本会議会議録
質問文書
令和6年決算特別委員会危機管理くらし環境分科会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 田口 章 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 10/29/2024 |
![]() | 会派名: | ふじのくに県民クラブ |
○田口委員
分割質問方式でお願いします。
初めに、主要な施策の成果及び予算の執行実績についての説明書109ページ、112ページ、117ページ、118ページに関わる男女共同参画について質問をします。
説明資料117ページが一番分かりやすいと思ったのですが、ふじのくに女性活躍応援会議の登録事業所数の目標が300事業所で令和4年度は前年度比プラス4だったのが、令和5年度は前年度比プラス17と若干前進したと思うのですが、この取組はどのようにやってきたのかが1点目です。
2点目は、説明資料112ページに今度は男女共同参画社会づくり宣言推進事業とあり、令和5年度の登録事業所数が1,753件とあります。ふじのくに女性活躍応援会議の登録事業所数との関係を教えてください。
○池田男女共同参画課長
1点目のふじのくに女性活躍応援会議の登録事業所数が伸びた取組についてですが、令和5年度は例年実施しているホームページでの広報に加えて、当課で実施したセミナー等に参加した企業に対して、応援会議について紹介したチラシを配布するとともに、経済産業部が企業を訪問して実施する事業において個々の企業へのチラシの配布をこちらから依頼して協力してもらうなどの取組を行いました。
もう1点目のふじのくに女性活躍応援会議と男女共同参画社会づくり宣言推進事業の大きな目的は県内の女性活躍の推進であります。
ふじのくに女性活躍応援会議は産業界における女性活躍をより一層加速化することを目的とした企業や団体、個人等を構成員とする官民一体のネットワークであるのに対し、男女共同参画社会づくり宣言推進事業は各事業所や団体が女性の参画やワーク・ライフ・バランスなどに取り組むことを宣言として登録して、事業所等における働きやすい職場づくりを推進することを目的としております。
○田口委員
今の説明だと、両者はあまり関係はないという理解でいいのでしょうか。
○池田男女共同参画課長
登録している事業所が同じように登録しているわけではなく、目的に合わせて登録しているのでネットワークと各事業所の宣言の登録は関わりはないということです。
○田口委員
事業の大きな目的が女性活躍社会の実現であり、ターゲットを企業に絞ってやる取組なので、最初にお答えがあった経済産業部と一緒に取り組むのは非常にいいことだと思います。それはぜひやってほしい。
ただ、なかなか依然として増えてこないわけですよね。産業部門については、県内でなかなか上がってこないという評価があります。静岡県内の中小企業者は16万社ぐらいあるわけですが、それに対して1,753社は1%強にしか過ぎないわけですよ。なので、もう少し裾野を広げる活動という目的意識を持って取り組んだほうが私はいいのではないかと思うのですが、令和5年度の事業はそういう意識で取り組んだかどうか教えてください。
○池田男女共同参画課長
ふじのくに女性活躍応援会議と男女共同参画社会づくり宣言事業所で女性活躍に関する団体が幾つかできているところもありますので、8番委員がおっしゃったように、目的を持ってアプローチしていかなければいけないと考えております。
今年度、実施する事業につきまして、女性活躍応援会議に入っていただいた方を優先的に事業に参加していただけるような形でアプローチしています。
○田口委員
私の感覚だと、女性活躍応援会議はどちらかというとトップリーダーみたいなところが多いのではないかと思うんですよ。そういうところに引っ張ってもらって、宣言をやっているところへ広げ、さらにまだ全く声がかかってない10万社以上へどうやってアプローチしていくかという階層別に考えていったほうがいいのかと思いましたので、今後検討してもらえればと思っています。
いずれにしても、今は男女共同参画だけではなく、事業者側からするとダイバーシティー経営というくくりの広い意識で取組を進めていて、例えば外国人や障害者などいろんな皆さんと一緒になって企業の価値を高めていく時代なので、そういう観点で経済産業部と連携して取り組んでいただきたいと思います。これは要望にしておきます。
