• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 委員会補足文書

ここから本文です。

委員会会議録

委員会補足文書

開催別議員別委員会別検索用


令和元年12月多文化共生推進特別委員会
株式会社エス・ティー・シー 人事部長 藤政人氏 【 意見陳述 】 発言日: 12/03/2019 会派名:


○藤政人氏
 よろしくお願いします。
 私、株式会社エス・ティー・シー人事部からまいりました藤と申します。
 私どもの会社の概要と、外国人採用に至った経緯と、現状の問題等をお話しさせていただければと思います。よろしくお願いします。
 エス・ティー・シーという会社は、ここに書いてあるとおり、auショップを静岡県で26店舗運営する会社です。会社の概要をお伝えします。
 設立が1988年で、31年目に入った会社です。この1988年は、携帯電話の販売が始まった年ですね。それまではレンタル品とか、ポケベルとか、車の移動電話なんかを販売していた会社です。現在、従業員の数がこのようになっております。男性がもうちょっとふえてまして、300人ほどになっております。そのうち、女性が210人です。この中で外国人スタッフは、現在30人ほどです。
 このスライドをつくったときから2人ほど減っております。でも、12月1日に1人フィリピン人が入っておりますので、29人です。
 私どもの会社は、どういうポジションにいるかというと、KDDIの一次代理店でございます。KDDIが展開するauショップなんですが、これは、全部販売代理店がやっていまして、KDDI様が直営で運営するauショップというのは、11店舗しかないんですね。そのほか、2,300店舗ほどありますけれども、全て我々のような独立した会社が運営しておりまして、その中でエス・ティー・シーという会社は、一次代理店のポジションにいます。直接、KDDIさんと取引をする、規模の大きい会社だと認識していただければと思います。静岡県内には64のauショップがありますが、ほとんどが二次代理店、三次代理店という大きい会社の子会社、孫会社になっております。
 こういうような位置づけにエス・ティー・シーがいるわけなんですけれども、県内のショップの数と販売台数に関しては、シェアはナンバーワンです。静岡県内に64のauショップのうち26店舗を展開しておりますので、県内シェアが40%ということと、あとは販売台数も結構大きくて、静岡県内でau携帯を買えるところは、64のauショップのほかにも、家電量販店でも購入できますよね。全県の販売構成比でいっても38%ありますので、かなり多く販売はさせてもらっているところでございます。
 売り上げと利益は至って好調です。資料は平成29年度でとまっておりますが、今年度は118億円で着地しようとしております。弊社代表と簡単に調べてみたんですけれども、静岡県に本拠地を置く企業って、4,900社ぐらいあるんですね。その中で、売り上げをランキングで見てみると、30位以内に入るものになっていまして、利益に至っては18位になっています。静岡県内で売り上げを上げている企業というのは、トップ企業ですと、ゼネコンさんだとか、インフラの会社が多いんですけれども、我々携帯販売代理店がそこに位置づけているというのは、しっかりと売り上げを出せる体質の企業かなと考えております。
 これだけ大きい規模でやっておりますので、静岡県の東部から西部まで、全域にわたって――伊豆半島には入り口の大仁にしかないんですけれども、伊豆以外は全て店舗を出店しておりますので、その地方によっていろいろな問題があったりします。
 およそ5年前、豊田とか群馬が発端だったんですけれども、日系ブラジル人が多く住んでいる地域で、auショップの中に、アルバイトでブラジル人通訳を置いてみようという動きが出てきました。ブラジル人は静岡県には3万人ほどいまして、そのうち1万人ほどが浜松市に集中しているので、この人たちのサポートをすると同時に、我々も新規顧客、日本人だけじゃなくて、外国人のマーケットも開いていこうということで、トライアルが始まりました。KDDI様からは、静岡県で一番大きい規模でやっていますので、一番初めに取り組んでほしいと言われていました。初めは、派遣会社の担当者に話を持ちかけましたが、日系ブラジル人で働いている方は、ほとんどの方が工場だったんですね。ブラジルから来られて工場で働いて、お金をある程度稼いだらまた帰るというスタイルの方が多くて、通訳の仕事とか、販売の仕事をしているブラジル人はほとんど見当たりませんでした。それでも、3万人もいれば誰かいるかなというところで、滋賀県の会社から、静岡県在住のブラジル人を紹介していただきました。
 もう1つ問題がありまして、静岡県の東部地区は、浜松市とまた全然違う問題なんですけれども、慢性的な人材不足であります。私も新卒採用に携わって、ここ5年ぐらいやっていますけれども、とにかく、県東部の学生さんが本当に採用しにくくなっています。理由は簡単で、関東に出やすいというところと、あと、東部には、大学とか専門学校が少ないですね。それから、大きい規模の会社が少ないと言われていまして、東部の人材不足がもうずっと続いております。今でも人材不足になっています。人が採用しにくい地域になっております。この問題をどうにかしようということで、この後、出てくる中国人とか韓国人の採用につながっていきます。
 外国人スタッフの採用についてなんですけれども、日本人と同じレベルの教育で、同じ賃金をお支払いするということにこだわりを持ってやっております。なので、採用基準も非常に高く設定させてもらっています。
 初めは、携帯電話販売の通訳からでしたが、通訳だけだと1日のうちどれだけ仕事する時間があるのかというところも含めて、もう少し日本人の相手をできるレベルの外国人を採用しようということになりました。一番初めに採用した1人の女性は、余り日本語が得意じゃありません。漢字も余り書けません。ただ、そのスタッフは、すごくコミュニケーション能力が高くて、ブラジル人のお友達とか知り合いとか、それこそフェイスブックで国にいる人たちとつながっていたり、物すごく広いネットワークを持っていて、今でも勤務しております。それ以外の外国人スタッフは、もうちょっとレベルの高い、日本人を相手に仕事ができる人たちを採用していこうという方針に決めました。
 携帯電話の仕事なので、専門用語も多いですし、漢字もいっぱい出てきますし、英語はほとんど使わない世界なものですから、日本語の会話感覚で違和感がないこと、これは面接で見ます。日本語能力検定2級以上は欲しいかなというところです。日本語能力検定1級があれば、まず間違いないかなと思っております。また、漢字の読み書きができることが条件となっていまして、パンフレットなんかを朗読してもらっております。それから日本に長期滞在が可能なことと、運転免許を取得する、もしくは予定がある人を採用しております。これは非常に高いレベルを求めていると認識しています。
 静岡県内にある日本語学校全てにお邪魔して、面接もさせてもらっていますし、東京の合同企業ガイダンスで、500人ぐらい外国人が集まるところに行って、採用活動もしているんですけれども、その中で、これだったらいけるなという方は二、三人しかいないぐらいなんですけれども、このぐらい高いレベルを、今は採用の基準とさせていただいております。
 先ほども申し上げたとおり、日本人と全く同じ待遇の新入社員教育と業務内容をしております。形としては、派遣会社から派遣社員として雇うこともありますけれども、お給料の面とかも全く同レベルにしようというコンセプトで新入社員教育もやっております。それに、新入社員教育には、4カ月かかりますので、そのうち、日本人のスタッフとまざって、外国人のスタッフも一緒に教育します。ことしは、スリランカ人の女性を採用しました。32人の中でスリランカの女の子が1人入って研修しました。非常に不安だったんですけれども、彼女自身もすごい頑張って、今は静岡のすぐ近くのお店で頑張って働いています。
 現在活躍しているスタッフは、珍しい国籍では、ミャンマーのスタッフや、台湾のスタッフもおります。ブラジル人、スリランカ人、先ほどお話ししたスリランカの女性です。ブラジル人は10名ほどおります。ミャンマーは1人です。スリランカも1人です。台湾人は7人ほどにふえております。中国人と、この方はペルー人ですね。ベトナム人と韓国人が在籍しております。
