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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和2年2月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:阿部 卓也 議員
質疑・質問日:03/10/2020
会派名:ふじのくに県民クラブ


○阿部委員

 分割質問方式でお願いします。

 まず、要介護認定のばらつきについてお伺いします。

 3月7日の日経新聞に、全国一律とされる介護保険制度の全国共通判定を全国市区町村の99%が2次審査で変更していると報道されていました。独自基準が明文化されてお

らず、審査が非公開であることが問題の根源じゃないかと日経新聞が指摘していましたが、私も地方議員として地域性や各市町の政策、重点戦略などさまざまな事情があると

推察でき理解するものでありますが、ばらつきが大きくなり過ぎると県の介護支援施策との整合性がとれなくなる。この市町はこういった基準でこっちは甘く、こっちは厳し

いなど整合性がとれなくなってしまうのはどうなのかなと危惧がありますので確認しておきたいと思います。

 まず、静岡県として県内市町の認定のばらつきをどこまで把握しているかお伺いしたいと思います。それから認定は市区町村の自治事務であり、独自基準を設けることはお

かしいことではないんですが、格差が生ずることに対する県の見解はどうなのかお伺いします。

○浦田介護保険課長

 まず、ばらつきの把握でございますけれども要介護認定の適正化事業があり、県は国から各市町の業務分析データを提供されて状況をつかんでいるところです。

 ちなみに、平成30年4月から9月末までの申請データの分析によりますと、本県におきましては各市町の割合の差こそありますけれども、1次判定から2次判定において全

ての市町において重度化の変更が行われております。逆に軽くなる――軽度への変更は20市町で実績がございます。各市町の申請件数全体に対する変更率を見てみますと、全

国平均を大きく上回って変更されている例は県内にはございませんでした。

 次に、2点目の格差が生じることに対する見解でございますが、要介護認定の1次判定につきましては認定調査員の聞き取り調査及び主治医意見書の結果をコンピューター

判定して出す形になっております。それを医師や介護福祉士、保健師等で構成する市町の介護認定審査会においてそれぞれの聞き取り調査、主治医の意見書の記載事項をもう

一度確認し、それを参考としながら介護に必要な時間などを議論し決定するのが2次判定の仕組みです。

 この手続につきましては、機械的な判定では酌み取れない介護に要する手間を判断するものとして必要ですけれども、結果として1次判定結果が変更されることは十分あり

得ることだと考えております。

 一方、認定調査員による調査結果や認定審査会の判断に大きなばらつきや偏りが出ることは確かに適当でないと考えておりますので、県としましては毎年認定調査員や審査

会の委員を対象に新任及び現任それぞれに研修を実施し、事例検討等を行うなどして判断の均一化等を図っております。

 さらには、提供いただいております業務分析データの中で調査項目ごとに全国平均から大きく外れた結果がある、しかも多い市町に対しましては県から保険者指導――市町

指導の中で調査状況を分析し適切な指導を行ってございます。

○阿部委員

 御答弁ありがとうございました。

 そこまできちんと現状把握されているのなら、今後もしっかり注視していただきたいと要望を申し上げますが、1つだけ確認します。

 均一化を図る中で、現時点で突出してばらつきが目立つ市町が存在するのかについて確認します。

○浦田介護保険課長

 突出をどう判断するかでございますけれども、我々としては全国平均の変更パーセンテージに対して誤差の範囲がどのくらいあるか、枠の中におさまっているかで判断して

おりますけれども、先ほど申し上げた重度変更、軽度変更それぞれにおいて枠を逸脱している市町はありません。

○阿部委員

 わかりました。

 次の質問に入ります。

 先ほど7番委員も質問されましたが、民間協働による健康課題解決プロジェクト推進事業費についてお伺いしたいと思います。

主要事業概要の26ページで、7番委員は非常にお優しいので軽く終わられましたが、ちょっと厳しくお聞きします。

 我が会派の代表質問で、健康経営に取り組む事業者に対して単に数だけでなく中身の深掘りこそ有意義だと田口政調会長から申し上げたのですが、それに対し池田部長から

以下のようなふわっとした御回答をいただきました。企業における健康経営の取り組み推進については、健康づくり推進事業所数がこれまでの目標値を大幅に超え4,000事業所

