委員会会議録

質問文書

令和元年10月子ども健全育成推進特別委員会質疑・質問

	質疑・質問者：	山﨑　真之輔議員
	質疑・質問日：	10/24/2019
	会派名：	ふじのくに県民クラブ

○山﨑委員
　またちょっと前段のところなんですけれども、日本と比べて、イギリスとかその他、特に欧米諸国は虐待に対して地域の方々のかかわりで、特段、何か特筆すべきこと等があったら教えていただきたいと思います。

○平岡篤武氏
　私、そんなに欧米中心に研究しているわけじゃないので、一部の言ったこととか聞いたことになってしまうんですけども、地域が日本より特別頑張っているという気はします。システムでカバーしていると思います。
　2000年のビクトリア・クリンビエ事件を紹介しました。12の機関がかかわっていて、128カ所の傷で死んだという事件ですけど。ああいうことが生かされているんですね、実はね。なので、そういうのを信用しないで、こうしたらこうしなきゃならないというシステム、ルールを厳格にして、それを守らないと先生は首なんですよね。
　例えば、レスターという州の教育委員会の指導主事の先生――さっきの講師の先生――が言うには、あるところでは、この子、虐待じゃないかなとなったら、15分以内に上司に報告しろというんですよね。要するに、ちょっとトイレに行ってからとか、昼飯食ってからと考えていると、その間に、あれ、思い過ぎかな、ちょっと考え過ぎたかなと気が変わっちゃうから、間違ってもいいから報告しろと、それぐらい厳しいと。やはり制度で、ルールでしばっているのであって、それから、もし違うと言ったら、近隣が厳しい目で見る。
　昔、アメリカに行ったときに、日本人の働いている方がここは怖いですよ、12歳以下が家に１人でいると、白バイとかパトカーで連れ去られちゃう、と。日本人の感覚からすると、みんなに見張られている。要するに、黄色人種が来て働いて、白人に監視されているような気分だと。確かに、リッチなエリアではみんな知っているのでそういうことはないみたいなんですけど。だけど、そういう誰がいるかわからないようなエリアに住んでいると、監視社会ですよね。そういう厳しいという意味で、地域社会が許さないという所が違うかもしれません。

○山﨑委員
　その関係で、お金をかけられているからそのシステムが成り立っていると思うんですけど、いただいている資料の14ページに、さっき御説明もありましたけど、社会的養護費用の名目ＧＤＰに占める割合の比較で、日本と比べて欧米は物すごくかけているということなんですけれども、実際に、やっぱり虐待の件数だとかは、近年で結構ですが、劇的に差があるというか、効果が出ているということでよろしいですか。

○平岡篤武氏
　そんなことはないです。減っていません。たくさんある。
　そこに、お配りした新聞の資料は、アメリカの取り組みの例なんですが、ほぼ、やって効果があったかというと、金をこれだけ費やして何も効果がないじゃないかという批判があって、予防に移ってきたり、家族を責めるだけじゃなくて、家族のやり直しを支援しなきゃだめだということになっているんですよ。
　だから、びっくりするほどは上がっていないけども、抑止したり抑えられたりはもちろんしているんだけど、ゼロになるみたいな期待は、そもそも人間には無理みたいということがあるので、どうやって減らしていくか、とめるかという。日本の場合は、ふえているので。まだピークがわかっていないんですけど、向こうは見つけてからが長いので、低く安定してあるということなんです。

○山﨑委員
　そうなってくると、社会背景もやっぱり日本と欧米とかと違うから、さっき言った犯罪率とか殺人率も当然違うので、いたずらに性急に日本が警察費をふやすとか、そういったところにお金を使うんじゃなくて、やっぱり先生としては、予防的なところにもっとお金を割いていくべきと、そういったような認識でよろしいですか。

○平岡篤武氏
　どっちをとるかといったらそうなんですけど、両方ですね。
　それと、警察がまず一時保護するという。普通の家出と同じですよね。家出の場合は、犯罪があるかもしれないし、子供の安全かもしれないけど、まず警察が保護して、保護したときから児童相談所のように、ちょっと寝泊まりをして、犯罪の確認をしてから来る。なぜ虐待だけいきなり児相から来るのかと、その弊害について誰も指摘しないということを問題にしているので。違うよね、普通は、家出とか不審な子供がいたら、まず警察で保護するよねという話のところで、犯罪が背後にあるかもしれないのを最初に福祉が見るということ自体、いろんな齟齬が生じているんじゃないかなということです。
　予防に力を入れるということは、なぜ予防しなきゃならないかということを伝えなきゃならないので、その背景だとか、社会として、これは考えなきゃならないということとセットなので、必要かなと。治療をずっとしてきたので、例えば、小学校３年生前に入所する子と、その後、４年生、５年生、中学で入ってくる子は治りが全然違うんです、思春期以前。そうすると、早期介入、早期治療にかなうものはないと考えると、もっといくと予防にかなうものはないという順番になっちゃうんですね。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号：054-221-3482

ファックス番号：054-221-3179

メール：gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp

ページの先頭へ戻る

〒420-8601 静岡県静岡市葵区追手町9番6号電話番号(県庁案内)：054-221-2455