本会議会議録
質問文書
令和6年7月人口減少社会課題対応特別委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 杉山 淳 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 07/18/2024 |
![]() | 会派名: | ふじのくに県民クラブ |
○杉山(淳)委員
一問一答でお願いいたします。
まず、物流関係で質問させていただきたいと思っております。
2024年の物流問題で特にショッキングな発表は、荷物の14.2%が運べなくなると。960時間という長距離ドライバーの時間外規制――今日はその話をする場ではないので畳みますが――、物流問題はそこから発展していて、先ほど説明があったように、運行に従事しているドライバーさんは年齢が高い人が多いと。もう少し掘り下げていくと、大型免許の所有者は60代、70代が結構いらっしゃって、特に60代に頼っていると。何で若い人がならないのかという理由は、先ほどの建設業と同じで大型トラックのドライバーさんの年収は全産業の平均年収より5%安く、中小型のトラックについては12%安い。一方で、年間労働時間が大型トラックのドライバーさんで全産業より432時間長い、中小型トラックの運転手さんで384時間長いと。若い人が来るわけないという話で、どんどん高齢化が進んでいるのは今日話す話ではないと思うんですけれども、こういう背景というのをしっかりと捉えなければならない。特に長距離、今、日本の8割はトラック運送で担っていて、その物流問題というのは実は大きくて、政府もいろいろな対策を考えているというのが、今日頂いた資料の知事直轄の11ページに書いてあったと思います。
そういう現状を踏まえて、県として対策するんですが、まず県内の物流の当事者の声を聞く場が必要だと思うんですけれども、どういう場で意見聴取してるのかをお伺いしたいと思います。
○民谷総合政策課長
直接の担当課ではないんですが、私のほうでは直接物流業者の声というのは、例えば経済産業部や交通基盤部がその場面場面で聞いていると思うんですけれども、この問題に特化した形で、一堂に会して聞くという場を設けてるというのは聞いたことがございません。
○杉山(淳)委員
この問題は、うちの阿部議員がすごい関心を持っていて、本当に部の方に呼びかけてしっかり当事者の意見を聞く場を設けてほしいと言っているので、ぜひ別の場で検討していただいて、今把握していないというところも全部確認してください。
次ですけれども、同じ11ページにあるように、荷主と元請の監視体制の強化というのは国が打ち出しています。
何でこういうことが起こるかというと、トラックは行きは大体荷物がちゃんとしているんですけれども、帰りの荷物は結構空で帰ってきたり、半分しか積めなかったりというのがあります。特に空で帰ってくると、燃料代が今高いので、そこで水屋さんと言われている手配師――車両を持たない中間の業者――が入ってきて、ダンピングさせて、本当に運転手さんのトラックとすれば、空だったら全部持ち出しだけれども、ちょっとでも荷物を積めたらとか、安くてもちょっとでも補塡されたらということですが、この水屋さんがすごいダンピングをやるもんで、ちっとも反映されない。ここの監視強化というところが資料にあるんですが、国が書いてあるんだけど、県のほうにはそういう取組が書いてないんです。
そういう荷主、元請の監視体制の強化という、国を踏まえて、課題として認識してほしいんですけれども、県としても今後検討していくことや、現状どんなことを考えているのか、説明をお願いいたします。
○民谷総合政策課長
この知事直轄の11ページの資料につきましては、先ほども御説明申し上げましたように、国と荷主企業と県の役割分担を整理したものでございまして、基本的には今お話のあった荷主、元請の監視の強化は、国がトラックGメンというのをやっているようでございますけれども、そこは国に委ねると整理してございます。
○杉山(淳)委員
こういう荷主のモラルって言うんですかね。特に車両を持たない方が、本当にダンピングしているような実態を聞かないと、絶対よくなっていかないので、先ほど申し上げたように意見聴取をする場を設けていただき、当事者の方からぜひ声を聞いていただけたらと思っております。
