本会議会議録


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令和6年12月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:伊藤 謙一 議員
質疑・質問日:12/13/2024
会派名:自民改革会議


○伊藤(謙)委員
 分割質問方式にて6項目をお伺いします。
 まず、議案について2項目を伺います。
 1項目は、静岡県動物愛護センターについてです。
 1問目は、厚生委員会説明資料6ページの第135号議案のうち静岡県動物愛護センター整備事業に係る繰越明許費700万円に関して伺います。
 注釈を拝見すると、用地交渉また関係機関との調整に時間を要したとのことですけれども、現在の進捗状況を教えていただきたいと思います。

 2問目は、説明資料7ページの動物愛護センターを設置するための条例制定に関する議案の説明ですけれども、指定管理者による管理とした経緯、メリット、デメリット等について伺います。

 3問目は、動物愛護センターの利用料金設定は、他県との比較や経験則から来ているのか、それともこれからこの施設を設置していく中でのフィックスのコストやランニングコストといった運営をベースにした利用設計なのか利用金額の設定について伺います。

 あわせて、説明資料29ページにはネーミングライツをこれから行うとあります。ネーミングライツを否定するつもりは全くありませんが、ネーミングライツの対象施設に動物愛護センター自体が設定されていない。恐らく民間からすれば一番の目玉はこの動物愛護センター本体かと思うので、そちらを外した理由と利用料金を見ると年間の最低金額と注釈をつけて設定されているのですけれど、最低金額にした理由の説明をお願いします。

 2項目は、議案第174号のがんセンター関係のうち平成29年度の医療事故損害賠償請求について伺います。
 1問目は、今回の和解金が1億円ですが、和解に至るまでの経緯も含めた妥当性を伺います。

 2問目ですけれども、説明資料には再発防止策と示されていますが、再発防止策がつくられた経緯について第三者の意見がどのように生かされているのか御説明頂きたいと思います。

○阿部衛生課長
 静岡県動物愛護センター整備事業における繰越明許費700万円についてお答えします。
 動物愛護センターの整備に当たり、富士市の土地利用事業の適正化に関する指導要綱に基づき、県道富士白糸の滝公園線から動物愛護センターに接続する道路の拡幅工事を進めることとしております。
 進捗状況は、令和6年度に道路の測量設計、用地調査測量を行いましたが、用地補償交渉、関係機関との調整に日時を要することが見込まれ、年度内に契約を締結することが困難と予測されることから今定例会において繰越明許費の追加を提案いたしました。
 令和7年1月から用地交渉を実施できるよう関係機関と準備を進めており、令和7年度にかけて契約締結、土地登記補償金の支払いを実施していきたいと考えております。

 次に、動物愛護センターの設置及び管理に関する条例の制定経緯についてです。
 新しいセンターは、犬猫を殺処分する設備を設けず動物愛護事業を中心に行う施設として整備しております。また公の施設として県民が訪れやすく親しみやすい施設とするため本条例を制定いたしました。
 動物愛護事業を進める中で、参加者にとって魅力的なイベントの開催や有益な動物愛護情報の発信など民間の企画力を活用し効率的な運営を図るため、指定管理者制度を導入いたしました。
 指定管理者制度導入によって生じるメリットとしては、今まで県が行っていた動物愛護に関する啓発事業では集客に課題がありましたが、民間の企画力を導入することにより多くの県民に魅力を伝えイベントの参加へいざなうことにより、動物愛護意識の普及に寄与するものと考えております。

 続きまして、動物愛護センターの貸館業務の利用料金についてです。
 施設の貸館業務利用料金は施設の貸館業務に係る人件費、庁舎維持管理費等を積算し金額を設定いたしました。他自治体の公の施設における利用料金も参考にして妥当性を確認しております。

