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委員会会議録

質問文書

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平成31年2月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:森 竹治郎 議員
質疑・質問日:02/28/2019
会派名:自民改革会議


○大石(哲)委員長
 それでは、委員会を再開します。

 質疑等を継続します。
 では、発言願います。

○森委員
 おはようございます。数点、分割質問方式で質問したいと思います。
 まず最初に、産業委員会説明資料の2ページに債務負担行為が書いてあります。この中で期間が大分長く10年あるいは20年の債務負担行為が説明されているわけでありますけれども、大変長い期間にわたっての債務負担行為と限度額が書いてありますが、経済の移り変わりの見通しがきかない中で長期にわたる期間設定にはどのような合理性があるのか。事業が長期にわたる関係かもしれませんけれども、このことについてお尋ねしたいと思います。

 2点目ですけれども、説明資料の33ページ、34ページ、TPPと今回はEU関係の調整についてもかかわりがあるわけですけれども、特にTPP関係について34ページに事業の説明が書いてあります。中にはTPPと直接かかわりはないのではないか、今まで本県の産業行政に従ってやってきた事業も含まれている気がするわけでありますけれども、特にマーケティング関係、農業関係、水産関係について直接TPPにかかわりがある本県の畜産農家、米作農家あるいは漁業関係の皆さんに対して、静岡県はこのようにTPP対策を考え実行しますという特徴あるTPP対策について説明を求めるところであります。

 次は70ページ、事業承継支援に係る連携の促進です。最近全国的にも、とりわけ本県でも跡取りがいなくて、長い間家業として続いてきた旅館、ホテル、土木請負業、商店を残念ながら閉じざるを得ないケースが私の周辺にも見られるようになってきました。このことについては当局、そして当局以外にもとりわけ経済産業部にかかわりのある商工会議所、商工会あるいは地方銀行の皆さんなども取り組んでおられると思う。県内の状況について、特に商工会議所、商工会、銀行関係についても情報等があればどのような状況か御説明いただければありがたい。
 本県の皆さんが直接かかわることについては、70ページの(2)に出ております。これを見ますと平成30年度に相談件数が332件、対応件数が235件、成約件数が11件、この業種の内訳が参考までにわかれば教えていただきたい。そして今後皆さん方においては事業承継にどのように取り組んでいかれるおつもりなのかお尋ねしたいと思います。

 次は、地籍調査についてでありますけれども、静岡県はどういうわけか全国に比べると非常におくれているわけですがその原因は何か。
それから、今熱心に農林事務所の皆さんが取り組み始めてくれているわけですけれども、国からも南海トラフ巨大地震、巨大津波の心配が流されているわけです。30年以内に70%から80%の確率で発生が想定される中で地籍調査の作業は積極的に進めていかなければいけないと思います。御案内のとおり、東北の8年前の巨大津波、巨大地震の復旧・復興がおくれている大きな原因の1つは地籍調査でありますので、このことを考えるとやはり本県でも一層進めていかなければいけないと思います。今後の取り組みについて御説明いただきたいと思います。

○畑管理局長
 まず初めに、利子補給に係る債務負担行為の期間設定の考え方についてお答えいたします。
 利子補給は借入者の利子負担を軽減するために、その利子の一部を給付するものでございます。利子補給の期間でありますが、原則はそれぞれの資金の償還期間に合わせて設定しているところでございます。例えば中小企業向け制度融資でございますが、融資のメニューごとに償還期間は異なっておりますけれども、例えば償還期間が15年のメニューについては、利子補給の期間を15年と設定しています。
 この債務負担行為の期間は、償還期間に基づき設定していますけれども、事業効果の意味におきましては、資金を借り入れた人は融資を受けた時点で事業に着手しておりますことから、借り入れによる事業効果は早期に発現されているものと考えております。また償還期間を長くとることによりまして、一般的には借入者の負担感も軽減されることから、借入者にとって利用しやすい制度になっているものと考えているところでございます。

○杉本産業革新局長
 TPP、EPAに関する県の考え、それから説明資料34ページにある事業の中で特徴のあるものとの質問だったと思います。
 まず県の考えですけれども、日EU・EPA、TPPにつきましては、県の基本方針としては競争力を高めて攻めていくことを出しております。攻めについては2つあると思っております。
 1つは海外に向けて攻めていくということと、水産物、畜産物につきましては海外からたくさん入ってくるので国内で足腰をしっかり強くする意味での攻めがあろうかと思っております。特に海外に攻めていくとしますと、例えばお茶、日本酒等は特にEU等では関税の撤廃がございますので、来年度も新しくマーケティングの戦略に取り組むことを考えておりますし、お茶につきましては米国カリフォニア大学デービス校との交流であったり、有機抹茶といった新しい商品づくりにも着手していると考えております。
 一方、国内で足腰を強くすることにつきましては、特に畜産物については海外から既にたくさん入ってきていることもありますので、足腰を強くする方法の1つとして、例えば県内の畜産農家が安心して生産できる食肉センターの整備につきましても来年度から計画づくりに着手することとしておりますし、またスマート畜産ということで特に大家畜においては生産性の高い省力化技術を導入したり、豚については喫緊の課題であります臭気対策にも即対応している状況でございます。
 また、水産物につきましても海外からかなり入ってくる中で、水産イノベーションとして水産業者、加工業者、水産団体などがみずからのアイデアで新しい商品づくりや流通改革を行う取り組みに対し支援していく幾つか事業を書いてございますけれども、そういう形で海外に攻めていくもの、国内でしっかり足腰を強めていくものに取り組んでまいりたいと考えております。

