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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和2年6月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:田口 章 議員
質疑・質問日:07/03/2020
会派名:ふじのくに県民クラブ


○田口委員
 それでは、分割質問方式で大きく6問質問させていただきます。
 県議会議員になって10年目で、産業委員会に入るのは3回目です。その都度県の置かれている状況、社会環境が随分変わっているなと今回改めて痛感をしております。そういった中で、今日は議論が随分深まっていますけれども、新型コロナウイルス感染症対策でいくつか変化が出てきております。その変化について、6つお話をお伺いします。
 最初に、外国人労働者の問題で4つまとめて質問します。6番委員からもお話がありましたが、私も産業委員会提出案件の概要及び報告事項の19ページから20ページにあります外国人求職者の対応についてお伺いします。
 先ほど6番委員からは、外国人技能実習生のお話がありました。これも10年ぐらい前にはあまり議論になったことがなかったわけなんですけれども新しく制度としてできていたと。ただ今回の外国人労働者の雇用の問題で言うと、外国人技能実習生よりもむしろ従来からいる身分資格の労働者の方に課題があるのかなと思っています。
 先日、フードバンクというところへ行ってまいりました。今月間で約1,000件の食料支援の要請があるらしいんですけれども、そのうちの4割ぐらいが外国人世帯だというわけです。したがいましてそこを経済産業部でもしっかりとウオッチしていく必要があるんだろうなと思っています。
 今回の6月補正予算でジョブステーションに通訳を配置しました。1人ずつ追加しましたが、私もジョブステーションに行ってまいりましたけれども、実は足りるかなという心配があります。あわせて市でも国際交流協会とかいろいろなセクションがありますので、連携した支援の仕組みを強化しておく必要があるんだろうなということが1点。

 それから、失業者の把握。これは以前から心配しているんですけれども、やっぱりできていないと思っています。ウオッチする仕組みを県でも考えるべきだと思いますが、その点について伺います。

 それから、これは経済産業部だけじゃなくて、くらし・環境部とも関係するんですが、今外国人支援として日本語教育を日本中で重点的にやっているんですけれども、まさに就労支援プログラムの一環としてこれを強化するのは、私はありじゃないかなと思うんです。そういう観点でぜひこの機に日本語教育もしっかりやってほしいと思いますが、所見を伺います。

 2つ目は、BCPの策定支援です。
説明資料24ページにありますけれども、東日本大震災以来BCPの策定が随分進んできました。下のほうに策定率がありますが、中小企業は進んでいないのが現実なんです。ある程度のところまでいってもそこから止まっちゃったと思うんですけれども、この辺が課題だと思っていました。そこに来てさらに今、感染症対策が求められることになったわけです。
 先ほど来、ガイドラインを国で見直しているとお話があったんですけれども、それがタイムリーに中小企業に展開する仕組みになっているのかどうか、モデル作成がどのように進んでいるのかをまず伺います。
 それから、策定率が上がっていないと言いましたが、従来からのワークショップセミナーというやり方でやっているようですけれども、多分これではもう進まないんだろうなと思っておりまして、いかにこれを定着させるかはやり方を変える必要があるんだろうと思いますが、考え方について伺います。

 3点目の質問ですが、説明資料25ページになります。
企業立地の関係ですが、これについては先ほどの8番委員の質問とかぶらないように質問します。
件数を見ていると、静岡県の企業立地担当者の皆さんは本当によくやっていると思います。10年ぐらい前に見たときには、企業立地を年間100件目指しますといった目標だったと思うんですけれども、実は土地がどこにどのぐらいあるかを担当者が知らなかったりするんですよね。私はもともと車の営業マンだったんですけれども、どんな車があるか分からないのに車を売ってこいと言っているようなものでして、それでは駄目だと話をしていたら、タブレットで全部商品が分かるような仕組みを作ってもらいました。
 前回、産業委員会に入っていたときに、他県で企業誘致が進んでいるところの話を聞いたら、その県と静岡県の大きな違いは、企業誘致の担当者の数がべらぼうに違ったんですね。仕組みが全く違っていました。その話をしたところ、東京事務所に非常に優秀な方をたくさん置いていただいて、今そういうのが結果になってつながっているんだろうなと思います。
 先ほど8番委員からもありましたが、今新たな局面に来ておりますので、これを踏まえて、やっぱり積極的に県としてここはやってもらいたいなと私も思っています。
 1つは、先ほど来出ている医療産業です。医療産業はこれから県としても力を入れていくと言っていますので、こういった産業の誘致をどうやって進めていくかが鍵だと思っています。あわせて医療に限らず、先端産業といいましょうか、研究開発型の付加価値を生む事業の誘致はやっぱり重要だと思っていますけれども、この辺をどうやって進めていくのかお伺いします。
 それから、説明資料を見ていて思うんですけれども、立地の面積とか件数とか上位5位とか、こういう指標はいいんですけれども、これからは内容が問題になってくると思っています。実はこの件数も、以前はソーラーパネルなんかも入れていたんですよね。雇用を生まないじゃないかという話もあったんですけれども、やっぱり中身をしっかりと精査して、県に対して付加価値を生む仕組みにしていく必要があるので、そういう管理ができるようにしていく必要があると思うんですけれどもその点についてお尋ねします。

 それから、資料はないんですが同じく企業立地推進課の所管なのでお尋ねしますけれども、今回の新型コロナ関係で、海外展開支援のことについて関連してお尋ねします。
過去の経過からいくと、やっぱりリーマンショックから東日本大震災のあたりで、為替の関係もありまして、県内の中小企業の皆さんは残るも地獄で出るも地獄という感じの中で、県としても海外展開支援をやってくださったのは十分承知しております。
 そういった中で、当時はフィージビリティースタディー――基礎的な進出調査が中心だったんですが、最近はやっぱりニーズが変わってきていまして、現地に進出している中小企業をどう支援するかが鍵になっていると思っています。とりわけ私も中小企業と幾つか話をしたことがありますけれども、大体行っているのが生産関係の人とか、品質関係の人といった駐在員は多いんですが、財務が分かる人とか法律が分かる人が極めて稀なんですね。したがってそういった情報をしっかりと提供することが今の海外展開支援には求められていると思うんですけれども、なかなかそこのところまで手が届いていないかなと思っています。
 一義的には、民間企業ですから自分のことは自分でやれということかもしれませんけれども、やっぱり今、七、八年前に海外に展開した中小企業が国内の生産がない。とりわけ東南アジアのほうも新型コロナが今後どうなるか分からない中で、母体のほうも海外事業所の操業いかんによっては大きな影響が出てまいりますので、やっぱり県内の産業としてしっかりチェックをしていく必要があると思うんですけれども、その辺りの情報提供とかサポートの仕組みを少し変えていく必要があると思うんですけれども、その点についてお尋ねします。

