• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和5年2月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:鈴木 澄美 議員
質疑・質問日:03/02/2023
会派名:自民改革会議


○鈴木(澄)委員
 分割質問方式で質問をしたいと思います。
 まず産業委員会提出案件の概要及び報告事項30ページ、31ページの新型コロナウイルス感染症に係る金融支援のうち、4の新型コロナウイルス感染症関連資金の返済本格化に向けた対応についてであります。
 ここで国連携新型コロナウイルス感染症対応貸付けの返済開始時期に触れていますけれども、当初この事業と言いますか感染症の支援策が始まった時点で、3年後に返済が始まることに関して感染症がどのくらい長引くのかも心配の種だということで、県の信用保証協会等からもこの後の景気の動向を注視しながらどのような対策を講じていくべきか御意見も頂きました。
 そこで、5割はもう返済中とのことでありますけれどもこの返済について当初懸念していたような状況があるのかないのかについてまずお聞きしたいと思います。

○山脇商工金融課長
 現在返済中の5割の方々の状況につきまして、この5割の方々が全て問題なく返済できているとは考えておりません。売上げの回復がなくて返済が困難になった場合には、まず第1の選択肢として金融機関と話合いの上返済猶予等の条件変更をしていくことになります。その上で抜本的にはどこかの時点でその猶予していた融資そのものを借り換えて、そこからまた据え置く期間を設定することになります。県制度融資といたしましては、新型コロナウイルス感染症対応伴走支援特別貸付という借換えができる資金を用意してございます。
 現在返済中の方々につきまして、金融機関等に聞き取りを定期的に行っており、返済猶予等の条件変更について、最近になって急激に増えていることはないと確認しております。また借換え先であります新型コロナウイルス感染症対応伴走支援特別貸付の利用状況も昨年並みとのことで、これも急増する状況にはございません。

○鈴木(澄)委員
 説明資料31ページ4(2)の対応に、国も含めて県として様々な状況について支援策を講じていると説明があります。県だけで何とかできる話ではないと思いますけれども、国の制度も大きな期待をかけなきゃいけないと思うんですが、何よりも大切なのはコロナによって現場がどういうことに苦しんでいるのかをしっかりと押さえておく必要があろうかと思っています。どこがどのような支援をするか、一義的な窓口としては金融機関と相談するので金融機関がお金を融資してそれを返済するという原則でいけば、通常その中でトラブルが起きても対応できるんですが、感染症による様々な景気の問題とかを含めた中で一歩踏み込んだ対策は必要なんじゃないか。そういうことも含めて当初から検討されてきていると期待しています。特に中小零細企業は普段でさえ非常に大変ですし静岡県の経済を支えているわけですから、関係機関が連携して支えていただけるようにお願いしたいと思います。

 次の質問にいきます。
 説明資料44ページ、CNFの関係であります。
 本会議でも取り上げられましたが、令和5年度は大きな展開が期待できるということでありますので中身についてお聞きしたいと思います。
 3つほど質問させていただきますが、1つは説明資料45ページの令和5年度の施策の展開についてです。
 基盤強化のため新たな支援プラットフォームを設立するとのことですけれども、ここでは環境、家電、自動車関係などに展開していくということですが、フォーラムを立ち上げて参加していただくための事業の中身について、またこれらの分野の人たちが参加するに当たってどのような呼びかけをしていくのかをまず聞きたいと思います。

 2点目は、静岡大学の取組であります。
 私の地元の富士市もそうですが、静岡県が寄附講座の形で青木先生を招致してプロジェクトを立ち上げ応用化についてはかなりの成果を上げてきたということは私も実感しています。
 説明資料では複数のチームで学術的な研究を推進とありますけれども、青木先生が中心になってやってきた強化プラスチック、あるいはリサイクルに関する研究は、複数のチームでこの事業を展開しようとすると今まで寄附講座で県が関わってきた青木先生の関わりをさらに広げていくためには県はそこにどのような形で関与していくのか、例えば新しい研究者を招致する形で支援するのか、あるいはそのほか県としてできることは何があるのかについてお聞きしたいと思います。