次に、よく送料無料の表示を見るんですけれども、これをやめようという運動を2、3年前にやったそうです。どういうことかというと、これは発送元負担であって、働いてる人にとっては決して無料ではないわけです。だから、幾ら幾らを誰々が負担していると明示しないがゆえに、安易な利用があったりする。また2024年問題を抱えていながら、こういう無料ということが正しい表現ではないと言っていて、そのうち2年もたって当たり前になってしまって、結局その運動は潰れてしまったというか、もう目に見えなくなってしまった、潜ってしまったわけですけれども、そういうことをやっていたと知ってほしいっていうことがまず1つです。
それで、長距離の方のお話を私は聞いたんですけれども、若い人が何でならないかというと、大体長距離トラックの人は4泊5日の行程が結構あって、どうやって4泊5日行くのか分かんないですがとにかく戻ってくるのは5日後で、途中の宿泊の確保が物すごい大変です。大きいトラックなので、ビジネスホテルではトラックを止めて泊まれないので、結局車の中で手っ取り早く寝てしまう方が多くて、そうなるともう女性ドライバーに行かなくなってしまう、そういう大きな問題を抱えていると。私が特に言いたいのは、当事者の声を聞く場がないと、この物流問題というのは県としても問題をしっかり把握できないと思うので、これはしっかり把握してほしい。
あともう1個ですが、ここに載っていますけれども、物流拠点がいいと言うのですが、この業界の一番大きいのは、物流拠点の待機時間が長過ぎるというのがあります。待たされるって言うんですかね。絶対に遅れてはいけないので早めに着いて、待機する時間が物すごく長いということです。これが工場だったりすると、本当に納期限を守るために必要以上に早く着いて、必要以上に待機させられることもあるという問題も、ぜひ聞く場を設けていただきたいと思います。これは要望です。
次の質問が、私たちの会派で取り上げた公共施設の総合管理計画についての経営基盤部の話です。
何でこういうことを取り上げたかは、県有施設は特に教育施設が多いというのですが、私は文教警察委員会ですが、人口減少によって県立高校の統合計画がないと、まずどういう計画でやっていくかという利活用に行かないんですよね。子供も減るのは分かっているわけで、今生まれた子が15年先に入学するときにはもう、これだけの県立高校は要らないというか、今のままだったらどこも定員割れになってしまうわけで、早く予想がつくわけです。それを当事者の理解を得ながら丁寧にやっていくから時間がかかって、今日は高校の統廃合の計画をつくる場ではないのですが、そういうそれぞれの計画がここ3ページにあるわけですけれども、その上で初めてこの総合管理計画ができると思うんです。
それぞれの計画の中身を知らないことには、総合管理計画ができないのですが、この計画を立てる前にどのような意見聴取を、県としてこういう会議の場がありますなど、そういう事前調整の場というのはどういう形でやっているんでしょうか。
○竹田資産経営課長
現在、次期計画をつくるに当たって、いろいろな所と調整しているところでございます。その中で、こちらのペーパーにもありますとおり、現計画の振り返りをやっていこうという話がありますので、各個別施設計画を持っている所属に、先週、先々週ぐらいに話に行ってまいりまして、1回振り返りをやってくれという話をお願いしてございます。それに基づいて、また本計画をどうやっていくかを考えていこうかと思っております。
○杉山(淳)委員
これは、本当に、最後の5ページに市町と連携したファシリティマネジメントの推進とあります。どういうことかと言うと、例えば県で私がこの2、3年で知っている例は、私は駅南の駿河区に住んでいて、小鹿というところに職員住宅がありました。その1キロ以内のところに南警察署があります。南警察署は狭隘で、移転する場所を探しています。しかし、その移転場所で仮に庁舎などを造るべきいい土地があるのにもかかわらず、県はもうそれを売ってしまいました。それぞれやっていくのは、1個1個は正しいことなんだけれども、そういうことをちゃんとやっていかないと、将来、今度は南署を移転します、どうするか知りませんが、土地を探します。