本会議会議録
質問文書
令和6年決算特別委員会厚生分科会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 伊藤 謙一 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 10/29/2024 |
![]() | 会派名: | 自民改革会議 |
○伊藤(謙)委員
分割質問方式で4問伺います。
まず、健康福祉部関連で3問お伺いします。
主要な施策の成果及び予算の執行実績についての説明書8ページ、災害時の個別避難計画、災害時のケアプランの策定に関して、21ページの事業費3万7810円と477万7327円に関して伺います。
個別避難計画等の先進事例を紹介して会議内で報告し、各市町の理解を深めると書いてありますが、この報告会を行った事業効果についてまずお伺いします。
また、25ページを見ると各市町の中で要配慮者の個別避難計画作成支援の進捗にばらつきがあると書かれていますが、理由をどのように分析しているのか伺います。
次に、ふじのくに出会い応援事業費3451万7500円のうち令和5年度の成婚件数が30組、また令和3年度からの合計で45組と一定の成果が出ていますけれども、ホームページ上の利用者の声を拝見した中では、こういった県のサービスがあることはとてもありがたいとも書いてあって一定の評価をします。民間事業者も実施していると思いますが、改めて出会いの支援を県が行う意義と、それに対して本県がこのサービスを行うことによる利用者側のメリット、デメリットをどのように考えているのか伺います。
また、この一連の事業報告を見ていると、課題認識として、会員登録者数を上げることにかなり説明を割かれていると思います。会員登録者数を上げれば成婚数が上がるかもしれないけれども、果たしてそれだけがこの事業に求められていることなのかなと個人的には思うものですから、会員登録者数を上げれば成婚数が上がると思われている理由をお伺いします。
3点目、151ページに独り親家庭の子の高校卒業程度の認定に対して、取り組まれれば10万円助成する事業が載っているのですけれども、令和元年度から5年度までの実績が1件となっている要因は何かお伺いします。
以上3点、よろしくお願いします。
○村松企画政策課長
災害時の要配慮者、避難行動に配慮が必要な方への支援で、個別避難計画の作成等について2点お答えいたします。
まず、報告会等で各市町への横展開を行った結果、様々な事業効果がございました。もう一つの質問にあったばらつきにも共通するところですけれども、取組が進んでいない市町におきましては、特に担当者が代わられた場合にまずどこから手をつけたらいいのか分からないといった声もよく耳にするところでございます。
そうしたところに、先進的な取組を行っている市町から、我々はこうしましたよと共有することで取組に関する力の入れ方が変わってきたと感じております。それから横展開する中で伺った意見で、指導してくれる方がいるといいなとの声も伺いましたので、アドバイザーを派遣する取組も進めています。
次に、どうして取組にばらつきが生じるかでございます。これは地域の実情は様々でございますが、大きな傾向としては、その地域のコミュニティーといった地域社会の構造の変化によって、配慮を必要とする方への支援をする人自体の確保がなかなか難しいところが挙げられます。
それから、個人情報の保護の考えも地域によって変わるといった理由はございますけれども、その地域社会の状況がこのばらつきの一つの大きな背景にあるのではないかと考えております。
○松本こども未来課長
1点目、ふじのくに出会いサポートセンターを県で設置する意義、経緯ですけれども、まず本県の出会いサポートセンターは、独身証明書の提出、会員との面談といった形で厳格な本人確認を行っております。若い世代における未婚化、晩婚化の進行が少子化の大きな要因として指摘されている中、結婚を希望しながら出会いの機会がない若者の声に応えるため、県では市町と連携して2022年1月からふじのくに出会いサポートセンター、しずおかマリッジを開設し出会いの創出、結婚を希望する方の支援に取り組み始めた状況でございます。
次に、民間事業者との違い、メリット、デメリットについての質問ですけれども、こちらは先ほど申し上げました県が厳格な本人確認により運営に関わる安心感、安価な入会の登録料、また民間等ではいろいろ条件の制限がございますけれども、本県では、年齢制限、収入制限を設けないため結婚を希望する方が求めるサービスに応じてすみ分けができていると考えております。