次は、説明資料121ページと127ページに係る住宅の関係で2点、質問させていただきます。
実は去年も質問したのですが、ふじのくに空き家バンクについてです。昨年度は登録件数11件、成約3件でしたが、今年度は成約12件ということになっています。これに対する評価を教えてください。
また、さっきお話をしたとおり、県内全体でこれだけの件数を取り扱うのが県としていいのかどうか。私はもうやめてもいいとはっきり言って思っております。そこで事業自体の運営コストはどうなっているのか。それから、民間事業者の取組との関係はどうなっているのかを教えてください。
次に説明資料127ページに評価が記載されているのですが、豊かな暮らし空間創生事業についてです。これも去年言ったのですが、当初予算に比べて非常に執行率が低いんですよね。執行状況は214ページにあり最終予算は137万円ですが、当初予算は桁が違うぐらいあったと思います。それにもかかわらず52万円しか支出されていない。この事業について令和5年の成果をお聞かせください。
○稲垣住まいづくり課長
ふじのくに空き家バンクについて、令和4年度と令和5年度のホームページの運営コストでありますが、43万6000円ほどかかっており、令和5年度までの登録件数が28件であったため、登録ベースでは1件当たり1万6000円程度、令和5年度までの成約件数は12件であったため、成約ベースでは1件当たり3万6000円程度という運営コストとなっております。
続きまして、民間事業者の取組との違いですが県の空き家バンクは田舎暮らしを希望する方に対する本県への移住の促進や、使える空き家を有効活用することにより増加する空き家問題を解決するため田舎の住まい探しに困っている方に対するマッチングサービスの1つの手法として取り組んでおります。
一方、民間の不動産業者が運営する空き家バンクは多くが営利目的となります。空き家をできるだけ高値で売却して利益を出そうと考えていることから、不動産価値が大きくない田舎の物件を掲載することはなかなか少なく、移住の促進や地域活性化といった目的としては実施されておりません。
空き家バンクを閲覧する方の多くは田舎にある家に住みたいと思っていますが、田舎にある空き家は情報が少ないことが一番の問題だと考えております。田舎の空き家も情報が発信されれば活用されやすくなり、需要と供給という意味でもマッチングしやすいメリットがあることから、その受皿として県による空き家バンクは必要だと考えております。ただし8番委員御指摘のとおり、登録物件が少ないことにつきましてはまだまだ努力が足りないということで反省すべきことであり、改善を行って、登録物件を増加させてまいりたいと考えております。
続きまして、豊かな暮らし空間創生事業の評価につきましては、静岡県における豊かな暮らし空間を実現するため、都市圏にない豊かな自然が調和する住宅地を豊かな暮らし空間創生住宅地として認定し、ライフスタイルやライフステージに応じた住まいの選択肢として、静岡県らしい住まい方をアピールしている事業となります。
昨年度につきましては、1団地19区画が増えたことは、住宅の着工が人口減少や少子化に伴い減っている一方、また資材、運搬費等の高騰で住宅価格が上昇している中、新たな宅地造成として増えたことはある程度評価できるものと考えております。
ただし、執行率が低いことにつきましては、宅地開発助成として毎年1000万円ほど予算計上していますが、このような時勢で事業計画が成り立たずに不用額として落とす形になっていることについては反省すべきことであり、改善等を図ってまいりたいと考えております。
○田口委員
空き家バンクは、取りあえず民間の事業者とはすみ分けをしているということであれば、移住・定住の取組とうまく連携して活用してほしいです。イニシャルコストもかかっていると思うので、できるだけ費用対効果を高めるように事業を進めてほしいと思います。
豊かな暮らし空間創生事業は、執行額が50万円で2年続けて1000万円近くを不用額として落としており、事業をどこまでやるのかと思っています。去年も指摘していますので、ぜひ当局の皆さんで今後についてしっかり考えてもらいたいと思っています。
その次、説明資料150ページ、151ページ、154ページに関連して質問しますが、9月定例会の委員会でも質問した省エネ補助金の評価についてです。脱炭素社会実現推進事業費に約12億円計上していて、恐らくこの中の約11億円くらいは省エネ補助金だったと思うのですが、支援実績が388件と書かれています。さっき男女共同参画に関する質問の際も言いましたが、事業者数自体は10数万件あることから、これを今後どうやって進めていくかが課題と思っていますが、事業の評価についてお聞かせください。
○佐藤環境政策課長
この補助金につきましては、当初予算、補正予算ともに、すぐに予算が底をつくほどの人気を博したので、一定程度皆さんのニーズには応えられたかと思っております。
8番委員御指摘のとおり、11億円かけて388件ということでその背後には数万の事業者もあるわけですので、1つの大きな課題として、補助金だけをやっていても業界全体に行き届く施策はなかなか難しいのではないかという感触を得ております。
補助金にはトップランナーの創出という側面もあり、こういった効果は大事ですが、それだけではなくて業界全体に働きかける施策を両輪として進めていく必要があると考えているところです。
○田口委員
今回、危機管理くらし環境委員会の視察で九州に行ったときに、GX――グリーントランスフォーメーションの話を聞いてきました。いろいろな業界を巻き込んで裾野を広げていくのは非常に大事な取組だと思っています。たまたまお話を聞いた方が韮山高校の出身者ということでした。いろいろなところから人を呼んでもいいと思うので、どうやって裾野を広げていくかにも注力していったほうがいいと思いました。もちろん省エネ補助金の成果が非常に高かったのはあると思うのですが、それだけでは広がりに欠けると思うので、うまく組み合わせて進めていただきたいと思っています。
説明資料182ページ以降に生活環境課の事業があります。私が去年の委員会でも取り上げた質問の1つがPFASです。PFASに対する事業説明の記載が全くなかったのですが、昨年度の調査実施状況と県内の検出状況についてお尋ねします。
○加茂生活環境課長
県内の河川に関するPFAS調査を国土交通省、県、それから水質汚濁防止法政令市の静岡市、浜松市、沼津市、富士市の4市が連携して実施しております。
昨年度、県の調査は10月から11月にかけて、河川の環境基準点33地点で実施いたしました。その結果、暫定目標値――PFOSとPFOAの合計値で50ナノグラムパーリットル――を超過した地点はありませんでした。その結果については昨年11月29日に公表しています。
また、静岡市と浜松市につきましては、両市が公表しているとおり、暫定目標値を超過した地点がありましたので、それぞれの市が超過地点の周辺調査を継続して実施しているところであります。
なお、沼津市と富士市及び国土交通省の測定地点においては暫定目標値を超過した地点はありませんでした。昨年度の調査結果は以上です。
○田口委員
静岡市、浜松市以外は超過した地点はなかったということで理解いたしました。
ただ、環境省でもPFASに対しては新しい提案をしてきているようで、先ほどお話があった暫定目標値も少し基準を格上げする話になっています。昨年度、県庁の中で今後の調査実施についての検討はされたのか教えていただきたいと思います。
○加茂生活環境課長
河川の調査に関してですが、令和7年度までは先ほど申し上げた河川の環境基準点33か所で実態調査を実施することにしており、今年度も9月から10月にかけて採水を実施し、現在分析中です。
また、今年度は暫定目標値を超過する地点があった場合は周辺の河川の遡り調査や地下水調査を実施してまいります。
このほか、暫定目標値50ナノグラムパーリットルを超過していなくても、その10分の1の5ナノグラムパーリットルを超える地点があれば、令和8年度以降も継続して調査を実施したいと考えております。
○田口委員
水道などいろいろなところで話題になっていることもありますので、ぜひ県としても適切に今後対応していただければとお願いします。
次に、説明資料210ページの収入未済についてお尋ねします。