 3点目は、国際展示会・シンポジウムについてであります。
 海外の著名な研究者等によるシンポジウムや交流会を地元で展開していただけるとのことで本当に楽しみにしておりますけども、一方で今後こういう新素材は特許いわゆる知的財産としてのありようも考えていかなきゃいけないと考えています。まだそこには到達していないという見方があるかもしれませんが、静岡県としてはCNFのメッカにする取組をここ数年来やってきて、その成果がしっかり出てきていると思っています。
 そういう流れがあって、国際的にも視点を広げていくことは十分理解できますが、この世界に広げていく取組は今までやってきたことや自分たちが売り込む特徴をしっかり整理する必要があると思っています。静岡県が持つCNFの強みを県としてはどのように捉えているのか、この3点をお聞きします。

○鈴木産業革新局技監
 まず1点目の新たなフォーラムについてですけれども、これまでのフォーラムは製紙や産業機械などの企業を中心にやってきました。3番委員指摘のとおり、今回環境、家電、自動車など様々な分野の企業の参加を促したいと思っております。
 そういった中で、今回の循環経済という視点を加えて異業種間の情報共有をするとともに、コーディネーターを介して異業種間連携等によって製品開発の支援を進めてまいりたいと考えております。
 また、新たな会員の募集に対する広報につきましては、昨年11月に富士市で開催した展示会の参加者を分析すると、約700企業の参加がありましたがそのうち500はまだフォーラム会員でないことが分かりましたので、まずはその参加者にフォーラムの参加を呼びかけるとともに、併せて県の産業振興財団、次世代自動車センター、環境資源協会などの関連団体に呼びかけをして幅広に参加を促していきたいと思っております。

 2点目の静岡大学への関与でございますが、これまでは寄附講座という形でやっておりましたが、今回は寄附講座とは別に静岡大学が来年度立ち上げる計画であるプロジェクト研究所に、県からCNF自動車部品の試作やリサイクル性の検証、説明資料に実証研究と書いてあります3つのテーマについて研究を委託します。さらにその研究につきましては、県としましても富士工業技術支援センターを中心に積極的に関わっていく予定でございます。
 また、プロジェクト研究所の体制でございますが、これは静岡大学が設立するものではございますけれども、寄附講座につきましては今回新たな教員の方を静岡大学が招聘されるとのことで、青木先生は専任の先生になられます。今回のプロジェクト研究所は青木憲治特任教授を所長にして設立すると聞いておりますので、さらに大学や学部の枠を超えて体制を強化し、東京大学の磯貝明特別教授をはじめ、民間企業の研究者、富士工業技術支援センター職員など学際的なメンバーで構成すると聞いております。

 3点目の本県の強みとしましては、CNF材料の開発・提供に大きな強みを有する製紙産業が集積する富士市を中心にして、それとは別にその活用の分野で大きな可能性を持っている輸送機器、化学工業、電気機械、食品工業などの産業が集積しており、その企業が世界的にも高い技術力があるところだと思っております。
 3番委員御指摘のように、今まで何ができてきたかということは世界的に技術力が高いところで考えられた応用について改めて整理し、本県の特徴を生かしてグローバルな交流の場をつくることで県内産業のイノベーションを起こしていく形で事業を推進してまいりたいと考えております。

○鈴木(澄)委員
 先ほどの1つ目の質問の答弁でコーディネーターという話がありましたけれども、今3人だと思うんですが、これから新しく事業を展開するためにコーディネーターをさらに増やすのかお聞きしたいと思います。

 それから、静岡大学は想像した以上に本気でやっていただけるのかなと感じました。新しい学部もできるということで青木先生もそこに教授として行かれることでもありますし、まさに静岡県にとっては静岡大学がCNFの応用化に向けての拠点になることを今実感した次第であります。この環境をしっかりとつくっていくことが大事だと感じています。
 それから、地場の特性をうまく使った中で、富士地域といいますか静岡県内の産業分野の強みをさらにCNFに絡めていく戦略は非常にいいことだと思います。
 ただ、少し先走った話かもしれませんけれども、世界から見たときに、CNFはほかの国では日本が取り組む前に既にある程度やっていたものが縮小してしまって製品化というか応用面にまでは十分到達しないでくすぶってきた感じを持っています。今後いろんな経済を大きく揺るがすかもしれない新素材という捉え方からすると、ここで生み出したものが例えば農業分野でせっかく県の研究所でつくったものが海外に流出してしまうことがあったように、知的財産的なものの捉え方は自分たちが気をつけておかなければいけない話になると思っています。県が果たす役割の中でプラットフォームをつくってきたところもあるかもしれませんが、あくまでも知的財産を保護する面からしても、これから外に踏み出すことになると今の時点で話合いも持つ必要があるんじゃないかと思いますが、その辺りについて今後どのように取り組んでいくのかお聞きしたいと思います。