 採用についてのお話なんですけれども、派遣社員で初めは登録していて、時給はこのぐらいのお支払いになります。これ、東京に行くと2,000円を超えるんですけれども、静岡県ですと、まだこのぐらいの時給になっております。一番初め、派遣会社の方とお話しするんですけれども、正社員として長く働いていただきたいので、研修期間が終わって、半年ぐらいでもう正社員として迎え入れるという意思がある方を採用しております。ここには、切りかえのときに30万円から60万円ほど、紹介予定派遣でお支払いはするんですけれども、補助金制度なんかもありますので、80万円ぐらいがバックとして戻ってきますから、全く抵抗なく、どんどん派遣社員を受け入れております。現在、実績があるのが、ここに名前があるブラジル人です。ミャンマー人も、この採用方式で採用をしております。
 次に、社員紹介をする会社があります。これ、紹介料がまちまちなんですけれども、東京の業者なんかが多いです。紹介料は30万円から90万円ぐらいで、この会社さんは、SNSなんかで集客して、企業に紹介するスタイルです。ベトナム人の先ほどの女性、スリランカ人の女性は、こういうSNSサイトで応募があった企業からの紹介で採用をしました。ベトナム人のスタッフは、九州の大学に通ってまして、国内の携帯会社で、どこでもいいから働きたいという強い意思がありました。静岡県の私たちの会社をこの会社から紹介をされて、非常に興味が出たということで、一番初めはタブレットで、フェイスタイムで面接をしました。日本語が非常に上手だったので、じゃあ1回、浜松に来てもらいたいので、交通費半分支払うので、会ってみましょうということで1回お会いして、非常に高い日本語能力ですし、やる気もあったので、採用しました。今でも立派に活躍しています。
 スリランカ人のスタッフなんですけれども、静岡の国際ことば学院の卒業生で、彼女はほかの携帯販売代理店に就職が決まっていたんですけれども、約束がちょっと違ったようです。かなり外国人スタッフを軽く見るというか。最初は配属が浜松の予定だったんですけれども、突然1週間ぐらい前に愛知県に行ってくれと言われたらしく、それが嫌だったらやめてくれというような言い方をされたので、その会社は退職をして、私どもの会社に来てもらいました。もしそこで続けていれば、ずっと契約社員のままで、その会社は正社員の雇用は考えていない会社ですので、彼女は私どもの会社に来たほうが、結果的にはよかったのかなと思っております。
 正社員でそのままストレートに採用するケースが一番多いんですけれども、新卒の採用、中途採用、社員紹介なんかで入ってくる方が多いかなと思っております。新卒ですと、留学生ですよね。中国人の留学生、非常に高いレベルの留学生がいたりとかですね。日系ペルー人の子は、もう見た目はほとんど日本人みたいな子もいらっしゃいます。
 中途採用で入ってくるスタッフもおります。ここにいる中途のメンバーは、さまざまな経路から入社をしてくれております。ベトナム人のスタッフは、一度ブライダルの会社に就職しまして、そこでかなりきつい労働条件だったので、うちの会社に転職してまいりました。あとは、ちょっと変わったところで、このスタッフは、これもまたほかの販売代理店で勤務されていたんですけれども、そこの販売代理店も、ずっと外国人は日本人と別で、何をしてもずっと契約社員という条件のもと、働いていたので、それが不満で、私どもの会社に転職してまいりました。
 あとは、社員紹介というのも多くて、ネットワークが大きいものですから、あと、しっかりとした制度があるので、紹介制度で入ってくるスタッフも多いです。
 もう1つ、変わった採用の形があります。外国人採用プロジェクトで、ネオキャリアさんという、結構有名な会社があるんですけれども、ここの会社から紹介があったのが、現地で採用のイベントを開いて、そのまま面接をして、採用を決めてくるという企画です。私は2年前ですかね、2回台湾に行って、1回韓国に行っています。代表も中国に行ったんですけれども、1日で全部の行程を済ませてしまって、朝から会社説明をして、その後、筆記試験をやって、その後、1人ずつ面接をして、夕方にはあなた合格です、日本に来てくださいという、こういう採用の仕方もあるということで、これは県東部で人材不足がずっと続いていましたので、ここの東部地区のスタッフを充足させようということでトライしてみました。
 この中国と韓国、台湾の特徴なんですが、漢字に抵抗がなくて、慣習にも余り違和感がないですね。日本人と余り変わらないです。ネパールとかミャンマーとかだと、いろいろ違和感もあると思うんですけれども。ここの国の人たちは、複数の言語も対応可能だったりもします。台湾とか韓国の若者は、日本でのワーキングホリデーの経験があったりとか、あと日系企業で働いている子もすごく多くて、どちらかというと裕福でなくて、ハングリーな方が多いかなと思っております。日本語の能力レベル、2級以上がほぼ60%以上でして、中国のスタッフなんかに話を聞くと、中国人では、もう日本語能力検定2級は半分以上とれるぐらいの能力があるらしいので、非常に高い日本語レベルを持ったスタッフが多いと思っております。
 これまでの実績として、台湾でこのぐらいの人数、中国は、1人やめてしまいましたけれども、3人採用しています。韓国で4人採用して、全員今でも活躍しております。
 ここでは、採用の費用に関しては50万円と、渡航費はかかるんですけれども、今、携帯業界で、1人の採用単価が100万円を超える企業も多いと言われていますので、ここに関しては採用費用、採用単価が50万円、60万円ぐらいでもそんなに悪くはないねというところで、採用してきました。
 ここに出ているスタッフも、非常にレベルが高いスタッフが多くて、台湾国立大学のように日本の東大ぐらいのレベルの子もいます。中国のスタッフなんかは、日本語の中国の試験で、合格率が0.0何%の試験も合格しているような、こういう学生さんもいますので、非常に高いレベルの子も在籍しているんだなということと、日本にすごく憧れていて、日本に来たがっている、日本で仕事をしたがっている、こういう学生さんもおります。
 それとあわせて、LGBTに関して、弊社では日本人のLGBTの方とお会いしたことはなくて、採用実績もないんですけれども、台湾のスタッフで、1人、LGBTの方がおりまして、心は女性、体は男性というスタッフがおります。その方とお話ししたときに、見た目は物すごくきれいにしているので、遠くから見ると女性です。髪の毛も長いですし。ただ、すごく背が高くて、ちょっと違うかなという感じの学生さんがいました。私、こんな感じなんですけれども、御社で働けますかと言うので、私も代表も、そういうとこ全然気にしなくて、一生懸命働いてくれるんだったら、ぜひよろしくお願いしますということで、じゃあ、制服はどうしましょうという話になりました。男性の格好をしたほうがいいですかと言ってこられたんですけれども、ぜひ女性の格好で、女子トイレも使ってくださいと。女性として私たちは扱いますということで、非常に喜んでくれて、今、お店で元気に働いております。
 中国人の方で、ビーガンの方がおりまして、動物性のものは全て食べられないというスタッフがいます。新入社員研修で食事も出すんですけれども、自分で野菜を買ってきて、別途食事をつくってもらうとか、あとは、宗教上の理由で、スリランカの女の子は、牛肉と豚肉が食べられないとか、いろいろありますけれども、柔軟に対応して、何とか個別で対応するようにはしております。
 韓国のスタッフや台湾のスタッフは、もう本当に国が近く、3連休ぐらいあると、ちょくちょく帰っていますので、彼らは元気にやっているなと思っております。
 この男性スタッフは、本当に日本語が上手で、日本に彼女がいたりします。彼女が鹿児島にいて、静岡に来たので、韓国より遠くなったと、ちょっと嘆いていました。台湾の子も日本人の彼氏がいたりとか、本当に日本に憧れてというか、日本の人とつながりたいという思いが強い子が多いのかなと思っております。
