委員会会議録

質問文書

令和４年12月定例会文教警察委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　好浩議員
	質疑・質問日：	12/14/2022
	会派名：	公明党静岡県議団

○髙田委員
　一問一答方式でよろしくお願いします。
　犯罪の起こりにくい社会づくりについてです。
　様々な犯罪は少しずつ減ってはいるのですけれども、犯罪そのものではなくて犯罪被害者の支援について１点だけお聞きしたいと思います。
　今回当委員会に報告のあった県市長会会長の菊地伊豆市長からの陳情の中にも静岡県犯罪被害者等支援条例への見舞金支給制度の規定とあります。
　今現在、県の当該条例において見舞金の支給は考慮されておりません。
　また各市町においても、条例を制定しているところは今19市町とのことであります。浜松市では条例に基づいて被害者に対して死亡で60万円等の見舞金の支給、また遺族の範囲にも内縁関係のパートナーや性犯罪も支援対象に加えるなどとなっています。ただ多くの市町では浜松市のような状況には至っていないとのことであります。大変難しい問題だと思っておりますが、できれば当該条例の中で実質的な見舞金の支給を考慮していただければありがたいと思っております。見舞金の支給について、現状とこれから検討していただけるかどうかお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

○鈴木警務課長
　見舞金の支給に関する見解についてお答え申し上げます。
　国が定めた指針によりますと、犯罪被害者支援において市町は住民の最も身近な存在であり、かつ各種保健医療・福祉制度の実施主体として各種支援制度の案内や申請補助などの適切なコーディネートを行う役割を与えられております。
　したがいまして、見舞金の支給に関しましては市町が主体となって取り組むことが現段階で適切であると理解しており、実際に県内では先ほど７番委員からも説明がございましたとおり16市３町で条例が制定され、見舞金制度が設けられております。
　他方で、県レベルで見舞金制度を制定している自治体があることも承知しており、全国的な状況も関心を持って注視をしているところです。
　県警察といたしましては、そうした状況も踏まえながら知事部局と連携して県レベルにおける今後の取組の在り方について研究してまいりたいと考えております。

○髙田委員
　ありがとうございます。
　逆に言うと19市町だけがこの条例を制定しているということで、ほかのところで制定できていない原因はいろいろあると思います。主体となるのが市町であれば条例制定を促していくことですね。
　あわせて、ほかの都道府県で行っているところがあるのであれば――当然財政の問題があることはよく分かりますが――考慮していただければと思います。
　安心・安全という意味では、静岡県内どこにいても、犯罪被害に遭ってしまった方々をしっかり激励するためにも制度をしっかり取り入れていく必要があると思います。ぜひ考慮頂きたいと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。

　次に、公安委員会・所管事項等説明資料３犯罪の起きにくい社会づくりについてです。
　特殊詐欺について、被害に遭いやすい65歳以上の女性を対象にさくらセーフティ作戦の推進をやっていただいたと書いてあります。さくらセーフティ作戦は、詐欺から女性の暮らしを守るということで「さ」と「くら」を取ってさくらセーフティ作戦と、私もホームページを見て初めて知ったところです。
　何をやっているのかと思ったら、草笛さんが宣伝に出演され、広報の担当をしていただいている。
　また、各警察署からの各種チラシ、例えば清水署ではさくらセーフティ作戦推進中というチラシがあると思います。啓蒙用だと思いますけれどもどう活用しているのか。
　警察署や交番に置いてもしようがないと言ったら申し訳ないですけど、なかなか警察署へ来る人はいないものですから、何らかの機会に署からさくらセーフティ作戦としてのお知らせが対象者の方々にきちっと伝わっているのかどうかをお聞きしたいと思います。

○原田生活安全企画課長
　県警察で行っております特殊詐欺被害防止対策のさくらセーフティ作戦の活動内容とチラシの活用方法等について御説明いたします。
　７番委員御指摘のとおり、被害者層の多くを占める高齢者女性に重点を当てた広報戦略としてさくらセーフティ作戦を本年６月から展開しております。
　従来は高齢者が被害に遭っていますと広報していたわけですけれども、より被害の中心となっている方に御自身のこととして自覚していただく、被害に遭う対象となっていることをより明確にするため65歳以上の女性という表現を用いて被害の対象、危険が迫っていることを理解していただくための広報戦略として展開させていただいております。
　広報チラシにつきましては、県警察と防犯協会が共同しまして草笛氏の御協力を得ながら作成したもので、裏面には被害状況、手口、広報に御協力頂いた草笛氏の体験談などを載せて分かりやすく広報に努めているところであります。
　このチラシにつきましては、枚数の限界もございますので各署で内容をよく検討して工夫しながら各戸へ配布、回覧板の中に入れていただく等により広く周知しているところであります。内容については被害者層に具体的に話が届くように工夫しながら広報を展開しています。
　また、具体的な活動につきましては、交番や生活安全課員が自治会などと協力して行う戸別訪問、パトカーによる街頭広報、ボイスパトロールなど警察の活動が当事者に届く活動に努めております。