もしかして建て直しだったら、仮庁舎を造りますって、そういうところを連携的にやっているとはとても思えないんです。もう1個言うと、例えば近くの保育園を建て替えます。そのときに仮園舎を造る土地を探します。たまたま県の職員住宅の跡地がそこにあります。そういう市町の連携も必要で、かからない費用がかかったり、今ある建物が少し利用ができたり、そういうことをトータル的にやっていくことがこの計画です。これはうちの田口議員がすごく言っていることで、しっかりとした計画をつくらないと無用なコストがかかると。将来どんどん縮小していく人口だからというところの、この総合計画がありますと言うんですけれども、どこまで踏み込んで計画を立てているのかは、すごい疑問があるんです。もう小鹿の職員住宅を売ってしまったという時点で。
それで、売る前に、例えば静岡市さんに周辺の公共施設の建て替えのこういう施設を使いませんかといった照会をするというのがこの方針だと思うのですが、市町と連携したマネジメントというのは現状どんなふうになっているんですか。
○竹田資産経営課長
総合管理計画につきましては、全体の話でございますのでそれぞれ個別の話ではないということが、まず前提であります。市町との連携につきましては、私たち資産経営課として各市町にどんな土地が今、空いているかなど情報をもらって、各市町と情報共有はしております。
資料4ページ5(2)にもありますとおり、今後庁内体制についてはもうちょっと検討することを考えておりますので、新しい庁内体制がもしできましたら、そちらを使ってもう少しスピーディーに、また効率的にいろいろな調整をしていきたいと考えております。
○杉山(淳)委員
今日は所管事務調査ではないのでこのぐらいにしますけれども、要はやってないということだと思うんですよ。竹田資産経営課長は、やっていなかった、不十分だったと正直に認めて、もう少しこれからどうしていこうかとぜひ考えていただきたいと思うんです。恐らく、例えば市の近くのこども園の建て替え用地がないと言っていて、仮園舎などそこが最適だったと思うんですよね。もしかしたらそこに建ててもよかったかもしれないし、そうしたら、また新たな土地があってということで、いろいろなことをやっていくことによって、余分な金がかからないというか。それから、既存の建物を少しでも活用できると。私、山梨県へ行ったらすごい広い役場があったんです。そこは県立高校だったんです、もともと。すごく広い駐車場のある役所だったのでびっくりしたら、合併で大きくなったので、県立高校の統廃合で使っていない高校をそのまま使っているんです。だもんで、そういうマネジメントをするような計画をぜひ。
○和田委員長
9番委員、いいですか。
特別委員会で、9番委員がそういう提言を県の当局にしたいという話であれば、ここで今さら言う必要はないし、現状はどうなっているんだということを確認するだけでいいのではないですか。そういう提言をしたいのであれば、最終的に提言をまとめて皆さんに諮る形の委員会だと思うんで、当局がやってないとか、やっているとか、そういう話ではないと思います。質問の仕方あるいは内容を考えてやっていただきたいと思います。
○杉山(淳)委員
とにかく言いたいことは、他県の例を学んで、私たちが提言しますので、ぜひ執行部はその提言の前にまずやっていることを点検していただきたいと思った次第です。ここでもしっかりと言っていただきたかったんですけれども、具体例を挙げて、また何かの機会で教えてください。
あとは、先ほど市町との連携の場というのは、もう少ししっかりした説明が欲しかったんですけれども、私の会派のほうで少し考えることがあるので、ぜひそのときは前向きに取っていただいて、今の体制は不十分ということを指摘させてもらったので、それに向けてしっかり会派の意見をまとめて、この委員会に提出したいと思います。よろしくお願いします。
このページに関するお問い合わせ
静岡県議会事務局議事課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3482
ファクス番号:054-221-3179
gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp