本会議会議録
質問文書
令和6年2月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 河原ア 全 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 03/08/2024 |
![]() | 会派名: | 自民改革会議 |
○河原ア(全)委員
一問一答方式でお願いします。
最初に、危機管理くらし環境委員会説明資料の24ページの移住・定住の促進について伺います。
過日、新聞でも報道されましたが、本県が首都圏からの移住希望4年連続1位ということで、4年連続は大変すばらしい結果だと思います。
御担当の皆さんの努力の結果とありがたく思っております。
全ての年代でトップクラスが続いていますが、この要因はどこにあるか教えていただきたいと思います。
○松田企画政策課長
東京の移住相談センターで市町等と連携して毎週末開催している出張相談窓口が、ふるさと回帰支援センター内で最多の年間70回に上るなど、ふじのくに住みかえる推進本部として市町や関係団体の皆様と連携し継続的に丁寧に相談対応に取り組んだことが評価につながったと考えております。
○河原ア(全)委員
そういう努力の結果だと思いますが、そういう中で年代別では僅かな差ですが20代、40代では群馬県が首位になっています。
その隣の栃木県も上位となっており、この辺りが人気があるようです。
群馬県が20代、40代で首位になっている理由はどうお考えでしょうか。
○松田企画政策課長
群馬県は若年層を集めやすい平日夜間にセミナーをたくさん開催しております。県立博物館と連携した親子向けの恐竜リモートツアーを盛り込んで実施するなど、内容も工夫して実施していることが窓口への相談にもつながったと聞いております。
○河原ア(全)委員
群馬県が持っている具体的な魅力などはあまり作用していないということでしょうか。
○松田企画政策課長
移住就業支援金の利用者数につきましても、静岡県が今のところ1位だと思っていますが、群馬県もかなり多く、栃木・群馬などの北関東はやはり首都圏からの近さが本県と同じく強みだと思っております。
その上で報道などを見ますと物価も安く、本県としても群馬県との差別化を研究して対策を取っていきたいと思っております。
○河原ア(全)委員
説明資料には来年度新規に広域移住コーディネーターを配置するとありますが、どういう場所に配置し、どんな業務を行う予定でしょうか。
○松田企画政策課長
コーディネーターは外回りの仕事が中心になり、配置先に常時在席することはあまり想定しておりません。このため、県全体の担当は静岡市内、伊豆地域の担当は下田市内と、県と円滑な連絡体制を取れる場所への配置を現在検討中でございます。
基本的な業務内容としては、市町や企業等を随時訪問し、東京の相談センターから市町につないだ移住希望者の現地での検討状況や課題等の情報収集や情報交換、あるいは地域の中での働き方などの情報に詳しい方とのつながりを作っていただくことを想定しております。
さらに、移住の検討が滞っている移住希望者に対しては、市町の区域を越えた生活圏など広域エリアでの新たな選択肢を提示するなど、地域の特性を踏まえた広域的な受入れ態勢の強化につながる活動を想定しております。
○河原ア(全)委員
具体的に人はもう決まっていますか。
○松田企画政策課長
人選等は検討中でございます。
○河原ア(全)委員
ぜひとも上位に居続けてもらいたいと思います。
たまたまですが、一昨日BS朝日の魚が食べたいという番組に御前崎港の漁師が出ていましたが、20代の移住者の方でした。また一昨日の日本農業新聞には御前崎市でイチゴを作っている――38歳のときに移住してきて今6年目の44歳――方の記事が出てました。
やはり1次産業を担う方に移住してきていただくと、地域の中でその職業のベテランの方から指導を受けたりして人間的なつながりもでき、地域づくりのプラスになっていくと思います。取りあえず人数を増やすことは大事ですが、もう1つ上の段階を考えると、やはり生産年齢人口に当たる方で、地域に溶け込んでいただける方が移住してくれると、私ども田舎に住んでいる人間はとてもありがたいと思います。
まず第1段階は人数ですが、第2段階としては地域に溶け込んで地域の振興に関わっていただける方という点もぜひ心がけて取り組んでいただければと思います。
次に、説明資料25ページの消費者行政の推進について伺います。
屋根修繕工事の訪問販売の会社が行政処分を受けたという新聞報道がございました。新聞の記事ではかなり悪質なイメージを受けましたが、どのような不当行為があったのか、詳細をお伺いします。
○望月県民生活課長
今回の処分に当たっては、説明資料に記載のとおり3つの不当取引行為を認定しています。
