本会議会議録
質問文書
令和6年12月定例会文教警察委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 杉山 淳 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 12/13/2024 |
![]() | 会派名: | ふじのくに県民クラブ |
○杉山(淳)委員
分割質問方式でお願いいたします。
まず、冤罪防止について本会議の自民改革会議の大石健司議員の質問に関連して質問させていただきます。
再審無罪判決を受けた今後の犯罪捜査の在り方についての質問に対する警察本部長の答弁は、袴田事件中心で今後の捜査の在り方の答弁としては触れ方が弱かったと感じました。
先ほどの8番、9番委員の質問にあったことを外して質問させていただきますけれども、まず事実確認の内容として3点の捏造としていますが具体に3点について――細かく言えば何点にもなると思いますが――中身を教えてください。
2番目に、再審請求が出ている事件について今後どう対処されるのか伺います。
再審開始にはなっておらずまだ無罪判決も出ていませんが、袴田事件同様再調査すべき事件があるのではないでしょうか。
具体的には、テレビのドラマや特集番組で放送された2001年の御殿場少年事件の再審請求で犯行日が変わる訴因変更がなされた裁判です。犯人とされた4人は否認していてこの事件については最近共同通信発信で最新の特集記事になっています。
もう1つが、2008年の天竜林業高校のいわゆる成績改ざん事件。元市長が贈賄を認めたため70万円の罰金刑になり、一方収賄側の北川元校長は否認をし続けたため345日間勾留された後否認のまま有罪になっています。贈賄側の市長も罰金刑確定後、現金を渡していないと否認に転じており北川元校長本人は教育委員会に再捜査を求めています。
3番目として、犯人とされている方が否認している事件についてもぜひ再調査してほしいと思いますが、どのように対処していくのか伺います。
4番目として、昔の事件と言ってもこの事件を契機に静岡県警の信頼は揺らいでいますし、今私が言いましたように2001年にもあったし2008年にもあるわけで、信頼回復に向けてどのような対応をしていくのか伺います。
○平井刑事部長
まず初めに、今回の再審無罪判決の指摘の中で確認すべき具体的な項目についてお答えいたします。
指摘のあった3つの捏造については、取調べに関すること、5点の衣類を捜査機関が捏造したということ、5点の衣類の中のズボンの共布の端ぎれについても捏造したという3点の捏造が言われております。
そのほかに、先ほど指摘されていない事項についても事実確認をしていると申し上げましたが、それについては5点の衣類に関するカラー写真のネガフィルムなどが長年にわたり発見されなかったことなどについて事実確認を進めております。
2点目の再審請求がなされている事件についてどう対処していくのかの御質問にお答えいたします。
前提となる事項について御説明させていただきますと、再審請求はその判決をした裁判所が扱うことになっております。再審請求がなされると当該裁判所は請求した者とその相手方との意見を聞いてその開始を決定するか否かの判断をすることになりますが、その審理は原則として公開の裁判ではなく裁判官、検察官、弁護人の法曹三者間における審理となります。
したがって、再審請求の審理において警察は原則として当事者にはなり得ず基本的に審議の内容を知り得ない立場となりますので、検察庁などから特に事実確認等の要請がなされた場合などに例外的に対応する場合はありますが、警察が再審請求の審理に主体的に関与することはありません。
また、10番委員御指摘の2つの事件についてはそれぞれ以前にもこの委員会で10番委員から御質問があって取り上げられておりますので内容については承知しておりますけれども、具体的にこれに対して個別にどのように対応しているかは、申し訳ございませんけれども個別の案件ですのでお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
最後に、信頼回復に向けた対応については先ほど来出ておりますけれども、再審無罪判決を踏まえて県警として実施し得る方法で現在事実確認を行っております。今後一層適正捜査の推進に資するように教訓としてまいりたいと考えております。
○杉山(淳)委員
私の言葉が足りなかったのですみません。今2番目、3番目の質問をまとめて答弁頂き分かりました。4番目はその他で信頼回復に向けてというのは、別にこの冤罪事件じゃなくて警察全体として信頼回復に向けて考えていることがあったらお伺いしたいという質問でした。再質問させていただきます。
○平井刑事部長
適正捜査につきましては、この事件に限らず様々な事件で問題となる部分がありまして、そういった事件を分析しますと教訓とするものが多々ございます。今までそういったことを教訓にして制度や運用の改善が重ねられてきておりますけれども、適正化についてこれからも不断に取り組んで努力していきたいと考えております。
○杉山(淳)委員
平井刑事部長が答える話ではなくて、警察全体として信頼回復に向けて取り組んでいることや心がけていることがあったら教えてくださいという趣旨の質問です。適正捜査については分かりましたので、それ以外に警察全体で信頼回復に向けて実施しようとしているものがあったらお聞かせください。
○津田警察本部長
私は、着任の際の記者会見等で警察本部長として様々な課題に真摯に取り組み警察組織全体として全員で成果を出すと申し上げてきております。この着任時の思いを引き続き胸に秘め、私のテーマとして今後取り組んでいきたいと思っております。
○杉山(淳)委員
分かりました。
次に、道路標識の変更に当たっての手続や条件についてお伺いします。
静岡南警察署交通課と静岡市大谷・小鹿まちづくり推進課と私とで、私の地元の駿河区の恩田原・片山区画整理地区の交通標識変更のこれまでの経過、今後の連携について意見交換させていただきました。
今までこのような場がなくて情報交換が足りなかったことをみんなで確認しました。
その後11月に入り、当該交差点は左側だけしか一旦停止の標識がなかったのですが右側にも新たに一旦停止の標識ができまして、私たちの思いどおりに元に戻すことはせず、ここはもう一旦停止するんだという強い意志を感じたところです。
今回の事例は、道路工事や企業の進出が大幅に遅れている区画整理事業において優先道路変更の交通規制だけを当初の予定どおり行ってしまい優先道路となる道路が開通しておらず途中で切れている状態で交通量が極端に少ないのに優先道路にしたため事故がたくさん発生したというものです。
本来、事故を減らすために一旦停止の標識などがあるのにかえって事故が増えてしまった事例なので、交通量についてもぜひ確認してから標識の変更、特にこのような一旦停止を変更するべきだと思います。
以前の答弁では道路の形式などにこだわっていたと思いますが、交通量についてはどのような配慮がなされているのか伺います。
○永沢交通規制課長
恩田原地区の一時停止規制の考え方についてお答え申し上げます。
当該交差点の交通量に関しては、区画整理された場所で今後工場や施設などの建設が進むことが想定されており、そうしたものが進めば主道路の交通量がさらに増えることが予測されております。こうした事情を鑑みまして現状、一時停止規制を見直す合理性は認められないため、現在の規制としているところであります。
また、一時停止の規制を設置する目的といたしましては、交差点通行の優先順位を明確にし交通事故防止を図ることが目的であります。本交差点においては重大事故の発生がありましたことから、その発生を抑止するために県警といたしましては道路管理者とさらなる安全対策について検討し、一時停止標識の増設などの対応を行ったところであります。
○杉山(淳)委員
将来は分かりますが大幅に遅れています。恐らくまだ遅れます。ですから交通量の配慮は必要だと思うし、工事が2年、3年遅れているのに一時停止の規制は当初の計画どおりに行うのはやり過ぎだと思います。ここは要望にとどめておきます。
次に、県内の信号機の老朽化対策についてお伺いします。
今年の11月13日、富士市の県道交差点で高さ8メートルの信号機の柱が地上5メートルの部分で折れ道路を塞いだと報道がありました。また今年7月にも、静岡市葵区の市道で信号機の柱が折れ反対側の車線を走っていた車と衝突する事故がありました。
2つの事故でけが人が出なかったことはよかったのですが一歩間違えば人命に関わる事件だったと思います。
県内には非常に多くの信号機が設置されていますが、現在の信号機の柱の老朽化の状況、また県警察はこれらの倒壊の原因をどのように考えているのか、さらに倒壊したこの事案を踏まえた信号機の柱の更新や点検等再発防止の対策について伺います。
○永沢交通規制課長
県内における信号柱老朽化の現状についてでありますが、現在県内には約6,800か所の信号交差点に約2万6000本の信号柱が設置されております。信号柱については本県においてはコンクリート柱が製造後42年を経過したもの、鋼管柱については製造後約50年を経過したものを耐用年数の目安としておりますが、県内において約4割の信号柱が耐用年数の目安となるこの年数を超過しているところであります。
次に、信号柱倒壊の原因についてでありますが、11月の信号柱が倒壊した原因については調査中でありますが、7月に倒壊した信号柱については製造業者から老朽化によって生じたコンクリート柱のひび割れに雨水等が浸入したことによって内部鉄筋の腐食が進行し破断したことによって柱の強度が低下して信号灯器等の荷重に耐え切れず折損したと報告を受けております。
これを踏まえた再発防止についてですけれども、信号柱は設置された環境や負荷によって老朽化の進行が大きく異なります。ですから年1回実施してまいりました保守点検を踏まえて的確に更新することが非常に重要であり、信号柱の倒壊を受け信号業者による点検の強化を指示徹底したところであります。
今後とも信号柱の倒壊事案の絶無を期すために、引き続き的確な保守点検を徹底してまいります。
また、信号機等交通安全施設を適切に維持管理、更新していくためには中長期的な更新計画を策定した上で必要な予算及び体制の確保に努めるとともに、現場の交通実態に適合しない交通規制を見直し必要性が低下した信号機を撤去することによって信号柱の総量の抑制に努めてまいりたいと考えております。
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