○鈴木産業革新局技監
 まず、コーディネーターについては3番委員御指摘のように現在3名でやっており、来年度は特に増員するわけではなくこの3名にフォーラムの中でより積極的に活躍していただこうと考えております。

 また、グローバルな話は御指摘のとおりであり、知的財産についてはフォーラムの中でも議論しながら注意して進めていきたいと考えております。

○鈴木(澄)委員
 当初からコーディネーターの方たちは本当に優秀な方で、その機能はしっかり果たしていただいておりますけれども、こうやっていろいろ裾野が広がっていく中で本当に3人で十分なんだろうかという不安はますます募ってきます。したがってコーディネーターの皆さんともお話をしながら今後のビジョンをしっかり捉え、コーディネーターこそ民間企業の皆さんがCNFに取り組んでいくための一番のキーマンになっていくわけですから私は今の状態でどうかなという疑問をちょっと感じていますので踏み込んで考えていただきたいと思います。いずれにしても次の時代に向けた新しいCNFのステップアップが令和5年度に行われるということですので大きく期待したいと思います。よろしくお願いします。
 
 次の質問にいきます。
 説明資料48ページの航空関連産業への参入支援であります。
 ついせんだって、国産の三菱MRJが製造中止に追い込まれたという話であります。私の地元にも航空機産業に参入しようとする歯車に関わる企業があるんですが、参加している事業者の皆さんは日の丸の飛行機を造るという大きな期待を持って自分たちがそこに入っていけるんだろうなと思っていました。三菱の航空機の頓挫が航空産業に入っていこうとする中小企業の皆さんにとって非常に不安な材料になっていると思っています。航空機の中でも別の分野へ目を向けることは当然あるにしても県としては一企業の問題と捉えるのか、リーディングカンパニーがそういう状況で私自身も今後航空機産業への参加はどうなるのかと不安を感じていますので、それに対する考え方をお聞きしたいです。

○鈴木産業革新局技監
 今回の件につきましては、国産の旅客機生産が航空機産業を牽引するという希望がついえるということで非常に残念なニュースであったんですが、まず現状認識としましてコロナの影響を受けた航空機産業の業績は回復傾向にありますので、県としてはこれまでどおり研究開発から人材育成、販路開拓まで支援を行っていきます。
 一方、次の目標として考えられるのは、昨年12月に航空法の改正により無人航空機が有人地帯での目視外飛行ができるレベル4の飛行が解禁されました。今後中長期的に高性能ドローンや空飛ぶ車といった次世代エアモビリティーを使った物流や施設の点検、人の移動などの市場の拡大が想定されており、中小企業にとって新たな目標となるビジネスチャンスだと認識しております。
 こういった動向を踏まえ、県としては次世代エアモビリティーへの県内企業の参入拡大に向けた産学官のワーキンググループを今年度開催し、1月に報告書を受け取りました。この報告書を踏まえ航空機産業に参入できるような非常に高度な技術を持った企業が本県には多く立地しておりますので、その特性を生かし無人航空機を開発する県内企業と連携して実証実験を行うなど、次世代エアモビリティーの参入を後押ししてまいります。

○鈴木(澄)委員
 三菱MRJの失敗の背景には、国産の飛行機をアメリカの規格に合わせるとか安全性を含めた大きいうねりの中でなかなかそれがうまくいかない、日本にノウハウがないと言いますか一番弱いところを突かれてしまったと私は思っているんですね。本来航空機って特殊な部分だと思っていますので国に対しても航空機産業をしっかりと育成するための対応について県が言うべきことは言ってほしいと感じます。
 それと、人が乗る大型の飛行機は部品の点数が非常に多いですよね。無人飛行機は部品の点数がそんなに多くない。しかしながら例えばDJIのソフトウェアみたいに特殊なものが機能していて航空機産業の育成は無人と有人とでは全く違う考え方が出てくるので、単純に下請的な考え方の育成ではなくて製品化まで含めた戦略を考えないとならない。県内の自動車メーカー、オートバイメーカーでそこまでやっているところがあることも含め、県としてはトータルな航空機産業に対する考え方をしっかりと検討していってほしいと思います。