○宮崎労働雇用政策課長
 外国人求職者への対応ということで、大きく3つの点で御質問されたと思います。
 まず、1つ目の失業状況になります。
 先ほど、鈴木職業能力開発課長から全体で6万4000人強の外国人がいて、そのうち実習生の話はされたんですが、定住外国人は県内に3万7000人強の方が働いていらっしゃいます。その6割強が派遣等の不安定な就業形態となっております。
 失業者の人数につきましては集計されておりませんが、静岡労働局が外国人の新規求職者を集計しておりまして、昨年の5月では653人であったのに対しまして、本年の5月速報値では1,317人と666人の増と厳しい状況になっていることが伺えます。このため県では大きく3つに分けて支援を行っております。
 1つは、先ほどジョブステーションの外国人相談員の強化ということを御説明させていただきましたが、外国人の翻訳、通訳を廃止することによって、ジョブステーションでは併せて就活セミナー並びに日本語教育、簡単な就職に向かう教育等を行いまして、就職に向けて実践的な支援をしております。
 2つ目は、定住外国人の正社員の就労を目指す方に対して、県として窓口を設置し職場へアドバイザーを派遣して、外国人の方と企業の方双方を支援し正社員化を目指しているところです。
 3つ目になりますが、職業訓練におきましても通訳を配置して、それぞれの日本語能力に応じた訓練にも対応可能としているところがあります。こちらで日本語を確実に習得できるような支援をする中で、少しでも正社員の道を開いていきたいと考えています。
 県としましては、国際交流協会等と連携をしまして、外国人県民の方に寄り添った支援にこれからも取り組んでまいりたいと考えております。

○前嶋経済産業部理事(産業人材確保・育成担当)
 9番委員から御指摘がありました国際交流協会との連携ですが、通訳の面でも、あるいは就労先を探すところでも、非常に連携するのは意味があるということです。
 県といたしましては、国際交流協会だけでなく、先般入国管理局、労働局、市町、経済団体などが一堂に会して、在日外国人材の活躍を支援する協議会を開催しました。外国人に係る機関が一堂に会したことで、ネットワークができたと思っていまして、何か困った時にはそのネットワークで解決していくことをしっかりやっていきたいと思います。
 あと、日本語教育の関係ですが、実は定住外国人の方の日本語能力と企業が求める日本語能力の差がかなりあるんだろうと思っています。ですので、携わっていただく業務に対して、どの程度日本語が必要か把握していく必要がある。また職業訓練の中でも今、日本語のカリキュラムをしっかり組んでいますが、就労の場面での日本語の重要性をしっかり認識しながら進めていきたいと思っております。

○高橋商工振興課長
 BCPの策定支援の御質問についてお答えいたします。
 まず感染症対策を踏まえたモデル作成の進捗状況ですが、御案内のとおり新型コロナウイルス等の感染症は自然災害と異なり、その影響が広範囲かつ長期にわたる特徴を持っています。したがいまして、現在BCPモデルプランの改定に向けて、現在モデルプランを作成いただいた中小企業診断士等の専門家から参考意見を聴取して見直しを進めているところです。その時に、9番委員がおっしゃいましたとおり国でもBCPガイドラインの見直しやハンドブックの作成等も進めておりますので、そういったものを参考にしながらきちんとしたモデルの作成を進めていきたいと考えております。
 それからもう1つ、BCPの普及につきましては従来、確かに単なる普及啓発にとどまるセミナーが多かったという反省に基づきまして、実は説明資料にありますワークショップは、その話に基づいて平成30年度から始めたものです。特に、小規模な事業者の方の策定の遅れが見られますので、業種ごとに簡易なモデルプランを策定して、中小企業診団体中央会と連携して、このワークショップ形式での実践的なBCPの策定を開始したということです。昨年度まで40組合の支援を実施いたしまして、今後令和3年度までに延べ100組合、1,000社のBCP策定につなげていきたいと考えています。これは業種別組合を対象とするため、単に参加した企業様の策定支援のみならず、その結果が横展開されていくことを期待しております。
 それからセミナーにつきましては、従来型のセミナーではなくて新しく商工会、商工会議所などと連携して、非接触、遠隔型のオンラインによる実践的なBCP普及策定セミナーを開催するということで、セミナーを行った後には各企業の実態に沿った具体的かつきめ細やかな相談やアドバイスに対応できるように、個別相談も実施する形で実践的に進めていきたいと思っています。さらに各企業への専門家派遣なども組み合わせまして、改定したモデルプランの普及を着実に進めていきたいと考えております。

○餅原企業立地推進課長
 まず、最初の質問の医療産業や研究所といった内容ですけれども、本県では企業立地施策を3つの柱に基づいて推進しておりますけれども、業種、内容についても重点化を図っております。
 成長産業分野と言われる医療・健康や研究所、食品ですとか航空産業といったところの重点化を図っておりまして、例えば企業立地補助金について言えば補助率のかさ上げをやっております。特に医療健康産業につきましては重点的な誘致を進めるために、東京事務所に医療機器のメーカーOBを専門の企業誘致推進員として配置して誘致に努めているところです。
 私どもとしましても、付加価値の高い企業もしくは静岡県が得意な分野で連携ができる企業の誘致に努めており、今後ともそういったところに主眼を置いて誘致に取り組んでいきたいと考えております。

 それからもう1点、海外展開につきましては私どもも現地の進出企業に対して情報提供することは大変重要だと考えております。通常時には先ほどお話のありましたサポートデスクですとか海外駐在員が政府の情報等を集めて2週間に1回、メールマガジンを進出企業に送っております。
 今回の新型コロナウイルス感染症の場合では、東南アジア各国政府による進出企業への支援策がよく分からないといったお問合せがありましたので、東南アジア駐在員事務所から各国のサポートデスクの協力を得ましてベトナム、シンガポール、インドネシアの3国について冊子を作りました。これは各国の政府の規制ですとか支援策をまとめたもので、これを進出企業と進出企業の元になる国内の本社にもお送りして、併せて今何か課題があるかどうかアンケートも取って、そのアンケートに対する答えもフィードバックをしております。
 そういった形で、緊急時にはプッシュ型と言われるような情報提供もしておりますので、今回は海外事務所の人も大変頑張ってくれたと考えております。

○田口委員
 ありがとうございます。要望を2点、再質問を1点させていただきます。
 最初の外国人の求職者への対応ですけれども、先ほど来ありました日本語教育をこの機にぜひやってもらいたいなと。これは国も予算を付けていますし、今回のコロナの前からやっていますので、これをぜひ結び付けてもらって、就労、エンプロイアビリティーと言うんですかね、働く力を高めてもらうことをぜひ前向きにやってほしいなと思っています。
 それから、海外展開をそこまでやってくれているのは承知していませんでしたが非常にありがたく思っています。ぜひしっかりとウオッチしてください。

