本会議会議録
質問文書
令和7年2月定例会産業委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 山本 隆久 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 03/06/2025 |
![]() | 会派名: | 無所属 |
○山本(隆)委員
一問一答方式でお願いします。
5番委員からも質問が出ましたが、日本茶の輸出拡大に向けて関東圏の訪日客に静岡茶をPRしているとのお話でしたが、輸出茶の需要に対して生産が半分しか追いついていないとなると需要を拡大する前にまず生産を伸ばすことが先決だと思うのですが、現在進行中の具体的な対策はございますでしょうか。
○佐田お茶振興課長
当初予算で海外向け品種転換支援の予算を計上しております。品種転換はなかなか難しいため現在拠点化計画を進めており、輸出を行っている茶商と結びついている既存のてん茶工場や有機茶工場に共同茶工場や個人の生産者から輸出向けの生葉を集めて、生産計画を立てながら供給パイプを太くする取組をしております。
○山本(隆)委員
オーガニックでないとなかなか輸入してくれる国がない、また有機茶を一からやろうとすると3年間は葉がつかないので、今からスタートしても収穫は3年後になることから、製茶工場の体制以前に小さな農家は3年間収入がないのは厳しいとの声も聞いています。有機茶栽培をスタートするための土壌や耕作放棄地の活用など、有機茶栽培を少しでも早くスタートさせる具体的な施策はございますでしょうか。
○佐田お茶振興課長
前回の委員会で6番委員から改植時に別の茶園を用意するのはどうかとの御提案を頂きました。県が茶園を買い取ることはできないですが、来年度の改植事業では賃借を優先したモデルを実施して、令和8年度以降は市町にも示して改植がスムーズに進むよう考えております。
○山本(隆)委員
ありがとうございます。ぜひ進めていただきたいと思います。
それでは次の質問に移ります。
産業委員会提出案件の概要及び報告事項28ページ、最近の雇用情勢について、県内の経済成長はやや持ち直しているとのことですが、有効求人倍率も対前年同月比を0.1ポイント下回ったものの、1倍台となったとのことですが、本県の有効求人倍率1.1倍に対して全国平均は1.26倍であり、0.16ポイント差と非常に大きく下回っております。
令和3年度から見てもずっと全国平均を下回っており、有効求人倍率が低いのは求める職の選択肢が少ないということで、幸福度日本一のウエルビーイングの観点でもなかなか難しい問題かと思っておりますが、その大きな要因と改善策をお聞かせください。
○村松経済産業部長
県内の有効求人倍率が全国平均と比べて低いことについて4月からずっと調べて分かったことは、この数字はいわゆるハローワークの数字でございます。例えば、テレビを見ますとビズリーチやインディードなどハローワーク以外の求職があります。多くの人がスマートフォンなどで求職していますので、ハローワークの数字が果たして実態を表してるのか少し疑問があり、労働局にも確認したところ、民間ベースの話で数字はないものの、そういったことがかなり影響しているとのことです。本県は製造業が主ですので、例えば自動車関連もハローワークを介さない派遣などいろいろな方法があるため、実態と数字が少し乖離しているのではないかと考えております。
ただ、有効求人倍率自体が低いことも事実ですので、そこは恐らく需要と供給のミスマッチもあると思います。数字だけではなくて業種別ではどこが何倍なのか、どこが全国平均より低いのか高いのかなどを分析して今後の政策に反映していきたいと考えております。
○山本(隆)委員
私も業種別の分析が大切だと思っていて、静岡県に限らずどこの都道府県もスマートフォンで求職している。特に東京都は若い人が多く、合算したら有効求人倍率が2.5倍ぐらいになってしまうかもしれません。
県内で有効求人倍率が思った以上に上がらない要因には、製造業の中小零細企業はなかなか採用までこぎ着けていない実態があると思いますので、引き続き零細企業への支援を要望いたします。
続いて、説明資料34ページ、スタートアップ支援(戦略の見直し)にベンチャーキャピタルと連携した資金調達支援とあります。
ベンチャーキャピタルが2000万円を融資したら県も同額を融資して、合計で上限4000万円の資金を調達するものですが、ベンチャーキャピタルとは、スタートアップに融資して経営コンサルも入れながら最終的には上場を目指してもらい、がっぽりリターンを得るのが基本なので、県もどのベンチャーキャピタルなら信用できるかという選定がすごく難しいと思いますが、選定基準の考えをお聞きします。
○山家産業イノベーション推進課長
ベンチャーキャピタルの認定につきましては、スタートアップ関係に識見のある有識者で構成する審査会で審査した上で決定する予定です。審査項目は、投資・支援実績、スタートアップへの目利き・支援能力、ファンド規模や資金力などの投資余力、地域経済への貢献といった項目を考えており、書類審査又はヒアリングを行う予定です。
認定ベンチャーキャピタルの要件は、まずなりわいとしてスタートアップへの投資機能を有すること、スタートアップの事業化支援機能を有すること、実際に常駐スタッフがスタートアップの事業を支援した実績、能力があることを予定しています。
○山本(隆)委員
例えば極めて有効なスタートアップを県内で立ち上げたいけれども、出資元が見つからない場合には、県がベンチャーキャピタルを紹介して結びつけることも今後やっていく予定でしょうか。
○山家産業イノベーション推進課長
県が認定したベンチャーキャピタルがスタートアップに投資することが前提になるため、スタートアップに制度を説明した上で出資を受けられれば該当します。そのスタートアップが県に交付金を申請すれば、ほかのスタートアップと同様に審査した上で採択する手順になります。
○山本(隆)委員
それからもう1つ、鈴木知事が浜松市長時代にこの制度を利用してスタートアップを随分誘致したので当然その辺は把握されていると思いますが、失敗すれば投資したお金もなくなるリスクがあるわけです。
この制度を使って誘致したけれども結果として駄目だった事例は把握されておりますでしょうか。
○山家産業イノベーション推進課長
浜松市のスタートアップ担当課とは随時情報交換をしておりますが、今のところ事業が取りやめになったことは聞いておりません。ただスタートアップ支援事業は浜松市内に事業所を構えることが前提になっておりますが、当初はただ登記しただけで活動実績がないスタートアップがあったといった課題を踏まえ、審査要件に地域貢献を重視する項目を設けたと聞いております。県としても県内への貢献度をスタートアップ採択時の条件とすることを予定しております。
○山本(隆)委員
まさにそうした実態がないペーパーカンパニーの話も耳に入ったのでお聞きしました。県として実施する場合にはそういうことがないようにお願いします。
続いて、説明資料51ページの水素を活用した脱炭素社会化に向けた取組について、水素ステーション整備費助成は国と連動して実施することになると思いますが、現在の県内及び本州にある水素自動車の登録台数を把握していたら教えてください。
○小笠原エネルギー政策課長
県内における水素ステーションの立地状況は現時点では5基ですが、今年度末に2基増えて7基になる予定です。
燃料電池自動車の登録台数は、後ほど回答させていただきます。
○山本(隆)委員
水素自動車は燃料を満タンにしてもそれほど移動できないと思いますので、県内に限らず本州でも水素ステーションがある程度必要だと思いますが、日本の水素自動車はトヨタ自動車株式会社以外の自動車メーカーが追随する状態でもないので、私は水素よりもEVの充電設備をどうしていくかが重要だと思います。これも行政がやる必要はなく、半径何キロ以内に必ずあるように集計して、民間企業に商売を促していくことも必要かと思い質問させていただきました。
次に、説明資料53ページの若者の県内就職支援についてです。マッチング支援の中で、前回も質問した就職支援協定を締結した県外大学での説明会に係る来年度予算が今年度より500万円以上も削減されていますが、今回の本会議でも若者の流出が非常に深刻で、スタートアップにしてもDX化にしても若い力が必要であるため、中高生から切れ目なく静岡県内への就職を促進していくことが大切だとの知事の答弁がありました。また県内大学への進学者の8割程度は県内へ就職するが、県外大学への進学者は3割程度しか戻ってこないと。原因もやるべき対策もはっきりしている中で、大学生への説明会等を主にした事業の予算が500万円も減っているのは、言っていることとやっていることの整合性が取れていない気がしますが、どういうことかお伺いします。
○八木労働雇用政策課長
予算額が減ったことにつきましては、これまで静岡UIターン就職サポートセンターに就職相談員を4名配置していたところ、相談件数が下がったため3名に変更したことにより事業費を削減しております。
○山本(隆)委員
そこが全く逆だと思うんですね。相談者が少ないから相談員の数を減らすのではなく、相談者が増えるように予算をもっと増やして広く細かく丁寧に広報するべきだと思うんですよ。相談員が少ないと相談が増えたときに順番待ちで声をかけられなくて機会を逃してしまったらもう行くのはやめようとどんどん尻つぼみになっていくと思うんですね。サービス業でも経費削減で売り子の数を減らしたら、混んでなかなか順番回ってこないからと客が離れて結果的に売上げが減る事例もあります。
やはり若い力はとても貴重なので、来年度相談員を4名から3名に減らして相談件数も減るのであれば、1億円、2億円をかけてもしっかりとUIターンを促進して一人でも多くの若者に戻ってきてもらう意気込みが欲しいと意見とさせていただきます。
最後に説明資料95ページ、アサリ漁業の現状と対応では、アサリの稚貝がクロダイに食べられないように砂利を敷いたり網に入れるとのことで、それぞれ予算が計上されていますが、実際にこの予算で何平米ぐらいの広さで試験ができるのでしょうか。
○伊藤水産資源課長
稚貝が着底する場所は、試験的に20メートル掛ける20メートルの広さに2か所設置しております。今後公共事業で行う前に、稚貝が着底してもクロダイの食害に遭うと困るため、網をかぶせることにより防除できるか確認する予定です。
将来的にこれがうまくいくようになったら、面積を1ヘクタール単位で広げていく予定です。
○山本(隆)委員
20年、30年前の頃は浜名湖のアサリは潮干狩りの取り放題で持って帰るのが嫌なほどの量が取れたこともありました。そこまでの復活は望めないにしても、観光としてアサリも獲れて、漁師も生活として成り立つためにこの試験の成功は何年先を目標にしているか聞かせてください。
○伊藤水産資源課長
アサリが復活するのはなかなか難しいところでございます。まず3年程度の目安を立てそこから規模を拡大するつもりで臨んでおります。
○山本(隆)委員
カキも毒が出ると駄目になり、アサリも駄目になると観光資源としても、また経済面でも死んだ湖になってしまい浜名湖の魅力がなくなるおそれがありますので、何とか御尽力頂き、しっかりと復活させていただきたいと思います。
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