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委員会会議録

質問文書

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令和元年9月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:伊丹 雅治 議員
質疑・質問日:10/01/2019
会派名:自民改革会議


○伊丹委員
 それでは、一問一答方式で質問させていただきます。
 まずは、議案第127号と議案第151号における豚コレラの緊急対策について伺います。
 また、9月補正予算の追加提案につきまして県内全域をカバーするのに十分な経費であるのか伺います。

○伊藤畜産振興課長
 豚コレラの緊急対策につきましては、9月14日に埼玉県、山梨県で新たに豚の感染が確認されたことから、関東圏からの豚コレラの侵入を防ぐため東部地域、中部地域での対策を追加提案させていただきました。
 具体的には、従来から畜産関係車両の消毒ポイントを湖西市に設置しておりますが、関東での発生を受けて東部、中部地域に計3カ所追加設置します。消毒ポイントは既定予算により緊急的に畜産関係車両を消毒するため、中部地域については9月25日に静岡市清水区の国道52号線の宍原スポーツ広場駐車場に設置しました。東部地域は9月27日に富士宮市上井出の国道139号線沿いの富士開拓農協駐車場に設置しました。東部地域のもう1カ所は御殿場市へ設置を調整しております。
 追加提案では、10月中旬以降から年度末までの消毒ポイントを維持するための費用を計上しております。
 設置箇所につきましては現時点では十分と考えておりますが、今後も県東部、中部地域が隣接している山梨県、神奈川県の状況を踏まえてさらに必要となる対策を実施してまいります。
 次に、監視のための捕獲についてです。監視のための捕獲とは、野生イノシシが感染していないかどうかを監視するための捕獲です。追加提案で東部、中部地域の山梨県、神奈川県境から20キロ程度の幅の地域、おおむね2,600平方キロメートルの地域を想定して1,560頭の捕獲を予定しております。

○伊丹委員
 ありがとうございました。
 現時点では十分であるとのことですが、今後も予断を許さない状況だと思いますので、しっかりと迅速な対応をお願いしたいと思います。
 あわせて豚へのワクチン接種を実施した場合には豚肉の出荷に対する風評被害も懸念されますので、ぜひ万全にしていただきたいと思います。また猟友会についてもなるべく手厚く支援していただくよう要望させていただきます。

 それでは、次の質問に移ります。
 議案第131号の農林大学校の専門職大学への移行について伺います。
 専門職大学の設置が認可されましたが、同校の特色、教育内容、農林大学校との異なる点について伺います。

○佐野専門職大学開学準備室長
 本県の専門職大学の特色は、農林業の現場を支えるプロフェッショナルであるとともにみずから農林業を営む、農山村の地域社会を支えていくことができる人材の養成を目標としている点です。そのため、教育内容につきましては農林業の実践力を高めるための実習に重点を置くとともに、農山村の景観や環境保全に配慮した農林業の生産手法や農山村地域の伝統文化などを学ぶカリキュラムを組んでおります。
 農林大学校と異なる点につきましては、どちらも実習に重点を置いた教育を行う点では共通しておりますが、専門職大学は理論に裏づけられたより高度な実践力を身につけるため、専門的な理論を学ぶ講義を充実させている点が最も大きな違いでございます。

○伊丹委員
 それでは、次に入学料や授業料が現在の農林大学校と比較すると高くなると思いますが、どのような基準で算出したのか伺います。

○佐野専門職大学開学準備室長
 本県の専門職大学の入学料や授業料は、教育水準や教育内容が類似する他の教育機関を参考に設定しております。
 まず、短期大学部につきましては、職業に必要となる専門的技術を身につけることを目的として、実習を重視した教育を行う点や教授、准教授などの資格を有する教員が授業を行う点など多くの点で高等専門学校――本県でいいますと国立沼津工業高等専門学校がありますが――と類似しておりますことから、短期大学部の県内出身者の授業料につきましては国公立の高等専門学校と同額に設定いたしました。
 次に、4年制大学の入学料等につきましては、短期大学部の入学料等をベースといたしまして、国立大学の4年制大学と短期大学の標準額の比率により設定しております。具体的に申し上げますと国立大学の標準額として4年制大学と短期大学を比較して入学料は約1.67倍、授業料は約1.37倍となっていることから、先ほどの短期大学の入学料と授業料の標準額にそれぞれ係数を掛けて算出しております。