○三須商工業局長
 事業承継の関係でございます。
 県内では、現在県産業振興財団を事務局にいたしまして、県内の商工会、商工会議所、各金融機関等々がネットワークをつくり、その中で勉強しながら取り組みを行っております。
 2番委員からお話のございました事業承継支援の取り組みでございますが、昨年度事業承継の診断件数が全部で5,560件でしたが、そのうち約6割弱が金融機関の皆様が携わったもので、残りは商工会、商工会議所の経営指導員が取り組みをしたものでございます。現在我々の取り組みは金融機関と商工団体の皆様と連携しながら掘り起こし、支援を行っています。
 それから、2番目のプッシュ型の事業承継支援強化事業の実績でございますが、主として事業承継の案件はサービス業が比較的多くございます。平成30年度の成約件数が11件となっておりますが、その内訳はまずサービス産業が6件でございます。そのサービス産業の中でもいわゆる自動車整備業が3件、理美容が1件、旅館業が1件、産業廃棄物が1件です。それ以外に製造業が3件で、これは金属加工ですとか食品加工、それ以外には建設業、小売業という状況で比較的業種も幅広くなっておりますが、地域を考えますとやはりサービス業が比較的多いのではないかと考えております。
 今後の取り組みでございますが、事業承継につきましてはいろいろな支援機関の皆様とお話をしていく中で、やはり長期的にかかわっていって、今の経営者も次の後継者も含めて長い期間お互いに意識を持ちながら事業承継につなげていくことが必要だろうと考えております。成約も簡単にできるものではなくて1年、2年、3年という中でお互いの信頼関係が高まっていって事業承継につながっていくものでございますので、我々としては長期的に伴走して対応ができるように体制をつくり上げていきたいと考えております。

○内山農地局長
 地籍調査の関係について、お答えいたします。
 まず、本県の地籍調査の進捗率は資料にございますように全国と比較して非常に低く半分程度となってございます。この理由につきましては、本県が東京や名古屋圏に近く土地の価格が高くて土地の所有者の権利意識も非常に高いこと、また一筆一筆の面積が小さくてかつ数が膨大で非常に調査に手間を要するために進捗がおくれてきたところでございます。
 また、最近の課題といたしましては境界確認の立ち会いをお願いするわけですけれども、土地所有者などの探索ですとか境界の確認に非常に時間を要していることが挙げられます。これは相続に当たって不動産登記が適切に行われていないことや地権者が遠隔地にお住まいであるなどして作業がなかなかはかどらないことも理由として挙げられており、これは全国的な課題にもなってございます。
ただ、2番委員の御指摘のとおり地籍調査は防災・減災の観点からも非常に重要なもので、また安定的な土地取引の確保においても非常に重要なものと認識してございます。こうしたことから県ではこれまで市町が行う地籍調査を促進するため、民間が行う土地取引にかかわる調査の成果も地籍調査に活用することを一生懸命促進しているところでございます。
 また、この資料にもございますけれども発災時において県管理の道路、河川等の復旧を迅速に進めるとともに官民境界の基本情報を整備するため、津波浸水区域内の調査を県単独で進めております。
 これらの成果は後続の市町が行います地籍調査の基本的な情報にもなりますので、今後市町が行う地籍調査を促進する効果もございます。
 また、調査に要する職員の確保が困難で松崎町を除き調査を行っていなかった賀茂地域におきましては、引き続き市町の共同実施体制による調査を推進してまいります。
 今後も、特に南海トラフのお話もございましたけれども、津波浸水域において地籍調査を推進することが非常に重要だと考えております。県では重点的にこういった地域を進めることとしておりまして、本県の津波浸水想定域内の地籍調査につきましてはこれまでの成果もありまして、約82%まで進捗率が上がってきたところでございます。

○森委員
 重ねてお尋ねします。TPP対策について、きょうは資料が私の手元にありませんけれども昨年の当委員会で静岡県におけるTPPに関係する農業関係者が試算した影響額が230億円とか250億円と発表した。県が試算した影響額は40億円、50億円と視点が違い、開きがあるわけですけれども、大分下がったということは農業関係者、とりわけ畜産関係者などは非常に心配している、これは間違いないわけです。
 一方、水産関係については御承知のとおり、現時点でも成田漁港と言われるように成田空港には年間1兆円から1兆3000億円の魚介類が海外から入ってきます。魚介類の種類によって関税が異なりますから、3%、15%、20%あります。現在1兆5000億円近くの非常に安い魚介類が海外から来ている。関税がゼロになるとまた海外からの魚介類が安くなる。
 今、国内の水産漁業は非常に厳しい経営に陥っている。魚介類についても低迷状態で、さらに成田漁港から大量の魚介類が輸入されてくることは現場の漁業者は非常に心配の限りである。このような状況ですから、皆さん方と農業関係者、畜産関係者、あるいは漁業関係者との情報交換で県はこういう施策を講じると、こういう会合は今までもやっているかもしれませんけれども、今発効したばかりですからどのように経済産業部としてはこの問題に取り組んでいくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

○細谷農業局長
 農業分野のTPPに対する考え方について、お答えします。
 TPP、日EU・EPAにおいて農産物の自由化が進展する中で、一番大事なのは生産者の所得向上と維持だと考えています。そのためには農業の生産性を高めていく必要があると考えています。
 先ほど杉本産業革新局長からお答えしましたが、特にTPP、EPAの影響を最も受けやすい畜産分野において、先ほど御指摘のありました事業の中では酪農家の作業を軽減するためにICTの機器などを導入して省力化を図ってまいります。
 さらに、養豚農家が規模拡大したくてもできない状況に対応するために、臭気対策を現場で実施あるいは新しい補助事業においてフィルターなどの整備を進めてまいります。
 さらに、畜産物が輸入品に負けないようにしていくためには、県内で生産された豚や牛を県内で加工して安心・安全な食肉として提供し、県民に県産品を選んでもらえる体制をつくっていく必要がある。高い衛生レベルを持った食肉センターをJAグループや市町と連携してつくっていくために、来年度新たに基本計画の策定を進めるための予算を現在お諮りしているところでございます。
 さらに、首都圏で需要が拡大しているトマトやイチゴなどの野菜類の生産を拡大して農家の所得を上げていく必要がありますので、鉄骨ハウス等への助成を本年度は9800万円でございましたが来年度は1億2500万円に枠を拡大して生産支援していきたいと考えております。