また、県と市町が連携して結婚支援を展開することで、社会全体で結婚を応援する機運の醸成にもつながり結婚関連の市場活性化にもつながると考えております。
また、3点目の独り親登録者を増やすことが課題なのかといった質問につきましては、引き続き成婚者を増やしていくための一つの方策として、マッチングの可能性を高める側面と、様々な属性を持つ会員数の増加は必要な要素の一つだと考えております。
しかしながら、5番委員から御指摘もありましたけれども、会員数だけが増えればよいわけではございません。県内市町との協働した企画、結婚コンシェルジュの活用などを行い、それぞれの会員のニーズに合った、寄り添った支援をしてまいりたいと思っております。
○村松こども家庭課長
ひとり親家庭再チャレンジ高等学校卒業程度認定試験合格支援事業の利用状況についての要因ですが、こちらの事業は国の補助事業を活用して県で実施しております。実施主体が県及び市になっており、県の対象は町に住む独り親、もしくはその子供になります。まず高校に入学する子供の数が非常に多い状況がある中で、県の対象となるのが町の住民になるものですから、そもそも対象となる親と子供の数が少ないこと及び、高校卒業の認定を受けるに当たっては、高等学校に在籍して単位を修得する講座があり、その場合は、高等学校等就学支援金制度の対象になり、この補助事業の対象にならないこともあり、なかなか利用に結びついていないと認識しております。
○伊藤(謙)委員
それぞれありがとうございました。
もう一度幾つか再質問をさせてください。
まず1点目です。災害時のケアプランの策定に関してですが、今答弁していただいたように、どこから手をつけたらいいか分からないことに関しては、アドバイザーさんのアドバイスが非常に効くと思うのですが、地域のコミュニティーの構造で、人の確保や個人情報の取扱いが課題になっているとすると、アドバイザーさんに求められることはより専門性も高いといいますか、もう一歩踏み込まないと課題解決には至らないのかなと感じます。県がアドバイザーに求めていること、アドバイザーを配置することでできると思っていることを伺います。
2点目です。ふじのくに出会いサポートセンターですけれども、利用者を増やしていくことは全く否定するわけではないものの、県が結婚相談を行っているメリットは、厳格な審査、本人確認とか、ある種利用者に対してフィルターかけるところが強みとおっしゃっていると私には聞こえています。だとすると利用者数を増やしていくのはいずれどこかで頭打ちが来ると思っています。頭打ちがいつ来るのかが分からないのがこの事業の難しいところだと思っています。そこに対して、私としては辞めてしまった人たちの声や、いわゆるクレームに当たるものをしっかりチェックをしながら、サービス自体の改善を求めたいと思っています。例えば利用者の方々の退会理由やクレームなど費用の面以外のところで何かあれば教えていただきたいなと思います。
3点目の独り親支援に関しては意見とさせていただきます。内容を見たときに今の社会にとって非常に必要な制度じゃないかなと感じました。
一方で、その要件に当てはまる人が少ないから、今のこの利用実態につながっていますというのが答弁内容だと思うのですけれども、今の社会環境を考えると、必要としている方はもっと多いと思ってます。国から頂いたお金なのでこの要件緩和ができるかどうか分かりませんが、ぜひとも使いやすい制度になることを望んで意見とさせていただきますので、前の2点のみお答え頂きたいと思います。
○村松企画政策課長
アドバイザーの役割等についてお答えします。
個別避難計画作成のためには、避難行動要支援者――避難行動に支援が必要な方、御本人や近隣住民、自主防災組織、民生委員といった地域の防災、福祉関係者や各市町の防災部局や福祉部局といった多様で異なる立場の皆様が横断的に協力して取り組む必要があります。現在お願いしているアドバイザーの方は福祉の専門団体、関係団体などいろいろな背景をお持ちです。市町職員などそういったいろいろな視点で、異なる背景を持つ市町の状況に合わせたアドバイスを求めています。
ただ、地域社会の脆弱化の傾向は止まらないものですし、先般の能登半島地震でも非常に課題になりまして、特に地震災害という性質もあったかとは思いますが、この個別避難計画が実際に活用できたわけではなかったと聞いています。そのことを考えますと、個別避難計画の取組を引き続き全力で取り組んでいくことに変わりはございませんが、それだけではなく例えば御自宅の耐震化がきちんと整っていれば在宅でもきちんと支援を受けられるといった、いわゆる在宅避難の考え方がこれからさらに重要になっていくと思います。