○伊丹委員
 ありがとうございました。
算出根拠がわかりました。

 続きまして、農林大学校の校舎などを使いながら来年4月に開学するとのことですが、移行後の校舎や学生寮の整備スケジュールはどのようになっているのか、また開学時に施設は十分対応できるのか伺います。

○佐野専門職大学開学準備室長
 移行後は、主な施設整備として校舎1棟の新築と学生寮1棟の建てかえを予定しておりますが、新校舎につきましては開学2年目から、新学生寮につきましては開学3年目からの供用開始を予定しております。開学時の学生は1年生だけで学生数が少ないことから既存施設で十分対応できると考えております。
 なお、文部科学省による設置認可の審査においても開学時の施設の状況やカリキュラムに基づいた具体的な講義室の利用計画等に関する資料を提出いたしまして、対応に問題がないことが確認されております。

○伊丹委員
 ありがとうございます。
 続きまして、オープンキャンパスも実施されたとのことですが、学生の応募状況等の見込みについて伺います。また農林大学校と比較して変化があったのか、あわせて伺います。

○佐野専門職大学開学準備室長
 応募見込みの参考として、本年度のオープンキャンパスの状況を見ますと全体で187名の高校生が参加し、うち今年度の募集対象となる高校3年生は109名でした。
 昨年度農林大学校のオープンキャンパス参加者のうち高校3年生は78名でしたが、最終的に104名の応募がありました。必ずしも一致するとは限りませんけれども、今年度も最終的な応募者数は先ほどのオープンキャンパスの参加者数を一定程度上回るものと見込んでおります。
 なお、オープンキャンパスの参加者全体に占める県外高校生の割合について昨年度は全体の応募者143名中6名で4%となっており、今年度は187名中19名と約10%で農林大学校に比べて県外からの応募者数が増加すると見込んでおります。

○伊丹委員
 ありがとうございました。
農林大学校の専門職大学への移行は、農業の成長産業化に大きく貢献すると思っております。農業者の地位向上にも資すると思いますので、ぜひ万全な準備をしていただきたいと思います。

 続きまして、総合戦略について伺います。
 まず、総合戦略評価書案20ページの農業生産、農村ビジネス、地域経営を自立的に担う組織の育成についてです。こちらに示されている3地域において、新たな地域経営組織が利用、保全する農地面積が585ヘクタールに拡大されていますが、経緯を伺います。
 あわせて人をふやす、仕事をふやす観点から具体的な効果について伺います。

○田保農地整備課長
 農業生産、農村ビジネス、地域経営を自立的に担う組織の育成について、農地面積の拡大した経緯及び具体的な効果についてお答えいたします。
 この取り組みは、農業生産基盤整備を実施している3つの地域をモデルとして茶、ミカン等の農産物、交通ネットワーク、景観等の特徴ある地域資源を活用しながら農業生産から地域経営までを担う新たな組織づくりを支援することにより、地域独自の農業の発展を図ることとしております。
 まず、清水地域では、景観や恵まれた交通インフラを活用して農業の活性化や景観保全活動を担う組織づくりに取り組んでおり、平成28年度には矢部・村松地区の農地87ヘクタールを対象に景観にマッチした防風ネットを採用するなど、農業用施設の新設及び更新に伴う規定を策定いたしました。また平成30年4月には静岡市土地改良連絡協議会において、清水地域における農村景観保全の手引として承認されたことから対象面積が423ヘクタールに追加されました。
 これにより、清水地域では農地の基盤整備とあわせて富士山や清水港を望む美しい農村景観を活用し、観光農園やミカンの木オーナー制度など新たな農村ビジネスを展開する農業者もあらわれ、後継者の確保につながっております。
 また、沼津地域におきましては、平成30年12月に重須地区高台整備推進協議会が設立され、安全・安心な住環境が確保されるとともに、75ヘクタールの優良な生産地が確保されまして、担い手農家が安心して農業を継続できる環境が整っております。
 さらに、御殿場地域においては、平成31年3月に深沢水土里保全会が設立されまして、本年度から地域の協働活動により45ヘクタールの農地や水路、農道等の管理を始めております。これにより担い手農家が営農に専念できる環境づくりを進めております。

○伊丹委員
 ありがとうございます。 
清水地域の農地がふえたことからB評価としたと思いますが、生産量や営農の将来性の見通しなどによりもっと深刻で早急な取り組みが必要な場所があるのか伺います。

○田保農地整備課長
 県内には生産量の拡大や営農の継続等の課題解決を求めている地域があることから、今後の農業農村整備事業実施の際には、3地域の取り組みをモデルとして農村地域の新たな組織づくりや地域づくりの手法を参考にすることにより、他地域への普及を図りたいと思います。

○伊丹委員
 要望を申し上げます。
 前向きな御答弁をいただきましたけれども、次の総合戦略で農地面積を設定する際には、ただいまの御答弁をぜひ反映していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、評価書案23ページの新事業の創出及び中小企業の生産性向上の支援についてお伺いします。
 ベンチャー企業はスタートアップだけではないですが、どれだけ存続できているのかといった数字がわかりましたら伺いたいと思います。
 また、これからKPIに存続率を設定する必要があると思いますが見解を伺います。

○高橋商工振興課長
 起業後の企業の生存率につきましては、中小企業白書の2006年版、2011年版、2017年版に推計値が記載されております。
2006年版につきましては、経済産業省の工業統計表を用いて従業員4人以上の製造業に限定した分析が行われております。それによると5年後の生存率は約25%、10年後の生存率は約10%とされております。
 一方で、2011年版、2017年版におきましては、全業種に株式会社帝国データバンクの調査を再編加工した分析がなされています。こちらによりますと5年後の生存率が約8割、10年後の生存率は約7割、20年後の生存率は約5割となっております。
 一般的に、ベンチャー企業の事業展開は自社の規模を拡大して将来的な新規株式公開――IPO等を目指すのに加えまして、ある程度成長した段階で大企業に技術移転し、基幹産業に育っていく形もあり多様です。したがって生存率にカウントされないことになりますので、御意見を踏まえながら次期総合戦略でどういったKPIがふさわしいのか検討したいと考えております。

○伊丹委員
 ありがとうございました。
 指標というか物差しの判断が非常に難しいことがわかりました。しかしながら日本は起業家というかアントレプレナーがなかなか育たない課題があります。
 やはり、個人的に日本は頑張ろうとする起業家に対して文化的に優しくないといった背景があるのかなと感じます。だからこそ行政の役割が大きいと思いますので、物差しが難しそうですけれども、スタートアップした後のフォローにも光を当てていただきたいと思いますので、検討のほどよろしくお願いいたします。

 続きまして、評価書案24ページについてです。
企業立地の促進に向けた本県の優位性の創出についてです。企業立地については分析が非常に重要であると考えます。立地が進んだエリアもありますがそうでないエリアもあります。県内の格差の有無、課題、また立地した企業の業種の分析、今後の成長の見通し、全体としての雇用創出、人口増の効果、地元企業との取引や経済効果といった地元中小企業の成長を後押しするものとして喜ばれているのか細かい検証が必要であると考えます。こういったものをKPIとするのはどうかと考えますが、御見解をお伺いいたします。

○餅原企業立地推進課長
 従来の総合計画等では企業立地件数のみを目標値としておりました。
今回お諮りしている美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定するに当たり、本県経済に直接純増効果がよりあらわれる指標である県外からの企業立地件数を新たに設定いたしました。これは税収等を含めた投資効果や新たな雇用創出効果、県外からの移入による人口増効果を強く意識したもので、指標が純増となった場合、地域経済に高い効果を発するものであると考えて新たに設定したものです。
 指標は社会や経済の動向により変化する可能性を持つと考えております。今後も企業や地域等の現場の声をきめ細かく聞き取るとともに、企業の立地動向の把握と分析に努め、県内への企業誘致と再投資、県内立地企業の定着を図るためにKPIとして適当か研究してまいりたいと考えております。

○伊丹委員
 ありがとうございました。
 新たにいろいろな指標を検討いただけるとのことでありました。御期待したいと思います。

 最後に全体的なことをお伺いしたいと思います。経済産業部の見解で結構ですのでお答えいただきたいと思います。
 地域別の指標の達成状況に格差がありますが、要因についてお伺いしたいと思います。あわせて目標値の関係ですけれども、A区分となったKPIについて目標値を上方修正するのかどうかも伺います。

○齊藤産業政策課長
 ただいまの御質問2点についてお答えいたします。
 まず、1点目の地域づくりの方向性で示された指標について達成状況に差がある要因についてです。
 地域づくりの方向性におきましては、地域ごとに目指す姿の実現に向けて地域の特性を踏まえた重点的に取り組む施策についてKPIを設定しております。
 KPIは伊豆半島で6、東部で7、中部で7、西部で7の合計27あります。このうち経済産業部の施策にかかわるKPIは伊豆半島でゼロ、東部で2、中部で2、西部で3の合計7です。これら7項目のKPIの達成状況を見ますと、東部では目標値以上が1、Aが1、中部におきましてはAが1、Bが1、西部におきましては目標値以上が1、Bが2となっております。経済産業部の施策にかかわるKPIの達成状況につきましては、目標値以上からB区分まで差はありますけれども全てB以上であり、おおむね順調に進捗していると考えております。
 なお、達成状況に差が生じたことにつきまして、明確な要因は見出せていませんが、先ほど申し上げたとおりKPIについては地域の特性を踏まえた重点施策について地域ごと個別に設定されております。それぞれの進捗の積み重ねが今回の結果としてあらわれてきたと考えております。
 それから2点目、A区分となったものあるいは目標値以上となったKPIの見直しについてですけれども、KPIについては毎年度の評価におきまして達成状況や目標設定時からの事情変化等を踏まえて上方修正を図るなど必要な見直しを行うこととされております。
 しかし、今年度につきましては現総合戦略の計画期間5年間の最終年度に当たりますので、これまでの取り組みの成果について総括な評価を行うタイミングであり、今年度に限ってはKPIの見直しを行わないことになっております。
 次期総合戦略の策定に当たりましては、今回のKPIの達成状況等を踏まえ、施策の進捗管理、評価を行うための適切なKPIの設定に努めてまいりたいと思います。

○伊丹委員
 ぜひ次期総合戦略に生かしていただきたいと思います。
 2015年度に策定された総合戦略は、全国的に見て是正するはずだった東京一極集中や地方からの人口流出は相変わらず続いていますし、地域経済も疲弊していると考えています。その理由の1つとして現行の地方創生は基本的には政府や地方公共団体が行う主導型であったと考えていますので、
言い方が悪いかもしれないですけれども政府がまず総合戦略を示したこともあって、どこの地域も似た金太郎あめの政策になってしまったと特に危惧しております。
 活性化に成功した全国の事例を見ますと、例えば意外なところに外国人観光客が集まってきたりとか、ITを活用してリゾート地にリモートオフィスが集まったりといった地域があると思います。ですから次の総合戦略では、もちろん公共団体が計画的に進めることも大事ですが、それに加えて外部からの評価に基づいて自然発生的な流れを生かしていくことも大事と考えていますので、ぜひその辺も酌み取っていただければと思います。

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