本会議会議録
質問文書
令和6年決算特別委員会危機管理くらし環境分科会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 山本 彰彦 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 10/29/2024 |
![]() | 会派名: | 公明党静岡県議団 |
○山本(彰)委員
分割質問方式で質問させていただきます。
初めに、主要な施策の成果及び予算の執行実績についての説明書92ページになります。
防衛施設周辺地域における良好な生活環境の確保につきまして、まず県内にはどのくらいの防衛施設があるのか伺います。
次に、令和5年度に具体的に防衛施設に関する事件事故が発生したかどうか。
発生していた場合、どのような内容であったのか。さらに県としてどのような対応を図られたのか伺います。
3つ目に、説明資料95ページに令和6年度は第十二次東富士演習場使用協定の最終年度に当たり第十三次協定の締結へと記載があります。東富士演習場使用協定とはどのような内容でしょうか。
また、具体的にどのように調整を図って進めるのかを教えていただきたいと思います。
○佐々木県民生活課参事(渉外担当)
まず、1点目の県内にはどれぐらい防衛施設が存在しているかですが、県内には自衛隊と米軍を合わせて11の防衛施設があります。
陸上自衛隊関係では、本州最大の演習場である東富士演習場をはじめ、富士、滝ヶ原、板妻、駒門駐屯地の5基地があります。
航空自衛隊関係は、浜松基地と静浜基地、さらにレーダーにより周辺空域を監視している御前崎分屯基地と3基地あります。
また、米軍管理の基地といたしましては、富士営舎地区いわゆるキャンプ富士、沼津海浜訓練場、沼津乗下船及び積込積下訓練区域の3施設があります。
次に、令和5年度における県内の防衛施設に関する事件事故発生の有無と県の対応ですが、令和5年12月に東富士演習場周辺において米軍のドローンが演習場外に飛び出す事故がありました。また令和6年1月に東富士演習場内でパラシュート降下訓練を行っていた米兵5名が演習場外に飛び出した事故もありました。
いずれの事故におきましても、県は国から随時情報収集し、地元2市1町及び東富士演習場地域農民再建連盟の連名で原因究明、安全管理徹底を南関東防衛局に申入れを行ったところです。この結果、県も参加する東富士演習場安全対策委員会にて事故原因、再発防止等について説明を受けております。
3点目の東富士演習場使用協定の内容と県の役割ですが、東富士演習場は区域の約6割が民地あるいは公有地で、かつ演習場全域に入会慣行が存在しておりまして、演習場の使用と周辺住民の生活安定の両立を図ることを目的に、演習場の使用協定が締結されております。使用協定には、区域、武器及び演習行為の規制、立入り条件、そして補償、民生安定施策等が定められており、様々な問題を調整する機能を果たしています。
使用協定の改定に際しては、県は行政・権利協定当事者合同会議や第十二次使用協定終結処理委員会において議長として参加し、国と地元合意が得られない重要課題においては、防衛大臣重要会談を主催するなど協定締結に向けた立会人として国と地元の調整を図っております。
○山本(彰)委員
ドローンが演習場外に飛び出したことや、パラシュートが演習場外に出てしまった米軍5名の情報はどこから上がってくるのでしょうか。例えば地元住民から警察に通報があって警察が確認するのか、情報の連絡体制について教えていただきたいと思います。
○佐々木県民生活課参事(渉外担当)
国が管理している施設については、南関東防衛局から伝わることが多いです。また関係する地元自治体である御殿場市等から連絡がある場合もあります。
○山本(彰)委員
地元自治体から連絡があるというのは分かります。地元自治体が把握するのは、当然市民からの通報か何かがあってのことだと思いますが、協定の中でもうたわれている地元の住民の声をしっかりと受け止めて対応していただきたいと要望します。
次の質問に入ります。
説明資料122ページにテレワークの推進と環境整備の関係で、ふじのくにライフスタイル創出住宅リフォーム事業費助成とあります。交付件数は302件、このうち2件が県外居住者の申請となっています。県外居住者でも補助対象とされているということですが、そもそものこの事業の目的を教えていただきたいです。
この事業も何年か続けていると思いますが、令和5年度までの交付件数は累計でどれくらいか。あわせて決算総額を教えてください。
また、実際にこの事業が使われたのは、地域別――東中西というエリア別――ではどのような配分になっているのか教えていただきたいです。
○稲垣住まいづくり課長
県外居住者の申請2件につきましては、移住者型として県内へ移住して中古住宅を購入し、テレワークリフォームを行った方であり、申請段階時には県外に居住していた方になります。記載の方法が分かりにくく大変申し訳ありませんでした。
事業の目的につきましては、令和5年度までコロナ禍により、自宅でテレワークを実施する必要性がありました。自宅でテレワークを行う際に、1人で集中するスペースがない、オンオフの切り替えがしづらいなど環境に多くの不満があったことから、自宅におけるテレワーク環境の向上を目的に働き方や住まい方の多様性に伴う新しい生活様式に対応していくことを目的に支援してきました。