1つの手段だけに頼り切るのではなく、いろいろな福祉、災害時の福祉支援の在り方をこれからずっと考え続けていかなければいけないのではないかと考えております。
○松本こども未来課長
ふじのくに出会いサポートセンターの会員につきましては、1年会員、2年会員と会員の期間を設定しています。5番委員から御指摘がありましたように、会員の更新が実際の会員数に大きく影響を与えているため更新されなかった会員様の声は非常に大切だと考えております。
女性会員の割合が少ないこと、女性のイベントへの参加が少ないといった御意見がありました。また、ホームページから入るシステムの使い勝手が悪いとの声もありましたので今年度改修しています。今後も引き続き利用者の声を聞きながら皆さんにとって使いやすいセンターになるように進めてまいりたいと思います。
○伊藤(謙)委員
それぞれ意見を申し上げます。
まず、災害時の避難計画ですが、非常に腑に落ちました。計画策定だけではなくて、ほかのことも行いながら多面的に支援していくのは非常に実情に合った話だと思います。
ただ一方で、この計画策定を努力義務という形でやるんですけれども、アドバイザー配置までしながら予算を使って事業化して県がやっていくと、私は事業に対して県の責任は生じると思っています。県内35市町あるんですけれども、きちんと目標をつけて、全ての市町が計画をつくることと、計画に対して時間軸がひもづくように取組を行っていただきたいと思います。
ふじのくに出会いサポートセンターについての御答弁内容はよく分かりました。運営者側として利用満足度を上げる取組を日常的に数値としてチェックする仕組みづくりができると良いと思いました。これは意見とさせていただきます。
それではがんセンターについて1問お伺いさせていただきます。
令和5年度病院事業で、4億8000万円の事業損益が出ています。このことについてのがんセンターとしての評価、収支改善に向けての対策、そして入院患者数及び外来患者数減少の要因、以上3点お願いします。
○鈴木マネジメントセンター長兼経営努力室長
コロナ禍以降、令和2年度から4期連続で赤字決算となっております。令和5年度の医業収益につきましては、入院、外来ともに患者数は前年度を下回っておりますが、1人当たりの単価が上昇しており、前年度より9億7800万円余の増となっております。
また、医業費用につきましては、人事委員会勧告の実施等による給与費の増加、あるいは薬品費の増加、労務単価上昇に伴う委託費の増加等により9億3900万円の増となっておりますけれども、医業損益は差引き3900万円改善しております。
一方、医業外損益につきまして、新型コロナウイルス感染症対策事業費補助金の減などにより、収支が1億8100万円ほど悪化し、また特別損益も6100万円ほど悪化し、結果として病院事業損益は前年度比2億円余の収支悪化となり、4億8400万円の赤字となっています。
収支改善に向けた今後の対策ですが、収入面におきましては病床の稼働率91%を目標としております。また1日当たり20件の手術件数を目標と掲げて、その達成に取り組んでまいります。あわせて診療報酬加算の算定の徹底により令和5年度以上の収入確保を図ってまいります。
また、支出面は効率的な業務により時間外勤務を抑制することで給与費の伸びの圧縮、また医薬品の効果的な価格交渉、委託業務の内容の見直し等を行い削減を図ってまいります。
なお、4期連続で赤字決算となったことも踏まえて、今年度外部有識者による委員会を設置し、当センターが社会から求められる医療とさらなる経営改善につきまして、幅広い見地からの御意見、御提言を頂くこととしております。
また、入院患者数の減少の要因については、新型コロナウイルスの院内クラスターが発生した際に病棟への入院制限等、感染拡大対策を取ったことによるものと考えております。
外来患者数の減少の要因でございますけれども、病状の安定等によりお住まいの地域の医療機関へ逆紹介した人数が増加していること、また新型コロナウイルス感染症の終息に伴いまして、病院職員やその御家族を中心とした抗原定量検査のみの患者の受診が大幅に減ったことなどが考えられます。
○伊藤(謙)委員
最後、意見だけ申し上げます。私はがんセンターは静岡県にとって非常に特色のあるすばらしい施設だと思いますので、ぜひとも今後収支改善を続けていただきたいと思います。よろしく願います。以上です。
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