○芦川農林水産戦略監
 積極的なお話をさせていただきます。畜産農家を初め水産業も含めて、直接的に影響を受ける生産者の方々の気持ちを厳粛に受けとめています。今年度初めにTPPの影響額を試算させてもらいましたときに、それぞれの生産者団体のところに出向いて説明し意見も伺ってまいりました。そればかりではなく、それぞれの状況に応じて説明し生産者の方々の意見を酌んでできるだけ支援できる環境づくりを図っていきたいと思っております。
 そういう意味で国のクラスター事業もありますけれども、できるだけ生産力を高める、競争力を高めるために生産者の方々が一気に投資するのはリスクがありますけれども、小口でどんどん投資して増強していただく意味で、内山農業局長が説明したように県単の施設園芸の補助や水産イノベーション事業で生産者の方が投資リスクを抱えないよう、かつ生産力を高める事業をやっていきたい。その上で事業を続けていくに当たっても、生産者に意見を聞いて改良していきたいと考えております。

○中平水産業局長
 今、杉山産業革新局長、内山農業局長、芦川農林水産戦略監がお答えしたところでございますけれども、水産業について若干補足させていただきます。海外から安い製品が入ってきたときに、価格面でもそうですが所得向上を考えた場合にはそれに負けない質、ある程度海外よりも高いけれども消費者がこの質だったら買ってもいいというものを供給していくのが生産者のためにもなりますし、生産者の所得向上にもなりますので、そういう対策が極めて重要だと考えています。
 そのためには、今出ているものをより高付加価値にしていくことと、もう1つ重要な視点はそういうものが欲しいとき需要があるのに今の流通ルートでは提供できていない環境がございます。ある程度高くても欲しいというものを供給していく。そういうニーズに応えてつくり出していくことが極めて重要です。現場サイドでこういうことをやりたい、こういう新しいことをやりたいときに支援していく制度が必要なので、今回水産イノベーションの制度を新たに創設しようとしているわけでございまして、これがまさにTPPの柱になるのではないかと考えております。2番委員、芦川農林水産戦略監からもお話がありましたように、我々も現場サイドとより対話を重ねながらしっかりと周知を図って、皆さんとともにやっていきたい、生産者にも安心感を与える伴走型で取り組みを進めてまいりたいと考えています。

○森委員
 政府も農林水産業をさらに強いものにしていこうと、とりわけ農林水産分の輸出1兆円を目指して今9000億円になってきた。本県もさらにTPP対策を一つのてこにして、強い農業、強い漁業、強い畜産を発揮して、輸出についてもさらに実績を積むよう努めていただきたいと思います。

 次に、水産関係については、きのう7番委員、8番委員も触れられておりました。私からも重ねて、二、三お尋ねしたいと思います。
 1つは、今心配されている、きのうも8番委員が触れられていたサクラエビの関係です。近年、異常に水揚げが減ってきている。とりわけ昨年は、まことに厳しい状況が出たわけです。ことしの春漁についても、出漁するかどうか非常に心配の限りの状況だと思います。そういう中で漁業者の家庭の生活関係、あるいは水産加工業者の会社の運営状況といった面については御承知のとおり信漁連の融資制度を県もお考えになって現場へ説明に行っているようであります。
 そして、また一方では共済についても予算書には昨年と同じように700万円が計上されているわけです。今後共済関係の制度をもって、漁業者の家庭の一助になるよう皆さん方には対応していただかなければいけないわけでありますけれども、漁業者あるいは水産加工業者の皆さんに対するてこ入れ、支援について、さらにどう取り組んでいかれるのか、重ねてでありますけれどもお尋ねしたいと思います。

 それから、中平水産業局長が非常に御熱心に取り組み始めた水産イノベーション関係の5000万円ですが、きのう7番委員も触れられていたわけでありますけれども、このことについて非常に私自身もユニークな水産漁業対策だと評価はするわけです。一方で初めての事業でありますから、県内の水産業業の関係の皆さんによくよく理解していただく。こういう制度がスタートを切ったことは大事だと思いますし、単年度で終わらせたくないと思います。今後さらに充実させる方向で取り組んでいただきたいと思いますけれども、さらにいろいろな面での活用が期待されます。その心づもりをお尋ねしたいと思います。

 それからもう1つ、水産関係について話題のTACに伴うクロマグロの資源管理について触れてみたいと思います。
 御存じのように法改正によって、非常に資源管理が厳しくなりました。刑罰まで法制化され、現場のクロマグロの定置網にしろ、はえ縄漁業関係者にしろ非常に戸惑いを持っていることは間違いないわけです。とりわけ漁船漁業の関係でありますけれども、御存じのように本県における漁船漁業の大型魚については、平成30年度はもう枠が83
%まで達してきている状況が出ております。実は、はえ縄漁業等に携わっている漁業者はまさにさっきのTPP対策にのっとって皆さんの指導によって漁船リース事業を採択して取り組んでいる。この委員会でも説明があったわけですけれども、国の補助が半額出るというものの半額の数千万円は漁業者の負担として返さなければならない。そういう中で非常に厳しい枠が設定されていると、返済にも心配が出てきているのは中平水産業局長にしろ、瀬水産振興課長にしろ御承知のところであります。
 例えば、調整枠――留保分もあるわけですけれども、水産庁が国全体の中での調整枠を持っている。これについて少しでも残っているものがあれば本県へ割り当ててもらうこともお願いすべきではないかと思いますし、例えば他県に振り分けた調整枠を使っていない県があるならば水産庁にお願いして振り向けてもらうとか、いろいろなやり方が考えられます。説明資料の114ページ下段にも、是正措置を要請中とのくだりがありますけれども、このことについて水産業局はどのように取り組んでいくのか、これは森水産資源課長にもかかわりがあるのかもしれませんけれども、水産業局としての考え方を説明していただければありがたいと思います。