まず、勧誘目的等不明示ですが、この事業者は訪問販売の勧誘に先立って、工事契約の締結を勧誘する目的で訪問したことを明らかにしておりませんでした。
次に、書面不備記載ですが、同事業者はクーリングオフが電子メール等の電磁記録の送信でも可能になっているにもかかわらず、書面等の紙媒体によらなければクーリングオフできない旨を印刷した契約書面を交付したほか、代表者が担当者として契約した際には、担当者欄に偽名を記入して契約書面を交付をしておりました。
さらに、不実告知ですが、同社は工事の必要性がないにもかかわらず、屋根が傷んでいるなどと事実と異なることを告げ、工事契約の締結を勧誘していました。
○河原ア(全)委員
この件について、消費者相談窓口には何件ぐらい相談があったのでしょうか。
また、いつ頃からそういう相談があったのかお伺いします。
○望月県民生活課長
今回処分をいたしました事業者につきましては、令和2年7月31日に会社を設立しておりますが、県内の消費生活相談窓口には令和2年度から相談が寄せられていました。
処分に至るまでの相談件数につきましては58件で、そのうち契約に至ったのは41件です。クーリングオフ契約後にクーリングオフになったものも含みます。
○河原ア(全)委員
結局、約4年ぐらいかかっていると思います。感覚的にはちょっと長いと感じますが、処分までにはやはりこれくらいかかるものでしょうか。
○望月県民生活課長
今回の事案に関しては、令和2年度の会社の設立以降から窓口に相談が寄せられた状況であったことから、県としては違反の疑いがあるということで、令和3年7月に一度事業者指導を行っております。
事業者指導は本来非公表としておりますが、今回の処分に当たり事業者がこのときの指導にも言及して反省の弁を述べているため、今回につきましては指導の実施についても報道機関等に公表しました。
指導実施後、一度相談は減少の傾向となりましたが、その後再び違反行為と疑われる相談が出たことから、詳細な調査を開始し今回の処分に至ったものであります。
○河原ア(全)委員
今回はこのような悪質な業者ですが、ほかにも電子媒体を使った詐欺等も増えていると思いますので、県民への呼びかけをよろしくお願いします。
次に、説明資料26ページのNPO施策の推進について伺います。
新規事業のNPOにおける女性人材の活躍支援ですが、この施策はNPOを推進するためにやるのか、女性活躍のためにやるのか、どちらが主でしょうか。
○望月県民生活課長
どちらかといえばNPOの活性化を主眼とする事業です。NPOの人材不足、担い手不足を解消するために企業とのマッチングや若者移住者をターゲットにした事業等を行ってまいりましたが、来年度は女性活躍支援を含めて新規にやっていこうということででございます。
○河原ア(全)委員
女性人材の活躍支援を通して、NPOの活動を活性化させていく意味合いですね。
具体的にどういう取組を行っていくか教えてください。
○望月県民生活課長
NPOへの支援経験を有する団体への委託を予定しており、具体的な内容は企画提案を公募した上で決定してまいります。
想定している内容としては、例えばNPOの女性リーダー同士が情報交換し合う交流会の実施、オンラインコミュニティづくりの支援、これからNPOを担う女性を対象としたNPOの代表経験女性講師によるケーススタディ講座の開催などを考えております。
また、NPOの機動的で柔軟な運営体制を生かし、自治体等と連携して地域課題を解決する事業をパイロット事業として実施したいと考えております。具体的にはNPOと自治会とのマッチングや実施した事例の横展開に向けた成果報告会等の支援を考えております。
○河原ア(全)委員
予算1600万円の内訳はどうなっていますか。委託するというお話もありましたが、どんな場面に予算が使われていくのかお伺いします。
○望月県民生活課長
企画提案を募集して委託する予定になっており、具体的な内訳はその段階で決まっていくものと考えております。
○河原ア(全)委員
そうすると、提案次第ということになるのでしょうか。
○望月県民生活課長
ある程度提案によるところはございます。なお実態調査に関しては予算200万円程度を予定しており、別の委託業務で組み立ててまいります。
○河原ア(全)委員
時々聞くのが、委託するとお任せになってしまい、県があまりタッチしない場面も出てきがちだということです。やはり県自身が手をかけていくことも大事だと思います。
成果についてですが、この事業の効果はどういうところで判断していく予定でしょうか。
○望月県民生活課長
委託先と県とで定期的に打合せ等を行い、その上で企画提案されたおのおのの事業の具体的な数値目標を決め、実施してまいりたいと考えております。