このページに3か所、大きな収入未済額の記載があります。盛土緊急対策代執行費用返納金については、説明資料199ページに事業のことが書いてあったので恐らくそのことだろうと思います。その上に産業廃棄物原状回復代執行費用返納金と高濃度PCB廃棄物代執行費用返納金という科目がありますが、それぞれの内容と収入済額は恐らく分納ではないかと推測するのですが、そのあたりについて教えてください。
○西尾廃棄物リサイクル課長
まず、産業廃棄物原状回復代執行費用返納金の過年度収入未済額の7億4000万円余は廃棄物処理法に基づき不法投棄等に対して県が行いました生活環境保全上の支障除去等の措置――一般に行政代執行というもの――に要した費用、5事案について原因者に対して求償したものです。
次に、高濃度PCB廃棄物代執行費用返納金の過年度未済額の3億6000万円余はPCB特別措置法に規定される処分期限終了内に高濃度PCB廃棄物を処分する義務がある保管事業者が処分を行わなかったことから、保管事業者に代わって県が行った処分等の措置――これも行政代執行――に要した費用を保管事業者3者に対して求償したものです。
また、お見込みのとおり、債務者には十分な資力がないため、それぞれの資力に応じて分納により徴収しているところであります。人によって違いますが、大体月額1,000円から3万円程度を徴収している状況です。
○田口委員
分納でも額が非常に大きいものですから、果たしてこの先大丈夫かと思うのですが、今後の徴収見込みについて簡単に教えていただければと思います。
○西尾廃棄物リサイクル課長
今後の徴収見込みについてですが、これまでの調査によると債務者には十分な資力がなく高齢化も進んでいることから、未済額を一括して徴収することは事実上困難です。ただ分割納付している者に対しては納付が途切れることのないよう引き続き納付指導を行ってまいります。
また、納付がない者については電話催告や面談により粘り強く分割納付を促していくとともに、必要に応じて財産状況の調査を行い、資産があると認められた場合には差押えを行うなどして債権回収に努めてまいりたいと考えております。
○田口委員
決算特別委員会なのでこれ以上は質問しませんが、課題だと思いますのでしっかり目をかけてもらいたいと思います。
最後の質問ですが、説明資料211ページにくらし・環境部企画調整費の執行率について記載がありますが、実は去年も執行率60%ぐらいでした。この際申しますが、当初予算の積算を適切に行い不用額をなくしていくのがまず第一だと考えます。とりわけ来年度当初予算に向けて、財源不足額が620億円と言われている中で枠配分をやめて一本査定に戻すという話も聞いていますので、部局でこれまできちっとやられてこなかったのは非常に残念に思っています。来年度は積算をしっかりやってほしいと思うのですが、くらし・環境部企画調整費の執行率が2年続けて約60%になっているのはどういうことなのか、教えてください。
○松本経理課長
企画調整費は通常の事業と違い、必要枠を積み上げして予算計上しているのではなく政策推進過程において緊急的に経費が必要となる場合や年度途中で発生した行政課題に的確に対応するための経費として各部に枠予算として計上しているものです。
令和5年度の取組としましては、職員の広報スキルを高めるための研修の実施や南アルプス未来デザインの学術的・行政的な内容を多くの方に理解してもらうための表現変更にかかる取組などを実施しましたが、予定していた9件の取組のうち3件についてはほかの予算で対応したり、関係者との調整が難航したため執行を見送ったことにより執行率が下がってしまったという要因があります。
緊急的に対応する経費という性質が強いものですから、減額補正の対応も難しいことがあるのですが、御指摘頂いたとおり直近2年については執行率が低いため、今年度についてはこの辺を見直しまして、有効かつ適切に執行できるように努めてまいります。
○田口委員
最後に意見、要望だけにしておきますが、やはり厳しい財政状況であるがゆえに、シーリングをかけるという話を財政課から聞いていますが、一律カットは絶対してもらいたくないので、選択と集中を各課でしっかりやってもらって、来年度予算に対しての準備を進めてほしいと思います。限られた財源を有効に使うために、よろしくお願いします。
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