ここから本文です。
委員会会議録
質問文書
令和4年2月定例会産業委員会 質疑・質問
| 質疑・質問者: | 相坂 摂治 議員 |
| 質疑・質問日: | 03/08/2022 |
| 会派名: | 自民改革会議 |
○相坂委員
一問一答方式でお願いします。
まず、産業委員会提出案件及び報告事項10ページの繰越しの件から伺います。
いつも繰越しについては決算のときにやらせていただくのですが、今回決算ではないのでまだ確定値ではないものの、繰越しが数字上読みにくくなってきています。これは年度途中に国の補正がどんどん入ってくるからです。
今年度末時点で、途中補正でも来年度に事業をやることを前提とした繰越額と、いわゆる事業の遅れあるいは執行残等による繰越額をそれぞれお答え頂き、かつそれは前年度、前々年度と比べてどのような状況になっているのかを教えてください。
○片瀬経理課長
令和3年度から4年度への繰越額は、全体で約204億円となっております。
このうち、国の補正予算を要因とするもの――年度末に事業を着手して繰越しせざるを得ないものが半分弱の約96億円です。
一方、それ以外のいわゆる公共事業等において計画、設計の調整等に日時を要したものが108億円と半分強の数字になっております。
この108億円の中には、公共事業における計画、設計等の諸条件の調整に日時を要したものが多いのですが、特殊要因としてまん延防止等重点措置に伴う応援金事業が2月、3月の対象としておりますので繰越しせざるを得ない状況になっております。また本日追加提案している原油高騰対策の18億円も全額繰越しとしておりますので、こういった特殊要因を除けば全体では前年度より減っております。
個別に申し上げますと、国補正に伴い年度末に着手したものは15億円程度減っていて、計画、設計等の諸条件によるものは12億円ぐらい増えているのですが、トータルしますと全体では前年度より若干減の状況です。
○相坂委員
交通基盤部ではないので工事の話ではないですけれども、だからこそ求めている方々への直接の給付だったりするのでむしろ大事かなという気がしています。
応援金等も含めた政策的な繰越しは別として、事業執行不足あるいは着手不足――不足と言ったら失礼ですが――により遅れたものの内容と要因は分かりますか。
○片瀬経理課長
通常繰越分における要因は、例えば入札不調となった結果年度内での適正工期の確保が困難になったもの、工事の施工に伴い発生したもの――例えば軟弱地盤等の状況変化に伴い対策の検討に日時を要したものなどがあります。また工事用資材の搬入や運搬路の選択で地元との調整に日時を要したなど、例年公共事業で生じているものが多いと考えております。
○相坂委員
ありがとうございました。
例年どおりの繰越しと聞くと、何となく聞き捨てならないような気もしますが、改善できそうですか。
○片瀬経理課長
5番委員御指摘のとおり、効果の発現の点では早期に着手することが必要ですし、年度内の事業完了は大前提だと思っております。
改善点については、適正な工期を早期に計画を立てて地元の調整に入る、入札不調にならないように事前に設計を精査して積算するなど基本的には早期発注が重要だと考え取り組んでおります。
○相坂委員
御丁寧にありがとうございます。
なぜいつもこの御質問をさせていただくのかというと、ありがたいことだけれども国が緊急に強靱化で予算を厚くしてくれる、あるいは今回のコロナでも緊急経済対策等でいろいろなものが出てくると当初予定していた皆さんの職務上の事務量が一気に増えることになります。そこで犠牲となるのは通常業務のはずです。こうしたマンパワーが回らないことによって公共事業等を含めた通常業務の遅れが出て繰越しにつながってしまうことが、アベノミクス以来ちょくちょく県で生じてきています。早めに仕掛けてクリアできるものはどんどんして、コロナの時期でいつ何があるか分からないので、そういうことがあっても通常業務をきちんとこなして繰り越さないことをぜひ要望させていただきたいと思います。毎年がやがや言って申し訳ないなと思いますが、お願いします。
2点目は、雇用維持の件で説明資料25ページです。
今日お聞きしたいのは、まず雇用調整助成金が昨年秋には申請件数9,700件ぐらいあったものが2月には5,300件まで減っておりますけれども、減少している傾向についてはどのように捉えていらっしゃいますか。
○露木労働雇用政策課長
この数字を見ると少し減ってきているのですが、私どもとしては高止まりしていると認識しております。
○相坂委員
秋の10月が多かったとはいえ2,000件から3,000件ぐらい減ってきていると思います。
これはどういう業界なのか。
また、雇調金が払われていないとのことですから離職されたのか、解雇されたのか、あるいは無事雇調金を取らなくても雇用復帰できたのか、その辺の分析はどうですか。
○露木労働雇用政策課長
すみません、業界ごとの分析ができていない状況です。
○相坂委員
何も答えてくれない状態になっていますけれども、分かった時点で結構です。
雇調金は国がやっていることでなので、県としてはなかなか把握しにくいだろうと思いますが、雇調金の動きを見ることで次のページの県の取組にある人材不足企業と人材余剰企業とのマッチングにも大きく影響するのではないかと思うので最初に伺ったわけです。
次の質問ですが、どの業界でどれだけの人が余り、または不足し、どのように人が動いているかについてなかなか数字として示されないので非常に分かりにくい状況です。
そのような中、説明資料26ページの表の下段に書かれている成長分野への雇用誘導の在職者訓練とポリテクセンターの離転職者訓練の受講状況等を見て、人の動きをなかなか判断しにくいです。
令和3年度の定員に対する受講者の人数について、令和3年度の成長分野への雇用誘導について受講者は1,600人ですが、令和4年度は3,400人の定員を設けていたりと少しむちゃじゃないかなという印象があります。
本当に、人材余剰企業と人材不足企業の状況を把握してこの施策に反映できているのかという気がしているので、その点について御説明頂けますでしょうか。
○鈴木職業能力開発課長
在職者訓練は、離転職の方ではなく在職中の方がスキルを高めるために受ける訓練ですので、企業を渡るというよりその企業の中でとなります。
定員は例年3,400人ぐらいにしており、そのうち各訓練で大体七、八割ぐらいの方が受講して2,800人程度が受講者になります。なかなか定員全部が埋まることはないものですから、その分を見込んで定員を設定しております。
離職者訓練については、国からの全額委託の事業で人数は国から示されます。おおむね令和3年度の定員が1,800人ですが、こちらも大体7割ぐらいの方に受けていただいております。セーフティーネットで足りなくなるのはまずいので、おおむね余裕がある形で定員が示されますが、財源が雇用調整助成金ですので、少し定員を絞って計画が示されております。
○相坂委員
私の聞き方が悪かったみたいです。
一番聞きたかったのは、人材余剰企業と人材不足企業とのマッチングの問題だったんです。今のポリテクの話と在職者訓練のことはよく分かりました。
単刀直入にお聞きしますが、県として人材余剰企業と人材不足企業のマッチングをすることは毎回聞きますけれども、どの業界が不足でどの業界が余剰で、それはどのぐらいの規模で、どのような労働移動がなされているか。国は雇調金の含みもあって失業なき労働移動を実現すると叫ばれているわけですが、これが本県の場合きちんと実現しているのかどうか。
実際には先ほど申し上げたように雇調金の受給者が2,000人、3,000人動いていることを見ると心配になるわけです。知らないうちに雇調金が切られて首になっている人が山ほどいるんじゃないかとか、あるいは不足企業に人が結構入っていい順調な流れができているのか、その辺の評価についてはどのように認識していますでしょうか。
○露木労働雇用政策課長
県が行っている毎月勤労統計調査によりますと、令和元年と比べて宿泊・飲食、特にパートの数がなかなか戻っておりません。一方で製造業については令和元年までは戻っていませんが、かなり復活してきていると感じておりますので、余剰企業とそうでない企業はそのような形になっていると思います。
○相坂委員
我々が業界からお聞きしているのは、例えば土木事務所の公共事業あるいは県単事業等の発注で入札不調が非常に続いており、技術職やガードマン不足等が叫ばれています。トラック、バス業界からは路線廃止等の申出が後を絶たず、ドライバー不足等が言われているわけです。
つまり、こういったきついと言われている仕事の中で労働力の確保に非常に苦慮している事業体があり、しかも外国人技能実習生等で埋め合わせができない業態です。そのため日本で人手が余っていると言われている業態あるいは雇調金等で雇われているけれどもこのままこの業界にいても本当に伸びるのかなと不思議に思っている方々等がこうした業界に流れていくときの資格取得あるいはインセンティブなどをどれだけ行政側が準備できるのかについて、いつも私は雇用維持対策の中で議論すべきではないかと思っているのですが、県が取り組んでいる雇用維持のところではなかなか具体的に表面化してこないわけです。
今日は要望にしておきますけれども、今後この人材不足企業、人材余剰企業とうたう以上はどの業界でどのぐらいの規模があって、こんなニーズがあるのでどのような施策展開をするのかをぜひストーリー仕立てで打ち出すべきではないかと思いますので、ぜひ練ってみてほしいと思います。