委員会会議録

質問文書

令和４年２月定例会総務委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	髙田　好浩議員
	質疑・質問日：	02/21/2022
	会派名：	公明党静岡県議団

○髙田委員
　一問一答方式で数点お伺いします。
　まず総合計画後期アクションプラン案１ページで、今さら何を聞くということでしょうが、この計画そのものが10年間で総仕上げをしていくというスタートラインがあって、今回残り４年間あるけれどもそれを前倒しして2025年までに仕上げていくとのことですね。
　まず１つは、前倒しする理由をお聞きします。書く必要がないから書いていないのかもしれませんが前倒しする理由が書かれていないので。
　それから、６年でやるものを４年となると財源が心配になります。その財源の手当てについてこれからどのように考えていくのか。
　その２点をまずお聞きしたいと思います。

○杉山総合政策課長
　前倒しの理由と財源確保の２点を御質問頂きましたが、私からは前倒しの理由につきまして御答弁申し上げます。
　現計画策定後、社会経済状況は目まぐるしく変化しております。特に2020年初冬から世界的な猛威を振るう新型コロナウイルス感染症への対応や脱炭素、循環型社会の構築に向けた取組など待ったなしの状況でございます。
　例えば、国は2030年までに温室効果ガス排出量を2013年度比で46％削減することや、2035年までには新車販売の全てを電動車とすることを目標に掲げております。本県も早急に対応が求められる一方で、残された期間はわずかしかございません。
　こうした大きな変革期を官民挙げて乗り切るためには、当初の10年で達成するのではなく、スピード感を持って取り組んでいく必要がございます。
　さらに、今の新ビジョンの１つ前の総合計画富国有徳の理想郷“ふじのくに”のグランドデザインにおきましても、10年計画を計８年間で取り組んできた実績がございます。
　そういった社会経済状況の要請、これまでの総合計画の実績などを踏まえて、今回の後期アクションプランでは残りの６年間の計画期間を４年間で前倒しして完遂することを目指していくものでございます。

○平塚財政課長
　財源措置の関係についてお答えいたします。
　新ビジョンの後段にも少し記載させていただいておりますけれども、将来にわたって安心な財政運営を堅持するために、政策評価に基づく事業のビルド・アンド・スクラップの徹底、歳出のスリム化と、消費と生産の拡大による県税収入の増加、県税の徴収強化、未利用財産の売却等いろんな手段で歳入確保に努めてまいりたいと思います。歳出歳入両面の財源確保の努力により、財源を捻出してまいりたいと考えております。

○髙田委員
　書いてあることを読むと、取組を総括的に評価した上で短くするという書き方をしておりますが、コロナとか脱炭素とかデジタル化、グリーン化、当然新しい流れが出てきているわけです。コロナは特殊だと思いますが、やっぱり毎年毎年新しい政策は出てくるわけで、書きぶりとしてその取組を総括的に評価したということではなくて、新たな課題に対応するために静岡県としても積極的な取組をやっていく。そのためにスケジュールを前倒すという書き方をしたほうが県民の皆さんには御理解頂けるんじゃないかと思います。その点はいかがでしょうか。

○杉山総合政策課長
　４年間で前倒しして完遂することに関する記述につきましては、８番委員御指摘の点も含めて検討してまいりたいと思います。

○髙田委員
　財源については、より効率的にやっていくのと同時並行でいくということだと思いますので分かりました。

　続きまして、後期アクションプラン案５ページであります。
　これもまた全体的な話ですが、ここに13項目の本県の直面する課題があります。これは時代によって増減すると思いますけれども、後期アクションプランを４年間でやり切ることによってこの課題を克服していくことが大きな目標だと思いますが、あまりにも多くてそれぞれ一つ一つが大変な目標になっています。だからこそこのプランをつくったと思いますが、この４年間でこの課題解決はどこまで進められるのかお聞きしたいと思います。

