本会議会議録
質問文書
令和6年9月定例会文教警察委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 坪内 秀樹 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 10/03/2024 |
![]() | 会派名: | 自民改革会議 |
○坪内委員
一問一答方式でよろしくお願いいたします。
まず、第119号議案「静岡県立青年の家等の設置、管理及び使用料に関する条例の一部を改正する条例」における料金設定の妥当性に関し、どのような検討を経てこの金額にしたのか設定の考え方をお伺います。
○藤ケ谷参事兼社会教育課長
今回の青少年教育施設の利用料金の見直しに当たり、近年の物価上昇や施設の維持コストの増大を踏まえ今後も安定的、継続的に青少年教育施設を維持していくために利用料金の改正に着手しました。
青少年教育施設は、家庭の経済状況によらずに集団宿泊活動などの体験を広く提供することを目的としていますので、もともと非常に低廉な料金設定となっており、運営経費の何割かを賄う考え方ではございません。
こうしたことから、令和2年度に行いました前回改正ではほかの都道府県の同種施設の平均額を参考にしながらも利用者の急激な負担増を抑制するために利用料金の変更上限を1.5倍までとしました。
今回も同様に全国状況を調査したところ、小学生、中学生――本県区分では生徒・児童・幼児になりますが――この平均が406円でした。高校生、大学生――本県区分では学生・生徒になりますが――それから勤労青少年の区分につきましては701円でした。一般の方――本県区分ではその他の者になりますが――この区分につきましては1,111円でした。この結果を50円単位で整理して今回の利用料金を設定しました。
なお、静岡県立焼津青少年の家と静岡県立観音山少年自然の家の生徒・児童・幼児の区分については改正前の利用料金が220円であり、400円になりますとかなり急激な上昇になるため1.5倍の300円としました。
○坪内委員
それでは、静岡県立焼津青少年の家、静岡県立観音山少年自然の家と静岡県立三ケ日青年の家、静岡県立朝霧野外活動センターとで料金が異なる理由を伺います。
○藤ケ谷参事兼社会教育課長
文教警察委員会説明資料3ページの料金表は2つになっておりますが、静岡県立焼津青少年の家、静岡県立観音山少年自然の家は現在も県の直営となっております。静岡県立三ケ日青年の家、静岡県立朝霧野外活動センターにつきましては指定管理者が運営を行っており、運営形態が異なる点をまず御承知おき頂きたいと思います。
料金の違いですが、静岡県立三ケ日青年の家と静岡県立朝霧野外活動センターにつきましては施設の全面建て替えを近年行っております。静岡県立三ケ日青年の家は平成3年、静岡県立朝霧野外活動センターは平成8年に全面改築事業が完了し新しい施設で新しい時代に合った活動が展開できております。この改築を機に料金を2倍に設定した経緯があり、それをベースに現在まで料金を設定しているため料金が異なっています。
また、静岡県立三ケ日青年の家、静岡県立朝霧野外活動センターにつきましては利用料金の上限額を定めており、この範囲内で指定管理者が料金を設定でき指定管理者の経営努力で工夫できる点も御承知おき頂きたいと思います。
○坪内委員
分かりました。今の条例とは関係はないけれども時代が大変変化していますよね。そして考え方もいろいろ変わってきております。県による青年の家等の設置状況、運営方法、費用対効果、理念を総合的にいま一度検討する必要があるのではと思っていますけれども、その点はどのように考えているのかお尋ねします。
○藤ケ谷参事兼社会教育課長
青少年教育施設は、特に小学生、中学生を対象に集団宿泊訓練を行っております。現在体験活動が非常に少なくなってきている中、非認知能力の育成に非常に有効との研究成果もいろいろ出ており、とても大切な活動だと思いますので支えていきたいと思っております。
一方、利用者の減少傾向はずっと続いており、今後少子化がますます進むと利用者の減少はこの先さらに大きくなっていくと思います。現在教育委員会では今後の青少年教育施設がどうあるべきかの検討を進めているところです。私見ですが、なくしてはいけないものですが、今後の時代状況に合わせてどうあるべきかの検討を続けていきたいと思います。
○坪内委員
確かに必要というか、僕らの世代はこういった施設を非常に利用した世代でしたが、大変多様化していますし、また少子化が進み考え方も大分変わってきておりますので、そのようなところもまた時代に合わせて考慮しながら検討して一度見直していただくことが必要かと思います。
次に、県立高校施設の維持管理についてお伺いします。
昨年12月定例会の文教警察委員会において、我が会派の所属議員が老朽化が進む県立高校の屋外施設の修繕について質問させていただきました。予算を増額して子供たちが行きたくなる、子供たちを行かせたくなる魅力ある学校づくりをお願いしたところであり、本年度も折り返しを迎え、どのように対応されているのかお尋ねします。
○横田教育施設課長
令和6年度当初予算においては、厳しい財政状況のため御提案頂いた別枠での予算組みは実現できませんでした。そこで今年度も引き続き限られた予算枠の中で法令や人命に影響を及ぼすリスクの高いものから順に修繕を実施しているところです。
○坪内委員
7月に実施した当委員会の県内視察で、校舎を建て替えた静岡県立磐田南高等学校を見学させていただきました。すばらしいデザインで、画一的な昭和時代の校舎に比べてとても個性的、機能的でユニバーサルデザインにも配慮した施設になっていると感心したところであります。
一方で、多くの学校は老朽化が進み、建物や設備が破損、故障しても予算が足りないために何年も放置されたままとも聞いております。これらの状況を把握しどのように対応しているのかお尋ねします。
○横田教育施設課長
修繕が必要な箇所については、毎年夏に全学校にヒアリングを実施して翌年度の修繕要望を確認しております。ヒアリングにおいては点検結果、写真、見積りなどにより正確な状況把握に努めております。
昨年度に実施した今年度予算に関する修繕要望は、学校とその他の社会教育施設の全てを合わせて計180億円分に上りました。そのうち法令や人命などのリスクの高いものから20億円の予算の中で順次執行しているところです。
また、3年に1度の割合で当課職員が全学校を訪問し施設状況を確認するとともに、点検や管理方法のアドバイスなどを行っております。
さらに、台風等の災害により重大な被害が出た場合は当課職員を随時派遣して学校と連携して対応に当たっているところです。
○坪内委員
3年に1度の直接訪問との答弁がありましたけれども、とにかく老朽化していて近年の大雨災害だけではなく慢性的に雨漏りがあって、バケツで受け止めている話も聞いたことがあります。そうすると入学してから卒業するまでずっとバケツを置きっ放しなんてことにもなってしまうので、民間施設や他の県有施設ではあまり聞いたことがなく、そこで学ぶ生徒には気の毒なことであります。建物の寿命にも影響を与えるのではないかと心配でありますが、この点についてどのように考えているのかお伺いいたします。
○横田教育施設課長
6番委員御指摘のとおり、本来は屋上防水や外壁修繕、ポンプ等の設備は壊れる前に定期的に修繕や交換をすべきであり、その計画を立てておりますが、学校全体では莫大な予算が必要となり今の予算の枠内ではなかなか計画どおりの実施が難しい状況です。
また、財政事情や少子化に伴う高校の在り方を検討する地域協議会の結論が出ていない中、建て替えによる更新も計画どおりには進んでおらず生徒や教職員、施設にとっても厳しい状況であると認識しております。
○坪内委員
厳しい財政状況はもう重々承知しており、建て替えで解消するのが効率的というのは確かに理解できますが、その間も今の建物は老朽化がさらに深刻になっていきます。5年先、10年先もそこで学ぶ生徒がいるわけですから、かつてない大雨や暴風が毎年のように起こる中で安全で安心な学校生活を当たり前に送れるよう、建て替えまで放置するのではなく危機感を持って取り組んでいただきたいと思います。
来年度予算については、これから編成を進めていくと承知しており、県としてどのように対応していくのかを私自身そして会派としても注目してまいりたいと思っております。
最後に、新県立中央図書館整備に要する全体事業費が基本計画時よりも100億円以上の増額となったことへの対応についてお伺いします。
物価高騰といってもいろいろあると思いますけれども、物価高騰は建設費だけに起因しているのかどうかお伺いします。
○金嶋新図書館整備課長
物価高騰につきましては、設計プロポーザルを開催するために全体事業費の総額を議論した令和2年10月と現時点の令和6年9月との4年間で比較したものとなっております。
中身につきましては、主に資材の高騰が大きく影響しており、例えば鉄筋で1.77倍、鉄骨で1.64倍、生コンクリートで1.48倍と資材がかなり高騰していることに加えて、中東情勢や長く続いた円安などによる影響、またここ数年は賃金の上昇、それから働き方改革に伴う2024年問題に伴う輸送コストの上昇など様々な要因が絡み合った結果と捉えております。
建物の規模や用途は異なりますけれども、他県の公共施設の状況を見ますと似たような傾向であります。
○坪内委員
確かにコストが上がっており、総事業費が大幅に増額していますが、県負担つまり一般財源の軽減に向けてどのような努力をされてきたのか確認したいと思います。
○金嶋新図書館整備課長
図書館建設そのものに対する国の補助金はございません。ただ今回は静岡市が周辺のまちづくりのために立案しております立地適正化計画で図書館が拠点形成の誘導施設の1つとして位置づけられております。これにより国土交通省における社会資本整備総合交付金の要件を満たして建設費や設計費などの2分の1に交付金を充当できる見込みとなっております。またその残りの部分につきましても財政当局との調整におきまして交付税措置がある有利な起債を活用することを認めていただいており、実質的な県負担は全体事業費の半分以下に抑えられる見込みとなっております。
こうした特定財源の確保に努めることによって、一般財源の負担軽減を図っていきたいと考えております。
○坪内委員
今後さらに削減に努めるとしたらどのようなことが考えられるのかお尋ねします。
○金嶋新図書館整備課長
今後は、ハード整備に比べて規模は小さくなりますがソフト面でのシステム構築や移転費の節約にも努めていくと同時に、事業では新図書館の開館に向けてこれまでにないジャンルの資料整備も進めておりますので、その財源として例えばクラウドファンディングなどの呼びかけによって財源を確保することも考えていきたいと思います。
また、開館後の運営につきましても規模は現施設の2倍ぐらいですけれども、職員は現在いる職員数をベースに増員を極力抑えて指定管理制度などアウトソーシングの活用によって経費節減に努めていきたいと考えております。
○坪内委員
物価高騰の影響による事情は分かりました。事業費の大幅増の影響はとても大きく、物価高騰だからやむを得ないということにはならないわけであります。物価高騰がいつまで続くか分からないですし、これまでに努力した部分もあるとは思いますが、今後執行していく部分についても節約や外部資金の獲得などに努める姿勢が大切だと思っております。
仮に本議会で予算が認められたとしても、完成までそして完成後もさらなる経費削減に努めていただきたいと要望し質問を終わります。
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