委員会会議録

質問文書

令和元年10月子ども健全育成推進特別委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	山﨑　真之輔議員
	質疑・質問日：	10/24/2019
	会派名：	ふじのくに県民クラブ

○山﨑委員
　指標の話が出まして、国がかなり拡充されたのに対して、静岡県は４つしかとりあえずなくて、そこに課題があるということがわかったんですが、もし県が今後、そういった指標を改定していく場合には、例えばここに記されている国の指標に基づいて、これは絶対に入れるべきだとか、あるいは先生の観点で、こういった指標は本当にないとグローバルスタンダードから劣るとか、そういったものがあれば教えていただきたいと思います。

○津富宏氏
　グローバルスタンダードではないですけども、国の指標を見ながら、個人的な意見ですけども、申し上げていきますと、私自身は、先ほど申し上げたように、高校は入学しただけではしょうがないと思っていて。御存じかもしれませんけども、この辺の高校でも、物すごく簡単な高校ってありますよね。これは日本中どこでもそうなんですけども、大体、１年生のうちに１クラスぐらいいなくなっちゃうんです。やっぱり中退の問題は非常に大きいので、上から３番目の中退の話はとても大事だと思います。これは減ったほうがいいということですけども。
　それから、幾つかあると思うんですけれども、赤で足されたところは非常に重要だと思っていて、今度、国が給付型の奨学金をふやしましたけども、県として給付型の奨学金をお持ちでないような気がするんです。一部の職種につく人を除いて――看護師とかですね。給付型の奨学金の利用者数もふえていくことは大事だと思います。
　御存じかもしれませんが、文科省が新制度を来年度から適用するんですけども、予算に限度があって、収入上限額が非常に幅の狭い適用になっているんですね。これを自治体で、県のほうでも、もうちょっと高い収入のところまで給付型奨学金が出せれば、随分状態が変わってくると思います。
　それから、そのすぐ下の生活の支援、きょうもお見せしましたけども、滞納経験としての公共料金あるいは公共経験としての食べ物、衣服というのは、これはダイレクトな絶対的貧困ですので、これは本当にあっては困るわけですよね。これも計っていくのはとても大事だと思います。要するに、進学率とか上を目指したようなことではないことが必要だと思います。
　その下の頼る相手が必要だがいないと、これも非常に重要で、いわゆる関係性の貧困と言われることですけれども、人は何で死ぬのかというと、もちろん食べ物がなくて亡くなる方もおられると思いますけれども、孤独で死ぬ方のほうが多いわけですよね。余りいい話じゃないかもしれませんけど、赤ん坊を育てるときに、人が無視して育てればちゃんと育たないわけですよね。ですので、これも大変重要だと思います。
　保護者の就労状況も、就業率だけではうまくいかないのは先ほどお見せしたとおりなので、その下に国が正規職員を入れたのは重要だと思います。非正規でかけ持ちしなきゃいけないことは事実なんですけれども、むしろ正規職員について、４時上がりにしていただくようなことをお認めいただくほうがよくて、また、もちろんそういう企業に動機づけていただけるような施策があるといいなと。フレキシブルに働くということですね。
　それから、相対的貧困率自体が、これは黒で、もともと国が入っているんですけども、これは先ほど申し上げたように、自治体では自分で調査しないと多分出ない状況になっていますが、これもマクロの指標としては一番大事な指標ですので、やっていただきたい。
　あと、一番下、これはまだ試みのところですけども、ひとり親家庭が貧困である理由というのは、単純に言うと離婚したからですよね。離婚したのになぜ貧困かというと、日本の場合は、アメリカみたいに強制的に養育費を別れた相手から天引きするみたいな仕組みがないのが問題なわけですよね。全てのひとり親家庭をカバーすることはできないんですけども、今、明石市、大阪市、湖南市の３つぐらいで、公正証書とか一定の文書で取り決めをして、養育費支払いを決めた家庭に関しては、自治体がかわりに取り立てに入るということをやろうとしているところがあります。明石市はちょっとやっていますけども、まだ助けられるひとり親家庭は少ないんですけども、養育費問題というのは、日本のひとり親の困窮の恐らく最大の原因なんですよね。マジョリティーとは言いませんけども、労働問題も僕は大きいと思いますが、ただ、この問題も取り組みが基礎自治体では始まっているところがありますので、重要かなと思います。
　国の指標はこんな感じで、あと県では、子供の生活実態調査はしていないですよね。していますか。ちょっと僕、調べてこなかったんですけど。やっていれば、それを見ていただければいいんですが、静岡市はかなりやっていますけども、さっきの困窮みたいにやっぱりお金がある家庭とお金がない家庭で格差がある項目って常にあるんです。それを縮めるのは大事だと思いますので、調査を見ていただいて、こんなに差があるのかというようなものは、それを指標にしていくのが大事だと思います。
　あと、シンプルに、どの階層の家庭かを抜きにしても、困窮家庭から要望が多い。静岡市の場合は、16歳のお子さんをお持ちの御家庭で、一番要望が多いのは経済的給付なんですけど、２番目に要望が多いのはお子さんの就労支援です。その率を下げていく。やっぱり本当に困っていても、自分の就労じゃなくて、16歳になった子供の就労になっているわけですね。高卒にまずならないですから、その子たちは。そういうものを指標に入れていただくといいなと思っております。静岡市ともやりとりしたところなので、静岡市でもいろんな御検討をしてくださって、かなり工夫してくださって、指標を出してくださったばかりですけども、県もそうなるといいなと思っております。

○山﨑委員
　ありがとうございます。
　もう１つなんですけれども、後半のほうで、ベネッセの調査の格差意識、それから分断化ということで、結構ショッキングな傾向があるのかなと思って、諦めムードが各世代に広がっているのか、その辺の詳しいところがわかるのかと。
あと、私、結構、学生とか若者とワークショップをやったりするんですけど、子供の貧困とかをテーマにしても、余りぴんとこないんですね。若者からそういう貧困とか起きているんですかというような投げかけをされることもあって、意外に知られていないなと思うんですけど、そういった無知というか、わかっていないことがここに反映されているのか、ちょっとその辺の背景でもし補足があったら教えてほしいです。

○津富宏氏
　済みません、ベネッセの調査をもう１回見ないと、１問目は答えられないです。
　２問目は間違いなくそうだと思います。分断社会になってくると、多分、高校でも輪切りになっていますし、自分の身近にそういう人がいないという人がふえてくるのは間違いないです。
　実際、私、自分の大学ではそういうことを知っていただきたいので授業をしていますけども、先ほどお配りしたのも実は授業で配っている資料の１つですし、授業には、余り具体的に言うと問題かもしれませんけど、沼津市でキャバクラをやっていて、今はまともな仕事をされているんですけども、キャバクラの従業員ごと、女性の方も一緒に更生するために会社をつくった方とか、あと私の友達で、少年院出身者ですけども、少年院のことを知ってもらう映画をつくっている方だとか、いわゆる当事者の方々はたくさん来ていただいています。
　僕のイメージでは、実際には社会の中で、それに近い層も含めると、10％、20％はおられると思うんです。ただ、その層はほとんど見えなくなってきていると思うので、その層の方々が自分たちと本当に実は肩をつき合わせながらこの社会を生きているということを知っていくことが大事だろうなと思います。本当に出会っていないんじゃないか。そういう子が中学校にすごくいたよねという話はよくあるし、そこでとまっちゃっているような気がしますが。

○山﨑委員
　ありがとうございます。

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