 すみません、再質問2つです、よろしくお願いします。
 まずBCPですけれども、最初に何で中小企業の策定率がこんなに上がらないのかを本当は質問すればよかったんですが、恐らく人がいないとかなかなか勉強会にも行けないところがほとんどだったと記憶しているんですよね。そういうところに対して、どういう手を打って策定率を上げるのかを聞きたいのが1つ。
 それから、やっているところに対しては、今さらにステップアップが求められていると思っていまして、BCM――ビジネス・コンティニュイティー・マネジメントを取り入れるところが出てきているようでして、私も不勉強だったんですけれども、やはりこの辺も仕組みにしていく必要があるんだろうなと思っています。
 よく考えてみると、例えば静岡県もBCMをやっているんじゃないかなと思ったのは、要は地震が来る来ると言っていて、どちらかというとそのリスクの多い地域だと言われていながら、今企業誘致がしっかりできているのは、地震対策はしっかりできているんですよというのをアピールすることによるわけじゃないですか。
 だから、民間企業に対してもBCPを先にしっかりやって、それが定着することによってサプライチェーンの中で強みを発揮する仕組みに成り得ると思っていますので、こうやってBCMという考え方もぜひ取り組んでもらいたいなと思うんですけれども、もし所見があれば伺います。

 2点目は企業誘致の関係です。
医療に強い人がいるのかなと思ったらちゃんといるんですね。びっくりしましたね、すばらしいと思っています。
 再質問ですけれども、先ほど8番委員の質問でもありましたが、今コロナの関係でテレワークですとかサテライトオフィスとか、いろんな働き方が増えてきているじゃないですか。そういったニーズに対応できるような、例えばITに強い人ですとかテレワークとかに強い人は東京事務所にいるのかどうかを教えてもらえればと思います。

○高橋商工振興課長
 御質問にお答えいたします。
 まず中小企業、特に策定が進まない方々はどうやって進めていくのかということで、少し繰り返しになってしまいますが、BCPを策定できない、あるいはしていない理由としては、やはり必要なスキル、ノウハウもないとか、人手が足りないとか、9番委員もおっしゃったようなことはやはり小規模な事業者で目立っておりますので、まず業種別に細分化した簡単なモデルプランにして取っ付きやすくすると。
 さらに今年は新型コロナがあるのでウェブを活用してやろうと思っていますが、先ほど申しましたワークショップは非常に膝詰めで簡単なモデルプランを丁寧に教えるということで、今までのように大きなセミナーでBCPってこうなんですよと言って、それを聞いて帰って、戻っても自分では作れないのではなくて、本当に丁寧にきめ細かくと。しかも取っ付きやすい簡易なモデルプランで取組を進めてまいりました。
 さらに今年度はオンラインを活用して、セミナーの後に同じような個別相談を行い、人手が足りないとおっしゃっている方々でも理解できるような形で進めていきたいと思っています。
 それからBCMですが、この簡易なモデルプランを作る前に、BCPのモデルプラン第3版――第1版、第2版、第3版と東日本大震災といった大きなことがある、あるいは新型インフルエンザとか大きな事象が生じる度にレベルアップしてきました県としての理想的なモデルプランがあります。その第3版がいわゆるBCMに相当するいいものなんですが、これをいきなり進めようとしてもなかなか取っ付きにくい、いきなりつくるのは無理だよということで、なかなか策定率が上がってこなかったと。特に中小企業に対してはという反省がありますので、先ほど言いました簡易なモデルプランでまず取っ付きやすいところから入って、実は先ほどのワークショップで簡単なモデルプランを作られた方が、ステップアップして第3版も併せて作ってくださっているところがありますので、こういった形で段階的に進めていって、より精度の高いいいものを作っていただければと考えております。

○餅原企業立地推進課長
 テレワーク、ITといったものに詳しい人材ですけれども、職員の中でどれぐらいのスキルがあるかは分かりません。ただ東京事務所には、静岡県出身のIT企業の方でアドバイスをくださる方がいらっしゃることは昨年の所長から伺っております。
 その方からいろいろとアドバイスは頂いているようですけれども、実際にテレワーク、サテライトオフィスの誘致まで結び付いているかと言われると、そこまではないかと思います。

○田口委員
 BCMはマネジメントサイクルということなので、計画を作るだけではなくてそれをどう回していくかということだと思いますので、ぜひやれるところはどんどんやっていってもらうことでいいかなと思います。
 ITに強い人を東京事務所にというのも、アドバイザーみたいな人がいたほうが多分企業誘致にとってはいいんじゃないかなと思いますので、臨機応変に対応していただければうれしいなと思っています。
 余談ですがテスラが時価総額でトヨタを抜いたとありましたけれども、車の台数では全然雲泥の差ですよね。でも今の企業の価値はそういうところにあるということなので、私も本当にびっくりですけれども、そういう感覚で次世代産業をしっかりと見て育てていってほしいなと要望しておきます。

 次の質問に移りますけれども、説明資料31ページの事業承継についてお尋ねします。
 これも先ほど7番委員からお話がありましたので、ダブらないようにお聞きし直しますが、今回の新型コロナで一番心配したのがこのサプライチェーンの寸断でありまして、実際例えば海外から部品が入ってこなくて工場が止まってしまったというのが起きたわけでありまして、これを何とかしっかりと食い止めていくことが必要なんだろうと思っています。
 その中でまず1点目、事業承継なんですけれども、以前から事業承継2025年問題が言われていたんですね。やはり今事業をやっている方が2025年ぐらいにはもう引退の時期を迎えると。それをいかにカバーしていくかということで進めてきたと思うんですけれども、今回の新型コロナの影響による売上げの減で、多分2025年から前倒しでもう辞めてしまおうかという人が出てこないかなと心配しています。
 先ほど来ずっとお話があったのでダブらないようにしますけれども、やはりいかに早くそれを察知するか、網を張るかが求められているのではないかなと思うんです。
 今回、3年間で1万8491件の相談を受けて診断をしているという話がありましたけれども、これが例えば東・中・西で分けたときにそれぞれちゃんとカバーできているのかとか、それがちょっと気になったんですね。
 事前に資料を頂きまして、事業承継の体制図をもらったんですけれども、事業承継ネットワークの事務局あるいは事業引継ぎ支援センターと、産業振興財団であったり静岡商工会議所が中心になって取り組まれておりますので、これだけを拝見すると西部の私からすると大丈夫かなと思ってしまうわけですよね。東部はどうなのかなと思うんですよね。それでその片方で金融機関の方が入っていらっしゃいますから、恐らく東部も西部も民間の金融機関の方がカバーしてくださっているんだろうと思うんですけれども、そこのところを県が関与していないものですから、どのようにカバーをしているのかお尋ねしたいと思います。
 例えば、私は今回いろいろ資料を見る中で、信用保証協会の事業承継、何か支援しているという記載が信用保証協会の資料を見ていたらありましたし、逆に金融機関の方も困るんですけれども、やはり中小企業団体連合会の方ですとか、いろんなサプライチェーンを持っている事業者にいろんなところからヒアリングをするなりして、これを把握する仕組みを作ったほうがいいんじゃないかなと思うんですけれども、そういう点について御所見を伺いたいと思います。

 最後の質問です。
 先ほど部品調達のお話をしましたけれども、浜松に次世代自動車センターという組織があります。イノベーション推進機構の下部組織の中にありますけれども、そこが4月に会員企業に対してアンケートを実施しているんです。この中でやはり経営課題が幾つかあって、次世代自動車センターとしてこういう支援をこれから考えていく必要があるとうたっているんですけれども、この点についてやはり私も同感でして、タイムリーに事業を進めてもらいたいものですから、県の所感をお尋ねします。
 まず1点目ですけれども、今回売上げがとにかく減っていく中で、民間企業としては利益を出すためには投資のお金がやはり随分減っていると聞いているんですね。その中で、例えば将来のためにしっかりやっていかないといけない開発費をどうしても削らざるを得ない状況になっていると。ただそれをやってしまうと新しい産業につながっていかないものですから、それをサポートしていかなければいけないと書いてあるんですが、県としてもこういうものを積極的に取り組んでほしいなと思うんですけれども、そういったことについてお尋ねします。
 それから、これは以前から言われていたんですけれども、行政の助成制度って年度年度で区切られることが多いんですが、民間企業はあまり年度に限らず試作開発なんかをずっとやっていくわけなんですよね。そういったところを今回の新型コロナの影響で、少し開発の遅れなんかが見られるところがあるんだけれども、柔軟に対応すべきではないかと挙げられています。
 それから、企業内で人材育成、研修がうまくできていないとの声がありますので、中小企業向けのウェブセミナーですとか、これは産業支援機関の中でもしっかりやってほしいと思うんですけれども、その点についてお尋ねしたいと思いますし、最後に先ほど言った海外からの部品調達ができなくて生産が止まってしまった中で、ふじのくに県民クラブからも実は要望を出しているんですが、県の中でマッチングを支援することができないかを、次世代自動車センターの方も項目として挙げられていました。
 内部調達が可能になれば、地域経済を回していく意味では非常にいいことだと思いますので、このあたりをこれから研究していくことが求められるのではないかなと思います。以上、答えにくいかもしれませんが質問させていただきたいと思います。

○影山経営支援課長
 事業承継の件についてお答えいたします。
 事業承継診断の件数について、東部、中部、西部の内訳までは出ておりませんが、診断に関しましては静岡商工会議所と静岡県産業振興財団が事務局となってやっております。実際の診断は各商工会議所、商工会、金融機関、しかも金融機関は本部だけではなく各支店で行っておりますので、東部、中部、西部まんべんなく実施ができているかなと思っております。
 なお、国の事業ということで、プッシュ型事業に関しては静岡県産業振興財団と静岡商工会議所が国から受けています。事業引継ぎ支援センターについては、静岡商工会議所が受けている状況ですけれども、県としてはそれを統括する立場で、その3者で毎月意見交換を行って情報共有等進め方の共有をしているとのことで、県としてもこれからもしっかりかじを取っていきたいと思っております。

○鈴木商工金融課長
 事業承継をいかに情報を早く察知するかという点で、信用保証協会の取組を御紹介します。
 信用保証協会では、本・支店で事業承継支援チームを配置しております。そこで代表者の年齢によってスクリーニングをかけて事業承継に課題を抱える企業を訪問して、必要に応じて専門家派遣とか静岡県事業引継ぎ支援センターの仲介を行うといった取組をやっております。令和元年度は184企業訪問し、うち7企業から専門家派遣の要望があったため派遣をしたとのことです。
 ただ、現在新型コロナの関連資金の審査のほうに経営診断の担当職員も全員回っている状態でして、現在は中断しているようです。

○櫻川産業革新局技監
 次世代自動車センター浜松は、会員企業が自社の固有技術を認識し、技術力や取引先に対する提案力を高めることでEVなど次世代自動車の分野における新たなビジネスの拡大につなげることを目指しておりまして、その取組に対して県と浜松市が負担金を支出して支援しております。
 9番委員が御懸念されていますように、アンケート調査の結果につきましても、資金繰りや雇用の維持のほか、企業の研究開発費の削減による研究開発の進展の遅れが生じていることが明らかとなっております。
 これを受けまして、次世代自動車センターでは会員企業に対して3つの支援を検討しております。1つ目は試作部品の開発に対する支援、2つ目がウェブセミナーなどによる企業人材育成支援、3つ目がウェブサイトを活用したビジネスマッチング、技術マッチング支援です。特に御指摘のあった試作部品の開発支援におきましては、中小企業が取引先に対してその提案力を高める上で極めて重要な点であると県としても認識しており、センターでは試作部品の開発に対する支援上限額の引上げを検討していると伺っております。
 支援策の拡充に要する経費につきましては、新型コロナの影響でセンターの一部事業が取りやめになったことから、当初予算の範囲内で対応できるものとセンターからはお伺いしておりますが、引き続きセンターから現場の声をしっかりと聞き、今後の経済状況を踏まえて浜松市と連携して、新たに支援策を検討するなど、本県の基幹産業である自動車産業をしっかりと支えてまいる所存であります。

○田口委員
 分かりました。要望だけにしておきますけれども、リーマンショックの後、静岡県は他県に比べて対策が遅れているといった話がありました。
 一番大きかったのは、やはりサプライチェーンの寸断だったり、購買取引先を県外に求めたことがあったのかなと思うんですけれども、今回新型コロナでそういうことが起きないように、今言ったようなサポートをしっかりやってほしいと思います。
 自動車のことだけ今話をしていますけれども、先ほどほかの産業でも必要じゃないのという話をしたものですから、多分自動車に限らずいろんなサプライチェーンの中でこういったことを丁寧にやっていくことによって、前回のようにしないように、ぜひこれから経済産業部としてウオッチしてほしいなと思います。
 最後に関係ない要望を1つします。
ここから見ると皆さん武襯衣を着ていらっしゃるので非常にうれしいわけなんですけれども、ぜひ県庁の外でも着ていただけるとありがたいです。終わります。

○藤曲委員長
 ここでしばらく休憩といたします。
 再開は午後3時20分とします。○田口委員
 それでは、分割質問方式で大きく6問質問させていただきます。
 県議会議員になって10年目で、産業委員会に入るのは3回目です。その都度県の置かれている状況、社会環境が随分変わっているなと今回改めて痛感をしております。そういった中で、今日は議論が随分深まっていますけれども、新型コロナウイルス感染症対策でいくつか変化が出てきております。その変化について、6つお話をお伺いします。
 最初に、外国人労働者の問題で4つまとめて質問します。6番委員からもお話がありましたが、私も産業委員会提出案件の概要及び報告事項の19ページから20ページにあります外国人求職者の対応についてお伺いします。
 先ほど6番委員からは、外国人技能実習生のお話がありました。これも10年ぐらい前にはあまり議論になったことがなかったわけなんですけれども新しく制度としてできていたと。ただ今回の外国人労働者の雇用の問題で言うと、外国人技能実習生よりもむしろ従来からいる身分資格の労働者の方に課題があるのかなと思っています。
 先日、フードバンクというところへ行ってまいりました。今月間で約1,000件の食料支援の要請があるらしいんですけれども、そのうちの4割ぐらいが外国人世帯だというわけです。したがいましてそこを経済産業部でもしっかりとウオッチしていく必要があるんだろうなと思っています。
 今回の6月補正予算でジョブステーションに通訳を配置しました。1人ずつ追加しましたが、私もジョブステーションに行ってまいりましたけれども、実は足りるかなという心配があります。あわせて市でも国際交流協会とかいろいろなセクションがありますので、連携した支援の仕組みを強化しておく必要があるんだろうなということが1点。

 それから、失業者の把握。これは以前から心配しているんですけれども、やっぱりできていないと思っています。ウオッチする仕組みを県でも考えるべきだと思いますが、その点について伺います。

 それから、これは経済産業部だけじゃなくて、くらし・環境部とも関係するんですが、今外国人支援として日本語教育を日本中で重点的にやっているんですけれども、まさに就労支援プログラムの一環としてこれを強化するのは、私はありじゃないかなと思うんです。そういう観点でぜひこの機に日本語教育もしっかりやってほしいと思いますが、所見を伺います。

 2つ目は、BCPの策定支援です。
 説明資料24ページにありますけれども、東日本大震災以来BCPの策定が随分進んできました。下のほうに策定率がありますが、中小企業は進んでいないのが現実なんです。ある程度のところまでいってもそこから止まっちゃったと思うんですけれども、この辺が課題だと思っていました。そこに来てさらに今、感染症対策が求められることになったわけです。
 先ほど来、ガイドラインを国で見直しているとお話があったんですけれども、それがタイムリーに中小企業に展開する仕組みになっているのかどうか、モデル作成がどのように進んでいるのかをまず伺います。
 それから、策定率が上がっていないと言いましたが、従来からのワークショップセミナーというやり方でやっているようですけれども、多分これではもう進まないんだろうなと思っておりまして、いかにこれを定着させるかはやり方を変える必要があるんだろうと思いますが、考え方について伺います。

 3点目の質問ですが、説明資料25ページになります。
 企業立地の関係ですが、これについては先ほどの8番委員の質問とかぶらないように質問します。
 件数を見ていると、静岡県の企業立地担当者の皆さんは本当によくやっていると思います。10年ぐらい前に見たときには、企業立地を年間100件目指しますといった目標だったと思うんですけれども、実は土地がどこにどのぐらいあるかを担当者が知らなかったりするんですよね。私はもともと車の営業マンだったんですけれども、どんな車があるか分からないのに車を売ってこいと言っているようなものでして、それでは駄目だと話をしていたら、タブレットで全部商品が分かるような仕組みを作ってもらいました。
 前回、産業委員会に入っていたときに、他県で企業誘致が進んでいるところの話を聞いたら、その県と静岡県の大きな違いは、企業誘致の担当者の数がべらぼうに違ったんですね。仕組みが全く違っていました。その話をしたところ、東京事務所に非常に優秀な方をたくさん置いていただいて、今そういうのが結果になってつながっているんだろうなと思います。
 先ほど8番委員からもありましたが、今新たな局面に来ておりますので、これを踏まえて、やっぱり積極的に県としてここはやってもらいたいなと私も思っています。
 1つは、先ほど来出ている医療産業です。医療産業はこれから県としても力を入れていくと言っていますので、こういった産業の誘致をどうやって進めていくかが鍵だと思っています。あわせて医療に限らず、先端産業といいましょうか、研究開発型の付加価値を生む事業の誘致はやっぱり重要だと思っていますけれども、この辺をどうやって進めていくのかお伺いします。
 それから、説明資料を見ていて思うんですけれども、立地の面積とか件数とか上位5位とか、こういう指標はいいんですけれども、これからは内容が問題になってくると思っています。実はこの件数も、以前はソーラーパネルなんかも入れていたんですよね。雇用を生まないじゃないかという話もあったんですけれども、やっぱり中身をしっかりと精査して、県に対して付加価値を生む仕組みにしていく必要があるので、そういう管理ができるようにしていく必要があると思うんですけれどもその点についてお尋ねします。

 それから、資料はないんですが同じく企業立地推進課の所管なのでお尋ねしますけれども、今回の新型コロナ関係で、海外展開支援のことについて関連してお尋ねします。
過去の経過からいくと、やっぱりリーマンショックから東日本大震災のあたりで、為替の関係もありまして、県内の中小企業の皆さんは残るも地獄で出るも地獄という感じの中で、県としても海外展開支援をやってくださったのは十分承知しております。
 そういった中で、当時はフィージビリティースタディー――基礎的な進出調査が中心だったんですが、最近はやっぱりニーズが変わってきていまして、現地に進出している中小企業をどう支援するかが鍵になっていると思っています。とりわけ私も中小企業と幾つか話をしたことがありますけれども、大体行っているのが生産関係の人とか、品質関係の人といった駐在員は多いんですが、財務が分かる人とか法律が分かる人が極めて稀なんですね。したがってそういった情報をしっかりと提供することが今の海外展開支援には求められていると思うんですけれども、なかなかそこのところまで手が届いていないかなと思っています。
 一義的には、民間企業ですから自分のことは自分でやれということかもしれませんけれども、やっぱり今、七、八年前に海外に展開した中小企業が国内の生産がない。とりわけ東南アジアのほうも新型コロナが今後どうなるか分からない中で、母体のほうも海外事業所の操業いかんによっては大きな影響が出てまいりますので、やっぱり県内の産業としてしっかりチェックをしていく必要があると思うんですけれども、その辺りの情報提供とかサポートの仕組みを少し変えていく必要があると思うんですけれども、その点についてお尋ねします。

○宮崎労働雇用政策課長
 外国人求職者への対応ということで、大きく3つの点で御質問されたと思います。
 まず、1つ目の失業状況になります。
 先ほど、鈴木職業能力開発課長から全体で6万4000人強の外国人がいて、そのうち実習生の話はされたんですが、定住外国人は県内に3万7000人強の方が働いていらっしゃいます。その6割強が派遣等の不安定な就業形態となっております。
 失業者の人数につきましては集計されておりませんが、静岡労働局が外国人の新規求職者を集計しておりまして、昨年の5月では653人であったのに対しまして、本年の5月速報値では1,317人と666人の増と厳しい状況になっていることが伺えます。このため県では大きく3つに分けて支援を行っております。
1つは、先ほどジョブステーションの外国人相談員の強化ということを御説明させていただきましたが、外国人の翻訳、通訳を廃止することによって、ジョブステーションでは併せて就活セミナー並びに日本語教育、簡単な就職に向かう教育等を行いまして、就職に向けて実践的な支援をしております。
2つ目は、定住外国人の正社員の就労を目指す方に対して、県として窓口を設置し職場へアドバイザーを派遣して、外国人の方と企業の方双方を支援し正社員化を目指しているところです。
 3つ目になりますが、職業訓練におきましても通訳を配置して、それぞれの日本語能力に応じた訓練にも対応可能としているところがあります。こちらで日本語を確実に習得できるような支援をする中で、少しでも正社員の道を開いていきたいと考えています。
 県としましては、国際交流協会等と連携をしまして、外国人県民の方に寄り添った支援にこれからも取り組んでまいりたいと考えております。

○前嶋経済産業部理事(産業人材確保・育成担当)
 9番委員から御指摘がありました国際交流協会との連携ですが、通訳の面でも、あるいは就労先を探すところでも、非常に連携するのは意味があるということです。
 県といたしましては、国際交流協会だけでなく、先般入国管理局、労働局、市町、経済団体などが一堂に会して、在日外国人材の活躍を支援する協議会を開催しました。外国人に係る機関が一堂に会したことで、ネットワークができたと思っていまして、何か困った時にはそのネットワークで解決していくことをしっかりやっていきたいと思います。
 あと、日本語教育の関係ですが、実は定住外国人の方の日本語能力と企業が求める日本語能力の差がかなりあるんだろうと思っています。ですので、携わっていただく業務に対して、どの程度日本語が必要か把握していく必要がある。また職業訓練の中でも今、日本語のカリキュラムをしっかり組んでいますが、就労の場面での日本語の重要性をしっかり認識しながら進めていきたいと思っております。

○高橋商工振興課長
 BCPの策定支援の御質問についてお答えいたします。
 まず感染症対策を踏まえたモデル作成の進捗状況ですが、御案内のとおり新型コロナウイルス等の感染症は自然災害と異なり、その影響が広範囲かつ長期にわたる特徴を持っています。したがいまして、現在BCPモデルプランの改定に向けて、現在モデルプランを作成いただいた中小企業診断士等の専門家から参考意見を聴取して見直しを進めているところです。その時に、9番委員がおっしゃいましたとおり国でもBCPガイドラインの見直しやハンドブックの作成等も進めておりますので、そういったものを参考にしながらきちんとしたモデルの作成を進めていきたいと考えております。
 それからもう1つ、BCPの普及につきましては従来、確かに単なる普及啓発にとどまるセミナーが多かったという反省に基づきまして、実は説明資料にありますワークショップは、その話に基づいて平成30年度から始めたものです。特に、小規模な事業者の方の策定の遅れが見られますので、業種ごとに簡易なモデルプランを策定して、中小企業診団体中央会と連携して、このワークショップ形式での実践的なBCPの策定を開始したということです。昨年度まで40組合の支援を実施いたしまして、今後令和3年度までに延べ100組合、1,000社のBCP策定につなげていきたいと考えています。これは業種別組合を対象とするため、単に参加した企業様の策定支援のみならず、その結果が横展開されていくことを期待しております。
 それからセミナーにつきましては、従来型のセミナーではなくて新しく商工会、商工会議所などと連携して、非接触、遠隔型のオンラインによる実践的なBCP普及策定セミナーを開催するということで、セミナーを行った後には各企業の実態に沿った具体的かつきめ細やかな相談やアドバイスに対応できるように、個別相談も実施する形で実践的に進めていきたいと思っています。さらに各企業への専門家派遣なども組み合わせまして、改定したモデルプランの普及を着実に進めていきたいと考えております。

○餅原企業立地推進課長
 まず、最初の質問の医療産業や研究所といった内容ですけれども、本県では企業立地施策を3つの柱に基づいて推進しておりますけれども、業種、内容についても重点化を図っております。
 成長産業分野と言われる医療・健康や研究所、食品ですとか航空産業といったところの重点化を図っておりまして、例えば企業立地補助金について言えば補助率のかさ上げをやっております。特に医療健康産業につきましては重点的な誘致を進めるために、東京事務所に医療機器のメーカーOBを専門の企業誘致推進員として配置して誘致に努めているところです。
 私どもとしましても、付加価値の高い企業もしくは静岡県が得意な分野で連携ができる企業の誘致に努めており、今後ともそういったところに主眼を置いて誘致に取り組んでいきたいと考えております。

 それからもう1点、海外展開につきましては私どもも現地の進出企業に対して情報提供することは大変重要だと考えております。通常時には先ほどお話のありましたサポートデスクですとか海外駐在員が政府の情報等を集めて2週間に1回、メールマガジンを進出企業に送っております。
 今回の新型コロナウイルス感染症の場合では、東南アジア各国政府による進出企業への支援策がよく分からないといったお問合せがありましたので、東南アジア駐在員事務所から各国のサポートデスクの協力を得ましてベトナム、シンガポール、インドネシアの3国について冊子を作りました。これは各国の政府の規制ですとか支援策をまとめたもので、これを進出企業と進出企業の元になる国内の本社にもお送りして、併せて今何か課題があるかどうかアンケートも取って、そのアンケートに対する答えもフィードバックをしております。
 そういった形で、緊急時にはプッシュ型と言われるような情報提供もしておりますので、今回は海外事務所の人も大変頑張ってくれたと考えております。

○田口委員
 ありがとうございます。要望を2点、再質問を1点させていただきます。
 最初の外国人の求職者への対応ですけれども、先ほど来ありました日本語教育をこの機にぜひやってもらいたいなと。これは国も予算を付けていますし、今回のコロナの前からやっていますので、これをぜひ結び付けてもらって、就労、エンプロイアビリティーと言うんですかね、働く力を高めてもらうことをぜひ前向きにやってほしいなと思っています。
 それから、海外展開をそこまでやってくれているのは承知していませんでしたが非常にありがたく思っています。ぜひしっかりとウオッチしてください。

 すみません、再質問2つです、よろしくお願いします。
 まずBCPですけれども、最初に何で中小企業の策定率がこんなに上がらないのかを本当は質問すればよかったんですが、恐らく人がいないとかなかなか勉強会にも行けないところがほとんどだったと記憶しているんですよね。そういうところに対して、どういう手を打って策定率を上げるのかを聞きたいのが1つ。
 それから、やっているところに対しては、今さらにステップアップが求められていると思っていまして、BCM――ビジネス・コンティニュイティー・マネジメントを取り入れるところが出てきているようでして、私も不勉強だったんですけれども、やはりこの辺も仕組みにしていく必要があるんだろうなと思っています。
 よく考えてみると、例えば静岡県もBCMをやっているんじゃないかなと思ったのは、要は地震が来る来ると言っていて、どちらかというとそのリスクの多い地域だと言われていながら、今企業誘致がしっかりできているのは、地震対策はしっかりできているんですよというのをアピールすることによるわけじゃないですか。
 だから、民間企業に対してもBCPを先にしっかりやって、それが定着することによってサプライチェーンの中で強みを発揮する仕組みに成り得ると思っていますので、こうやってBCMという考え方もぜひ取り組んでもらいたいなと思うんですけれども、もし所見があれば伺います。

 2点目は企業誘致の関係です。
 医療に強い人がいるのかなと思ったらちゃんといるんですね。びっくりしましたね、すばらしいと思っています。
 再質問ですけれども、先ほど8番委員の質問でもありましたが、今コロナの関係でテレワークですとかサテライトオフィスとか、いろんな働き方が増えてきているじゃないですか。そういったニーズに対応できるような、例えばITに強い人ですとかテレワークとかに強い人は東京事務所にいるのかどうかを教えてもらえればと思います。

○高橋商工振興課長
 御質問にお答えいたします。
 まず中小企業、特に策定が進まない方々はどうやって進めていくのかということで、少し繰り返しになってしまいますが、BCPを策定できない、あるいはしていない理由としては、やはり必要なスキル、ノウハウもないとか、人手が足りないとか、9番委員もおっしゃったようなことはやはり小規模な事業者で目立っておりますので、まず業種別に細分化した簡単なモデルプランにして取っ付きやすくすると。
 さらに今年は新型コロナがあるのでウェブを活用してやろうと思っていますが、先ほど申しましたワークショップは非常に膝詰めで簡単なモデルプランを丁寧に教えるということで、今までのように大きなセミナーでBCPってこうなんですよと言って、それを聞いて帰って、戻っても自分では作れないのではなくて、本当に丁寧にきめ細かくと。しかも取っ付きやすい簡易なモデルプランで取組を進めてまいりました。
 さらに今年度はオンラインを活用して、セミナーの後に同じような個別相談を行い、人手が足りないとおっしゃっている方々でも理解できるような形で進めていきたいと思っています。
 それからBCMですが、この簡易なモデルプランを作る前に、BCPのモデルプラン第3版――第1版、第2版、第3版と東日本大震災といった大きなことがある、あるいは新型インフルエンザとか大きな事象が生じる度にレベルアップしてきました県としての理想的なモデルプランがあります。その第3版がいわゆるBCMに相当するいいものなんですが、これをいきなり進めようとしてもなかなか取っ付きにくい、いきなりつくるのは無理だよということで、なかなか策定率が上がってこなかったと。特に中小企業に対してはという反省がありますので、先ほど言いました簡易なモデルプランでまず取っ付きやすいところから入って、実は先ほどのワークショップで簡単なモデルプランを作られた方が、ステップアップして第3版も併せて作ってくださっているところがありますので、こういった形で段階的に進めていって、より精度の高いいいものを作っていただければと考えております。

○餅原企業立地推進課長
 テレワーク、ITといったものに詳しい人材ですけれども、職員の中でどれぐらいのスキルがあるかは分かりません。ただ東京事務所には、静岡県出身のIT企業の方でアドバイスをくださる方がいらっしゃることは昨年の所長から伺っております。
 その方からいろいろとアドバイスは頂いているようですけれども、実際にテレワーク、サテライトオフィスの誘致まで結び付いているかと言われると、そこまではないかと思います。

○田口委員
 BCMはマネジメントサイクルということなので、計画を作るだけではなくてそれをどう回していくかということだと思いますので、ぜひやれるところはどんどんやっていってもらうことでいいかなと思います。
 ITに強い人を東京事務所にというのも、アドバイザーみたいな人がいたほうが多分企業誘致にとってはいいんじゃないかなと思いますので、臨機応変に対応していただければうれしいなと思っています。
 余談ですがテスラが時価総額でトヨタを抜いたとありましたけれども、車の台数では全然雲泥の差ですよね。でも今の企業の価値はそういうところにあるということなので、私も本当にびっくりですけれども、そういう感覚で次世代産業をしっかりと見て育てていってほしいなと要望しておきます。

 次の質問に移りますけれども、説明資料31ページの事業承継についてお尋ねします。
 これも先ほど7番委員からお話がありましたので、ダブらないようにお聞きし直しますが、今回の新型コロナで一番心配したのがこのサプライチェーンの寸断でありまして、実際例えば海外から部品が入ってこなくて工場が止まってしまったというのが起きたわけでありまして、これを何とかしっかりと食い止めていくことが必要なんだろうと思っています。
 その中でまず1点目、事業承継なんですけれども、以前から事業承継2025年問題が言われていたんですね。やはり今事業をやっている方が2025年ぐらいにはもう引退の時期を迎えると。それをいかにカバーしていくかということで進めてきたと思うんですけれども、今回の新型コロナの影響による売上げの減で、多分2025年から前倒しでもう辞めてしまおうかという人が出てこないかなと心配しています。
 先ほど来ずっとお話があったのでダブらないようにしますけれども、やはりいかに早くそれを察知するか、網を張るかが求められているのではないかなと思うんです。
 今回、3年間で1万8491件の相談を受けて診断をしているという話がありましたけれども、これが例えば東・中・西で分けたときにそれぞれちゃんとカバーできているのかとか、それがちょっと気になったんですね。
 事前に資料を頂きまして、事業承継の体制図をもらったんですけれども、事業承継ネットワークの事務局あるいは事業引継ぎ支援センターと、産業振興財団であったり静岡商工会議所が中心になって取り組まれておりますので、これだけを拝見すると西部の私からすると大丈夫かなと思ってしまうわけですよね。東部はどうなのかなと思うんですよね。それでその片方で金融機関の方が入っていらっしゃいますから、恐らく東部も西部も民間の金融機関の方がカバーしてくださっているんだろうと思うんですけれども、そこのところを県が関与していないものですから、どのようにカバーをしているのかお尋ねしたいと思います。
 例えば、私は今回いろいろ資料を見る中で、信用保証協会の事業承継、何か支援しているという記載が信用保証協会の資料を見ていたらありましたし、逆に金融機関の方も困るんですけれども、やはり中小企業団体連合会の方ですとか、いろんなサプライチェーンを持っている事業者にいろんなところからヒアリングをするなりして、これを把握する仕組みを作ったほうがいいんじゃないかなと思うんですけれども、そういう点について御所見を伺いたいと思います。

 最後の質問です。
先ほど部品調達のお話をしましたけれども、浜松に次世代自動車センターという組織があります。イノベーション推進機構の下部組織の中にありますけれども、そこが4月に会員企業に対してアンケートを実施しているんです。この中でやはり経営課題が幾つかあって、次世代自動車センターとしてこういう支援をこれから考えていく必要があるとうたっているんですけれども、この点についてやはり私も同感でして、タイムリーに事業を進めてもらいたいものですから、県の所感をお尋ねします。
 まず1点目ですけれども、今回売上げがとにかく減っていく中で、民間企業としては利益を出すためには投資のお金がやはり随分減っていると聞いているんですね。その中で、例えば将来のためにしっかりやっていかないといけない開発費をどうしても削らざるを得ない状況になっていると。ただそれをやってしまうと新しい産業につながっていかないものですから、それをサポートしていかなければいけないと書いてあるんですが、県としてもこういうものを積極的に取り組んでほしいなと思うんですけれども、そういったことについてお尋ねします。
 それから、これは以前から言われていたんですけれども、行政の助成制度って年度年度で区切られることが多いんですが、民間企業はあまり年度に限らず試作開発なんかをずっとやっていくわけなんですよね。そういったところを今回の新型コロナの影響で、少し開発の遅れなんかが見られるところがあるんだけれども、柔軟に対応すべきではないかと挙げられています。
 それから、企業内で人材育成、研修がうまくできていないとの声がありますので、中小企業向けのウェブセミナーですとか、これは産業支援機関の中でもしっかりやってほしいと思うんですけれども、その点についてお尋ねしたいと思いますし、最後に先ほど言った海外からの部品調達ができなくて生産が止まってしまった中で、ふじのくに県民クラブからも実は要望を出しているんですが、県の中でマッチングを支援することができないかを、次世代自動車センターの方も項目として挙げられていました。
 内部調達が可能になれば、地域経済を回していく意味では非常にいいことだと思いますので、このあたりをこれから研究していくことが求められるのではないかなと思います。以上、答えにくいかもしれませんが質問させていただきたいと思います。

○影山経営支援課長
 事業承継の件についてお答えいたします。
 事業承継診断の件数について、東部、中部、西部の内訳までは出ておりませんが、診断に関しましては静岡商工会議所と静岡県産業振興財団が事務局となってやっております。実際の診断は各商工会議所、商工会、金融機関、しかも金融機関は本部だけではなく各支店で行っておりますので、東部、中部、西部まんべんなく実施ができているかなと思っております。
 なお、国の事業ということで、プッシュ型事業に関しては静岡県産業振興財団と静岡商工会議所が国から受けています。事業引継ぎ支援センターについては、静岡商工会議所が受けている状況ですけれども、県としてはそれを統括する立場で、その3者で毎月意見交換を行って情報共有等進め方の共有をしているとのことで、県としてもこれからもしっかりかじを取っていきたいと思っております。

○鈴木商工金融課長
 事業承継をいかに情報を早く察知するかという点で、信用保証協会の取組を御紹介します。
 信用保証協会では、本・支店で事業承継支援チームを配置しております。そこで代表者の年齢によってスクリーニングをかけて事業承継に課題を抱える企業を訪問して、必要に応じて専門家派遣とか静岡県事業引継ぎ支援センターの仲介を行うといった取組をやっております。令和元年度は184企業訪問し、うち7企業から専門家派遣の要望があったため派遣をしたとのことです。
 ただ、現在新型コロナの関連資金の審査のほうに経営診断の担当職員も全員回っている状態でして、現在は中断しているようです。

○櫻川産業革新局技監
 次世代自動車センター浜松は、会員企業が自社の固有技術を認識し、技術力や取引先に対する提案力を高めることでEVなど次世代自動車の分野における新たなビジネスの拡大につなげることを目指しておりまして、その取組に対して県と浜松市が負担金を支出して支援しております。
 9番委員が御懸念されていますように、アンケート調査の結果につきましても、資金繰りや雇用の維持のほか、企業の研究開発費の削減による研究開発の進展の遅れが生じていることが明らかとなっております。
 これを受けまして、次世代自動車センターでは会員企業に対して3つの支援を検討しております。1つ目は試作部品の開発に対する支援、2つ目がウェブセミナーなどによる企業人材育成支援、3つ目がウェブサイトを活用したビジネスマッチング、技術マッチング支援です。特に御指摘のあった試作部品の開発支援におきましては、中小企業が取引先に対してその提案力を高める上で極めて重要な点であると県としても認識しており、センターでは試作部品の開発に対する支援上限額の引上げを検討していると伺っております。
 支援策の拡充に要する経費につきましては、新型コロナの影響でセンターの一部事業が取りやめになったことから、当初予算の範囲内で対応できるものとセンターからはお伺いしておりますが、引き続きセンターから現場の声をしっかりと聞き、今後の経済状況を踏まえて浜松市と連携して、新たに支援策を検討するなど、本県の基幹産業である自動車産業をしっかりと支えてまいる所存であります。

○田口委員
 分かりました。要望だけにしておきますけれども、リーマンショックの後、静岡県は他県に比べて対策が遅れているといった話がありました。
 一番大きかったのは、やはりサプライチェーンの寸断だったり、購買取引先を県外に求めたことがあったのかなと思うんですけれども、今回新型コロナでそういうことが起きないように、今言ったようなサポートをしっかりやってほしいと思います。
 自動車のことだけ今話をしていますけれども、先ほどほかの産業でも必要じゃないのという話をしたものですから、多分自動車に限らずいろんなサプライチェーンの中でこういったことを丁寧にやっていくことによって、前回のようにしないように、ぜひこれから経済産業部としてウオッチしてほしいなと思います。
 最後に関係ない要望を1つします。
ここから見ると皆さん武襯衣を着ていらっしゃるので非常にうれしいわけなんですけれども、ぜひ県庁の外でも着ていただけるとありがたいです。終わります。

○藤曲委員長
 ここでしばらく休憩といたします。
 再開は午後3時20分とします。

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