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委員会会議録

委員会補足文書

開催別議員別委員会別検索用


令和4年9月定例会建設委員会
参考人の意見陳述 サンクチュアリエヌピーオー 理事長 馬塚丈司氏 【 意見陳述 】 発言日: 10/05/2022 会派名:


○馬塚参考人
 きょうは、呼んでいただきましてありがとうございました。発言の機会を持っていただいたので光栄に思います。
 では、私自身が今まで活動してきたことに対して少しお話させてもらいます。
 アカウミガメの産卵地として、遠州灘海岸は本州最大でありまして、サンクチュアリエヌピーオーは浜名湖から浜岡原発まで55キロメートルを調査しています。調査は静岡県と浜松市からの委託事業という形で現在は行われています。調査は5月10日から9月初旬まで大体110日ぐらい前後毎日調査しています。時間は3時から7時ぐらいまでかけてやっております。毎日産卵調査を行って卵を保護しています。保護したものは、全部浜松市に保護柵を造って埋め戻しています。そして、そこからふ化したものを毎日海に帰す活動をしているわけです。活動は遠州灘海岸でアカウミガメの産卵を確認して36年間になります。
 この36年間に、実は浜松海岸だけでなくて遠州灘海岸には全域にわたってオフロード車が走ってました。浜松海岸だけでも金曜日とか土曜日になりますと5,000台の車が海岸を走り回っていたという悲惨な状態でした。それ以外にも卵の盗掘です。卵は1個1万円で売れます。大体100個から120個産卵していますから、1か所を掘れば120万円になってしまう状況にあります。そしてそこからふ化した子亀は、今日本では45万円で取引されます。そしたら一穴掘って売ってしまったら、4800万円という莫大なお金になってしまうということです。動かさないほうがいいことは私たちも分かっています。野生生物ですから。しかし、そういうことが規制されない日本という国では、やはり何らかの形で保護して1匹でも多く海へ帰してやる必要性を感じて活動をしてまいりました。
 また、夜間の人工光がありまして、浜松は非常に明るいですよね。明るいことによって、そこで夜産まれた亀が全部海に行かずに陸に向かってしまうんです。この光というのは今日の午前中あまり出てこなかったんですが、実は明確に分かっていて紫外線なんです。紫外線は目に見えません。その目に見えない光を子亀は目で増幅して非常にはっきりと強いか弱いかを感じ取って海に向かうということなんです。ですから人工光、あるいは水銀灯も紫外線が出ます。それから紫外線の次のLEDという青色光も紫外線に近いから亀に影響しますが、そういうものから守ってきました。
 ごみ問題もあります。ごみがあれば亀は前に行けません。わずか数ミリメートルのところに目があるだけなのでごみ1個、流木1個落ちてたって亀にはもう前が見えません。今遠州灘海岸は雨が降るたびに流木がたくさんありますし、そのままにしておけばいいと簡単に言いますが、もしそうしたらほとんどの亀は流木に挟まれて死んでいるか、植物に体を挟まれて死んでいることになります。絶滅危惧種をそんな形で殺していいのか。またそこからそれを持っていった人が高く売りつけていいのかということが、全くもって法的に不備な状態があるわけです。それは全国どこでも同じだと思いますが、私はその中から何とか亀を1匹でも多く守りたいという形で保護活動をしてきました。保護しているウミガメは、単なる亀ではなくて国際的な保護動物であり絶滅危惧種なんです。絶滅危惧種ということは、今地球上に生きている生物の中で最も危険な生物ですから、人間が守らなかったら絶対絶滅します。私たちがせっかく保護しても大体生存率は、今日亀崎さんが言っていたように5,000分の1しかないんです。ですから、例えば1万個保護してもその中で親亀になるのは2頭しかいない。だからこそ絶滅しそうなんで、それをどうやって保護していくかを私たちは日々やっていたわけです。以前よりも海岸環境は悪化していまして繁殖数も減少しています。絶滅の危機に瀕している種が、大型野球場といった施設で光をたくさん出したときに、繁殖できないことは非常に残念なことですね。私は子供たちが使いにくそうな大人のためのスポーツ施設を建設することによって、絶滅にさらに拍車をかけてしまうことは人間にとって非常に由々しき問題だと思っています。
 静岡県は自然保護課をはじめ多くの皆さんに一生懸命ウミガメの保護活動をやっていただいていまして、私たちもその下に調査活動をやっているわけですね。そして浜松市では平成2年には既にもうアカウミガメとその産卵地が文化財になっているわけです。そうすることによって浜松市では盗掘がなくなりました。そういうよさもあるものですから、できるだけ条例とかをつくって亀を積極的に守っていくことをしない限り、一般人はお金になればそれは盗りますよ。一晩で4800万円ですよ。ですから、それを盗ってはいけないという法律ができるまでは私たちはずっと続けなきゃいけないと思っています。
 県や市がSDGsや生物多様性をないがしろにして、種の保存を脅かすような事業計画を立てたならば、保護事業とは逆行しちゃうわけです。一方でウミガメを保護する事業をやっていながら、一方で施設を造り亀が困ることをやってしまったら、これは真逆のことになってしまうので、その矛盾をぜひ委員には感じていただきたいと思います。
 現在の子供たちは、実はSDGsや生物多様性の問題について、もう小さいころから学んでいます。ですから大人よりもそういうことに対しては非常に敏感です。豊かな自然環境を、そして生物の多様性を大切にしなさいと日々教えられているわけです。ですから、私たち大人がそれに矛盾する行為をしてしまっては大変なことになりますよね。アカウミガメや実はコアジサシという絶滅危惧種も舞阪町の近くにいます。その鳥も繁殖しているわけです。大型野球場、あるいはその照明機器がその鳥にも影響を与えたならば、これは県や市が国際的な笑いものになるんじゃないかと心配しています。絶滅危惧種を一層絶滅に追いやることは世界の流れにも逆行しますし、私はいい例はパンダなんですけれども、パンダと同じぐらいウミガメも大変だったんですが、パンダは中国が一生懸命保護しました。そして保護して絶滅危惧種から危急種まで今来ているんです。ということは、少しよくなったということですね。だから人間がそうしてやれば、よくなるということなんです。1989年――平成元年に遠州灘海浜公園の馬込川河口での整備で、実は野球場建設を中止しました。にもかかわらず35年たってなぜ野球場が篠原に出てきたのか私には分かりませんが、当時は馬込川に生息する野鳥の生息地を守ろうということで、バードサンクチュアリのために野球場を中止しました。しかし今度はもっと大変な絶滅危惧種のアカウミガメと絶滅危惧種のコアジサシが繁殖する場所を光で照らそうとしているわけです。ですから、これは絶対に私たち保護団体としては容認できません。未来と次世代の子供たちに何を残すべきか、一時的なレクリエーション施設を負の遺産として未来に残すのか。生物多様性な自然環境を未来につなげていく考えを持ってほしいと思います。
 調査についてですが、実は私は45年間静岡大学の工学部で環境分析を専門に携わってきました。そして環境分析というのは、いわゆる分析とは何かデータとは何かということを嫌というほど叩き込まれて仕事をしてきたわけですけれども、今回の調査は亀崎さんも言っていたように不適切なところがたくさんありました。それは何かというと、まずやるたびに条件の設定が日々変わってしまうんですよ。子亀への影響は、実は紫外線だって私は口を酸っぱくして県にも言いました。光じゃないんですよ皆さん。県の資料を見ると分かるんですが、明かりがどう見えたかということを書いてありますね、あの光は全然関係ありません。いわゆるどれだけの紫外線がそこから出ているかなんです。これはもう分かっていることなんです。ですから、例えば手持ちの蛍光灯のスタンドを1個持っても亀はそちらに向かいますよ。あの野球場の模試したライトじゃなくても。去年建設委員会の一部の人にもそれを見てもらいました。ですから、あの3つのライトでは空を照らす上空光は再現できていませんよね。それから調査エリアは東西南北100メートル掛ける100メートルと聞いていたんです。しかし実際やったのは100メートル掛ける50メートルで海岸のほうは極端に短く設定されていました。それから途中で子亀の柵があったんですが、その柵を外してみたり、最初はあったんですが次は外してみたり、要するに条件設定が変わっちゃうということです。それから一番の問題は、今回の子亀を調べるときに人が子亀について回ったんです。子亀について回ったら子亀はどっちに行きますか。必ず人がいないほうに向かいます。ですから海のほうに向いて人が追っかけていけば亀は海に向かいます。北に向かえば北に行きます。ですから遠くで見守らなきゃいけないのに、わずか5ミリメートルのところに目があるカメが、後ろに巨大な大木みたいな人間がいたら、人間の股をくぐってくるわけがないんですよ。だから方向が間違えられていることもあります。
 それから、亀崎さんも言っているんですが、海に入った子亀が再上陸するんです。私たちはこれはもうさんざん見てきました。ですから大変なんです。だから黒潮の海流に乗せるまでに、その時間を考えて日没前に放流しているわけです。それも計算づくでやっています。ですから海に入った亀が再上陸したかどうかを検証してみる必要だってありますが、検証しなくてももう私たち既に調査済みです。あとは調査個体が非常に少なかったということですね。
 それから、調査日によって照明の有無の条件が不統一だったこともあります。度々言いますが、アカウミガメの生態は明るさではなくて紫外線なんです。人間の目には見えません。だから人間の目で見て推しはかった資料は、私は到底野球場の建設の可否に値するデータだとは思っていません。私は提案していたんです、ZOZOマリンスタジアムのような球場を造りたいと最初言っていたから、ZOZOマリンスタジアムの海岸で私たち亀を放した途端に亀はナイターの設備のある野球場に向かいました。もうこれも実証済みなんです。ですから、もし皆さんが疑問をお持ちだったら、来年の夏8月中旬以降に亀をお貸ししますから一緒に行ってやってみたらいいですよ。そしたら、あの模写した3つのランプじゃなくて本物のデータが取れるはずです。そういうことを踏まえて、私は野球場の建設の可否を決めるようなデータとしてほしいと思います。

○飯田委員長
 ありがとうございました。
 それでは、質問に入りたいと思います。
 発言願います。

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