以上になっております、今後はこれらの企業に先進的な取り組みや好事例を広く紹介することにより各企業における健康経営の取り組みを支援してまいります、また事務職、

技術職問わず大きな問題になっている腰痛など働く人に多い健康課題に対応した企業版健康長寿プログラムを開発し、健康経営に取り組む企業の継続的な健康づくりを促進し

てまいりますとの御答弁でありました。

 少し具体的に切り込ませていただきますが、まず先ほど7番委委員も御質問されたしずおか健幸惣菜は、食生活の改善を目指して3年間取り組んでこられましたね、健幸惣

菜の冊子をつくられて。確かに有意義だと思いますが、料理のうまい家内に聞きますと――うまいかどうかは余計ですが――中のレシピを見て言うのは、これだけの食材をそ

ろえるのにどれだけお金がかかるのと思うのかと。お金のあるお宅とか企業はできるけれども机上の論理にすぎないと思う。理想ではあるけれど、現実的に全県民、全企業が

できるかは私も非常に疑問だと思ったので一応確認したんですが、やはりそうかなと思っております。なので、一定の評価はするんですが県民に浸透してこなかったのが現実

だと思います。

 そこで、それに気がつかれて新年度の新規事業と仕立て直してこの事業を提案されてきたと思うんですが、先ほど7番委員同様、一過性のものになるのではないかと思って

非常に危惧しています。なぜかというとコンビニやスーパーマーケットにおける惣菜の販促をやっても1回限りとか短期間。企業の社員食堂でしずおか健幸惣菜の提供促進を

やっても一過性、その証拠に県庁の食堂でもせいぜいやっても週に1回。みずからの足元ですらできてないのに企業にやれと言うのは酷ではないかと。これだけ過大な食材費

をかければ当然できるけれども、経済的に考えてなるべく安くておいしくて健康なものをといった観点で取り組めないのかなと見ております。

 このように私は厳しい見方をしていますが、御所見を伺います。

○山野健康増進課長

 しずおか健幸惣菜は3年間やってきましたけれども、もともとは野菜の摂取量が少ない、塩分摂取量が多いといった健康課題を解消しようと取り組んできました。御家庭で

つくるのもそうなんですけれども、本県は惣菜、お弁当などの中食の購入量が多いこともありますので、何とかしようと社員食堂やスーパーの惣菜メニューで利用していただ

きたいとやってきました。レシピどおりの内容で行きますとコスト面で問題があるなど課題もありますので、しずおか健幸惣菜で決めている基準を満たせば、細かい審査を通

らずとも独自に認定し、さらに利用していただこうというものです。

 それから、毎回栄養バランスを意識して食事をとるのはなかなか難しいと感じる方もいらっしゃると思いますので、できたらコンビニやスーパー、社員食堂等でもっと多く

こういったメニューが提供されて、食生活の改善を進めていきたいと考えております。

 また、御家庭でも使っていただければとレシピサイトのクックパッドに紹介しておりまして、今までに1万5000件ぐらいは閲覧していただいていますので、続けていきたいと考えております。