○髙田委員
　活動の内容よく分かりました。
　細かなところまで気遣って広報していただいているとのことですが、説明資料に書いてあるとおり件数は36件、被害額も１億800万円とそれぞれ増加した。細かい話で申し訳ないですが、65歳以上の女性が特に被害に遭うとのことで広報をやっていただいたわけで、結果として65歳以上の女性の被害については増えているのか、それとも功を奏して減少しているのか。さくらセーフティ作戦の実質的な効果を知りたいものですから、教えていただければと思います。

○原田生活安全企画課長
　65歳以上の女性の被害件数及び状況についてお答えします。
　県警察では、本年６月からさくらセーフティ作戦を展開しておりますけれども、この施策を開始しました本年６月から10月末までに特殊詐欺に遭われた方は186人おります。このうち65歳以上の女性は130人で全体の約69.9％を占めております。
　一方、昨年同期の特殊詐欺被害に遭われた方は158人で、このうち65歳以上の女性は123人、全体の約77.8％を占めております。比較しますと本施策実施後は65歳以上の女性の被害全体に占める割合は7.9ポイント減少しています。
　同期間における特殊詐欺の被害件数は昨年の1.18倍になっておりますけれども、65歳以上の女性の増加については1.06倍にとどまっておりますので、全体に占める割合は低くなっております。

○髙田委員
　今の数字を初めて聞きました。全体被害件数の７割、８割近くが65歳以上の女性であることから、やはりさくらセーフティ作戦は非常に大事だなと改めて思いました。広報は本当に大変な仕事ですけれども、機会あるごとに対面で、交番の皆さんは訪問活動までやっていただいていますのでチャンス見逃さずにしっかり対象者に直接訴えかけができるようにしていただければと思います。減っているとはいうものの、65歳以上の女性の割合は思ったより多いものですから、何とかしないと本当に大変だと思います。
　うちにも実は大分前に電話がかかってきまして、おとり作戦をやろうと思って私も自宅に待機していて電話に出てしまいました。大変申し訳ない。出なければよかったのに私が何の電話だろうと出てしまってぷつんと切られたことがありました。
　やはり本当にターゲットにされる御高齢の方々は不安でいっぱいですので、留守番電話にされるとかいろんな工夫はしていますが、またぜひよろしくお願いします。

　もう１点だけ、説明資料３の２(2)にありますが、警察と児童相談所等との合同研修を行っていただいたということで、実際どんな内容で何を獲得目標としてやられたのか。
　また、終わったばかりですけれども、実際合同研修をやったことから見えてきた課題について検証されているかと思いますので、伺いたいと思います。よろしくお願いします。

○松本人身安全対策課長
　初めに、合同研修の内容についてお答えいたします。
　合同研修は、児童相談所、市町の担当職員、検察官、警察職員が一堂に会しての情報共有や意見交換のほか、児童の保護者が正当な理由なく児童相談所の職員の立入調査を拒むなどし、かつ児童虐待が行われている疑いがある場合の児童の安全を確保するために裁判官の発する許可状により保護者宅を臨検、捜索する訓練を県警察学校の模擬家屋を利用して実施しております。
　次に、研修を通じて見えてきた課題についてお答えいたします。
　臨検、捜索につきましては、警察職員以外は強制力の執行に不慣れな者が多く、今後は事前の情報共有、役割分担や執行要領の確認など一層の練度を高めることが必要であると考えております。

○髙田委員
　ありがとうございました。
　具体的な研修をやっていただいたということで毎年続けていただけると思います。今おっしゃっていただいたように実態に即した課題をそこで見つけることが研修の大事な部分じゃないかと思います。成功したではなく課題がどういう形で見つかったかを毎年毎年ブラッシュアップして次の段階に進み、みんなが取り組めるようぜひ推進していただきたいと思います。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号：054-221-3482

ファックス番号：054-221-3179

メール：gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp

ページの先頭へ戻る

〒420-8601 静岡県静岡市葵区追手町9番6号電話番号(県庁案内)：054-221-2455