 次の質問にいきます。
 説明資料54ページ、ライフスタイルの多様化に対応した就労・雇用環境整備についてであります。
 要旨に、近年コロナ禍の影響などにより人々の意識やライフスタイルの変化が進み地方への移住やテレワークに対する関心が高まっている、この機を捉えて本県へのUIターンを促進するための様々な支援策を行うとあります。
 気になったのは、せんだって新聞にありました総務省が1月30日に公表した外国人を含む2022年の人口移動報告によると静岡県転出超過4,658人、東京圏への転出が主因という話であります。
 コロナで東京一極集中から地方が受皿にという期待があって選ばれる県にならなきゃいけないという勢いでここ数年やってきて、実際コロナが下火になってきたときに若い人たちはまた東京に戻っちゃうのかというニュースだったと私は受け止めています。
 今、説明資料54ページに記載の幾つかの事業を展開しているんですけれども、移住・定住というのは外から来る人たちが静岡県を選んでくれるということですから、コロナが落ち着いたとしても今までとは違う取組で移住・定住の成果があることによって逆に地元から出た人たちに静岡県のよさが伝わって自分の県に戻ってこようという気になる、そういうトータルな取組をやっていかないといけないと思うんですが、先ほどの新聞報道にあったような状況を踏まえて、今後どのようにこの事業を展開していくのかお聞きしたいと思います。

○露木労働雇用政策課長
 今後のUIターンの方向についてでありますが、最近新聞記事でも出たように移住支援をしておりますふるさと回帰支援センターが発表した移住相談件数は全体で増加しておりますので、まだまだこれから移住は増えていくと思っています。
 相談された方の移住希望地ランキングにつきましても本県は3年連続1位となっておりますので、本県の魅力は十分伝わっていると思っております。
 ただ一方で、その内容を見ますと最近転職なき移住、テレワークが普及しておりますので特に県東部地域を中心にテレワークをする方の移住が増えております。県の人口減少対策としては人口が増えることになりますので大変ありがたいのですが、経済産業部といたしましては県内企業の人材確保の面から県内企業に関心を持っていただくことも必要と思っております。
 現状、国の移住・就業支援金制度は子供に対する加算が1人30万円つくんですが来年度以降100万円に引き上げられますので、子育て世帯の移住も増えるだろうと思っております。
 この移住・就業支援金を使うためには、県のサイトを通して就職することが要件になっております。ただ県のサイトにたどり着くのがなかなか難しいこともあり、県のサイトに情報が入ると民間の求人サイト3社に流れる形にしております。他県では少し数を増やしている取組があり成果を出しておりますので、本県においても令和5年度は数を増やしていく。例えば最近よくテレビに出ているインディードなどそういうところに情報を流せるようになりますので、本県に移住して本県で職を探す方とのマッチングの場を増やしていきたいと思っています。
 それは社会人のUIターンになりますけれども、一方で午前中にもお話ししましたがいわゆる新規学卒者のUターン就職率は低下傾向にあります。コロナ禍を経て首都圏を中心に人材確保の機運が高まっており、職を求める学生も大企業志向が強くなっています。最後に決めるのは学生の意思になりますが、就職選びのときに県内の中小企業を知らないで決めてしまうのは非常に残念ですので、県内の企業でこんなすばらしい働き方をしている方がいるんだよという情報を届けながら、選択肢に入れていただけるような取組は必要と思っております。

○鈴木(澄)委員
 先ほど要旨のところで触れましたように、コロナ禍だったからこうだったという話ではなくて、コロナ禍だけれども既にそれは前のような状態に戻りつつあって首都圏でも就職できる場所が増えているので、今後は今まで以上の取組をしないといけないんじゃないかと申し上げたかったわけです。
 そういう意味で、先ほど幾つか改善点の御提案がありましたので、結果として今後人の流入はどうなんだという部分を注視していかなきゃいけない話なので、成果に現れるように対応していただきたいなと思います。