○中平水産業局長
 大きく3点の御質問がありましたので、順番にお答えしたいと思います。
 まず、サクラエビの漁業者、水産加工業者に対する経営支援対策の考え方でございます。昨日も御答弁を差し上げたところでございますけれども、経営支援対策で一番重要なのは漁業者であればその生活をしっかりと確保していく。特にサクラエビは全体で40億円、最近では30億円強ぐらいの収入がございます。それを糧にして生活しているわけでございまして、生活をしっかり確保していくことが最も重要だと考えています。
 それからもう1つ、サクラエビが入ってこないとなりますと、仮にほかの仕入れ先に変える場合もなかなか難しいのでございますけれども、仮に可能であっても資金がなければできないわけでございまして、水産加工業者については日々の経営資金、事業を継続していくための資金を確保していくことが事業の継続にとって極めて重要だと考えています。
 そのため、2番委員の御指摘のように漁業者については共済をいかに活用していくか。きのうも答弁いたしましたけれども、共済制度は一部では漁業者全部が保護されるのではないかみたいな報道があったわけでございます。共済制度は最大で9割まで補填されますけれども、実際は契約割合やいろいろな条項によってそんなに補填される方はほとんどいないわけでございまして、高い契約割合とするための掛金の上昇に対して補助する制度を県で持っておりますので、それをしっかりと周知して、毎年毎年継続していかなければなりません。しっかり活用していただくよう周知していく、それから予算の確保を進めていくことが極めて重要ですので、引き続き取り組んでいきたいと思います。
 それから加工業者につきましては、経営のための資金は融資でやっていくしか現状では他産業との兼ね合いでないわけでございます。しかしながらこの融資にはいろいろな制度がございますが、なかなか周知されていないのが実態でございますので、周知をまず進めていく。それから我々としてできる対策として、例えば近代化資金について業界の系統の金融機関と連携していくことではございますけれども、例えば利子の返済期間の延長とか条件の緩和は可能でございますので、そういうことをどんどん積極的にやっていくことで対応してございますし、今後も対応してまいりたいと考えています。
 それからもう1つ重要なのは、加工業者であれば系統金融機関以外の民間金融機関から借り入れるところも多々ございます。今回は初めてそういうところとも連携いたしまして、要件緩和や新たな融資制度の創設を横並びで現在進めているところでございまして、これによって事業や生活が継続していける対策を進めてまいりたいと考えてございます。

 それから2点目、水産イノベーションの事業でございます。現場の理解をとのお話でございました。2番委員がおっしゃるとおりで、我々としてはこの予算を今後ずっと続けていきたいと考えているところでございますが、そのためにはまず来年度1年目でしっかりと予算を消化していくことが極めて重要です。そのためには現場にこのような制度があるのだと、皆さんの助けになるのだとしっかり周知して使っていただくことが極めて重要でございます。もう既にいろいろな総会で芽出しはしているところですけれども、今後いろいろなチャンネルを通じながらしっかりとこの事業について周知して活用を進め、最終的にはさらなる予算の継続もしくは増大を継続的に図ってまいりたいと考えているところでございます。

 最後にクロマグロでございますけれども、TACで非常に今厳しい状況になってきていることは我々も最大限理解しているところでございます。実はことしの現管理期間――去年8月からことし3月までの期間となりますけれども、国に要望いたしまして新たに留保が開放されてさらに枠が伸びた自治体もございますので、引き続き現管理期間、それから次期管理期間も含め、とにかく現状を適宜国にお伝えして留保の開放をしっかりと要請していくことが極めて重要だと考えております。
 ただ、これはタイミングが非常に重要だと考えておりまして、タイミングを見きわめながら制度のより円滑かつ効果的な運用に向けて国とも留保の開放等をしっかりと調整しながら進めてまいりたいと考えております。

○森委員
 今、中平水産業局長から御説明いただきました。
 漁業共済については、御存じのように今静岡県の水産漁業を取り巻く情勢の中でサクラエビ、シラス、アサリ、イカ、あるいはキンメダイそれぞれ大変な状況が出ています。
 そしてもう1つ注目していただくのは燃料の問題だと思うのです。このことについては、去年あたりは1バレル40ドルとか50ドル、かつては100ドルまでいった。今、アラブ情勢やアメリカの情勢、中米の産油国の政治情勢など非常に混迷の度を深めている。原油の価格についても非常に見通しが立てにくいけれども、かつてのように100ドルまでいくと現場の漁業者は出漁できなくなってしまう。そういう状況も過去にあったわけです。今、そういう心配も少し出てきていますので、ぜひ水産業局の皆さんにおいても、漁業者の皆さんや漁協組合長の皆さんなどに働きかけて、もっともっと加入してもらうようなこともやってもらいたい。そうすることによって県の予算もさらに必要性が高まってくるかもしれない状況でありますから、さらに一層の取り組みをお願いしたいと思います。これはお願いです。

 それでは、年度末になりますと毎年恒例でありますけれども県職員で御勇退される皆さんがあるわけであります。経済産業部、労働委員会の中では、芦川敏洋農林水産戦略監、西島潔経済産業部理事、大石康之組合検査課長、花嶋隆農地利用課長、さらに河森佳奈子労働委員会事務局長、田澤光弘労働委員会事務局調整審査課長、この席に参列されておられる6名の皆さんがこの春御勇退されると伺っているわけであります。
 皆さんは大変長きにわたりまして、社会公共のために静岡県政の進展のために高い志を持って仕事にそれぞれ取り組んでくれたわけであります。皆さん方のおかげをもちまして、県行政もスムーズに今、推進を見、多大な実績をそれぞれの部署において挙げられてまいりました。このことについて、私からも心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。
 この席においてお目にかかりますと、まだまだ皆さんは大変お若いと思います。参考までに私は間もなく77歳。まだこの次の近く行われる県議選に出馬しようと。皆さん方もまだまだ大変若いわけですから、これからも豊富な知識や経験を発揮していただきたいな、そんな感じがするわけであります。
 芦川農林水産戦略監におかれましては、昭和59年4月に県に奉職されて以来35年の長きにわたって一般行政職員として県行政に携わってまいりました。この間、振興局長、産業革新局長、経済産業部理事などの要職を歴任されました。昨年の平成30年4月から農林水産戦略監として、AOIプロジェクトの推進やマーケットインの考え方に基づく農芸品の生産力の強化、販路の拡大など、攻めの農林水産業を展開するために強い実行力を発揮されてまいりました。時代や環境の変化を大きく飛躍への重要な転換点と捉えまして、本県農林水産業のさらなる成長産業化に向け、まさに東奔西走し八面六臂の大活躍をされてまいりました。またこれから本県において農業に携わろうという若い皆さんに大変大きな元気づけも与えてくれたものと私は理解しております。
 さらに、御存じのように昨年の9月30日、10月1日の台風24号による西部方面の農家の皆さんの大きな被害に対する災害復旧を初め、過去あまたの台風あるいは集中豪雨災害も乗り切ってくれた。このことについても、心から感謝を申し上げる次第であります。本当に御苦労さまでした。
 また、西島経済産業部理事におかれましては、昭和56年4月に県に奉職されて以来38年間の長きにわたりまして林業技術の職員として県行政に携わってこられました。この間、林業振興課長、森林計画課長、森林局長などの要職を歴任されました。平成28年4月から、林業・森の防潮堤推進担当理事として木材生産量の増加や国産材販路の拡大、国産材については50万立米の目標にいよいよ近づいてきた。そういう実績も上げられたわけであります。そして、ふじのくに森の防潮堤づくりの推進に当たり重要な課題が幾つも幾つもあったと思います。特に関係する市や町との綿密な連携、補助金の整備などにより、積極的に推進を図ってくれました。このことにより、地域住民の皆さんの安心・安全な暮らしに向けて大きく住民の皆さんにプラス影響を与えてくれたわけであります。
 さらに、静岡県の森の力再生事業に加え、いよいよ森林環境税そして譲与税が間もなくスタートする。静岡県の林業についても非常に明るい展望が今開いてきたように思います。これからも長い豊かな経験、知恵を本県の林業の発展にまたお力をかしていただければ関係者の皆さんも大変喜ぶものと思います。
 大石組合検査課長におかれましては、昭和57年4月に奉職されて以来37年間の長きにわたり一般行政職員として県行政に携わっていただきました。この間、組合金融課長代理、組合検査監などの要職を歴任されました。平成28年4月からは組合検査課長として農協、漁協などへの検査を総括し指摘事業の改善を通して、静岡県の協同組合の健全な事業運営及び発展に大きな力を発揮されました。本県の農協や漁業協同組合は、全国的にもしっかりとした経営がなされているものと思います。そしてこのことによって、本県の農業や水産漁業の活性化にも取り組み始め力強い状況が出るようになりました。これは組合検査において適切な指導をしていただいた大きなたまものと私は思います。本当にありがとうございました。
 花嶋農地利用課長におかれましては、昭和56年4月に奉職されて以来38年間の長きにわたりまして一般行政職員として県の行政に携わってこられました。この間、賀茂危機管理局の副局長も務めていただきました。おかげをもって下田・賀茂地域の防災力も近年は大分充実をしてまいりました。消防保安課長などの要職も歴任されたのであります。平成29年4月からは農地利用課長として、農業振興地域の指定や農用地区域内における開発行為の利用調整、農地の転用許可あるいは国有地の管理を通して本県農業振興地域の整備に御尽力されたのであります。的確な農地行政によりまして、本県農業の生産額も目標の2400億円に近づいてまいりました。2200億円を超えたようでもあります。まことにありがとうございました。御苦労さまでした。
 河森労働委員会事務局長におかれましては、昭和54年4月に静岡県に奉職されて以来40年間、大変長きにわたりまして一般行政職員として県行政に携わってこられました。この間、こども未来課長あるいはこども未来局長として少子高齢化、特に少子化の中で非常にきめの細かい本県における子供対策、施策を講じていただいたわけであります。そして、健康福祉部の理事にも就任され立派な仕事をされてまいりました。昨年の平成30年4月からは労働委員会事務局の事務局長として強いリーダーシップを発揮され、労使紛争の解決に積極的に取り組まれました。労使関係の正常化や安定化に御尽力されたのであります。そのすばらしいリーダーシップ、御尽力の結果として、資料を見ましても労使から一層の信頼を得まして、取り扱いの件数も大分減ってきました。心から敬意を表する次第であります。本当にありがとうございました。
 田澤労働委員会事務局調整審査課長におかれましては、昭和56年4月に静岡県に奉職されて以来38年間の長きにわたり一般行政職員として県行政に携わってこられました。この間、用度課長、会計指導課長などの要職を歴任されました。平成29年4月から労働委員会事務局調整審査課長として不当労働行為の審査や救済、そして労働争議の調整を適切に行っていただきました。労使関係の正常化や安定に御尽力されたのであります。不当労働行為の審査や調整、そして労働争議の調整という非常に困難な局面に遭うこともあったと思います。御苦労ばかりの職務であったと思いますが、この困難な職務を見事に果たしていただくことができました。本当に御苦労さまでございました。
 退職される皆さんには、これからも健康に十分御留意されるとともに、これまで培われた豊かな経験や見識を生かしまして地域社会においても御活躍されることを御祈念申し上げる次第であります。
 さらに、皆さんが長い間にわたって静岡県政の進展に努められましたその背景には御家族の皆さんの温かい御支援、御理解があったものと思います。私は御家族の皆さんにも心から感謝を申し上げる次第であります。
 皆さん方の御退任に当たりまして、これまで携わってこられた県行政を振り返って後輩の皆さんへのアドバイスなどがあろうかと思います。今感謝を申し上げました順序に従いまして、一言ずつお話をいただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

○芦川農林水産戦略監
 私ども退職予定者6名に対して温かなはなむけのお言葉をいただきまして、まことにありがとうございます。発言の機会をいただきましてありがとうございます。
 この1年間農林水産を統括する立場で僭越ながら奮闘してまいりました。特に農業関係をやっていませんでしたので、生産者団体の方とか有力な生産者の方々とのネットワークはなかったもので、できるだけ意見交換とかそういう場に出向いてお話しさせていただきたいなと思って回ってまいりました。
 私ごとで恐縮なのですが、私が公務員になろうという動機づけになった1冊がございます。それというのは大学1年生の夏休みに読んだのですが、沼津出身の芹沢光治良さんの「人間の運命」です。著者の生い立ちがモチーフになっている長編小説で主人公の次郎が沼津で育ったわけなのですけれども、沼津の風景が富士山を臨む風光明媚で気候も温暖で温和な人で天国のような風土だと言っているのですが、その一方で何でこんなに生活が苦しいのだろうと。時代背景もあったかもしれないんですがちょうど日露戦争が終わって、戦勝気分の中でも全然生活が豊かにならない。もともと主人公の家は網元だったんですが親が新興宗教に陶酔して没落したところもあるんですけれど、冬の牛臥海岸――沼津港から御用邸のあたりのところなんですけれども、毎日のように強風が吹いて、こんなにきれいなところだけど漁に出れない、仕事がない、生活ができないという風景があったんです。それが大学生の私にとってはすごい強烈で、ある意味では地域づくりに貢献したいなとか、こんないいところだから余計豊かにしたいなという思いがあって、それが気持ちとして根づいたのかなと思っております。
 著者の芹沢光治良さんも農商務省に就職したこともあったので、私の大学時代は農林省とか県庁に入りたいなと目指した次第でございます。
 公務員の経験の中で一番大きかったのは企画です。企画に16年ほどいました。最初のころは石川知事の総合計画、あとのほうは川勝知事の総合計画を手がけさせてもらったんですが、その中でも秘書課で足かけ9年、実質7年です。調査担当の秘書ということで中身は特命調査とか県民からの照会への対応なんですけれども、その中で達成感を覚えたことが3つほどあります。1つは石川知事が政権構想を出そうというときの理論準備ぐらいのところをお手伝いできたこと、もう1つはまだホームページが余り出てない時期で知事のホームページをつくろうと企画させてもらったんですが、結果的に3番目に早くつくったんですけれども、参考になるものがないのでエクセレントカンパニーの社長さんとか会長さんのホームページをやたら見て、ソニーの当時の出井会長のホームページがすごくセンスもよくてパフォーマンスもいいので、ソニーの秘書課に電話して根掘り葉掘り聞いてつくった記憶がございます。
 結果として、経済雑誌とかでいわゆる知事のホームページのパフォーマンスのよさのランキングがあったんですが、石川知事のページがベスト2になって、1番は高知県の当時の橋本知事のものでしょうがないかなと思ったんですが、自分自身はすごい達成感を覚えた記憶があります。
 もう1つは全国初の知事のIR活動で、今は財政担当がやっていますけれども1年間やらせてもらいまして、日経ホールとかでやったのも準備させてもらいましたし、キャンペーンを張って例えばTBSに知事に出てもらうことになり、早朝の赤坂のTBSに出向いたときのことを思い出す次第でございます。
 それで最後の6年間、経済産業部でやらせていただいたんですが、昨年度、担当理事としてAOI−PARCもやらせてもらいましたし、これはその前の産業革新局長からの準備が続いたものかなと思っていますけれども、先週の土曜日、食と花の都の祭典に出ていただきましてありがとうございました。
 そのときしみじみと考えたんですが、こんなに食べ物が豊かにあって花もいっぱいあって、ふとさっき述べました芹沢先生の「人間の運命」の最初のフレーズを思い出しまして、私でも地域のために役に立ったのかなとか、地域経済のために貢献できたのかなとしみじみ振り返った次第でございます。
 後輩諸氏に対してとおこがましいんですが、1つは初志というか仕事につこうと思ったときの気持ちとか、県庁に入ろうとしたときの大志をいま一度思い出していただいて、頑張っていただきたいなということでございます。私はまだまだ地域社会に貢献したいと思いますので、よろしく御指導のほどお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)

○西島経済産業部理事(林業・森の防潮堤推進担当)
 2番委員からは、身に余るお言葉をいただきましてまことにありがとうございました。また委員の皆様にはこの1年間御指導いただきましてありがとうございました。
 先ほど、私の最近の職歴について御紹介をいただきましたけども、私は通算では本庁と出先ほぼ半々です。前半は、特に農林事務所などで現場の業務に多く携わってまいりました。
 森林の仕事を大きく分けますと、森林を守る分野、森林を育てる分野、森林を資源として生かす分野がございますけれども、私が比較的長く従事したのは森林の育成とか林道の整備といった森林を育てる分野です。
 私が入ったのは昭和56年です。当時はスギ、ヒノキの人工林の造成が一段落しておりましたけれども、昭和30年代から40年代にかけて造成された若い育成途上の森林が大変多くを占めておりました。国内に成熟した森林資源が十分になかったことがあって外材の輸入が非常にふえていった時期で、既にその当時から林業の構造的な不況で非常に厳しい状況が続いておりました。
 そういったことから、国を挙げて来るべき国産材時代に向けて間伐とか、そのための生産基盤の整備を重点的に進めておりまして、私もそういった仕事に携わってまいりました。かなり年数はかかったんですけども、ようやく資源として利用できる時期になり、資源として活用すべき時期を迎え、この数年間県では森林・林業再生プロジェクトで県産材の需要と供給を一体的につくる取り組みを重点的に進めてまいりました。
 木材価格が低迷していることで林業では非常に厳しい状況がまだまだ続いておりますけども、木材生産量は回復基調となっておりますし、国産材時代も少しは見えてきたのかなと考えております。
 私自身も、森林の育成からその資源の活用という一連の仕事に携わらせていただきましたので、非常によかったなと思っているところでございます。
 この仕事は成果が出てくるまでに非常に時間がかかる仕事でもありますし、なかなか成果が見えにくい分野の仕事もありますけれども、今後森林・林業に携わる皆さんには林業や木材の活性化、あるいは県土の強靱化につながるような森林・林業施策をこれからも進めていただきたいと思ってます。長い間ありがとうございました。(拍手)

○大石組合検査課長
 先ほどは、2番委員から過分なお言葉をいただきましてどうもありがとうございました。
 私は、農協や漁協の検査業務と指導業務に平成16年から今年度まで15年間携わっておりました。検査業務での経験が長くなっておりますので、検査の考え方について少し述べたいと思います。
 検査の目的は、検査を通して組合の正常な事業運営を推進して農業、水産業の発展に期することでありますけども、そのためには組合の経営の健全性が確保されていることが重要であると考えております。
 私が初めて組合検査課に在籍したのは平成19年度になりますが、そのときの検査の手法と今の手法とは大分異なっております。かつての検査は業務や体系の誤りについて単にその誤りを列挙して指摘するものでした。しかしながら検査は年に1回実施するかどうかでありまして、全ての視点、全ての事業について行うわけではなく抽出によることもありますので、検査で全ての誤りを指摘することは難しいところがあります。
 そこで、最近の検査は誤りが発生するか否かだけの検証ではなくて、検査で見つかった事務処理や会計処理の誤りについてなぜそのような誤りが起きたのか、管理部署や役員の指示は適切だったのかなどその誤りの原因や背景まで深堀りすることに努めております。
 指摘するに当たっては、業務改善のために必要となるガバナンスの不備、欠陥とかリスク管理上の問題点に重点化して指摘することによりまして、組合が具体的な改善策の内容、進め方を決めて実行できるような検査することを基本方針としております。
 経営管理体制、内部牽制体制、利用者保護体制などを適切に検証して、役員の意識啓発、特に管理者の適正な検証の実施を促すような検査とすることに努めております。
 今後も、このような考え方をベースにしまして組合の健全な経営の確保に貢献できるような検査を進めていってほしいと思っております。長い間どうもありがとうございました。(拍手)

○花嶋農地利用課長
 2番委員から御丁寧な御紹介と身に余る温かいお言葉をいただきまして、まことにありがとうございました。
 私は昭和56年度に県の職員になりまして、最初の勤務は富士財務事務所でございました。滞納整理や個人事業税の課税を担当いたしました。滞納者から足もとにポットの水をかけられたこともございましたが、県税の基本を学びながら当時本当に和気あいあいとした職場で県職員生活を楽しく始めさせていただきました。以来38年間事務職員としていろいろな業務を体験させていただきました。
 平成23年には、三・一一東日本大震災の直後に危機管理部に配属されまして、岩手県庁や遠野市の浄化センターにおきまして山田町、大槌町に対します本県の現地支援調整本部などに計5回派遣されまして巨大地震、巨大津波のすさまじさや防災・減災の大切さを身に持って体験したところでございます。
 それとわずかながらではございますが、復旧・復興に向けた支援のお役に立てましたことは記憶に大変残ってございます。この経験を生かしまして本県の消防防災力を高めるために消防本部や市町と一緒になりまして地域防災の要でございます消防団の確保対策、消防救急の統合、広域化による消防本部の体制強化、そしてさらに老朽化しました防災ヘリコプターの機体更新などに取り組ませていただいたところでございます。
 最後の2年間は長くお世話になりました農地局におきまして、生産性の高い優良農地を確保するための農業振興地域の整備に関する法律、農振法と農地法を所管させていただきました。どうしても調整が整わない事案も一、二件ございましたが、法令の基準の中で農業上の土地利用と農業以外の土地利用とが折り合いをつけることによりまして市町の計画的な土地利用が進むよう努めてまいりました。
 人口減少社会でコンパクトシティー化が言われて久しいのでございますが、まだまだ開発の圧力が強いものがございます。農地は一度潰してしまうとなかなかもとに戻すことは難しいものでございます。将来にわたり、安全・安心な食料の安定供給や多面的機能の維持を図る上で限られた貴重な資源であります優良な農地を今後ともぜひ守っていただきたいと考えてございます。
 つたない私がこれまで勤めてくることができましたのは、本当に周りの皆様に支えられてこそでございます。本当に感謝してございます。
 職員の皆様にとのことでございますが、この委員会室にいらっしゃる皆様は本当に優秀でモチベーションの高い方々と存じます。私が申し上げるのは本当に恐縮でございますが、健康に留意されながらさらに研さんを積まれまして県政発展のために御尽力いただきたいと願ってございます。
 最後になりますが、改めまして県議会議員の先生の皆様を初め38年間の県職員生活を支えていただきました上司、同僚、後輩職員の皆様に感謝申し上げましてお礼の言葉とさせていただきます。本当に長い間ありがとうございました。(拍手)

○河森労働委員会事務局長
 ただいま2番委員から温かいはなむけのお言葉を頂戴いたしまして、まことにありがとうございました。そして委員の皆様方には、ことし1年間御指導いただきまして本当にありがとうございました。
 私は、御紹介いただきましたように昭和54年に県に採用になりまして総務部税務課を皮切りに40年間勤めてまいりました。皆さんは意外に思われるかもしれませんが、税務関係が一番長くて12年であります。児童福祉関係と多文化共生関係にそれぞれ7年ずつ、それ以外の職場が14年です。
 勤務したどの職場でも苦労もありましたし喜びもありましたしまた学ぶこともございましたけれども、どこが一番印象に残っているかとしいて言うとすれば、平成13年度に県知事選挙で空港建設の是非が争点となりました年に空港建設局に行くようになりました。私は空港企画室で広報を担当していたんですけれども反対派の方々に御理解いただくことに大変苦労いたしました。ただ県民の皆様から毎日大量に届く御質問とか御意見に返事を書くのも私の仕事だったんですけれども、時に知事から直接ペンが入ることもございまして、これはそのあと私が仕事をしていく上でとても貴重な体験だったなとありがたく思いました。
 県民の皆さんに御理解をいただくためにはさまざまな広報を打っていかなきゃならないので、今ではもういろんなところで行われていると思いますけれども、当時建設業者さんに御協力いただいて空港建設現場の見学をするという県内各地から2番委員の地元の下田からもバスを出しましたけれども見学に来ていただく事業を行いました。このときには建設中の空港トンネルの中を見ていただいたり、大型重機に乗っていただいたり、とにかく身近に感じて空港をつくっていることから知っていただくことに取り組んだわけですけれども、この事業は非常に盛況でございまして大変達成感がある事業でありました。
 空港企画室のときには、ほかにも需要予測の見直しですとか空港の利活用の促進にも取り組んでいたんですけれども、これを職員全員が一丸となって1つの目標に向かって全員で取り組むそのときのチームワークはそのあともなかなか経験できないありがたい経験だったと思っております。
 当時、まだ里山の木を伐採して用地を造成している最中だったので、今、月5万人もの方々が利用する空港に行ってみますと当時のことを思い返して何か感慨深い思いになります。
 また、平成10年度から3年間は議会事務局議事課にお世話になりました。議会運営を学ばせていただくとともに議員の先生方の視点、県民の目で県政を見ることを学ばせていただきました。空港に異動になりましたのが議事課の後でありましたので空港で広報をする際に県の考えの押しつけではなくて県民目線で広報すること、これは議会で先生方の仕事ぶりを見せていただいたことを生かせたのかなと思っております。
 最後の1年、労働委員会事務局で労使紛争の解決に携わらせていただいたわけですけれども、人々が働く現場の厳しさ、人間関係の難しさの生々しい現状を知ることができまして公務員の生活にはない民間の厳しい部分を知る機会となったところであります。労働委員と職員で考えた解決策どおりに終結したときには非常に達成感があるいい経験もさせていただきました。
 退職という節目が間近に迫りまして振り返ってみますと、改めて上司それから同僚の皆さんに育てていただいた思いが強くいたします。一緒に汗を流した同僚の顔を今でも鮮明に思い出しますし、多くのいい仲間に恵まれて非常に幸せな40年間だったなとありがたく思っています。
 心残りがあるとすれば、30代のときから経済産業部の所属を希望していたのですが、とうとう最後までその希望がかないませんでした。ただ最後の1年、こうしてこの委員会の中で経済産業部のさまざま事業を知る機会をいただいたこと、これでよしとしようかなと思っております。
 私の経験から後輩の皆さんに送ることは、余り経験もないのですけれども、参考にしていただくとすれば与えられた仕事はとにかく担当者が一番詳しいと。担当者がそれは年齢に関係なく、自信を持って自分できちんと説明できるようにしなければならない、それを心がけてまいりました。
 それからもう1つ、与えられた仕事に対してはスピード感を持って取り組む。特に上司に与えられた宿題とか課題については早く答えを出す。もし答えを出すことに少し時間がかかるようでしたら中間報告を入れると、こう心がけてまいりましたのでそういったことを参考にしていただければ当たり前のことと言えば当たり前なんですけれども、忙しい中なかなか難しいところも最近はあると思いますのでそういったことを心がけていただきたいことと職場の中のコミュニケーションは非常に大事だとお伝えしておきたいと思います。
 退職いたしましても、これまでに私が経験したこと、知識といったものをお返しする機会を持っていきたいと思っておりますので、またどういう場面かわかりませんけれども委員の皆様に御指導いただく場面もございますかと思いますので、その節はどうぞよろしくお願いいたします。長い間本当にありがとうございました。(拍手)

○田澤労働委員会調整審査課長
 このような機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。最後になりますのでちょっと落ちついてお話をさせていただこうと思います。
 産業委員会には2年間大変お世話になりました。ありがとうございます。
 私も局長同様、産業委員会の所掌であります商工、農林水産業の職務経験は一切ございません。独立行政法人になる、ならないの前後に県立総合病院にいたこと、あとは管財ですとか出納といった内部管理業務を扱うことが多かったです。
 したがいまして、個別の労使紛争を扱う労働委員会の職務に当たりましては労働法制とか蓄積された判例といったものはとりあえず置いといて、紛争の根幹に感情の対立、人間関係のもつれみたいなものがあることからごくごく常識的な社会人としての常識、良識といったものに照らしていずれに理があるのか、あるいは感情を和らげて双方の譲歩を引き出すにはどういったことを投げかけていくのがいいのか、そういった観点で事件処理を行うように努めてまいりました。
 おかげさまで理解のある労働委員、上司、同僚、部下にも恵まれまして、大過なく全うされようとしている状況にあります。働き方改革という言い方で今世情を見ますといろんな事柄がありますし関心も高まっております。
 私が奉職いたしました昭和の終わりごろのことを考えますとなかなか隔世の感があるなという思いもいたします。職場内の人間関係も今のようなドライな関係ではなくてかなりウエットでしたし、いささかがさつな状況にあったかと思います。当時は半ドンと言って土曜日も仕事でしたし、大体夕方までみんな仕事をしていたなと思います。
 採用から3カ所目の異動で初めて本庁に参ることになりました。そのときに推薦してくれた上司の弁がこいつは見かけによらず体力があるから激務に耐えられると推薦してやったぞと恩着せがましく言われたことも思い出されます。異動初日に机の両脇に段ボールが積み重なっていまして、この中に懸案書類が全部入っている、これを全部片づけるのがおまえの仕事だといったのが前任者からの引き継ぎでありました。それから毎晩終電近くまで仕事を続けまして、あるとき帰りそびれて机のわきで寝ておりまして深夜巡回に来た警備員にとがめられたこともありました。
 そのころに最初の子供を授かりましたが、もちろん出産に立ち会うなんてことは思いもよりませんでした。職場内では今の基準で言えばパワハラ、セクハラと言われるようなものも普通にあって、それを当たり前に受け入れていた状況にあったかと思います。
 別の部署で上司から職員の時差出勤を提案したいのでその提案書をつくれと命じられまして、その当時ですからもちろんインターネットで検索して事例をなんていう具合に情報を集めることもできませんでしたので、文献に当たってかなり時間をかけレポート用紙何枚かにわたる報告書をつくり上司に提出いたしました。そうしたところ、もうじき完全週休2日制が導入される事態になってきているのでタイミングが悪いからこれはぼつだって言われ、いきなりお蔵入りになったこともございました。
 今や時間外縮減が管理職にとっての評価の対象という状況になっておりまして、プライバシーにも配慮しながら家庭環境にも目配りして、職員の働きやすい環境をつくることが求められている時代になりました。この働き方改革に関する県職員にとっても大きな変革があったかと思います。
 労働委員会で多くの紛争を見聞きしておりますと、両当事者には多かれ少なかれ労働法制に関する無知あるいは仕事への取り組みの姿勢、価値観の相違といったものが見られます。ただ何よりもそういったその価値観の相違を埋め合わせるようなコミュニケーションが欠如していることが問題を複雑化し解決を困難にしているのではないかと感じられております。
 今後、外国人労働者が新たな在留資格を持ってふえていくことになりますと今は日本人同士ですらコミュニケーションが不全の状況がある中で、さらにいろんな価値観を持った者やコミュニケーションが取りにくい職場がふえていくことが想定されます。社会全体で疎外感とか孤立感を感じさせないような受け入れに配慮していく必要があるんだろうなと感じているところであります。
 委員会の先生方におかれましては、御指導、御鞭撻いただきまして大変ありがとうございました。引き続き労働委員会の業務に関しましても御理解を賜りますようお願いいたしまして、私の感謝の言葉といたします。ありがとうございました。(拍手)

○森委員
 いぶし銀というものは、長い間光り輝いて残るもんです。皆さんのお話を聞いていぶし銀でした。ありがとうございました。(拍手)

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