また、成果報告等を通じて、支援を受けた団体や女性リーダー等から満足度や今後の新たな展開の可能性等についてヒアリングを行い、事業効果を確認する予定としております。
○河原ア(全)委員
委託先がもうかって終わりだと大変もったいないので、実際に活動している方々のためになる事業や予算の使い方をしていただければと思います。
次に、説明資料33ページの災害時における応急仮設住宅の建設に関する協定について伺います。
一般社団法人日本ムービングハウス協会と令和6年2月14日に協定を締結したとありますが、この日本ムービングハウス協会とはどういう団体で、これまでどの程度災害支援を実施してきたか伺います。
○稲垣住まいづくり課長
まず、ムービングハウスについて若干説明させてください。説明資料33ページにイメージ写真がありますが、ムービングハウスはあらかじめ工場において内外装や台所、トイレ等の設備を取り付けた居住ユニットを製作し、それをトレーラーで現地まで運び込みます。最短2週間で完成が可能であることから被災者に早期の供与ができるものです。
一般社団法人日本ムービングハウス協会は、本部は北海道にあり、災害時にムービングハウスを応急仮設住宅として供給することで社会的な貢献をするとともに、日常でも店舗や宿泊所などに利用されるムービングハウスの普及を図っている団体です。
ムービングハウス協会の災害時における支援実績ですが、平成30年の岡山県倉敷市における7月豪雨で初めて災害救助法に基づく応急仮設住宅に採用され41戸を供給しております。続いて、同年の北海道胆振東部地震では応急仮設住宅を19戸、応急的な仮設の寮を26棟を供給、令和元年の台風19号、令和2年の熊本豪雨、令和4年の新潟県村上市における8月豪雨などでも災害時の支援を行っております。
今回の能登半島地震におきましても、1月12日から工事着工し、輪島市では2月3日に18戸、珠洲市では2月9日に40戸が完成し、最初の応急仮設住宅として被災地に引き渡されました。
○河原ア(全)委員
南海トラフ地震が発生した場合に、本県においては応急仮設住宅は何戸ぐらい必要になるか、危機管理部の所管かもしれませんが、もし分かれば教えてください。
○稲垣住まいづくり課長
応急仮設住宅の必要戸数は、第4次被害想定では約11万2000戸と想定されています。内訳としては、建設によるものを約4万6000戸、民間賃貸住宅を借り上げての対応で約6万戸、公営住宅等の空き部屋の活用を約6,000戸と想定しています。
○河原ア(全)委員
ムービングハウスは、確かに早くできて移動できるのでいいものだと思いますが、ただ数が数十ですよね。必要とされる数は桁が違います。それくらい数字的に違っても、何かプラスというか使えるところはあるのでしょうか。
○稲垣住まいづくり課長
今回の能登半島地震でも、被災後も被災地で過ごしている方がいて、災害弱者と言われる方が困っている状況があります。
一番大切なのは、住まいの確保を迅速に行うことになります。戸数は少ないかもしれませんが、迅速に行われることを考えると、協定を結んでムービングハウスを運び、供給することは大きな効果があると考えております。
○河原ア(全)委員
道路さえしっかりしていれば活用できると思いますので、仮設住宅の1つの方法として有効に使っていただければと思います。
次に、説明資料34ページの木造住宅の耐震化に向けた取組について伺います。
今回の能登地震では壊れた住宅も多かったですが、やはりその原因は住宅の耐震化が進んでいなかったということで、輪島市における住宅の耐震化率は45%、珠洲市では51%でした。
本県は耐震化が進んでいると思いますが、伊豆半島は県の平均よりも低いという報道もあります。
賀茂地域の耐震化率は、ほかの地域と比べて具体的にどれくらいの状況になっているか伺います。
○鈴木建築安全推進課長
県の推計値ですが、賀茂地域の耐震化率は1市5町の平均で68.3%です。県全体の89.3%を大きく下回っており、耐震化が遅れていると認識しております。
○河原ア(全)委員
いつ地震が起きるか分からないと考えると、何らかの対応をしなければいけないと思いますが、説明資料34ページに、賀茂地域等については市町と連携し働きかけを強化していくとあります。
具体的にどんな働きかけをしていくか伺います。
○鈴木建築住宅局長
賀茂地域の市町は規模も小さく、現実的にマンパワーも限られています。我々はそういった市町を丁寧に支援する必要があると考えています。
具体的には、県職員――くらし・環境部と危機管理部の職員が一緒に市町を訪問し、耐震補強のみならず、防災ベッドの設置等、命を守る取組も併せて呼びかけることを徹底してやっていきたいと考えております。
○河原ア(全)委員
県が出向いていくことは、非常に大事だと思っています。市町はマンパワー的に苦しいところがありますので、県の職員が現地へ行って、一緒に考えていくことが大変大事だと思います。県も人がたくさんいるわけではないと思いますが、ぜひ具体的な動きをしていただければありがたいです。
「TOUKAI−0」については、無料の耐震診断が来年度まで、耐震補強助成等は令和7年度までとなっていて、仕上げのときだと思いますが、今回の能登半島地震を受けて、来年の予算で何か対応したものがあるか伺います。地震が元旦だったので、来年度予算はほぼ固まっている時期で大変難しいところだったと思いますが、そういう中でも何か新たな動きがあれば教えていただきたいです。
○鈴木建築安全推進課長
2点ありまして、1点は重点広報による呼びかけの強化です。テレビCM、新聞広告、戸別訪問、ダイレクトメールなどのメディアミックスによる重層的な呼びかけによる相乗効果を期待しております。
もう1点は、助成枠の拡大です。耐震診断につきましては400棟、耐震補強助成につきましては約100棟、計約3000万円弱の割増しを今回の議会にお諮りしています。
○河原ア(全)委員
東京都では今年度から、昭和56年以降の耐震基準の中で平成12年以前に建てた木造住宅も補助対象としていると伺いました。
本県は、昭和56年を区切りにやっていると思いますが、東京都と同じように平成12年を基準にする対応は考えていますか。
○鈴木建築安全推進課長
現時点では補助対象としておりませんが、今回の能登半島地震の発生を受けまして、国において建築物の構造被害の原因分析が開始されたところです。この議論の状況を注視し対応を検討していきたいと考えております。
○河原ア(全)委員
説明資料43ページ、イノベーション事業の1つにもなっている廃棄物の再資源化モデルの構築について伺います。
非常に大事なことだと思いますが、ただ割と地味な部門ではないかとも思います。
これが、県の来年度予算の重点項目の1つになっている背景を伺います。
○片山廃棄物リサイクル課長
家庭や介護施設等から出る使用済み紙おむつのほとんどは一般廃棄物として回収され、焼却処理されています。
高齢化の進展に伴い、今後も排出量の増加が見込まれており、焼却施設への負担の増大やCO2発生量の増加が懸念されることから、焼却処理量を減らしたり、再生利用により資源循環を推進していく必要がございます。
環境省は、全国で再資源化の実施、検討に取り組む自治体を現在の35自治体から2030年までに約3倍の100自治体に増やす方針を示したところです。
また環境だけでなく、介護や子育てに関わる人への負担軽減にも寄与します。
このような背景から、他県に先駆け、課題解決に向けて本事業を展開することとしたものでございます。
○河原ア(全)委員
予算額2000万円が高いか安いかは人によって判断が分かれると思いますが、2000万円の予算を新規で取ることは簡単なことではないと思います。強い意志を感じます。
特別な狙いがあると思うのですが、今の説明はこれから高齢者が増えて乳幼児だけじゃなく大人のおむつの関係もあるという一般的なことでした。
そのほかに、本県において取り組む何か特別な事情はあるのでしょうか。
○片山廃棄物リサイクル課長
1つには、全国的に取り組んでいる自治体がまだ少なく、技術的にこれからだということ。それから、本県には紙産業があり紙おむつについては素材が紙やプラスチックでできていることから、それを再生利用していく地域的な基盤があることを考えてのことでございます。
○河原ア(全)委員
説明資料見ると予算は1700万円ですよね。上限額が1000万円とあるので採択されるのは2つくらいかなと思いますが、ある程度応募の見込みはついているのでしょうか。
○片山廃棄物リサイクル課長
県では、令和4年9月以降定期的に市町や事業者を対象とする使用済み紙おむつリサイクル研究会を開催し、資源化モデルの実証実験の事例を通じて関係者と課題を共有しております。
その結果、幾つかの市や町で有識者などによる検討会や地域の事業者と連携協定を結ぶといった動きがあることから、本事業に応募頂ける市町等があるものと考えております。
○河原ア(全)委員
この事業は、令和6、7、8年度と3年度ぐらいあると思いますが、例えば2つの市町がエントリーしてきた場合、その2つが3年間継続してやるのか、1年ごとに変わるのか、そのあたりはどうなりますか。
○片山廃棄物リサイクル課長
年度ごとに区切るか、また上限額の考え方などについて、詳細は決まっておりません。
県は一般廃棄物の広域処理を推進しており、既に広域で処理している市町もございますので、複数の市町が共同で実施することも考えられます。応募状況を見て、弾力的にやっていきたいと考えております。
○河原ア(全)委員
大事なことですので、じっくりやっていただきたいと思います。
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