐らく相当減らないと、高校でいうと15年後は生徒が少なくなるという結果が出ているんです。教育機関の今まで企業じゃないところにいた方々が教育現場から出ていくわけです。塾は塾で倒産が今最多になっている状況から考えると、そのとき同種の塾も当然そういう得意分野はなかなか残らない状況の中で、技能を蓄積しながらもみんな同じようなところが衰退していくと。私の考えを1つだけ言うと、小学校は子供さんが通わなければならないから、小学校の統合は一番やってはいけないと思っている。特に地方へ行けば行くほどお金がなくなっても、そこで通えなくなってしまって家族が引っ越してしまうことになったらますます駄目になってしまうので、小学校や保育園は最後まで残しておかなければならないインフラだと思っているんです。
そんなことも含めて、労働市場の流動化と人口の流動化はセットだと思うんですが、何か参考になる話があったら教えていただきたいと思います。
○坂本貴志氏
人口が減っていく中で、地域の流動性についてどう考えていくかですけれども、これも全国単位で見ると人が減っていくわけですから、自治体の数もそれに応じて減っていくという方向性に恐らくそのまま行けばなると思いますし、そうならざるを得ないと思うんです。かつ集約化していく流れにならざるを得ないと思います。
これを政策的に食い止めるのか、それとも促していくのかは選択が必要な問題だと思います。つまり、過疎地域であっても、ふるさとが失われることは望ましくないと考えるのであれば、全ての自治体を存続させる形になるわけですが、そうなると当然限りある資源が非効率に使われることにつながっていきますので、集約化していく結果になってしまうと思います。
一方で、集約化することを考えるのであれば、基本的には個々人の意思が前提になると思うんです。つまり残りたいという方もいらっしゃれば、不便になるのでしたら都市部に転出したいという方もいらっしゃると思いますので、そういった意思決定を行政としても応援していく、つまり積極的に都市部に移りたい方に関してはある程度政策的に補助しますという考え方もあると思います。そういった中で住民の方に自分の選択として意思決定していただく形になるんじゃないかと思っています。
○杉山(淳)委員
最近静岡で起きた状況を1つ言うと、出版業界で朝日新聞と日経新聞が夕刊をもう配達しなくなった。少し前に、富山県で毎日新聞が朝刊から配達されなくなってしまったなど、今までの全国一律のサービスがいよいよ新聞業界でもなくなってきた。
日経新聞と朝日新聞の夕刊は静岡県では見れないわけで、富山県の毎日新聞のように配達してくれない状況よりは全然いいですが、実際企業が撤退したわけで、本当に深刻でその代案がないというか、それを甘んじて受けるしかないという状況まで人口減少は企業の利益から考えると直結していると思うんですけれども、そんなふうにこれから進んでいくことは、もう間違いないですよね。
○坂本貴志氏
市場メカニズムの前提で考えると、そういった方向になることは間違いないです。新聞以外もそうですが、民間が行うサービスは利益が出なければ提供されることはできないので、おっしゃられていた新聞のような形でサービス自体が縮小していく、あるいは残ったとしても高価格のサービスとして残っていくことになると思います、確実に。そうなれば、住民からすればそんなに不便になるのなら、あるいは生活コストが上がるなら、都市部に移ろうかと考える方もいらっしゃると思いますし、それでもやはり自分の生まれ育った地域なのでサービスもほとんどなくなってしまったし、あるいは残ったとしても非常に高い価格のサービスしかないけれども、それでも残ろうかと考える人もいるかと思います。
ただ、長い期間を経て考えれば、自然とそういった地域はなくなっていくのかなと、理屈で考えるとそういう予想になります。
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