 これが採用までの流れなんですけれども、各会社の説明会、1日説明会があって、この会社に入りたい人だけが来るので、15人ぐらい、朝集まります。そこで1日で選考を済ませて、あとはビザ申請をして、来日して就業するという流れになっております。
 このビザ申請に関しては、現地のスタッフが書類を用意してくれるので、こちらでは会社の必要な書類を用意します。行政書士の方に初めはお願いしていたんですけれども、フォーマットはある程度決まっていまして、入国させたい理由を添えれば、問題ないので、何回かやっているうちに、この申請の手続は自分たちでできるようになっております。基本的にビザ更新とか費用は本人負担なんですけれども、5,000円ぐらいでできると聞いていますし、私どもで用意する書類も2通で問題ないです。在職証明書と法定調書だけで問題ないので、スムーズにビザ更新はできるようになっております。
 これは聞いた話ですけれども、日本で就職がもう決まっている留学生でも、会社の規模によって、物すごく書類を多くそろえなければならない企業、があります。小さい規模の代理店で、3店舗ぐらい経営されている会社さんだったと思うんですけれども、そこでビザがおりなくて、じゃあ帰るのか、ほかの学校にまた入学するのかというところで、非常に悩んでいた中国人にお会いしたこともあります。そのあたりは、私どもの会社は大きい規模でやらせてもらっていますので、申請は通りやすいのかなと思っております。来日するまでに、入国の許可がなかなかおりないのも現状でして、東京だと今、かなり手続がおくれるらしいです。名古屋はすごく緩くなったとか、九州経由で入ってくる人が多いとか、そのあたりがもうちょっとすんなりいけばいいのになと思ってしまいます。
 これがおくれることによって、入社の時期がずれて、研修が一緒にスタートできなかったというケースもあったので、入国に関してもスムーズにできれば、手続は受け入れる側も入国する側もやりやすいかなと考えております。
 2018年11月に、国際営業推進課を立ち上げました。ブラジル人をチームリーダーにして、ブラジル人マーケットの拡大を図る、こういう部署を立ち上げしました。例えば、ブラジル人のイベントに参加したりとか、いろいろありまして、こういうのが。これは、ポータル三重という三重のサイトなんですけれども、ブラジル人が多く閲覧するサイトに広告を出してみたりとか。このブラジル人向けのホームページは、有名なのが3つぐらいありまして、そこに活動内容を出してみたりしました。それから、ジムですね。ジムとかレストランでこういう活動をしてみたりとか。ブラジル銀行という、出張銀行があるんですけれども、この銀行が来ると、ブラジル人の方、多くいらっしゃいます、手続に。本国への送金ができるということで、このブラジル銀行は浜松にしか、このあたり支店がないんですけれども、移動銀行があると、例えば牧之原のあたりとか、掛川だったりとか、こういうところでも手続しやすいということで、非常に喜ばれています。
 ブラジル人の、これ、四、五千人集まるフェスティバルなんですけれども、こういうところで拡販活動をしております。
 最後ですね。現在の課題について、お伝えさせていただきたいなと思います。一番、離職というか、退職の原因になっているのが、本国の御家族が調子が悪くなったりして、帰国せざるを得ないという方が非常に多いのかなと。これはしょうがないことですし、日本人の感覚と外国のファミリーの感覚って、またそれはちょっと違うと思うので。ことし、ペルー人2人が入ったんですけれども、そのうちの1人は、本国の会ったことないおばあさんが危篤だということで、家族全員で帰るぞということになりました。日本でせっかく就職が決まって、もう働いているのにというところなんですが、お父さんがもう帰るぞと決めたら帰らざるを得ないということで、会ったこともないファミリーだけど、やっぱり帰りますと、退職をしたケースもありますので、このあたりは非常に難しい問題だなと思っております。
 あと、日本語習熟のおくれについて、大体1年間ぐらいは様子を見させてもらおうかなとは思っているんですけれども、日本語が個人でレベルに差がありますので、このあたりの訓練として、新入社員研修の中で、朝10時からスタートなんですけれども、新聞記事を読んで、それを簡単にまとめて、みんなの前で1人ずつプレゼンテーションをするというような、日本語を伝えるという訓練と、あと、漢字ドリルですね。毎日毎日、朝と夜に勉強をさせております。
 もう1つ、日本特有の仕事に対する考え方の相違がありまして、新入社員教育でも、非常にマニュアルを重視して、教育するんですけれども、外国人の方って、そこまで丁寧にやらなくても、私できるわみたいな感じで、もう実際にお店行ってやりたいんだけどと、強い主張があるスタッフさんがいます。実際できないんですけれども、私はやりたいと言って、そういうことでちょっと衝突して、早期退職される方もいらっしゃいます。あとは有休ですね。有休とか残業について、ドライな考えというか、日本人って、よくあるんですけれども、私、前職でも有休1回もとったことなかったんです。有休なんかもう気にしたこともなかったんですけれども、何となく弊社でもまだ有休は、周りの状況を見ながらとか、上司の計画もあるしということで、とってないわけではないですが――有休消化率は50%以上あるんですけれども、もっと自由にとりたいという意見をストレートに伝えてこられます。残業についても、何でみんな残ってるの、帰れないみたいな。仕事終わりの時間になったらもう終わりですよね。当然そうなんですけれども、ぐずぐず残るのが日本人の体質かなと思っておりまして、ここに物すごく不満を抱かれるんですね。これまで何回も衝突したというか、直接聞いてくださいって言って意見が上がってきて、何とかなだめるみたいな。もう正直、ごまかしている状況です。何とかみんなで協力してやってねというような状況なんですけれども、非常に難しい。難しいというか、もどかしい、情けない問題だなというふうに思っております。
 なので、もうやめてしまいましたが、フィリピン人のスタッフの退職が決まったんですけれども、決まったときに、有休を全部使うか、使わないかというところで、非常にもめました。使っちゃ悪いわけじゃないんですけれども、そのころは――1年ちょっと前なんですけれども、まだ有休に対する考え方が私どもも甘かったです。その彼は、家に帰って家族と話をして、そんなあほな会社は今すぐやめろと、おやじに言われましたと。わかりました、済みませんというふうに、最後は有休を消化させて退職に至ったわけですけれども、そういう我々の悪い習慣をずばっと指摘してくれるスタッフでもあるかなと思っております。
 もう1つ、お客様アンケートの評価を今、KDDIで非常に重視しておりまして、手続が終わった方にアンケートがいきます。これをもって、お店の評価だったりとか、インセンティブも変わってきますので、今、非常に重視しているところなんですね。外国人スタッフのお客様アンケートの評価は、非常にいいです。ただ、言葉のキャッチボールがうまくいかないときには、本当はこの人、かわってほしかったみたいな感じで、一番悪い評価になってしまったりするもんですから、ここはまた難しい問題だなと考えております。外国人スタッフにも聞くと、やっぱりお相手しやすい年代と、苦手な年代というのが、個人によって出てくるんですけれども、年配の方が苦手なスタッフが多いかなとは思っております。難しい言葉を使わなきゃみたいな、丁寧な言葉を使わなきゃしかられるという思いが強いらしくて、おびえながらというのもあれですけれども、対応が苦手なスタッフも多いです。いや、おじいちゃん、おばあちゃん、大好きだよというスタッフも多いんですけれども、そういうところで、本当に日本人と一緒に生活して、仕事をしていくというのに、苦労されているんだなというところもあったりします。
 最後に、これも大きな問題だなと思ってるんですけれども、先ほどこの課を立ち上げて、リーダーのこの女性スタッフなんですけれども、実は、11月末をもって退職になりました。かわりにこの下の写真にある眼鏡の女性が今、担当をしています。この女性、非常にやり手でばりばり働いていて、私もこの課に携わっていたんですけれども、社用車も持って県内を動き回って一生懸命頑張っていたんですけれども、退職しますということで、もういないんですけれども。なぜいなくなったかというと、やっぱりブラジル人のお客様と毎日のように接していると、手続の中で年収を書く欄なんかもあるんですね、新規の契約とかで。ここ、年収だよ、書いてって言ったときに、わからない、じゃあ月幾らぐらいもらってる、35万円ぐらいかなみたいな感じでやりとりをしていると、私の1.5倍以上もらってる、こんな若い子がみたいな感じで。じゃあ、どこに勤めてるのかというところなんですが、工場で勤務していて、すごく稼いでいるというのをずっと目の当たりにしてきた。彼女自身も本国に両親がいて、行ったり来たりするお金もやっぱり大変ですね。普通にこの企業で働いていれば、手取りで20万円ちょっとぐらいなので、そこで非常に悩みまして、やっぱりもう少し稼ぎたいという思いで退職となりました。次の就職先は工場で、2年ぐらい思い切りお金をためて、行く行くは浜松でエステを自営で開きたいという夢が芽生えてきたので、そっちへ行きますということで、残念ながら退職になりました。こういうケースも多くて、ブラジル人のスタッフで、牧之原で活躍していたんですけれども、本国のお父さんの調子が悪いのと、自分の弟が今度高校に入学するので、その費用とかも自分がもっと稼がなければならないということで、工場に行きますという感じで退職になったスタッフも、二、三名おります。その辺、非常にもどかしいんですけれども、彼女自身も昔そういう工場での経験があって、臭いし、きついし、眠いし、二度とやりたくないと言ったところに戻るんですね。
 ここに写っている右側のスタッフ、彼も工場経験があって、彼は本当に、もう工場は二度とやりたくない、この会社の仕事で十分ですって言ってくれてるんですが、そのぐらい、工場というのが彼女、彼らにとってお金の稼ぎやすいところということです。そういう、単純な理由というのもあれですけれども、ほとんどのブラジル人の学生さんが工場に就職しているというのは、こういう状況かなとは思っております。実際の工場の労働条件とか、本当のところはどのぐらい仕事をしているのかも含めてですが、だったら、この会社の中で、もう少し土曜日とかも出勤して、出勤日数を多くして、稼働率を多くすれば、もちろん給料も出ますので、そういう対策もしていかなきゃなというところで、工場勤務に負けないような労働条件を提示できればなと思っているんですが、なかなか難しいんですけどね。
 せめてもの評価というところで、11月からスタートしましたが、彼らが受け付けした全員のお客様の名簿を拾って、外国人の通訳も兼ねて、外国人対応をした台数によって、奨励金をお支払いするということも始めました。10台、10人お相手すれば、1万円差し上げますということで、そういう制度を使って、もう少し彼女たちがやりがいを持って、すばらしい能力、外国語をしゃべれるわけですので、中には4カ国語をしゃべれるスタッフもいますから、その語学力を生かして成果を上げたスタッフに報奨をするという制度もスタートしております。
 なかなかこの制度も、取り入れている企業は少ないらしくて、一番高くて、外国語をしゃべれるだけで5,000円という制度を取り入れている企業もあるみたいですけれども、我々は思い切って、10台で1万円、10人で1万円ということで、制度をスタートしています。
 非常に現場では喜んでいて、しっかりとカウントして、私、頑張りますと、給料上げますといってやっているところです。
 ということで、私たちの外国人労働者に対する採用に至った経緯と現状と、あとは課題ということで、終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。

○植田委員長
 ありがとうございました。
 以上で、藤様からの説明は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 委員の方にお願いをいたします。
 質問はまとめてするのではなく、一問一答方式でお願いをいたします。
 それでは、質問、意見等ありましたら、御発言願います。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp