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委員会会議録

質問文書

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令和元年9月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:飯田 末夫 議員
質疑・質問日:10/02/2019
会派名:自民改革会議


○飯田委員
 私は、分割質問方式で2問質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、水道技術の継承としていただいている産業委員会説明資料の7ページになりますけれども、企業局として良質な工業用水、水道用水を安定供給するという崇高な使命のもとに事業を行っていただいていることは理解しているんですけれども、その中で企業局の中核を担う人材を長期的な視野に立って育成するため、人材育成そして技術の継承に力点を置いているということで水道技術研修の内容を御紹介いただきました。非常にいいことだなと思っております。
 技術の継承と人材育成も含めて、企業局で取り組んでいるのはもちろんかなと思うわけですけれども、実際に水道工事に携わっていただくのは民間事業者もいらっしゃるものですから、民間の業者も含めた技術継承が非常に大事であると考えております。その中で県だけでなく協会等を含めて全体で水道技術の継承に取り組んでいくことも必要ではないかと考えているところです。
 そこで、企業局として課題をどのように捉え、どのように対応していくか見解を伺いたいと思います。

○天野水道企画課長
 現在、全国的な水道施設の老朽化に伴い、大規模な水道施設の更新時期が迫っております。5番委員御指摘のとおり、民間の水道技術者の養成は非常に重要だと考えておりますので、現在の水道技術の研修等について説明させていただきます。
 地方自治体のほとんどが正会員となっている日本水道協会という大きな組織がございますが、こちらで自治体職員及び民間の工事業者等にさまざまな研修を行っています。その中で民間業者に対しては、新しい管路技術に対応できる水道技術者の養成、管路も耐震化等年々進歩していますので、そういった資材に対応できる配水管工養成のための技能講習会を実施しております。この講習会はおおむね1回が2日から3日間、それを全国14会場で現在年間126回開催しております。非常に有益な研修で有料ではございますが厚生労働省による助成金を民間企業が活用できるようになっております。こういったことで国、協会等が一体となって民間業者の技術継承に取り組んでおります。
また、先ほどの日本水道協会の講習内容は、主に新しい管を設置したり古くなった管を入れかえたりする工事ですが、それを補完する意味で企業局では昨年度から地元の民間業者を対象に、災害時の応急復旧、早期復旧を目的とした維持管理業務や災害時に有益なバルブ操作、実際に水の入っているものの操作ができるような体感をしてもらう勉強会を開いたところでございます。
 日本水道協会の研修を補完する形で企業局も独自に取り組んで、民間業者の技術向上に寄与していきたいと考えております。

○飯田委員
 御答弁ありがとうございました。
 今いろいろ御説明いただきまして、漏水修繕の実習といった水道管の接合実習だとか、災害に対応した勉強会等により日本水道協会と連携しているとのことで大変安心しているところです。委員会説明資料7ページにも接合実習等の非常に専門的なことで多くの研修生が接合不良の失敗を繰り返したといった記載もありますから、やはり日本国内で全ての分野においてですけれども、特にライフラインの一端を担う水道事業の技術の継承についてはぜひこちらも御尽力いただけたらと思います。

 それでは、続いて2つ目の質問に入りたいと思います。
 先ほど御説明いただく中で、決算の様子から特に健全経営、経営改善の必要があるとお話をいただきました。特に昨年度の決算で大口の受水企業の廃止等により、給水収益が割と目立つ形での減少が見込まれるとわかりました。こういったことを考えると、工業用水、水道用水ともに有収水量と営業収益が減ってきて、それに伴って年々収益が減ってくることはいたし方ないことではありますが、その中で非常に大事なことが今後の健全経営に取り組むことだと思っております。先ほど御紹介いただきました企業局の情報通信Kリリースにもメーンとして載っていますけれども、その中で時事通信社のアイジャンプの記事で、静岡県がタスクフォースによって経営改善につながったという画期的な取り組みが載っていました。そこでこのタスクフォースの取り組みについて実績をお伺いできたらと思います。

○横地経営課長
 タスクフォースの実績についてお答えいたします。
 企業局では、中堅、若手職員を中心に事務職と技術職、本庁と出先事務所の垣根を超えて個別の課題ごとにタスクフォース、チームをつくりまして、職員一人一人の発想や創意工夫を生かした課題の解決による経営改善を図っているところです。
平成30年度のコスト削減に非常に大きな成果があった取り組みを御報告いたします。
電力調達方法の見直しにより、動力費を大きく削減した実績がございます。企業局は非常に多くの電力を消費する施設を所有しており、県有施設の消費電力の34%を占めております。その調達に当たり、これまで電力調達における一般競争入札は500キロワット以上の高圧電力を用いる4施設でしかやっていなかったのですが、それを昨年度高圧施設の23施設全てに拡大しました。またこれまではそれぞれの施設ごとに1件1件契約していましたが、東京電力管内、中部電力管内と2つに集約しました。
 もう1つは、これまで1年で契約していた期間を3年間の長期継続契約に延長しました。これらの3つの取り組みにより、例えば中部電力管内で関西電力が入札するなど競争原理が働き、令和元年度から令和3年度までの動力費を3年間で6億円削減することになりました。
また、今年度の取り組みとして現在非常に低金利が続いておりなかなか大口定期による資金運用益が上がらないことから、積極的に債券運用をやっていこうと取り組んでいるところです。債券運用に当たりましては、従来国債や地方債を中心にやっていましたが、今回例えば電力債とか高速道路債といった一般担保付事業債にも運用を拡大し、先日入札を実施した結果として従前の運用に比べて15倍の運用利回りを確保し、年間2000万円の増収となりました。そのほか水質分析を活用した漏水検査方法を開発するなどコスト削減に取り組んでいるところです。

○飯田委員
 御答弁ありがとうございました。
 思った以上に経営改善、3年間で6億円と簡単に言いますけれども大変な金額だと思っております。またいろいろ見直す中で年に2000万円の増収となったことはこれだけ取り上げられることなんだとよくわかりました。

 再質問させていただきたいと思いますけれども、最後の漏水検査の方法についてちょっとわからないので教えていただきたいです。水質分析を活用した漏水検査の方法の開発によって工事費が削減されているといった御説明だったわけですけれども、詳細の説明をお願いいたします。

○天野水道企画課長
 水質分析に関係する漏水検査についてでございます。
 実際に道路の路面等にクラックから水がしみ出すことがあると思うんですが、そのしみ出した水が水道管の破損によるものなのか、例えば雨季に地下水が上がって噴き出してくることもあると思いますし、工業用水管や農業用水等いろいろあります。今までは何が漏水の原因なのか実際に掘り出してみないとなかなかわからない状態でした。今回水質検査による判別方法を開発しましたけれども、具体的には開発に当たり非常に難しかったのが、地下からの水が土の中を通って道路に出てくる間に水の成分が土に吸収されてしまったりとか、逆に出てくる間に土の成分が水の中に入ってしまったりすることです。四、五年かけて土の状況に左右されない成分が何かを企業局の水質研究者が開発したところでございます。2014年からそういった路面に出てくる案件が28件ほどございました。そのうち6割の17件が水質分析によって地下水とわかり、その結果道路を掘り起こして交通規制して作業することなく、時間の経過とともに路面へのにじみ出しが消えていくことになりました。通常1カ所掘ってまた舗装を復旧すると金額的に100万円ぐらいかかります。先ほどの6億円と比べると小さいですが17カ所分1700万円の工事費が削減できますし、何よりそういった余分な工事をしないことにより渋滞や地元住民に迷惑をかけないことが非常に重要だと考えております。
 また、本年11月に日本水道協会の研究発表会があり、そこでこの発表もさせていただく予定で、これが多分にいろんなところで使える研究成果ですので、他県の水道事業者の維持管理に役立てばと考えております。

○飯田委員
 御答弁ありがとうございます。
 水道事業はやはり管路が主体になりますので、漏水対策は本当に大事なことだと思います。漏水によるロスも非常に大きいですけれども、さらに掘らないで漏水を見つけられるとのことで1カ所当たり100万円だったと思いますけれども、大変すばらしいことですので全国へ行って胸を張って発表してきていただけたらと思います。
 それでは、最後に感想を含めた意見、要望をさせていただきたいと思います。
 水道事業については、やはり工業用水、水道用水もとかく日ごろはあって当たり前と人々が思いがちですけれども、太陽の恵みであり空気であり水でありと、やはりこういったものを人間が有効に生かすことが非常に大事なことであります。特に台風があってライフラインである電気がとまったとか、また水道がとまるとかガスがとまるといったことがあると本当に困ったことになりますから、皆さんがやっていただいている事業が本当に県民福祉に非常に役立っており、人口減により水道使用量が減ってくるのはいたし方ないんですけれども、いろいろコスト削減に努めていただき、安定して水を供給していただけますよう、今後ともお願いしたいと思います。

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