これまでの交付件数の累計ですが、令和2年度から実施しており令和5年度までの4年間で交付件数が2,412件となります。決算総額につきましては7億700万円余となっております。
これまでの地域別の件数につきましては、内訳として東部が524件、中部が908件、西部が980件の計2,412件となっております。
○山本(彰)委員
これまでの実績を踏まえたこの事業についての評価と課題、また昨年5月に新型コロナウイルス感染症の対応が5類に移行したことで、テレワークの推進を目的とする本事業をどのように改善したのか教えていただきたいと思います。
○稲垣住まいづくり課長
これまでの事業の評価につきまして、本制度を利用した方には完了実績報告書の提出に合わせ、アンケート調査を実施し回答をもらっております。令和5年度のアンケート調査の結果ですが、自宅でのテレワーク環境の不満が本制度を利用してリフォームしたことによりどうなったかという質問に対して、96%がリフォーム後に不満が解消されたと多くの満足の回答を頂いておりますので、相当な効果があったと考えております。
課題と事業改善につきましては、7番委員御指摘のとおり、令和5年度まではコロナ禍ということでコロナ対策としてこの事業を行っておりましたが、コロナ禍が収束したことから、全ての県民を対象として支援していくことが必要なのかという課題が出てきております。
そこで令和5年6月に閣議決定された国のこども未来戦略方針の中でテレワークは通勤時間が削減されることにより仕事と育児の両立が可能となるなど、人口減少対策としても有効とされております。
したがって、令和6年度はこれまでのコロナ対策から人口減少対策、子育て支援として仕事と子育てがしやすい職住一体の住まいの整備を推進することを目的として事業を見直しております。
具体的には、子育て支援として支援の対象者を全ての県内居住者から18歳未満の子供を有する子育て世帯及び夫婦のいずれかが39歳以下の若者夫婦世帯に限定しています。また抗菌仕様の仕上げ材や玄関脇の手洗いなどの感染予防対策リフォームを補助対象メニューから廃止しております。
○山本(彰)委員
意見、要望です。
ふじのくにライフスタイル創出住宅リフォーム事業は子育て世帯対策に切り替えて進められてきたということですが、いろんな住宅への支援制度――移住・就業支援金、空き家補助金、省エネ補助、ZEH等――がある中で、もし全部ひっくるめて適用できたら、何百万円という多額の支援になるのでしょうか。
当然、制度ごとに割り振りはあり、制度のきめ細かな対応というのはあるとは思うのですが、もし仮に全部に適用となってしまったら、果たしてそれでいいのか。
もう少し一つ一つの事業を精査、検証していただいてよりよいものにしていただきたい。併せて市町でもこうした制度をやっているので、県と市町を併せるとまたさらに上乗せされることを考えると、どこまで支援をすればいいのかぜひ検討していただきたいと思います。
次の質問に入ります。説明資料158ページ、森林空間の活用促進であります。
まず、森林サービス産業とはどのようなものか、概要を教えていただきたいと思います。
その中に森林所有者と事業者のマッチングがうたわれておりますが、マッチングが成功したのか。事業として成果が上がったのは何件か教えてください。
また、事業に対する課題や改善についてどのように考えているか教えてください。
○中山くらし・環境部参事(自然共生担当)兼環境ふれあい課長
初めに、森林サービス産業の概要についてお答えします。
森林サービス産業は、健康、教育、観光などの様々な分野で森林空間を活用した体験サービスを提供し、山村地域に新たな雇用と所得機会を生み出すことを目的としたものです。
コロナ禍を契機にライフスタイルや価値観が多様化し、森林空間を様々な観点から活用するニーズが高まっており、県内でも松崎町や森町におきましてマウンテンバイク事業などビジネスが広がりつつあります。そうしたことから、県では、森林の利活用の一層の促進に向けて地域の主体的な取組を支援しているところです。
次に、事業成果についてお答えいたします。
事業者と森林所有者のマッチングを支援するために、事業に合った森林かどうかを判断する現地見学会の開催、事業化に向けた両者の事業調整の場を設定したほか、アドバイザー派遣による事業計画の見直しや経営ノウハウに関する支援を行ってきた結果、自然環境の中で幼児教育や保育を行う森のようちえん事業や森林資源を活用したアロマの製造販売事業、マウンテンバイク事業など6件のマッチングが成立したところです。
最後に、この事業の課題と改善についてお答えいたします。
マッチングが成立した事業のうち、森のようちえん事業、アロマの製造販売事業については、特段の課題もなく早期の事業実施に向けて調整が進んだわけですが、そのほかの事業につきましては事業収支の見込みに甘いものがあり、事業計画を見直す必要がありました。
このため、マーケティング結果に基づくターゲット層の絞り込み、それから料金の再設定など経営に関するアドバイザーの伴走支援により事業計画の見直しを行い、事業化に道筋をつけたところです。
今後、事業化に向けてこうした点を重点的に助言やチェックしながら支援していく必要があると考えているところです。
○山本(彰)委員
ありがとうございました。
森林サービス産業について、これからも積極的に対応していただきたいと要望します。
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