○杉山総合政策課長
　本県が直面する課題につきましては、多岐にわたる課題を列記させていただきました。これまで現計画においても課題認識させていただいたわけですが、新たに新型コロナ危機の教訓を踏まえた防疫体制の強化や、デジタル化対応、脱炭素社会等々の課題を今回追加させていただきました。
　まず、これらに対する対応といたしましては２つございまして、１つは計画としてこうした課題に的確に対応することでございます。今回の次期総合計画案におきましては、政策１の命を守る安全な地域づくりに新たなリスクへの備えの強化を政策の柱に加えております。またコロナ禍や気候変動危機を受けて、持続的な発展に向けた新たな挑戦という方向性を示しながら、政策３としてデジタル社会の形成、政策４として環境と経済が両立した社会の形成を新たな政策の柱として位置づけたところであります。
　一方で、課題克服のためには計画もさることながら今後の実行段階が重要になると考えております。計画に盛り込んだ新たな政策を県庁はもちろんのこと県民の皆様や市町、多くのステークホルダーの皆様と共に連携して、社会経済状況の変化にも柔軟に対応しながら直面する様々な課題克服に向けて全力で取り組んでまいります。
　この４年間としての到達目標ですが、当然それぞれの課題につきまして課題解決をしていく、克服していくのが究極の目標でございます。ただ一方で脱炭素やカーボンニュートラルのような話につきましては、2030年あるいは2050年を見据えた取組でございます。そういった取組につきましては、この４年間で将来に向けた基盤をしっかりと構築する。あるいは将来の課題克服に向けてしっかりと種をまき、芽を出していくといったところは、そういった分野におけるこの４年間の目標と考えております。

○髙田委員
　当然今おっしゃったとおりで、ここに書いてある計画全てが2025年ではなくて途中経過であり、またさらに新しい課題もできてくると思いますので、本当にこの計画が生きるように、これをつくった意義があるように、しっかり一つ一つに対して具体的な取組をお願いします。

　続きまして、後期アクションプラン案98ページのデジタル化に関することです。
　私も委員会の中でも何回か質問させていただきましたが、大事なのは、デジタル化を進めると同時にここに記載のあるデジタルデバイドの解消という両輪がないと格差が広がるだけで、使いやすくなるかというと使いにくくなる部分も多くなってくると思っております。
　具体的に質問させていただきますが、一番下の表の取組の主な工程表に、デジタル技術を利活用する取組等に対する専門家派遣とあります。2022年の55回から2025年が70回と、毎年５回ずつきれいに増えているんですが、まず派遣する相手方というか、誰を対象に何を目的に派遣していくのかをまず教えていただきたいと思います。
　それと同時に、この回数が適正であるとの御判断かと思いますが、その根拠を教えていただければと思います。

○髙部デジタル戦略課長
　ＩＣＴの専門家――ＩＣＴエキスパートと呼んでいますけれども――市町、商工会議所等各種団体、ＮＰＯ等が行うデジタル技術を活用する取組に対してホームページやＳＮＳの活用方法、ウェブ会議の運営、情報リテラシーなどの専門的なコーディネートやアドバイスを実施することを目的に、団体等からの依頼に基づき派遣しております。
　令和２年度の派遣実績は、14団体で43回実施しております。令和３年度は目標回数を50回に設定し、ＩＣＴエキスパートの積極的な活用について関係団体へ働きかけを行っているところです。
　今後も、地域におけるデジタル技術の利活用を促進するため、毎年度の派遣回数を５回ずつ増やすことを目標に設定しております。

○髙田委員
　よく分かりました。ありがとうございます。
　あわせて、今言った形で推進していくのと同時に、デジタルデバイドということ、特に個人の不都合がないようにということで、その表の１つ上のところに、県民全てに優しいデジタル化を推進するためデジタルに関する知識を活用し地域の中の身近な相談役として活躍できるデジタルサポーターを育成しますと書いてありますが、まずこのデジタルサポーターはどのような役割をするのか。また規模感としてどんな人数的なものを目指されていくのかを教えていただければと思います。

○髙部デジタル戦略課長
　デジタルサポーターにつきましては、コミュニティーづくり推進協議会やシニアクラブ連合会等の県所管団体等の構成員を対象に講習会を開催し、年間300人、４年間で1,200人育成することを目標としております。デジタルサポーターは各所属団体の活動を通じた地域のリテラシー向上の推進や地域の身近な相談役として、町内会等の日常において周囲の方にデジタルを利活用したサポート等を行うことを想定しております。

○髙田委員
　分かりました。これから大事な任務を背負っていく方々だと思いますので、この方々をまず育成して、それが地域に還元されていく仕組みがきちっと動くようにお願いしたいと思います。

　続いて、後期アクションプラン案222ページ、関係人口の関係です。
　まず、基本的なことをお聞きしますけれども、成果指標に関係人口（多様な形で地域と関わる人）の数で、現状値１万11人と書いてあります。関係人口の一員ですという手挙げ方式では当然ないわけで、１万11人は統計か何かを使っていると思うんですが、どのような形で掌握されているのか。また目標値が２万人となっていますが、これでいいのか、多ければ多いほどいいのではないか。
　この先に移住・定住なども見越していかなきゃならない方々だと思いますけれども、１万11人の根拠と２万人で適正なのかをお聞きします。

○杉山総合政策課長
　関係人口の成果指標の現状値あるいは目標値の考え方についてでございます。
　まず、現状値の１万11人は関係人口の受け皿となっている地域づくり活動団体や市町へのアンケート調査によりまして、それぞれが行っている各種活動への地域外の方々の参加状況を把握したものであります。
　目標値については、関係人口の拡大に向けた取組は始めてからまだ間もなく、これまでの傾向やトレンドが把握できていない状況でございます。そういったことから、次期総合計画案における目標値としましては、現状値約１万人からの倍増を目標値として設定したところでございます。今後取組を進める中で、達成状況などを確認しながらこの目標値の妥当性を検証してまいりたいと考えております。

○髙田委員
　各市町、捉え方の違いもあると思いますので、１万11人という現状値、何かの形で出さにゃいかんと思いますけれども、なかなか難しい数字かと思います。倍増というお話がありましたので、しっかり目指していただきたいと思います。

　最終的にはそれだけが目標じゃないですが、できれば移住・定住等にも結びついていったら静岡県は関係人口が生きていることになると思います。関係人口と移住・定住との関連性みたいなのが列記されていないように思いましたが、総合計画に列記、明記することはないのでしょうか。

○杉山総合政策課長
　関係人口と移住との関係ですが、８番委員御指摘のとおり、本年度実施した移住者対象のアンケート調査におきましては、移住前の本県との関わり方を設問の１つとして調査いたしました。結果としましては、かつて住んでいた、家族・親類がいたというのが上位に来るんですが、それ以外に観光で訪れていた、ボランティア等で訪れていたというものも上位でございました。交流人口や関係人口としての地域との関わり合いが、行く行くは移住に結びつく可能性を有していると私どもも考えております。
　このため、次期総合計画案におきましては新たに政策９－３人の流れの呼び込みという政策の柱を設定し、移住や関係人口、交流人口の関連施策をパッケージ化して、連携して地方回帰の流れを本県に積極的に呼び込むこととしております。
　また、関係人口と移住・定住を結びつける施策につきましては、後期アクションプラン案223ページの移住・定住の促進に記載のとおり、県外の方々に関心の高い移住、観光、関係人口、サテライトオフィスや工場進出などの情報を一元化して、ポータルサイト「ＳＨＩＺＵＫＵＲＵ」により総合的に情報発信をすることとしております。こういう情報発信を通じまして、例えば関係人口を目的にサイトに来た方を移住のコンテンツへ誘導するようサイトの構成にも工夫を加えることとしております。
　いずれにしても、８番委員御指摘のとおり、移住と関係人口あるいは交流人口も含めて、一体となって連携して人の流れの呼び込みにつなげてまいりたいと考えております。

○髙田委員
　今のページを見落としておりましたけれども、よく分かりましたのでまたよろしくお願いします。

　後期アクションプラン案266ページです。単純なことで申し訳ないんですが、現場に立脚した施策の構築・推進の中の成果指標に戦略的な情報発信と透明性の向上とあります。マスメディアに取り上げられた県政情報の件数の現状値は１万4286件で目標値は１万2000件。単純に見て何で減るのかなと。今年が逆に発信することがたくさんあったのでこんなものでしょうということなのか。県政の情報はたくさんやればいいというものじゃないかもしれませんが、いろんな角度で細かく発信していただいたほうがいいのではないかと思います。マスメディアに取り上げられた県政情報の件数の目標値はどのような根拠で立てられたのか教えていただければと思います。

○横山広聴広報課長
　新型コロナウイルス感染症の発生とともに、2019年の後半からマスメディアに取り上げられる県政情報は非常に増えまして、2020年は記載にありますように１万4286件、2021年度も12月までの実績を考えてみますと2020年に匹敵する件数となります。
　こうした中、2025年の目標値をどう設定するかの議論の結果、新型コロナウイルスの影響を勘案しない数字で見るのがしかるべきであろうという判断に至りました。
　したがいまして、コロナウイルスの影響が少なかった直近の2019年の値から勘案し１万2000件を目標値として設定したところであります。

○髙田委員
　分かりました。時々によって発信する情報の件数は当然変わってきますので、極論するとこれを目標値にすること自体がどうなのかなと思ったものですからお聞きしました。
　コロナの影響ということで確かにそのとおりだと思いますが、目標を立てるということは逆に言うと、そのくらいはしっかり発信していこうという目標と捉えさせていただければよいのかなと思っております。

　最後、後期アクションプラン案272ページですけれども、行財政運営と書かれております。ここはトータルを通しても大事なことで、先ほども御質問がございましたけれども、健全な財政運営の堅持に向けた目標について、収支均衡や通常債残高などが目標とされております。現計画にもこの目標値はありましたので、同じ目標が今回も設定されたと思います。
　コロナ禍によって、現計画の目標とした収支均衡と県債残高の目標の達成は本当に厳しい状況になっているわけでありますが、健全財政の堅持に向けた次期総合計画の目標を設定するに当たっての全体的な考え方と目標達成に向けた具体的な取組についてどのように取り組んでいこうとされているのか伺います。

○平塚財政課長
　今回、同じ目標を設定させていただきました考え方についてお答えいたします。
　現在、足元で県税収入が若干回復で財政状況も若干改善傾向にはありますけれども、将来を見通しますと大変厳しい状況が続くものと思っております。
　そうした将来の見通しが立てにくい中で、より持続可能な財政基盤を構築しておく必要があるだろうと考えております。そうした意味で、今後の不測の事態に備えて大変厳しい目標設定ではありますけれども、現在設定している財政運営の目標、収支均衡、通常債残高については持続可能な財政基盤を構築していきたいという思いで同水準を設定させていただきました。
　目標を達成するための具体的な取組として、後期アクションプラン案274ページ(2)健全な財政運営の堅持と最適かつ効果的な事業執行の①将来にわたって安心な財政運営の堅持の２番目になりますけれども、新たに設定した取組になります。原則として県債の発行額が償還額を上回らないよう建設事業、施設整備事業等の投資的経費の水準調整や資金手当債の抑制を計画に明記してしっかりと財政運営をやっていきます。
　また、冒頭の質問で財源措置という御質問がありました。総合計画を今後の４年間しっかり推進していく財源的担保として、ふじのくにづくり推進基金を今回100億円予算計上させていただいております。目標の達成に向けて努力していきたいと思います。

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