 次に、説明資料62ページのスタートアップ支援事業の関係であります。
 議会でもスタートアップという言葉がよく使われているんですが、正直申し上げてこのスタートアップを今までのベンチャー起業支援と混同してしまいそうなところがあって、私なりに調べてみるとそれぞれ明確に違うところがあります。
 例えば、どういう起業がスタートアップなのかベンチャーなのかと定義を見ていくとますます混乱します。
 県はスタートアップ支援戦略の策定をするとのことですけれども、県内でもその取組をやっているところがあると聞いていますし、国が方向性を示しているということでありますが、スタートアップの事業を静岡県としてどのように進めていくのかについてお聞きしたいと思います。

○鈴木商工振興課長
 スタートアップにつきましては、確かにもともとベンチャー企業という呼び名が古くから日本国内で使われていまして、スタートアップという言葉自体はいわゆるアメリカのGAFAに代表されるような企業を指す言葉として、海外から輸入されて国内で使われるようになった言葉であると認識しております。
 先ほど3番委員からもお話がありましたとおり、昨年国でも今後の日本経済を発展させていくためにはスタートアップによる産業革新が非常に大事であり、国を挙げてこれに取り組んでいくとのことでした。これに呼応する形で同じことを全自治体がやる必要はもちろんないとは思いますけれども、地方においてもそういうスタートアップの創出、育成が必要であろうということで、今回改めてこの国の計画を見ながら静岡県がどういうことをすべきなのかをまとめる計画をつくっていき、その上で必要な施策、計画を策定した後に順次遂行していくといったストーリーを考えております。

○鈴木(澄)委員
 スタートアップの説明でGAFAの話が出ました。静岡県の中でGAFAのような企業の出現を期待してこのプロジェクトがスタートしていくのか、もうちょっと足元に目をやってスタートアップという定義に沿って全体の底上げができるような仕組みをつくるのか、定義をちゃんとしないと十分理解ができないです。
 そういう意味では、今後策定していく中で静岡県らしさも含めた中でGAFAを目指せという合い言葉はいいかもしれませんが、そればかりじゃないと思うんですね、ものづくり県でありますのでふわふわしたムードでやられてしまっては困るなと。そんなことはないと思いますけれども、ぜひともこれからスタートするということでありますので、ものづくり県の部分はしっかりと捉えて策定してほしいとお願いしたいと思います。

 質問はまだしたいんですが、時間的なこともありますのでここらで少し話題を変えさせていただきます。

 最後になりますが、本来であれば当委員会の最長経験者であります森竹治郎県議が申し述べるところだと考えておりますけれども、御本人も今期をもって退任されるとのことでありますし先ほども最後の委員会質疑を充実させるためフルに時間を使って御質問されましたので、私から代わりに述べさせていただきたいと思います。
 年度末を迎えて、産業委員会説明員のうち、経済産業部の清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)、川島組合検査課長、花井水産振興課長が、労働委員会事務局では内野労働委員会事務局長が県を退職されると伺っております。
 長きにわたり県行政の推進に多大な御尽力をされたことはもちろんのこと、ここ数年はコロナ禍や物価高騰の状況があって社会経済活動が大きく混乱し、新たな節目とも言われているこの時期に県職員として最後の仕上げに御尽力頂いたことに心から感謝申し上げます。
 また、その激務を支えてこられたであろう、御家族や職場をはじめ周囲の方々にも改めて感謝を申し上げたいと思います。
 清水経済産業部理事におかれましては、昭和60年4月に奉職されて以来38年間の長きにわたり林業技術職員として県行政に携わってこられました。この間森林計画課長、森林・林業局長、経済産業部参事などの要職を歴任され、令和3年4月からは経済産業部理事として林業イノベーションの推進による県産材の安定供給など本県林業の振興に取り組まれるとともに、ふじのくに森の防潮堤づくりの一層の推進、頻発する山地災害や林地開発行為への適切な対応など県民の安全・安心な暮らしに向けて御尽力されました。
 川島組合検査課長におかれましては、昭和61年4月に奉職されて以来37年間の長きにわたり一般行政職員として県行政に携わってこられました。この間組合検査課長代理、組合検査官などの要職を歴任され、令和4年4月からは組合検査課長として農協、漁協などの検査を総括し、指摘事項の改善を通して本県における協同組合の健全な事業運営及び発展に御尽力されました。
 花井水産振興課長におかれましては、昭和61年4月に奉職されて以来37年間の長きにわたり水産技術職員として県行政に携わってこられました。この間水産技術研究所研究統括官、水産資源課長などの要職を歴任され、令和4年4月からは水産振興課長として水産業が行う新たな取組の支援や県産水産物の販路拡大に向けた流通モデルの構築など本県水産業の活発化に向けた事業を精力的に実施されたほか、物価高騰の影響を受ける県内水産業者の支援に取り組まれるなど本県水産業や漁村地域の発展に御尽力されました。
 内野労働委員会事務局長におかれましては、昭和60年4月に奉職されて以来38年間の長きにわたり一般行政職員として県行政に携わってこられました。この間富士山世界遺産遺産課参事、富士山世界遺産課課長、ふじのくに地球環境史ミュージアム副館長などの要職を歴任され、令和4年4月からは労働委員会事務局の事務局長として強いリーダーシップにより労使紛争の解決に積極的に取り組まれ、労使関係の正常化や安定化に御尽力されました。
 退職される皆様には、今後は健康に留意されるとともに、これまで培われた豊かな経験と見識を生かし地域社会においても御活躍されることを御祈念申し上げたいと思います。
 御退任に当たりまして、これまで携わってこられた県行政を振り返り、後輩へのアドバイスなどがありましたら一言お願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○清水経済産業部理事(林業・森林保全担当)
 3番委員から過分な御紹介、お言葉も頂きまして誠にありがとうございました。また産業委員会の皆様には1年、いろんな形で御指導頂きました。どうもありがとうございました。
 初めに、後輩に伝える言葉の前に少し私のこれまでの仕事の印象に残っていることをお伝えさせていただきたいと思います。
 まずは新規採用職員のときですが、治山事業を担当しておりまして人家の裏の沢に山地災害を防止する治山ダムを施工しました。それが完成したときに住んでいた方からこれで安全だ、ありがとうと言われたことは今でも覚えています。このときに人のために役立つ仕事ができ県の職員になって本当によかったと実感しました。それ以降仕事はいろいろ大変なところもありましたけれども、これが原点としてあって頑張れたのではないかなと感じております。
 また、平成22年には欧州の林業を県内に取り入れるということで、林野庁の事業を担当させていただきました。その関連でドイツとオーストリアに調査に行く機会を頂きまして、山岳地のオーストリアで林業が地域を支える産業となっている実態を見まして、本県でも林業の再生は可能だと感じ、取組を積極的に進められたのではないかと思っております。
 また、森林づくり県民税を財源とした森の力再生事業につきましては、創設後これまで5年ごと3回の見直しが行われていたんですが、そのうち2回この節目の業務を担当させていただきました。タウンミーティングを通じて県民の皆様が森林に対する災害防止等の機能をすごく求めているといったニーズの高さを実感しました。また去年、今年につきましては熱海の災害等もありまして、行政対応検証委員会から厳しい御指摘を受けたこともありました。
 森林が持つ機能――山地災害だったら広域的機能を高度に発揮させることを県民の皆様が強く求めており、それと併せて森林資源である木材を循環利用することで林業の振興や地域の活性化にもつなげていく必要がある。この経済性と社会環境性の両立を目指した形でやっていかなければならないということで、これまで森林を守り育てて生かす森林との共生の取組を進めてきましたが、台風の発生に伴ってまだまだ災害が生じていること、それから2050年のカーボンニュートラルの実現が求められるなど森林と林業に対してますますニーズが高まっているんじゃないかと思っております。
 こうした中で、後輩の職員につきましては森林事業というのは本当に大切だということを改めて認識して、この期待にしっかり応えるために当たり前のことですがまずは個人としてのスキルアップすること、それと行政対応検証委員会の御指摘を踏まえて今組織やルールの改善をしておりますが、それを仕事を進めながらさらに改善していっていただきたいので、熱海の経験から最悪の事態を想定して対応していく、この意識は必ずずっと引き継いでいくことをお願いしたいと思っております。
 最後になりますけれども、先輩、同僚、関係者の皆様に御指導、御協力を頂きましてこれまで勤め上げることができました。どうもありがとうございました。(拍手)

○川島組合検査課長
 3番委員からは過分なねぎらいのお言葉を頂きありがとうございます。私自身経歴を振り返ってみますと大学卒業後1年弱になりますけれども、地元富士市の自動車部品メーカーに勤めておりました。そこを退職しまして37年間ということで、振り返ってみて組合検査課に通算8年、あと出納局に通算8年、それを合わせますと37年間の4割強をそういった部署にいたということで、特にイベントとか事業に携わることなく公務員生活を終えることになりました。
 その中で、お話しできることとしたら平成28年度から平成30年度まで勤務いたしました出納局において、基金を債権や預金で運用する担当をしておりまして、ちょうどそのときが日銀のマイナス金利政策の真っただ中にありまして、厳しい交付金運用の環境の中で運用難がずっと続いておりました。その中でどうしたら運用できるかというところで、証券会社に今後の景況であるとか市況や債券の在庫状況などを聴取いたしまして債券の購入時期を検討することをやっておりました。
 また、金融機関に対して預託といいまして預け入れをするんですが、それも金融機関から辞退ということがずっと続いておりましたので、預託先を新たに開拓するために営業に出向きまして、例えば第二地方銀行や信用金庫、農業協同組合を新たな預託先に加えまして運用益の確保につなげることができました。
 また、その前に平成16年から18年度までに出向しておりました教育委員会で監察担当として教職員のコンプライアンス意識の向上にを努める中で、労務管理に興味と関心を持ちまして、国家資格であります社会保険労務試験に挑戦しました。そのときちょうど父親のがんによる病気療養、死去がありました。足かけ5年はかかったんですけれども50歳を迎える直前に挫折せずに合格することができました。
 以上が、私が37年間の中で皆さんにお伝えできる内容ですけれども、最後に後輩、今後県職員として御活躍される方々にですけれども、よく私の課の打合せなどに行って伝えていることで先ほど3番委員からもありましたが、健康が第一なので、それをまず最優先に人生の目的じゃないですけれども、健康第一に何事にも取り組んでほしいと常々言っております。
 私自身も高血圧ということもありまして、降圧剤に頼らずに、この3月30日で2歳を迎える豆柴を飼っているんですが、毎朝、晩と1日2回愛犬の散歩をしております。そういったところで体調管理にも努めているところです。
 以上で、私のこれまでの公務員生活で感じたことをちょっととりとめもない話になってしまいましたがお話しさせていただきました。どうもありがとうございました。(拍手)

○花井水産振興課長
 先ほどは過分なるお言葉を頂戴いたしまして恐縮しております。そして皆様本当にありがとうございました。
 私は、無難に申しますとただの魚好きでございます。魚を飼うこと大好きです。魚を釣ること大好きです。でも一番好きなことは魚を食べることです。自分が食べたいだけではなくて、人に食べてもらってこれはおいしいね、また食べたいよと言ってもらうこと、それが一番うれしいと私は感じております。
 そんな私がこの静岡の地で、地元に水揚げされた魚を皆さんに食べてもらえるという業務に就けたことは大変幸せでした。ありがとうございます。
 これまでの公務員生活37年たってしまっているんですが、私はいろんなところに配属されたんですけれども、そのたびごとに配属先に大体難問が待ち受けておりまして、ああどうしよう困ったなと思うことが多々ございました。しかしそういうときに必ず助けてくれる方にお会いしました。花井君これはこうやってやるんだよ、昔こうやってやったんだよと言って御助言頂く方もいらっしゃいました。あるいは一緒になって、じゃあこういう方向でいきましょうと一緒になってやっていただける方もたくさんいらっしゃいました。やはり最後に頼りになるといいますか、最後はやっぱり人の力なんだな、人の力が一番重要なんだなと実感したことが多々ございました。
 この経済産業部水産・海洋局もそうですが、若くて優秀な職員がたくさんおります。ほとんどそういう職員ばかりです。ぜひ引き続き御助言、御支援を賜りますようお願い申し上げたいと思います。37年間本当にありがとうございました。(拍手)

○内野労働委員会事務局長
 先ほど3番委員から丁寧な御紹介と身に余るはなむけの言葉を頂き、ありがとうございました。また2番委員におかれましては、県政史上最長となる任期40年ということで長きにわたり私どもを御指導頂きまして、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 私事ですが、私は昭和60年の均等法成立の年に県庁の職員となりました。当時は大卒女子の行政職というのが私ともう1人のたった2人ということで非常に少ない中、これまで38年間で16か所の職場でいろいろな仕事にチャレンジさせていただきました。
 少し思い返しますと、20代半ばですね、ちょうどバブルの頃だったと思いますけれども大学の同級生たちのお給料に比べ自分は非常につましい生活で本当にこれでいいのだろうかとちょっと疑問を持った時期もありました。
 当時、労働部の就業女性室というところがありまして、そちらに異動して均等法の周知啓発の仕事に携わることになりました。当時はなかなか働く女性としてロールモデルとなる働く女性がそう多くはない時代でしたので、自分と同じ均等法世代の女性たちに働く意欲と自覚を持ってもらうということで、いろいろな研修会などの企画、運営をやっておりました。
 そうした中で、上司や同僚のフォローもあって自分の拙い研修案が実現して研修の参加者からよかったよとか、すごくためになったとか頑張って仕事していこうと思うというような数々の言葉を頂いたりする中で、やっと自分の中でやってよかったなという思いも湧き上がってきまして、仕事はお給料の多寡ではないなと、モチベーションをアップして自分自身県庁の中で頑張って仕事してみようという気持ちになりました。そういった意味では研修会を企画した自分が啓発されるというような貴重な体験をさせていただきました。
 その後、財政課の予算担当であるとか、秘書課で副知事秘書など少し精神的、肉体的にも厳しい面もありましたけれども全庁的なあるいは大局的な立場で物事を見る、業務を行うというようなことを学ばせていただきました。
 また、2013年の富士山世界遺産登録の前後で7年間富士山の業務に携わることがありましたこともありがたい経験だったなと思います。山梨県との協議であるとか、環境、それから観光両面からいろいろな立場の方々との調整などに意を尽くしたわけですけれども、そういった中で世界の宝である富士山を長く引き継いでいこうという取組が着実に進められたかなと思っております。今年は世界遺産登録10周年ということで非常に感慨深い思いがあります。
 そして、最後の1年間ですが労働委員会の事務局長として労使紛争解決の支援という大変有益なお仕事を頂くことができました。あっせんの場に立ち会いまして労使の委員の方々が時には半日以上の長い時間を費やして紛争当事者に歩み寄りを促し、丁寧に解決に導いてくださる姿を見て心から敬意と感謝の言葉を申し上げたいと思います。
 そして、労働委員会との関わりを通して労働者には新しい人生を、それから事業者には新たな労働環境づくりを始めるきっかけとなるよう、そういった紛争当事者が前向きにやっていけるように今後の取組にも期待したいと思います。
 こうやって振り返ってまいりますと、どの職場でも庁内外の関係の方々に恵まれまして多くの先輩、同僚、後輩たちに導かれ助けられてその時々の課題を解決することに打ち込むことができました。
 また、育児休業などの取得をはじめ、そういった制度をうまく使いながら自分自身と仕事のバランスを取ることができたことも38年間働き続けることには不可欠だったなと今感じております。
 そうした環境をつくっていただきました上司や同僚の皆さんにこの場を借りて理解を頂きましたことを改めて感謝を申し上げたいと思います。
 後輩の皆様には、いろいろな大きく変化する労働環境の中ですけれども柔軟に対応していただきながら、こういった時代だからこそ人と人のつながりを大事にして深く議論をしてコミュニケーションを保つことを考えながら仕事を進めていただきたいなと思います。そういった中で自らの仕事に自信を持って、これからの静岡県の発展に寄与していただければと期待しています。
 私自身は退職いたしますけれども、ささやかですけれども今まで培った経験や知識が生かせる場がありましたら誠心誠意力を出していきたいと思っております。
 最後になりましたけれども、県議会の皆様には御指導、御鞭撻を頂きましてありがとうございます。改めて心より感謝申し上げます。
 長くなりましたけれども、本日はこのような発言の機会を与えていただきましてありがとうございました。(拍手)

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp