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委員会会議録

質問文書

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令和6年6月定例会文教警察委員会 質疑・質問
質疑・質問者:佐野 愛子 議員
質疑・質問日:07/02/2024
会派名:ふじのくに県民クラブ


○佐野委員
 分割質問方式でお願いします。
 伺うことがたくさんあるので、答弁は端的にお願いします。私が学校と言うときは義務教育のことを指すことが多いのでそのつもりでお答えください。
 昨年の本会議で質問させていただきましたが、今年度も年度当初定数未配置が52人とのことでした。年度初めの忙しい中、定数に満たないために大変な思いをした学校がたくさんあります。現状はその後改善されているのでしょうか。

○植松義務教育課人事監
 令和6年6月時点におきまして、不足人数は56人となっております。5月時点では一度50人に減ったのですが、その後特休者の代替が追いついていない状況がございます。

○佐野委員
 未配置をなくすためにどのような方策を取られたのかお答えください。

○植松義務教育課人事監
 これまでもやっておりましたが人材バンク等を通じて人の確保を行ってまいりました。これから効果を精査しなければいけないところですが、採用を早期化して志願者を増やそうという取組もしてまいりました。そして今年度からは年度中途の育休者、特に男性育休等が増えることも予想されることからフルタイムで人がつかない場合には非常勤を当てて対応できる方策なども行っております。あわせて働き方改革の推進にも取り組んでおります。

○佐野委員
 人材バンク等いつも同じ答えを聞きますが、改善していかない大きな課題だと思います。

 ちなみに、県立高校におきましては未配置の実態はあるのでしょうか。

○中村高校教育課長
 県立高校におきましては、年度当初未配置の高校はございません。しかしながら年度中途に産育休等で欠員になる教員の代替講師の確保についてはなかなか厳しく未配置となっている高校もございます。

○佐野委員
 高校では年度当初の未配置は発生していないということですね。義務教育は数が多いこともありますが、未配置が発生してしまうことは残念だと思います。

 採用試験の前倒しをしましたが、今年度の倍率など効果があったのか。前倒しの成果、そして今後の採用見込み、またどのような魅力化により静岡県の採用倍率を高めていくのか方策をお聞かせください。

○植松義務教育課人事監
 例年より2か月前倒しで採用試験を行いました。全国で一番早いスケジュールで実施したことになります。
 志願者の大幅な増加を期待したところですが、結果といたしましては小中学校の総志願者数は微増で100名ほど増えた状況です。
 今後の新たな取組としまして、静岡県に愛着があり未来を担う児童生徒の育成に対する熱意とビジョンを具現化していく力のある人を採用したいということで、静岡未来創造枠という自己推薦枠を設けました。現場で働いている講師の方がいろいろなビジョンを持っていると思いますので、そういう方のアピールする機会を設けたものになります。今後もより質の高い人材を確保できるよう、ありとあらゆる方策を尽くしていきたいと思います。

○佐野委員
 採用を早めたことで講師の方にとってはかえって受けにくい状況になったとも聞いています。プラス数千人が来ることを予測していたのではないかと思いますが、全国的な基準日も早まりましたよね。ですので静岡県がどのような手を打つのか、魅力化に対して今後広く考えていかなければならないと思います。
 昨日5番委員からありました静岡県は17時15分に帰れるとか、また奨学金を返さなくてもいいなど思い切った財政を伴う、また大きな魅力化を出す必要があると思います。今後の政策、来年度に向けた改善を期待します。

 次に、8番委員からもありましたがフリースクールに対する運営助成について、今年度の事業費が3000万円で100万円ずつ30団体とのことですが、どのような基準で選考し、またその手順は市教育委員会に委ねているのでしょうか。選考基準や方法等についてお聞かせください。

○戸塚義務教育課長
 フリースクールに対する助成については、申請時期を6月と秋口の2回に分けており、1回目の申請を6月末で締め切ったところです。
 その後、交付決定をそれぞれ1回目、2回目と行うわけですけれども、最後の実績報告は2月にまとめていただき、その結果を見て最終的な補助金の交付は3月の予定であります。
 また、主体については市町任せにしていることはございません。申請が出てきた段階で私どもが訪問いたしまして、そのフリースクールが私どもで出した民間委託のガイドライン等に適しているか確認させていただくことになっております。

○佐野委員
 市町任せという意味ではなくて、市町の教育委員会も関わっているのかを聞きました。また採択基準についても少し説明してください。また私どもというのは、県教育委員会義務教育課の職員という意味でしょうか。

○戸塚義務教育課長
 交付の基準ですけれども、県内に所在していること、1年以上の活動実績があること、あと大事なのは先ほど申し上げた本県が開催している連携協議会へ参加している者であること、保護者等に対して経済的な負担についての情報提供がしっかりされていることを条件にしております。

○佐野委員
 今年度の県教育委員会の不登校対策の目玉としての施策ですが、私はそれに少し疑問を感じています。先ほど8番委員からもありましたが、学校内での居場所、それらに学校内公教育を担うのが県教育委員会の役目だと私は認識していました。いくら文部科学省からの提案だといっても義務教育課でフリースクールを受けるのは少し納得いかない部分があります。
 フリースクールというのはあくまでも民間ですよね。ですので県庁の中の役割分担でいけば、私学振興課の役目ではないかと思ってしまいます。公教育としてやるべきこと、県教育委員会は学校の中での対策、公教育でできることに力を入れるべきだと私は考えますが、その見解をお聞かせ願えればと思います。できれば課長よりも責任ある方の答弁を望みます。

○水口教育部長
 不登校対策は、今教育行政の大きな課題になっていると思っています。その中で教育機会確保法があり、地方公共団体の責務として不登校児童のフリースクールやそこに通う子供たちも含めた対応をしていかなければならないのは私どもの責務と考えております。
 今、8市町でできておりません。それに対してどのような支援をするのかもありますが、まずは不登校が教育行政の大きな課題であるところは本来学校の中で行うことでございますので、市町には頑張っていただきたいという思いがございます。
 一方で、やはりそれをもってしても取り残されているどこにもつながっていない子供たちがいることを踏まえると、県教育委員会としてはまずはそちらも頑張らなければならないという認識です。ある程度の役割分担、学校の中のことは市町によってしっかりとやっていただき、私どもはそこからまだ取り残されてしまっている児童生徒を何とかしたいという思いで今この事業を進めております。8番委員からもございました市町の問題への働きかけ、また支援の在り方は検討しなくてはならないとは思いますけれども、まずはこちらを私どもとしてやっていきたいと思っております。

○佐野委員
 教育機会確保法ができまして地方公共団体の責務がうたわれました。しかしそれは県教育委員会とは言ってませんよね。行政の中でスポーツ・文化観光部の私学振興課が受けてもいいし、こども家庭課など福祉分野が受けてもいいと思います。県教育委員会で受けたというのはただ単に文部科学省からの通達だったからだと思いますが、私としては遺憾に思います。フリースクール等への国の予算づけがあって予算の分配先が県教育委員会であるなら分かるんですが、国はまだ予算づけをしていないわけですよね。運営主体に助成するのか保護者に助成するのか、そこも国はしっかりと方策を出していませんし、予算の執行先も決めていません。そこを県教育委員会があえて手を挙げたことは英断であって否定するものではありませんが、これまでの公教育は何だったのかと少し疑問も呈します。
 先ほど戸塚義務教育課長が、学校以外の場所をしっかり提供しますとおっしゃられましたが、それは学校現場を放棄したというか、学校現場の職員の努力を無視しているように一見取られます。学校の教職員は学校の中で不登校を出さないために、子供たちの支援のためにありとあらゆる手を尽くしているわけです。それを否定するわけではありませんが、その努力よりも学校以外の場に居場所をつくりますと県教育委員会の方がおっしゃるのは、学校に携わる方たちの意欲というか、理解がついていかないと思いますが、見解はいかがでしょうか。

○戸塚義務教育課長
 ただいまの御意見ですけれども、まず教育委員会が受け持っていることに関しましては、県議会でも質問があったこともあり、こちらで受けている背景もございます。今のお話でございますけれども、教育機会確保法の理念の中でまず全児童生徒が豊かな学校生活を送るとございます。全児童生徒ですから、当然ながら我々も不登校児童生徒だけでなく児童全体を見ていかないといけないと理解しております。ですので今後学校の中でどういったことができるのかも、もちろん目を向けて進めていく所存でございます。

○佐野委員
 子供主体で考えれば、学校へ来ている子、来ていない子、全ての子供たちに教育の場を確保することは当たり前の理念ですが、県教育委員会というのは県内の教職員の任命権があり束ねる場でもありますよね。学校へ来ていない子も大事な子供たちであるわけですので否定するわけではありませんが、その教職員が納得できないような施策には少し疑問も持ちます。
 そして、先ほどの居場所等は学校で設置しても、そこでやっている支援員とか当てる職員は県で持つこともできるはずです。そしてもっともっときめ細かい不登校のカウンセラーを当てるとか公教育でできる施策はたくさんあると思いますが、そこについてはいかがでしょうか。市町任せというのは少し違うと思います。県でできる不登校対策、公教育の中でできる対策はないのでしょうか。

○戸塚義務教育課長
 今御提案頂きましたモデル的な形で実施が可能であるかどうか、実際の人的措置となりますとどういった方に務めていただくのがいいのか、そういった方を実際に確保することが可能なのかなどを調べて、また予算要求も始まりますので、予算要求ができるのかどうかも含めて検討してまいりたいと思います。

○佐野委員
 各市では少ない財政の中で既にそういう支援をつけているわけですよね。人がいる、いないということをおっしゃいましたけれども、そういうことではなくて県の予算をつければいいだけだと思います。ぜひとも教職員や学校の中でやる気をなくす施策よりも、公教育としてできることを真剣に提案していただきたいと思います。
 また、国も多分予算づけの方向を決めてくると思います。今年度は静岡県教育委員会が英断したことをありがたいことだと思い重く受け止めます。また国の動向を見てどのような形で支援していくのか、今後方向性をしっかりつかんでいただきたいと思います。またそのために総合教育会議等があると思いますので、部局横断的にぜひ取り組む問題だと提案したいと思います。

 次に、スクール・サポート・スタッフについてお伺いします。
 スクール・サポート・スタッフは、教職員の多忙化を改善するにはなくてはならない存在になってきています。
 しかしながら、現状は旅費がつかないので各学校から2キロ以内の人材に限られてしまっています。町なかで2キロの中にたくさん住宅がある学校はいいのですが、私の地元のように田舎だと2キロ以内に人材は全くいないわけです。旅費が出ないという理由だけでそこの人を選ぶのはあまりにも不合理だと思います。
 あと、2キロ以内と考えると結果的に保護者しかいなくなってしまうんですよね。そうするとやはりやりにくいという声も聞きます。2.1キロでも駄目と聞くと、本当にいい人材がいてもその人に頼むことができない。市内で旅費といっても高額ではないと思いますが、スクール・サポート・スタッフの旅費について手当てすることはできないのでしょうか。

○戸塚義務教育課長
 スクール・サポート・スタッフは国庫補助事業となっております。国の基準では地域内の人材を確保する意味で通勤手当――旅費の手当はございません。従前からそういった課題がありましたので、現在は過疎地域等については県単で旅費が措置されておりますのでそのあたりをうまく使いながら適切に配置を進めてまいります。

○佐野委員
 過疎地域と認定されている学校は県内でも僅かですよね。過疎地域までいってしまうと当然かもしれませんが、田舎の学校だと人材の選定に困ります。教員を退職したすばらしい方がいても、その人に頼むわけにはいかない。またその人が旅費はなくても行ってあげるよと言ってもそういうこともできないとなると、せっかくのいい制度がうまく機能されないという各地の実態を聞きます。国の規定にはないにしても、県単で一律でもいいと思いますのでスクール・サポート・スタッフに対する旅費助成の検討を要望します。

 次の質問です。
 昨日、7番委員が県教育委員会の人事体制について質問されました。7番委員は池上教育長に対して教育長がやりやすいかという質問でしたよね。そして大変やりやすいという答弁でした。教育長がやりやすいかどうかというよりも、私は県全体の教育の推進について、また現場との意思疎通において、現場の人をもう少し増やしていただかないと現場との乖離が生じてしまうと思います。12課2事務所ありますよね。事務所は教員経験の方が多いと思うんですけれども、特に高校教育課は県教育委員会の中でも大きな課ですよね。そして今年課長も替わられました。義務教育課と違って高校教育課は全部県教育委員会の中で教科の指導から生徒指導の指導、校舎管理、人事管理、再編など大きな課題がありますよね。そのような中で高校教育課長が一手に担うわけですけれども、抱える職員も県立高校は84ぐらいあって職員も4,000人ぐらいでしたか。そのトップに立つとのことですが、中村高校教育課長は着任されて現状の県立高校の課題や高校教育課をどのようにリードされていくのか、お考えをお聞かせください。

○中村高校教育課長
 私は、この4月に知事部局から高校教育課長を拝命いたしまして着任したところでございます。私自身教育委員会での勤務経験はないため、非常にびっくりしました。学校現場の経験がなく、学校の意思決定の様子や実際にどういったことに困っているのかなどを実感として理解すると言いますか、私の中にしっくり落ちるのには大変苦労しております。
 また、教育に伴う専門用語などで教師の皆様がいろいろな思いを込めて伝えられてくることについても理解がなかなか追いつかず経験不足を感じております。
 ただ、高校教育課が取り組んでいる特別な支援を必要とする生徒への対応や高校の魅力化を進めていかなければならないといった課題がございますが、こういった事業の推進には学校や教育委員会だけではなく広く社会で活躍している社会的資源を活用する必要もあると感じております。そういった意味では知事部局等のいろいろな担当課との連携も必要になると考えております。
 また、制度的なことですが教育関係の予算、条例の議案提出権が知事に与えられております。そういったことを踏まえた事業企画や予算編成など、これまで知事部局での経験をいろいろと生かしていく場面もあるのではないかと考えております。
 いろいろと申し上げておりますが、教育に関する経験が不足していることは自覚しております。それを補っていくために県立高校に時間を割いていただいて学校訪問し、校長などの管理職と直接お話をさせていただく機会を設けております。そのようなことを通じて自分自身の知識を増やしたり、あと実際に生徒が学んでいる様子をこの目で見る経験をさせていただきながら自分の経験値を少しでも上げて、学校現場や学校を取り巻く意見を自分の中でそしゃくしながら経験を積み、与えられた職責を果たしていきたいと考えております

○佐野委員
 大変すばらしいお答えをありがとうございました。
 今おっしゃられた御自分の使命、職責を感じられてぜひとも頑張っていただきたいと思います。
 現場の教職員はずっと教員のままですし、現場感覚で県教育委員会に問い合わせたりするわけですよね。そうしますと、もうあの人は知事部局に戻ってしまったけれどもあのことはどうなっちゃったのかなど、ちょっと信頼感が持てないというか現場のことはどうせ分かってもらえないまま転任してしまったなどという話も聞きます。そして県教育委員会という存在が現場の教職員にとって頼りになるものなのか、少し乖離しているように見受けられることもあります。

 予算等が取りやすいとおっしゃいますが、そのような成果は出ているのでしょうか。十数年前に比べて知事部局の方が教育委員会に多く来られるようになって、以前の教員だけのときと比べて予算はしっかりと取れているとお考えでしょうか。どなたかお答えできる方がいたら、その成果をお話ししていただければと思います。

○水口教育部長
 財政状況が過去と大分違ってきていますので比較はなかなか難しいと考えております。私どもが要求した予算が十分に取れていると胸を張って申し上げることはできませんが、一生懸命努力していることはお伝え申し上げておければと思っております。
 実際に財政要求の前段として既にシーリングがかかっており、いかにマイナスの幅を減らすかを考えながらやっていくところからのスタートとなります。財政が潤沢な過去と比べるとうまくいってはいないとは思いますけれども、議員の先生方にも御協力頂いて何とかその額を増やすように努力しているところです。

○佐野委員
 現場しか知らない教職員は行政の仕組み等がよく分かりませんし、予算取りや財政当局とのやり取り等が苦手だと思います。ですので知事部局の方が経験を基に交渉等をしてくださるほうが有利だとは思います。財政状況が違うことは分かりますが、御自分の使命は予算を取ることだとしっかり決めて成果を出していただきたいと思います。
 そして、感想ですが他部局のいろいろな委員会の審議では、職員から予算が厳しいとかシーリングが厳しいといった回答を頂いたことがありません。教育委員会だけ財政が厳しい、シーリングが厳しいとおっしゃいます。教育委員会は人も多く抱えていて財政規模も大きいので思うように予算措置ができないのかもしれませんが、静岡県の大事な将来の子供たちを抱える、そして教職員に給料を払う大きな部局ですので、もう少し予算についての力強さ、予算がないことを言い訳にしない体制を今年度構築していくことを期待したいと思います。お返事はありますか。

○水口教育部長
 おっしゃるとおり予算なくして事業執行はできませんので、しっかりと予算が取れるよう努力していきたいと思っております。

○佐野委員
 先ほども申し上げましたが、総合教育会議等、教育委員会だけでは解決できない課題に全庁を挙げて取り組もうというしっかりとした組織もあるわけですので、抱え込みではなくて他部局に広げて解決できないところは他部局の予算で応援してもらうとか、ぜひともそのような発想で予算が取れないことを言い訳にしないで、充実した教育行政を推進していくことを期待します。

○中村高校教育課長
 9番委員から質問がありました高校教員の配置状況について、1点だけ補足の説明をさせていただきたいと思います。
 年度当初に未配置はないと御回答いたしましたが、教員の配置自体は追いついておりますが令和6年4月1日において1名だけ産育休の代替措置が追いついていない高校がございましたので、未配置という意味ではありませんけれども代替の教員を配置できなかった高校が1つございました。補足し訂正させていただきます。

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