本会議会議録


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令和6年9月定例会文化観光委員会 質疑・質問
質疑・質問者:河原崎 聖 議員
質疑・質問日:10/03/2024
会派名:自民改革会議


○河原崎(聖)委員
 一問一答方式で質問します。
 最初に、富士山の関係です。コロナからの回復と同時に山梨県が観光客を大分絞ったことで静岡県に流れてきたという報道がありました。そのためオーバーツーリズムとか悪い面がたくさんあったことは承知しておりますけれども、同時にそれだけお客さんが来てくれるってことはチャンスでもあると思います。
 今回富士山の登山客が増えたことによって地元の観光関係にどのような影響があったか答弁をお願いします。

○大石富士山世界遺産課長
 直接的に数字的な影響は把握していないですが、今年の本県の富士山登山者数は増えております。一方で夜間の登山者数は現地の声を聞いても減っていることから、日帰り登山が増えていると考えられます。早朝から夕方まで登る傾向があり、前日から周辺の宿泊所、ホテル等に泊まって、あるいは終わった後また泊まって帰っていくことがかなり見られるようです。実際に開山期は周辺のホテルが取れないとの声が聞かれたり、自分も取ろうと思ってなかなか取れなかった現状もあることからプラスの影響を及ぼしていると考えています。
 もう1つの傾向として、インバウンド登山者数が非常に多かったと聞いております。地元の交通事業者等によると、外国人の行動傾向としてJRや路線バスを使ってくる方が非常に多いと聞いています。推測ですが、途中で食事をするなどの傾向は非常に多いと考えられ、地元への観光にプラスの影響が生じていると考えています。

○河原崎(聖)委員
 経済的効果があった点については喜びたいと思います。
 ただ、来年度以降静岡県でも規制が行われると思っておりますが、いずれにしても富士山に関してはそんなに努力しなくても世界に誇る日本の顔ですので、誘客効果がこれだけあるにもかかわらず、山梨県と違って積極的に活用してこなかったこれまでの流れがあります。信仰の対象なのかよく分かりませんが、世界文化遺産で終わっているだけではもったいないと思うのですけれども、今後明らかにプラスの効果がある中で、たまたまこうなったからで何もしないのか、それとも今後こうした点を生かして何かやっていこうと考えているか答弁をお願いします。

○大石富士山世界遺産課長
 御来光時の混雑の集中や人が増えることによって特に山頂のほうの登山道で事故が増えたりするのが、オーバーツーリズムの中でも富士山の特徴的な課題と捉えています。世界文化遺産の価値を知ってもらうため富士山周辺にはたくさんの人に来てもらいたいと考えています。もちろん規制は検討していく一方で、全員が無理して山頂を目指すのではなく体力に合わせた登山や山麓の観光の魅力を発信することによって、富士山を一つのキーワードとしてできるだけ多くの観光客等を呼び込めるように、オーバーツーリズム対策と観光誘客とのバランスを取って取り組んでいきたいと考えています。

○河原崎(聖)委員
 方向性は分かりましたが、具体的に何をやるかの詰めをお願いしたいと思います。
 
 次に、文化観光委員会説明資料24ページの総合教育会議については、これまで様々な経過があったと思います。教育現場は、基本的には教育委員会がメインと思いますけれども、その一方で教育村、教育島というか、その中の内向きの論理が出てしまい、独りよがりになりがちだということも否めない中で、総合教育会議が出てきたと理解しております。
 そういった意味で、前県政では教育委員会等との無用な対立があったとこともありますが、その一方で個人的には教育に対して教育委員会以外からの声が届くことも大事と思っております。前知事の場合は自分の学説を無理に押しつけようとし過ぎた印象を持っており、それではまずいとは思うのですが、やはり静岡県のトップとして知事にも教育に対する考えがあるべきと思いますし、それがなかったら総合教育会議なんてやっても無駄だとは言いませんが、効果が半減すると感じています。
 そういった中で、今回2の協議手法の見直しで有識者会議をやめる方針が出ています。やめるのはいいのですが、どういう理由でやめることにしたのか伺います。

○稲葉総合教育課長
 5番委員のお話にありましたように、以前は地域自立のための人づくり・学校づくり実践委員会の下の小委員会ということで、総合教育会議の前に様々な分野の有識者の方から幅広い分野の意見を聞いて、それを総合教育会議に報告して議論させていただいておりました。
 今年度の会議の進め方につきまして、知事に相談して、多様化する教育課題に迅速かつ的確に対応するためには簡潔な協議に改め、具体的かつ集中的に協議したいということになり、手法の見直しをすることにしました。