 次に、動物愛護センターのネーミングライツについてですが、ネーミングライツの対象施設としまして動物愛護の推進に活用する諸室等を有効活用し歳入確保につなげるためドッグラン、研修ルーム、ふれあいエリアの3か所を選定いたしました。
 ドッグランは飼い主同士の交流の場として、研修ルームはイベントの開催や譲渡会場として活用することで多くの県民の利用が期待されます。またふれあいエリアは猫展示エリアや犬猫のマッチングルームを含むエリアですが、新たな飼い主との出会いや犬猫を飼うことをイメージした部屋であり、飼い方のレクチャー等を行い譲渡の推進を図る部屋でございます。
 最低金額につきましては、他の自治体及びサウンディング調査での御意見等を参考にさせていただき、ドッグランが年間50万円その他の諸室は年間30万円と設定させていただきました。最低金額でございますので、それ以上の価値があるとお考え頂いた企業がおられたら御相談させていただきたいと思います。
 次に、施設自体をネーミングライツの対象としなかった理由についてですが、新たなセンターの名称については多くの県民に動物愛護センターに親しみを持って利用していただくため、別途広く県民の方から愛称募集することを考えております。愛称募集は令和7年度に行い、センターの開所式で考案者に対し感謝状贈呈を行う予定としております。

○堀川がんセンター事務局長
 まず、本件の医療事故につきましては県民、県議会の皆様に御心配、御迷惑をおかけしましたことをこの場を借りておわび申し上げます。大変申し訳ございませんでした。
 当センターといたしましては、病院を挙げて再発防止に取り組んでいるところです。
 まず、和解金1億円に応じた経緯についてお答えさせていただきます。
 本件は、当センターの過失に争いはなく逸失利益等の損害論に見解の相違があり、争点となっておりました。
 今回裁判所から示された和解案は、一審判決の賠償額に加えて遅延損害金、逸失利益、弁護士費用が加算されております。
 損害賠償額の算定については、当センターの当初の主張とは乖離がある部分がございますけれども、医療事故の一般的な算定基準に基づき積算されており、今回の和解案を拒否する客観的な根拠の提示が難しいこともあり妥当と判断いたしました。
 また、和解を受け入れない場合、裁判所の判決により、より大きな賠償額となる可能性があるとの顧問弁護士の意見のほか裁判の長期化による遅延損害金などの費用の増額を避けることもあり、今回和解に応じたところです。

 再発防止策の策定プロセスをお答えします。
 事故の発生後、事故の原因究明と再発防止策の検討を目的とする医療事故調査委員会を開催しております。
 これには、がんセンター内の委員12人のほか、ほかの病院の専門分野の医師2人の14人で委員会を構成し事故の検証を行っています。その委員会で誤りが発生した事象や見落とした場面を確認して再発防止の提言を頂きました。
 その後、当センターの医療安全管理部門が中心になり頂いた提言に基づく対応を検討し、ルールの作成やシステムの改修など事故の再発防止策としてまとめ院内に徹底しております。

○伊藤(謙)委員
 1点だけ再質問させてください。
 ネーミングライツですけれども、最低価格よりも企業が高い応募をしてきた場合は企業が提示した額で決定するとの説明だったと思うのですが、こちらが値決めするのではなく複数の応募者が値段を提示して入札で募集方法を考えているとの理解でいいか教えてください。

○阿部衛生課長
 6番委員のおっしゃるとおり、価格につきましては企業から頂いた提示額を踏まえ、ネーミングライツの選定委員会を開催しまして選定していく流れです。

○伊藤(謙)委員
 ありがとうございました。
 ただ、先ほどの動物愛護センターの愛称募集も含めて、決して否定はしないのですけれども、今回の一般質問の知事答弁で歳入確保に関してあらゆる手を尽くしながらやっていくとの発言も出ていますので、ネーミングライツの拡充や考え方は局内で考えながら進めていただきたいと思いました。

 それでは、所管事務調査について4項目をお伺いします。
 説明資料17ページ、旧優生保護法補償金等支給法への対応です。
 請求者と都道府県の役割を明確にした手続の流れが分かりやすいですけれども、該当者がかなり高齢になっているのではないか、申請者自身が障害をお持ちではないかと思います。今後の対応に専用相談窓口による相談受付を書いてあるのですが、いかにアウトリーチをしながら申請者に対してしっかりと情報を届けるかが課題かと思います。
 説明資料から読み取れないのですが、県としてこの申請に該当する方々を特定ないしは把握できるか伺います。

 次に、説明資料24ページの平時における新興感染症対策です。
 新興感染症対策の対策項目を6項目から13項目に拡充していくと御説明を頂きました。この中で主にリスクコミュニケーションに該当する誹謗中傷、フェイクニュースあるいは誤情報に関連して伺います。
 私は、新型コロナウイルス発生当時、市議会議員をしていたものですから、いかに正確な情報の水平展開を県ができるかが重要と思っており、当時私どもは県の情報をテレビ、新聞、ホームページで把握していました。
 ただ地元にいると、情報のスピード感やもう少し情報を開示していただきたい部分がかなりあったのを記憶しています。
 そういった中で、この対策項目別の概要の中から思うのは情報の水平展開、また迅速さを考えた中で市町との連携をどのように考えているかお伺いします。
 少し意見を申し上げたいのは、県も当然ホームページとか自前で情報を伝達するオウンドメディアを持っていると思うのですが、最近市町でもLINEがあり、そこからの情報伝達は恐らく県よりも早く水平展開できるかなと思います。そういったところと具体的に連携するのが大事かなと思うのですが、所見も含めて教えてください。

 次に、静岡県次期総合計画経営方針等(案)のこどもまんなか社会の実現で、いわゆる子供に対する目標指標が調整中と書かれていますが、ここに対して調整中とした理由、今どういった課題を感じながら指標設定をしようとしているか御答弁頂きたいと思います。

 もう一点は、こどもまんなか社会の実現の主な取組例に結婚期・妊娠期・出産期から子育て期までの切れ目のない支援と書かれているんですが、個人的な意見を言うと切れ目ない支援は1つの手法であって、もう少しこの結婚期、妊娠期、出産期でそれぞれの課題や取り組むことは特出しして書いてもらいたい気持ちがあります。
 例えば、医療提供体制の確保については、医療に対して細かくそれぞれ切れ目ないことをやっているところから特出しして書かれている印象があり、それにひもづく政策も細かく制度設計されているんだろうなと感じたので、子供に対しての取組を切れ目ない支援の一言で終わらせてもいいのか御意見を頂きたいと思います。

 最後に、社会潮流として伺いたいのですが、昨今物価上昇があり先日の国政選挙の中でも国民の可処分所得を増やそうと今、所得税の壁の撤廃などいろいろな議論がされています。
 国が今、可処分所得を上げようとしている動きですけれども、この件に対して県も市町も連動しながら動かないと正直意味はないと思っています。県の所管の中で所得要件がある補助や制度が幾つかあると思っています。いわゆる物価上昇スライド、所得上昇スライドに合わせてこれらもスライドしていく必要性がないか伺います。
 例えば、市町で言うと保育料は所得階層別に保育料金が定められていて、例えば今回の可処分所得が上がることによって上の階層に行ってしまうと、その分保育料が高くかかってしまうことが今後発生してくると思います。
 なので、国がやろうとしていることに対して県、市町の動きはやはり連動していくべきではないかと思っていますが、御所見を伺います。

○村松こども家庭課長
 旧優生保護法にかかる補償金の対象となる方の把握の状況についてです。
 まず、この旧優生保護法に基づく優生手術等を受けられた方ですけれども、平成30年に国から通知を受けて健康福祉部の本庁全課及び出先機関の全ての公文書を総点検し、個人記録と優生保護法の記載のある資料の有無を調査いたしました。
 しかしながら、法律が廃止された平成8年から20年以上たっていることもあり、優生手術を受けた個人を特定できる記録は残念ながらございませんでした。
 そのため、現時点ではこちらの対象となる方として説明資料の優生保護法に基づく手術を受けた方で一時金の支給認定を受けた14人については把握しております。
 対象となる方は高齢になられて障害を持たれていますので、この新たな補償制度への申請にきちんとつなげていくためには、障害者の支援団体もしくは障害者の施設、高齢施設といった様々な関係機関、団体に協力を仰ぎながら、また今後国が様々な広報媒体――例えば点字のパンフレットや手話の動画を作成して都道府県に提供していただくことになっているため、関係団体と協力しながら周知に努め申請につなげていきたいと考えております。

○上原感染症危機対策室長
 感染症対策における市町に対する情報提供について御回答させていただきます。
 感染症有事におきまして、感染症に関する正確な情報を迅速に提供することは非常に重要なことだと考えております。今回改定する県行動計画においては新型インフルエンザ等の発生時に市町等を通じた情報の提供、共有を円滑に行うことができるよう、あらかじめ双方向の情報共有の在り方の整理を盛り込むこととしております。
 また、来年度に今回改定する県行動計画を基に市町が行動計画を改定いたします。その際に県からの情報提供について先ほど6番委員からもお話がありましたけども、どういった連絡方法や内容が必要なのかを協議、整理し有事の際に迅速に市町に対し適切な情報提供を行えるよう準備してまいります。

○松本こども未来課長
 次期総合計画における指標としましては、現在作成を検討しているこども計画で設定する指標の中から主な指標を上げていくことを考えております。
 こども計画では、現在基本理念を実現するための数値目標として国のこども大綱の数値目標や本県の計画の基本方針を踏まえて、ウエルビーイングの視点も取り入れた数値目標を設定することを検討しております。

 また、切れ目ない支援の在り方について総合計画の経営方針の中では切れ目ない支援の一言になっておりますが、こども計画自体の施策体系の中ではライフステージを通じた施策とライフステージ別の施策を位置づけ、妊産婦から乳幼児期、また学童期、思春期といった形で成長段階に応じて必要な施策や取組を示す予定です。

○下青木経理課長
 健康福祉部による補助制度などにおける所得要件について御説明いたします。
 ただいま国会において、11月22日に閣議決定された経済対策に基づき令和6年度補正予算案などが審議されており、その中には所得の増加につながる施策も入っていると承知しております。
 健康福祉部におきましても、例えばこども医療費助成や重度障害者(児)医療費助成など医療費の自己負担分について補助を行う市町を補助する制度を持っております。
 例えば、重度障害者(児)医療費助成のように所得要件を設定しているものもございますが、国の経済対策の影響によって影響がどの程度出るのかは今のところ明確になっていないため、物価に応じたスライド制といった具体的な検討は行っておりません。
 所得が上がりますと、6番委員御指摘のとおり保育料や各給付制度における利用者負担なども変わってきまして国、県、市町の予算にも関係してくることもございますので、今後とも国の動向を注視し、どのような影響があるのか、どういった対応が必要になるのかを速やかに検討できるように準備していきたいと考えております。

○伊藤(謙)委員
 2点、意見だけ申し上げさせてください。
 新型インフルエンザに関する説明についてはよく分かりました。双方向のコミュニケーションをできる限り取っていく中に市町も含まれると表から読み取るようにします。
 ただ、その中で県からすると個人情報保護の観点からどの情報を出してどの情報を出さないといったことがあると思いますが、やはり市町が欲しい情報は県が出したい情報と乖離する可能性もあるので、うまく調整しながら市町の話も聞いていただきたいと思いますし、情報提供のスピード感も重要だと思いますので、ぜひとも今後実現するように努力してもらいたいと思いました。
 もう一点は、健康福祉部における補助制度ですけれども、所得要件が該当する事業や補助の項目はあるけれども、今後国の状況を見ますといった御答弁だったと思います。
 私は、議論自体は早いほうがいいと思っていて、やるやらないよりも今後どういう影響が出るかに関して、ぜひ内部では検討していただきたいなと思いました。

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