○阿部委員

 わかりましたが、わざわざきょう本会議の答弁を引用したのは、目標値4,000事業所以上となっていますという答弁で、数だけ達成しました、数は稼ぎました、ところがそれ

はわずか1回だけだったとかでは県民の健康にはつながりません。だからもう少しそれぞれの企業の事情や現場の事情から物事を考えることをしないといけないと思っていま

す。

 そもそも、何でうちの厳しい財政課がこのような甘い事業を通したのかと鑑みますと、国の地方創生推進交付金ですよね。基本的に健康福祉部所管の事業は、言い方が適当

じゃないかもしれませんが国のひもつきの予算が多い。だから国の交付金には県もつけますよと予算がついちゃうから、こういった甘い事業になってしまうと私は厳しく見て

います。そのようなところをしっかりと肝に銘じていただき、この事業を新規で仕立て直したのであれば、数を追うのではなくて中身をしっかり深掘りしてそれぞれ継続され

ているか、県民の食生活が本当に改善されているか、そういった観点で事業展開していただきたいと思いますが、鈴木医療健康局長に所見を伺います。

 あわせて、今指摘したように地方創生推進交付金だけじゃないんですが、私は議員として国のひもつき事業が多いことにより査定が甘くなっていると感じています。

 健康福祉部の予算を財政課に出すときに詰めをきちんとやっているのか、小坂政策管理局長にお伺いしたいと思います。

○鈴木医療健康局長

 中身を深掘りして食生活の改善等を個々の県民に行き渡るようにと、大変重い御指摘と受けとめております。

 おっしゃるとおり、国の交付金であろうとなかろうと財源の問題ではなく、非常に大切な税金を財源としたお金を利用しておりますので、そこは肝に銘じて事業の改善に取

り組んでいきたいと考えております。我々だけではできない健康課題がございます。先ほど企業のお話もありましたけれども、現場の方とよく話をして広がるように努めてい

きたいと考えています。

○小坂政策管理局長

 9番議員がおっしゃるように、国費活用で財源が確保される、担保されているものにつきましては、健康福祉部である程度任されて事業立てしているところがございます。

部内だけでなく関係者の意見も聞きながら事業の組み立てをしていかなきゃいけない中で、しっかりと検証しながらより効果的な事業を展開できるように努めていきたいと

思っております。

○阿部委員

 ありがとうございました。

 この事業について、もう1つの運動習慣の改善については意見、要望だけ申し上げておきますが、働く人向け健康長寿プログラムの開発は非常にいいことだと思います。た

だ食生活の改善と一緒で発信の仕方を工夫していただきたいと申し上げておきます。SNSやアプリで発信すればいつでもどこでも、わざわざ出向いて研修をやらなくても企

業――大企業じゃなくて零細の企業でもできるし個人の方もできるので、そういったプログラムにしっかり仕立てていただきたいと思います。

 それから、食生活の改善は鈴木医療健康局長もおっしゃいましたので、決算のときに厳しい指摘を受けないように気をつけていただきたいと思います。

 土屋医療健康局技監におかれましては、長年携わってこられたのでしっかり原点に返り、主婦もやっておられると思うので家計事情等も考えながら余った食材でやれるとか

主婦目線のつくりを、栄養価は理想から外れちゃうかもしれないけれど、家計費が節約できますといった県民目線の温かい事業に仕上げていただきたいと要望しておきます。

 それから、小坂政策管理局長以下部の皆様にぜひお願いしたいんですが、国の制度だからしようがないと言えばそれまでですが、そうじゃなくて国のお金はつくけれども静

岡県にとって本当にできることなのか、正しいことなのかと自問自答していただいて、静岡県でうまくできるものはぜひ予算化していただきたい。うまくできないなと思うも

のは予算化しないで、貴重な税金をほかへ使う意識を、みずからそれぞれ厳しく律してやっていただきたいとお願いしてこの質問を終わります。

 次の質問に入ります。

 社会健康医学研究及び大学院大学の準備状況についてお聞きします。

 1つは、本来であればあす3月11日にシンポジウムが開催される予定でありました。新型コロナウイルスの関係で残念ながら中止――延期かもしれませんが――になってし

まったとのことですが、こちらで発表予定だった成果についてぜひ教えていただけるものがあればお聞きしたいと思います。

 もう1点ですが、大学院大学の設立準備状況について現状を教えていただきたいと思います。

 学長予定者の内定は発表されていますが、大学院大学の実動部隊はどのような人たちで構成してチームづくりをしていくのか、既に準備している中でどのような形になるの

か。もう見えているのか、これからなのかお伺いしたいと思いますし、立地的にも県立総合病院がどのぐらい大学院大学に関与していくのか、2点についてお伺いします。

○青山健康福祉政策課長(社会健康医学推進担当)

 まず、1点目の3月11日に予定しておりました健康寿命関係のシンポジウムでございます。

 厚生委員会説明資料23ページの社会健康医学の研究で、ア健診の結果から見たその後の人工透析導入につながる要因、イ健診の結果から見たその後の要介護認定3以上につ

ながる要因を資料として提出してございます。実はこの成果内容を県民の皆様に広くお知らせするシンポジウムを予定してございました。

 人工透析導入につながる要因につきましては、尿たんぱくの値、血糖の指標とか収縮期血圧の状況によるリスク要因がよい状態から悪い状態になったときに何倍になったな

どの研究成果を本県のデータをもとに算出したものでございます。

 それから、要介護認定につきましても本県のデータを活用しまして1日1時間以上の歩行、身体活動がないと何倍になるかとか、喫煙習慣があると要介護認定が3以上にな

るリスク値が何倍かを本県の状況について初めてお知らせできたことでございます。

 先ほど7番委員からもお話のありましたとおり、まずはこういったものが出たことを知らしめて、その上で活用していただくためにシンポジウムを予定してございましたけ

れども、残念ながら中止させていただいたところでございます。

 それから、2点目の大学院大学の準備の状況でございます。

 まず、大学の認可につきましては10月に認可申請を出し1月上旬に内示がございまして、幾つかの指摘点をいただいてございますので、ただいま3月19日に補正申請を出す

ための準備を整えているところでございます。

 それから、大学の運営主体となる法人につきましては法人設立に向け定款等の検討を進めているところでして、2月上旬に総務省との協議を開始している状況でございます。

 施設整備につきましては、改修工事は12月補正で予算をいただきましたので、血液センター側の改修工事に着手しているところでございます。全体の設計につきましても、

3月下旬にはまとめ予定どおり進行している状況でございます。

 検討体制でございますが、説明資料19ページのとおり、来年度は健康福祉政策課に新たに大学開学準備室長という職を設置いたしまして、現在の社会健康医学推進班を法人

設立班と大学設立班で職員を増員し体制を充実いたします。体制を充実しただけでは準備できませんので、来年度は大学で予定している教員候補者の方たちに開学準備委員会

を持ちまして、実際の試験をどうやってやるかとか、カリキュラムを具体的にどうやって編成していくかなどを準備委員会の中に幾つかの分科会を設けて検討する予定でござ

います。

 県立総合病院との関係でございますけれども、これまでも研究の拠点として御協力いただいてきたところでございます。開学1年目までは環境衛生科学研究所の整備が整い

ませんので、令和3年度いっぱいまで県立総合病院のリサーチサポートセンターにおいて、大学院大学の研究として助けていただくため御協力いただきます。

○阿部委員

 ありがとうございました。よくわかりました。

 要望だけ申し上げますが、人工透析のリスク値を初めて出すのは非常に大きなことです。あしたのシンポジウムが中止になってしまったのは残念ですが、県民の皆様も社会

健康医学大学院大学は遠い存在だと思いますので、担当課としてはもっとしっかり県民の皆様にわかりやすく仕立てて、マスコミにも協力いただいて1回取材してください、

特集を組んでください、この発表をしてくださいといったPRにぜひ努めていただきたいと思います。静岡県でこれだけ大きな研究をやっている、やっていけると発信するこ

とが大学院大学を設立する意味ですし、多くの研究者が集まっていただくことにもつながると思いますので、さまざまな形で努めていただきたいと思います。

 もう1つ要望で申し上げておきますが、大学院大学の体制で研究拠点として令和3年度いっぱいまで県立総合病院に協力していただくのであれば、県立総合病院も急にこれ

が入ってきて無理が出てしまうことがあってはいけないので、課は違うと思うんですが連携してフォローできるところはフォローしていただくことに努めていただきたいと思

います。

 池田健康福祉部長にぜひお伺いしたいんですが、この社会健康医学大学院大学設立は大事業であり、池田部長が陣頭指揮をして成し遂げた偉業となるであろうと確信してお

ります。

 ただ、開学を待たず今年度で退任されることは非常に残念であろうと拝察いたしますので、現時点で大学院大学に期待する役割、私が指摘したことも含めて心配事があれば

お伺いしたいと思います。

○池田健康福祉部長

 大学院大学に期待しているものはやはり県民の健康寿命を延ばす、それに役立っていなければ何も意味がないと思っておりますので、成果をひたすら出し続けていただきた

いと思っています。

 健康とは個人からすれば何よりも大切なことですし、家族の幸せにもつながりますし、企業からすれば下世話な話ですが利益を上げるために従業員が健康であることは非常

に大事なことです。県、国からしても税収を上げるため、働いてもらうためにも健康が何よりでございまして、使う側でなくて税金を納めてもらう側になってもらうためには

健康は欠かせないと。三方よしじゃなく誰にとってもいいものが健康だと思っております。

 県の中でも危機管理が最重要とされておりますけれども、健康は中から出てくる幸せですし、危機管理は外から押し寄せる不幸をいかに排除するか、最小にするかが目的だ

とすれば、危機管理と健康は2本立てで進めるべきじゃないかなと思っているほどです。そういったものに社会健康医学が寄与できることが、大学院大学に期待するものでご

ざいます。

 心配についてですけれども、県職員38年間で幸せなことにこういった大きなプロジェクトは2つ、構想から完成まで手がけてまいりました。

 1つは工業技術センター整備構想がありまして、平成元年に沼津工業技術センター、平成2年に浜松工業技術センター、富士工業技術センターの3つを同時につくるとんで

もないプロジェクトでございました。工業技術センターはどちらかというと研究員が自分の研究をひたすらやる、合致した企業がそれを聞きにくる受け身の姿勢だったんです

けれど、企業が使う工業技術センターだから研究員はお手伝いする役割だと静岡も含め4センターの発想の転換を図ったつもりです。私が評価するのも何ですけれどもその後

どうなったかなと。

 もう1つ手がけたプロジェクトが文化芸術大学でございました。静岡県に足りないもの、特に浜松市に足りないものが何か、工業製品はあるけれども文化あるいはデザイン

がちょっと足りないということで、文化政策学部とデザイン学部の2つをつくって静岡県に彩りを添える部分を文化芸術大学が担っていく精神で開学しました。ことしで20年

になりまして、学生あるいは先生方も入れかわりまして、開学のときどのような思いでこの大学がつくられたかがだんだんわかんなくなってくる部分があるかと思います。こ

の前も横山学長と話をしましたら、そうだったのかみたいな話がありました。この大学院大学もともすれば、後で来た先生がつくったときの目的を忘れて自分の研究に没頭す

ることもあり得なくもない、他県の先生が来て静岡県のことを考えないこともあり得なくもないと思われますので、特に学長候補者は宮地先生ですけれども静岡県出身なので

期待していきたいと考えております。

○阿部委員

 ありがとうございました。

 これからもぜひ、さまざまな形で大学院大学にかかわっていただければありがたいなと思います。

 担当する青山健康福祉政策課長の後ろに影のように立って、あれもだめ、これもだめ、おまえいいかげんにしろと言って引き続き御指導をいただく、その上ですばらしい大

学院大学の開学の日を迎えられますようされますよう期待しております。

 それから、最後に1点だけ要望を申し上げますが、今年度は難しいでしょうけれど、来年度は何らかの形で宮地学長予定者にも議会にいらしていただき、ビジョンを語って

いただくことが必要であろうと思いますので、次年度へ申し送りをお願いしたいと思います。

 それでは次の質問に入ります。

 主要事業概要60ページの人と動物との共生推進関連事業費に関連してお伺いいたします。

 県では新ビジョンにおいて犬猫の殺処分ゼロを目標に上げておられますけれど、市町や関係団体等の協力で譲渡の推進がなされて、殺処分頭数が全県で平成24年度に4,906頭

であったものが、平成30年度は544頭と大幅に減少しています。

 動物愛護に関する取り組みが順調に進んでいると一定の評価をするものでありますが、この数字の裏には動物愛護にかかわるボランティアの方々が非常に努力していただい

ていて、犬猫の飼育を余儀なくされたり、また市町が地域住民から犬や猫がうるさいとかふん尿が臭いなどと対応を求められたり、さまざまな方面で現場の皆さんや市町に負

担がかかっていることを耳にします。

 新ビジョンにおいて殺処分ゼロを掲げている県としては、現場で御活躍いただいているボランティアや市町との連携、そしてその方々や市町に対する支援は大変重要になる

と思います。

 県として現状をどの程度認識し、今後どのような取り組みをされるのかお聞きします。

○森衛生課長

 9番委員御指摘のとおり、殺処分ゼロを目指す上で動物ボランティアや市町の存在は不可欠で、非常に重要なものであると認識しております。また一方、いろんな方面で負

担をおかけしていることも認識しています。

 特に、猫につきましては犬と異なりまして、保健所が捕獲できないことになっております。また県で犬や猫を引き取りする場合には、飼い主がいるかどうかの判断、譲渡で

きないかもあわせて個別判断した上で、引き取りを行っております。

 無責任な引き取りを広めないためですけれども、結果として御指摘のとおり、ボランティアに持ち込んでしまう方、市役所に対応を要求する、問い合わせる現状があること

も事実でございます。

 県といたしましては、対策としまして地域猫活動、いわゆる野良猫を捕獲して不妊去勢してもとの場所に戻してボランティアや地域住民の方に見守っていただき、管理して

いただいて、一代限りの命を全うさせる取り組みを推進しているところでございます。

 そのほか、毎年5カ所でボランティア意見交換会を開催して、多くの貴重な御意見もいただいているところでございます。また市町に対しましては動物愛護業務に関係した

研修会を定期的に開催するとともに、日ごろから県、市町の動物担当と連絡調整を密にとりまして連携強化に努めているところでございます。

 県としては、今後もボランティアや市町の負担軽減に努めることで、人と動物が共生する社会の実現を目指して取り組んでいきたいと思っております。

○阿部委員

 御答弁ありがとうございました。

 森衛生課長はよくおわかりいただいているようですので、市町やボランティアの皆さんの過度な負担がないように、先ほど別の質問でも申し上げましたが、数字だけではな

くて内容が問われることだと思いますので、ぜひそれを今後も心がけていただければと思います。

 森課長も残念ながら御退任でありますので、思い、現状認識をしっかりと後任の方にも引き継ぎいただければと思います。今後のますますの御活躍をお祈り申し上げます。

 次の質問に入ります。

 長岡生活衛生局長にお聞きしたいんですが、私は久しぶりに厚生委員会をやらせていただきましたが、薬事課と衛生課に質問することが比較的多かったのではないかなと思

います。

 今までの生活衛生局のイメージとしては、食品衛生関連や生活衛生関連の管理業務、薬事課については覚醒剤とか危険薬物の規制管理といった管理のイメージでありました。

 今年度の質疑を通じて、両課はそれぞれ県民の健康増進や維持、薬剤師の活躍によっては、例えば医療費節減にもつながることができる部署だなと感じましたので、非常に

クリエイティブな仕事ができる可能性がある、またその可能性が眠っているポジション、局だと思っています。

 これらの観点から生活衛生局のこれからの可能性、またあるべき姿について長岡生活衛生局長の御所見をお伺いできればと思います。

○長岡生活衛生局長

 生活衛生局の可能性とあるべき姿についてお答えいたします。

 9番委員御指摘の局のイメージは、生活衛生局の業務の主目的が公衆衛生上の安全確保にあるからだと思っております。

 確かに規制や管理業務が主でございますけれども、業務を遂行する際の目標は安全と安心の確保でございます。安全は法令で科学的根拠をもとに定められました基準に基づ

きまして、許認可や指導、検査などで担保するものと考えております。

 特に最近の食品衛生や薬事行政を伴う調整はグローバル化によりまして基準が国際化され、全国一律の基準により規制されることにより、事業者の競争の平等と消費者の安

全が確保される方向に進んでおると考えておりまして、地域らしさ、独自色を出すことが非常に難しいと考えています。

 一方で安心といいますのは、その表現が正しいかどうかはわかりませんけれども、私としては人の心によって決定されるものだと思っておりまして、安心の確保は地域の実

情に応じた仕事が可能であると考えております。自分が過去においても衛生課当時に事業化したものの中には、安心を重点に置いた事業もございました。

 生活衛生局の仕事は、安全の中に安心をキーワードで施策を検討していくことが重要でありまして、そこに可能性が生まれると考えております。

 あるべき姿といたしましては、安全で安心できることを目標として業務を行ったと考えております。

 安心は捉えることが難しいですけれども、諦めずに発想を柔軟にして事業にチャレンジしていきたいと考えております。

○阿部委員

 ありがとうございました。

 安心・安全は、県民の皆様にとっては一番大切な希望でありますので、これからも安全・安心をつくり続ける生活衛生局であっていただきたいと思います。

 長岡生活衛生局長におかれましても、残念ながら御退任とのことでありますので、思いをぜひ生活衛生局の皆様にお伝えいただきたいと思います。

 もうちょっと申し添えると、衛生課は温泉を所管しており、他の部署ともかかわりますけれど最近は温泉療法の考え方もございますし、動物愛護、動物は我々人間にとって

は非常に潤いを与えてくれる存在でもありますので、そういった意味でこれからも健康福祉部――管理ばかりではなくてクリエイティブな部――の中心であっていただきたい

と申し上げてこの質問を終わります。

 では最後の質問をさせていただきます。

 庁内における医工連携、医療と工業等の体制の構築についてお伺いします。

 今回事前に提出されている新規事業や拡充事業の中に、介護分野ICT化等事業としてケアマネジメント業務AI導入支援事業等々があります。介護ロボット導入支援事業

等があるんですが、がんセンターやファルマバレーセンターなどを見ていると、がんセンターにある研究所ラボが16部屋、ファルマバレーにある研究所ラボが既に埋まってい

ます。それでこういった医工連携は健康福祉部の事業の中に、ミニファルマバレーラボのような形で幾つもできるのではないかなと感じました。

 先ほど申し上げた介護分野ICT化等事業、ケアマネジメント業務AI導入支援事業については、特に介護ロボット導入支援事業は平成27年の補正でスタートしているんで

すけれど、それぞれの現場でこういうロボット、ああいうロボットと意見が出ています。ところがロボットの供給は東京の企業などしかやらないものですから、レスポンスが

非常に悪い、もう使えないからやめちゃうなどで、せっかく投入した予算がうまく生きてない現状があるようです。

 地場の企業が一緒に行って微調整する、こんな部品を足しましょう、そういった技術は静岡県の中小零細企業群は十分にお持ちだと感じています。地場の企業が参入する

チャンスにもなりますし、新しい医療産業を育てるチャンスにもなりますので、健康福祉部が持っているそれぞれの事業に対して共同でできるミニラボを現場でできることが

あったら、経済産業部と健康福祉部が連携してやっていく考え方が必要だと考えます。

 部を越えた話なので池田健康福祉部長に御所見を伺いたいところですが残念ながら御退任なので、来年もある藤原健康福祉部部長代理にお伺いしたいと思います。

○藤原健康福祉部部長代理

 医工連携を少し広げて介護までを含めて考えますと、平成19年ぐらいに本県健康福祉部が全国に先駆けて、筑波大学や神奈川工科大学、東京理科大学などと手を組み、天竜

厚生会もグループに入れまして研究フィールドとして提供するとともに、機械を県で借り上げて使ってもらうことまでやった記憶があります。

 一方、その後事業仕分けで民民でしょうと1回やめた経歴があって、一昔前の話となっています。鏑矢を射ったんですけれども、その後余り進んでいません。

 AIなど新しい技術が開発されています。ロボット関係事業についてアンケートをとると、まずはセンサーが欲しいと言うところがほとんどです。見守りを楽にしたいな

と。その次に多いのは移動のときに楽な装着型機械などです。

 当時は大学と介護現場の事業主でしたが、今はそうではなくて大学と企業――製造業と事業主と介護されている人たち、この4者がプレーヤーになるんじゃないのかなと。

4つの輪の重なるところをつくり出すのが県庁じゃないかなと思っています。12年前に放った矢が生きてくるように、東京などの大会社ではなくて地場の力でできるなら末永

くやっていく方向で4つの輪の重なりをつくっていきたいと思っています。

○阿部委員

 非常に期待の持てる御答弁をいただきましたが、この意義というのは静岡県の産業構造が変化し、今中小零細企業は次の産業をどうしたらいいのか、1つは航空宇宙や医療

産業であると思います。なので、そういったチャンスをより多くつくっていく、縦割りの部局にとらわれるのではなく広く見て、静岡県の産業界、経済を支えるためにはどう

するかの考え方、それが健康につながれば一番いいことですので、そういった観点で健康福祉部も取り組んでいただきたいと皆様に申し上げます。

 せっかく藤原健康福祉部部長代理に立っていただいたので、もう1点。

 先ほど小坂政策管理局長に聞いた予算編成についてお聞きしますが、国の定型予算だからそれにはまった形でやるのではなくて、今のように少し県単事業をくっつけること

によって新たな可能性ができる、2階建ての予算編成、事業編成を考える時代になっていると思います。

 言い方が正しくないかもしれませんが、ひもつき事業が多い健康福祉部だからこそやるべきと思いますが、所見を伺います。

○藤原健康福祉部部長代理

 おっしゃるとおりだと思います。

 我々の役割は、県民の命と暮らしを守ることと思っています。

 そのためには何でもやる。他部局に対しても口を出しますし、そのためには国で考えていること以外、国が縦割りであれば横に通すのが僕らの役割の1つで一番大事なとこ

ろでございます。その視点でやっていきたいと思っております。

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