○河原崎(聖)委員
 要するに実践委員会や小委員会そのものが駄目なのか、やっている内容が駄目なのか。それはどっちなのですか。

○稲葉総合教育課長
 実践委員会、小委員会につきましても、学校現場だけではなくて様々な分野のトップの方に御意見を頂いて教育に反映する意味では、今までも地域スポーツクラブを先駆けてつくった実績等がございます。
 しかし、本会議での知事の答弁にあったとおり、環境の変化が激しく不登校の子供たちが非常に増えているなど喫緊の課題がかなり出てきたものですから、直接知事と教育委員会でテーマを絞って協議していくことのほうがまず必要だと判断して今回は見直しをしております。

○河原崎(聖)委員
 前知事の場合には、やり過ぎなぐらいいろんな考えを押しつけてきました。それはそれでまずいのですが、かといって静岡県がどういう人づくりを目指すのか、理念とか方針があってこの2つの委員会をやめたかどうかなんですよ。
 やはり教育は、この地域を形づくる一番の礎だと思うんです。それが県づくりにもなるし、それからまた人の定着、移住定住にもつながっていく一番大事なところではないかと思っているのですけれども、何かしらの考えがあるのか。委員会をやめることについては知事から指示があったのですが、今後総合教育会議はどこに柱を置いていくのか伺います。

○縣総合教育局長
 総合教育会議につきましては、平成27年度の法律改正に伴って法律に基づいて設置されております。実践委員会、小委員会については本県独自に設置しているものです。先ほど稲葉総合教育課長から答弁したように、これまでは総合教育会議に知事が臨むに当たってあらかじめ幅広い分野の方から意見を聞いてやっておりました。鈴木知事に御意見を伺った際にもこれまでの取組をお話ししております。鈴木知事はスピード感やまずやってみようという姿勢を非常に大事にされておりますので、段階的にやるのではなくて総合教育会議できちんと議論する体制でやったほうがいいとの意見で、今回このような形になりました。
 ただ、外部有識者の方の意見を聞かないということではなく、具体的な教育現場の課題について有識者の方の意見も聞きながら総合教育会議できちんと議論して、具体的な施策につなげていきたいと考えています。
 基本的には、先日知事は本会議で蓮池議員あるいは1番委員の質問で答弁した考え方で今年度教育に関する大綱を策定することにしておりますので、教育委員会とも十分議論しながら本県の教育の目指す方向性、具体的な施策について整理していきたいと考えております。

○河原崎(聖)委員
 相変わらず鈴木知事の顔が見えないです。総合教育会議のメンバーや話を聞く相手について、これまでの方針と変わった部分はあるのですか。

○縣総合教育局長
 総合教育会議は法律に定められており、知事と教育委員会で議論する場になっております。知事、教育長、教育委員がメンバーになっておりますのでこれは従来から変わりません。実践委員会は外部のいろいろな有識者にこれまでお願いしておりましたけれども、総合教育会議はそういう形になります。
 先ほど申しました教育に関する大綱についても、法律で総合教育会議が協議して定めることが明記されておりますので、それを総合教育会議の中できちんとこれから議論していくということです。

○河原崎(聖)委員
 メンバーはそうだと思いますけれども、そのメンバーが誰に話を聞くかが変わったということはないですか。

○縣総合教育局長
 これまでは実践委員会をあらかじめ開いて様々な分野の方から意見を聞いてきましたが、これから総合教育会議については、知事とお話をする中で教育現場で具体的に抱える課題、例えば不登校の問題などに絞ってやっていきたいということです。
 総合教育会議に専門家を呼んで、あらかじめお話を聞いた上で具体的に協議していく手法に変えていこうということです。

○河原崎(聖)委員
 先ほども申し上げましたけど、やはり静岡県の顔が県民に対するメッセージとしては一番大きいところだと思います。どういう人づくりを目指すのかはもう少し説明があったほうがいいと思います。

 次は、インバウンドの関係です。
 富士山等もあることからいろいろな国の方が来てくれている印象があります。ただ国内のほかのところと比べるとまだ少ないことが観光の回復の遅れにつながっています。個人的にはこれまでどちらかというと欧米軽視で来た流れが、ここに来て蓄積して現状になっている印象を持っています。知事が替わられて学説を振りまわすところから離れたわけですが、県の観光施策として今後欧米等アジア以外に対するこれまでのアプローチについて変えていこうというお考えはあるかどうか伺います。

○秋定観光振興課長
 5番委員御指摘のとおり、欧米からの訪日外国人は東京を起点にして滞在時間も長いことから、本県を含めた観光旅行をPRして来ていただくのは非常に重要だと考えております。このため県では観光協会、首都圏のランドオペレーター、地域DMO、地域DMCで受入れを担当する方々と共同で県内宿泊プランを造成して、造成から販売まで一連の流れを構築していきたいと考えております。
 具体的には、欧米豪の市場の旅行者については日本の滞在時間が大体10日から14日であるため、東京を離れるのが大体中日の4日とか5日になります。通常は箱根や日光に行ってしまう場合が多いですけれど、静岡県を選択していただくよう魅力あるコンテンツ造成に取り組んでいきたいと考えています。
 周遊の商品開発や販売を、観光協会を中心に首都圏のランドオペレーターと共同で、マーケットインの考え方でニーズを踏まえた商品造成と販売に今後取り組んでまいりたいと考えております。

○伊藤(和)委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は13時30分とします。

( 休 憩 )

○伊藤(和)委員長
 休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 では、発言願います。

○河原崎(聖)委員
 先ほども黄金KAIDOの話がありましたが、それこそこれも前の知事の学説というか主義主張の分野の話だと思っています。静岡県はわざわざ委員会の説明資料にも1項目を設けて説明しているのですが、他の県ではそんなに認知されているのですか。

○秋定観光振興課長
 現在4県連携で行っている取組としては、サイクルツーリズムの推進があります。4県連携で旧街道を巡るサイクルルートを設定して、9月17日に4県合同で発表したところです。このルートは静岡県の土肥金山、山梨県の湯之奥金山、長野県の金鶏金山、新潟県の佐渡金山までつなぐ黄金KAIDOルート上でもあるものです。今後4県連携で取組を進めていきたいと考えております。
 そのほかにも、4県連携による物産展の開催や山岳観光の推進ということで、山のグレーディング、ピッチマップを作成して各県で情報発信しているところです。

○河原崎(聖)委員
 個別に実施している事業があることは分かりました。
 例えば静岡トク旅という事業のような事業でほかの3県から協力が得られるものは何かあるのですか。

○秋定観光振興課長
 今のところございませんが、NEXCOでやっている速旅ドライブプランにつきましては4県周遊の取組ですので、4県を巡っていただくことでこのキャンペーンを盛り上げていきたいと思っております。

○河原崎(聖)委員
 ほかの3県に対して事業を周知して取り組んでいるものはあるのですか。

○秋定観光振興課長
 4県のPRの取組ですが、7月に静岡伊勢丹で開催した物産展におきましても4県合同でPRしています。そのほか今後長野県松本市で11月に物産展を開催するのですが、トク旅も含めて4県でPRしてまいります。
 
○河原崎(聖)委員
 次に、駿河湾フェリーですが、金色に塗って富裕層は増えましたか。

○秋定観光振興課長
 駿河湾フェリーの3階貸切特別室において、1団体10万円と5万円の2コースの高級飲食サービスを開始しております。主に海外の高所得者層向けを想定していまして、現在5万円コースについて2組だけですが利用実績があるところです。
 今後いろいろなところで営業しまして、多くの方に利用していただくよう積極的に取り組んでいきたいと考えております。

○河原崎(聖)委員
 前県政の頃に目玉として出てきた施策だと思います。今その流れをくむ形で委員会資料等の説明も頂いていますが、いい部分も悪い部分もあると思います。前県政時代の総括が行政の各分野でもなければいけないと思っています。そういう中でこのスポーツ・文化観光部は特徴的なところと思います。そういう視点で今年度の間に整理していただきたいと要望させていただきます。
 
 当委員会で聞くのは場違いではありますが、県庁全体の組織編成の中で、文化観光の部分が教育委員会にまたがる部分と経済産業部に関わる部分があります。今後スポーツ・文化観光部の在り方という点で何か変えていく必要や考えが都築スポーツ・文化観光部長にあればお願いしたいと思います。

○都築スポーツ・文化観光部長
 組織に係る意見については多少申し上げにくいですけれども、部を所管している立場として感想的なことを申し上げさせていただきたいと思います。
 今まさに観光部門は経済産業部ではないかともよく言われております。ただ観光につきましては、従来どうしてもキャンペーン的なものが前面に出てるイメージですけれども、政策としては需要喚起と今回補正予算にも上げさせてもらっています人材不足対策でやっている宿泊事業者の経営支援の両面で政策を打っていると自負しております。
 特に、今回の宿泊業の人材不足対策につきましては業務効率化の話もございます。一方で社員寮整備――いわゆる環境整備もございます。こちらにつきましては、当部である程度きちんと検証を行ったからこそできた制度と自負しております。経済産業部はいろいろな業界を持たれていますのでバランスを取る必要がありますけれども、我々は観光に特化して議論できるため、観光業界とのつながりの中で観光にとってよりよいものをつくり上げることは必要であると考えております。
 一方、スポーツ・文化観光部としては観光と空港がございます。空港につきましてもイン、アウトともに就航先との関係がありますが、特にインバウンドにつきましては観光と表裏一体と考えております。特に富士山静岡空港が開港して15周年になりましたけれども、今回の政策につきましてもやはり空港と観光が一枚岩になってやっているところもございます。今回の秋のキャンペーンにつきましても、メインについては空港と観光がコラボしているため双方が連携する必要があると思っています。実務的にも執務室はフリーアドレスで空港と観光は1つのフロアでやっております。あくまでも連携が非常に必要と思っておりますので、そういった点でも空港と観光は切り離せないと考えております。
 あとスポーツ・文化観光部ですのでスポーツ政策、文化政策もございます。スポーツ、文化につきましては県民のスポーツ振興、文化振興の視点ですが、一方で産業との結びつき、交流人口の拡大という点もございます。これについては観光資源等とのコラボは非常に大事でして、例えばスポーツツーリズムにつきましてはスポーツ資源を使って交流人口を拡大する。文化につきましても文学、美術、演劇それぞれそれによって人が来る、交流することもございます。文化財も最近は観光活用ということも言われておりますので、そういった点でもスポーツ、文化、観光のコラボは非常に重要だと考えております。
 それぞれの資源を、相互にきちんと連携する形でさらに効果的に施策をやっていくことも重要だと思って、今我々が与えられている組織の中で日頃の業務に携わってるところです。
 教育は少し毛色が違うところがありますが、それぞれ人材育成という観点で言うと、スポーツも文化も観光も空港も教育もありますので、それぞれ共通したところがあると思っています。特に文化につきましては、先ほどの子供たちの文化芸術という施策は教育振興の観点からも非常に重要な施策だと考えております。双方の連携を取る必要があるといったところで、今我々が持っている組織としての在り方は、横軸をきちんとしてやることを日頃意識しながら対応しています。

○河原崎(聖)委員
 空港関係ですが、台湾便の復便について何かあれば、またほかの便についても何か情報があればお願いします。

○小野空港振興課長
 台北線につきましては、平成20年就航から長きにわたってスポーツや観光ほか文化等も含めて観光交流に寄与した重要な路線であります。ただコロナ禍を経て令和2年度から現在に至るまでいまだ欠航が続いています。その間我々としましては、これまでも航空会社に対して粘り強く交渉してまいりました。県議会の日台友好議連の皆様にも航空会社等を訪問頂くなどお力添え頂いたところであります。また来月訪台されることも伺っています。
 今年1月から3月においては、台湾高雄から31便の連続チャーター便を成功させ、やっと年末年始で台北との3往復のチャーター便が決定したところです。台北での販売について約1時間でほぼ完売したと伺っているところで、かなり静岡線の需要は大きいと認識しているところです。
 ただ、なぜ就航しないのかという点につきまして、航空会社の見解によりますと、コロナの影響もあり保有機材の更新についてメーカーからの納入が非常に遅れていることが深刻であると伺っています。
 このような中、先ほどの約1日で完売した需要も踏まえて今月森副知事が本社幹部に直接セールスに行くことが決定しております。旅行需要をしっかりと示しつつ、限られた保有機材ですが、静岡線にぜひ配置してほしいと直接強く交渉して路線の復便につなげていきたいと考えております。
 その他の国際線につきましては、本日の説明資料にも入れさせていただきました。チェジュ航空のソウル線はこれまでデイリー運航で1日1便だったものが、冬ダイヤから週4便が増便されました。これは午後便にプラスして午前便が生まれることで日本及び韓国の方にとりましても利用の幅が広がり我々としても今後非常に期待しているところです。ただしこれも旺盛なインバウンドが背景にあって今に至っているものなので、あまり一喜一憂することなく韓国線は伸ばしていきたいと考えています。
 あわせて、中国につきましては上海線に加えて杭州線がやっと就航しました。それ以外の路線については粘り強く運営権者と共にセールスをしており、東南アジア路線については1月にベトナムとのチャーター便が決まっています。東南アジアはベトナムのみならず、タイにおきましても県内企業の進出数が非常に多いこともあり、引き続きまずはチャーター便からアプローチしていきたいと考えています。

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