• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和6年2月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:天野 一 議員
質疑・質問日:03/07/2024
会派名:自民改革会議


○天野(一)委員
 分割質問方式で2点質問します。
 1つは、7番委員からも質問がありましたが、逢初川土石流災害に係る行政対応について、法律的には過ちを犯していないけれども、結果としてあのような事故が起こったことについての県の責任をどう考えているか伺います。

○村松くらし・環境部参事(生活環境・安全担当)
 くらし・環境部で所管しているのは廃棄物処理法ですが、廃棄物処理法の中でできることできないことをまず検証し、その中で何をしたか、やるべきことをやったか、やったことに不足はなかったかの検証をしています。
 法で与えられた裁量の中でやるべきことができていなかったという検証結果であれば、責任があったという結論になる可能性はあると考えております。

○天野(一)委員
 私は、法律的な答えを求めているのではありません。
 一つ一つのことについては誤りはなかったかもしれないけれども、総合的に見てこのような結果になったことについての責任を県はどう考えているか、はっきりと県民に表すべきだと思います。その点についてどう考えていますか。

○光信くらし・環境部理事(水資源担当)
 災害発生から2年以上が経過していますが、あれだけの大きな災害が起き、貴い生命が失われたことに対して、県職員一同心より反省しているところでございます。
 今回、議会の皆様からの御指摘を受けて再度検証を行い、法律的にどうかという観点からも反省をしております。
 熱海の土石流災害を今後の県政にどう生かしていくかが県民の皆様への回答になるのではないかと考え、しっかり取り組んでいきたいと考えております。

○天野(一)委員
 結果としてこういった不幸なことが起こったわけですから、法律的な行政の失敗はなかったかもしれないけれども、県知事がしっかり県民に謝ることが大変重要ではないかと思いますので、要望しておきます。

 次に、盛土の規制について伺います。
 盛土の規制に関する国の法律ができましたが、県の盛土条例については、今いろいろな業界から経済的なことなどに関する問題が指摘されています。
 国の法律と県の条例との違いについて説明願います。

○望月盛土対策課長
 盛土規制法は、宅地造成等規制法――旧宅造法といいますが――それを抜本的に改正し、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制するものです。
 一方、県の盛土条例は、災害防止のみならず生活環境の保全も目的としており、この点が大きく違うところでございます。
 旧宅造法につきましては、もともと土地の形質変更を規制の対象としていましたが、改正により一時的な堆積も対象に加えられました。また土地所有者等の同意の取得や周辺住民への周知も加わったところでございます。
 法は規制区域を指定した上で規制していくのに対して、盛土条例は県下全域となっております。
 また罰則については、県条例は自治法の限界である懲役2年以下、罰金100万円以下となっておりますが、盛土規制法では懲役3年以下、罰金1000万円以下となっております。
 各業界からいろいろな御意見を頂いております。特に環境の分析調査費が高いという御指摘があります。それにつきましては、今特別委員会で議論をしておりまして、最大限緩和する方向で考えたいと思っております。

○天野(一)委員
 こうした条例によって、経済がストップしたり、業界が失速状況になることもあります。そういったことも含めて、特別委員会の議論を経て、適正な形の条例に変更してほしいと強く要望しておきます。

 次に、リニア中央新幹線静岡工区に係る動きについて伺います。
 県がJRに申し入れるときには、流域10市町の要望も踏まえていたと思いますが、今の状況を見ますと、県は流域市町の意見を十分把握しないで、しかも流域市町にはJR東海と議論することを止めてまとめ役をしていたにもかかわらず、県単独で動き、県と流域10市町はばらばらのような形になっています。このことについて県の見解を求めます。

○太田水資源課長
 考え方や認識に違いがあると報道されていることは承知しております。流域各市町から具体的な意見は聞いておりませんので、今後確認してまいりたいと考えております。

○天野(一)委員
 私は、県と流域市町が胸襟を開いて何が問題なのか意見交換するべきで、県が独走するのではなく、流域市町の環境と水の問題をよく聞いた上でJRと議論するのが本来の県の役目ではないかと思う。問題がこじれているのは、県が流域市町とそういった意見交換をしていないからではないか。
 その点を早急にやるべきだと思いますが、県の見解を伺います。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 県とJR東海の対話につきましては、2番委員御指摘のとおり、流域市町や利水者の方々の意見を踏まえて行うべきものと考えております。
 過去には、10市町の首長と知事との意見交換会、あるいは副知事との意見交換会を行っていますが、確かに最近は間が空いています。
 認識の違いがなぜ起こるかというと、意思の疎通が十分でないとか情報の共有ができていないことに基づくと思います。10市町や利水者の方々と意見交換できる場を設けて、認識の共有を図っていきたいと考えております。

○天野(一)委員
 ぜひお互いに意見交換して、意思の疎通を図っていただきたいと思います。
 万機公論に決すべしと知事はいつも言っていますが、現実と言っていることが違い過ぎるので、ぜひそういった問題を具体的に知事と話してもらいたいと要望しておきます。

 これで質問を終わりますが、高畑くらし・環境部長、宮崎くらし・環境部南アルプス自然保護担当参事、伊藤くらし・環境部自然共生担当参事、以上3名の方が今年度末で60歳の節目を迎え、現在の役職を終えられると伺っております。
 その3名の方々を紹介し、一言ずつ後輩へのアドバイスや県庁での感想などをお話し頂ければありがたいと思っております。
 まず最初に、高畑英治くらし・環境部長におかれましては、商工部の工業課を皮切りに、企画広報部のエネルギー政策課長、知事直轄組織の知事戦略課長、知事戦略局長を経て、くらし・環境部において部長代理、部長を歴任されました。
 くらし・環境部におかれましては、リニア中央新幹線静岡工区に関し、諸般の課題解決に向けて、利水関係者や流域市町など関係者との調整、JR東海との対話に真摯かつ丁寧に向き合ってこられました。
 そして、熱海の土石流災害を発端とした盛土対策では、県民の生命や財産を守るため盛土条例の施行とともに、盛り土110番の開設など監視体制の強化にも取り組まれました。
 次に、移住・定住施策に関しては、コロナ禍を契機とした人の流れの変化を捉え、きめ細かな受入れ体制等の構築に尽力され、移住希望地ランキングでは4年連続第1位というすばらしい実績を残されました。
 また、男女共同参画や女性活躍にも高い見識を持たれ、女性活躍加速化フォーラムの開催など様々な政策を推し進めるとともに、多様な性の在り方の県民理解の促進等のため、県パートナーシップ宣誓制度の実施などにも取り組まれました。
 さらに、今年元旦に起きました能登半島地震の際には、被災建築物応急危険度判定や仮設住宅建設支援の職員派遣を迅速に進めたほか、静岡県の県営住宅に避難された被災者が生活に困ることがないようしっかり配慮することを部下に伝えるなど的確な陣頭指揮を執られました。
 このように、県民の暮らしに直結する課題に強いリーダーシップを発揮され、多大な貢献をされてきました。
 高畑部長に心から敬意と感謝を表したいと思います。ありがとうございました。
 それでは、一言よろしくお願いします。

○高畑くらし・環境部長
 2番委員には、身に余るお言葉を頂きありがとうございます。また発言の機会も頂き誠にありがとうございます。
 危機管理くらし環境委員会の委員の先生方には大変お世話になりました。ありがとうございました。施策、事業を進める上で、県議会の先生方から御指摘、御助言を頂くこと、意見交換をさせていただくことの重要性を感じながら仕事ができたことは大変貴重な経験でした。先生方とのやり取りなどを通じて職員が成長する様子もうかがえるように思います。引き続き御指導のほどよろしくお願いいたします。
 私が仕事を始めた頃には、物の豊かさから心の豊かさへですとか、ゆとりと豊かさといった言葉が時代の趨勢を表す言葉としてよく使われていたように思います。社会経済環境が変化しても、私たちの社会は物も心も共に豊かに暮らせる社会であってほしいと思いながら仕事をしてきました。
 委員会の審査の中でも取り上げていただきましたが、本県は移住希望地ランキングで4年連続1位を取ることができました。実際に移住して来られた方に豊かだと感じていただける地域、そしてもちろん本県で暮らしている方にとっても豊かさを感じられる地域であってほしいと思っています。
 高齢化やデジタル化、国内外との交流などが進む中、豊かさを感じられるには安心して暮らすことができる社会であることが一層求められるようになると思います。安心や可能性が得られる環境を整え、人々の暮らしを下支えする施策を担うくらし・環境部の役割は、今後一層重要になると思います。ぜひ先生方には引き続きの御支援をよろしくお願いしたいと思います。
 これまで、様々な課題を抱える仕事に就いてまいりましたが、今思いますと、そうした仕事、役割を与え続けていただきありがたいことでもあったと思います。そして何より、それぞれの職場で周囲の方々に恵まれたこと、見習いたいと思わせてくれる方がいたことも大変ありがたいことでした。管理職になってからは、職員がみんな本当に誠実に仕事に向き合ってくれていることを実感することができました。課題も指摘されていますが、よい組織で働かせてもらえたと思っております。
 後輩の皆さんには、県民の皆様の信頼を得て仕事をし、かつ活躍されることを期待したいと思います。
 重ねてになりますが、先生方には何分御指導をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)

○天野(一)委員
 次に、宮崎和之くらし・環境部参事について御紹介します。
 林業職として富士農林事務所を皮切りに、経済産業部の森林整備課技監、志太農林事務所長、農山村整備部長、森林保全課長を歴任され、令和4年度からはくらし・環境部の南アルプス自然保護担当参事として御活躍されました。
 経済産業部では、熱海市の土石流災害や伊東市、函南町のメガソーラー開発にかかる林地開発許可について法令等にのっとり適正に手続を進めながらも、その温厚な人柄で関係者の立場を考え、一つ一つ誠意を持って対応されたと伺っております。
 くらし・環境部では、リニア中央新幹線の整備と南アルプスの自然環境の保全の両立を図るため、国や生物多様性専門部会の専門家の皆様、JR東海と綿密な調整を行い、課題解決に向け尽力されました。
 常に真摯な姿勢で本県の森林・林業、そして環境行政に貢献されましたことに心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、一言よろしくお願いします。

○宮崎くらし・環境部参事(南アルプス自然保護担当)
 くらし・環境部参事の宮崎でございます。身に余る御紹介を頂き本当にありがとうございます。先生方にはこの1年いろいろと御指導、御鞭撻を頂き本当にありがとうございました。
 私は、林業の技術職として昭和61年から38年間勤務させていただきました。林業は森林土木関係、林業・木材産業の振興、そして環境政策と分野が大きく3つに分かれております。私は、最後はこのくらし・環境部でしたが、3分野を一通り経験させていただきました。
 思い出をお話しさせていただきますと、森林土木の関係では、林業の振興のために林道を造りました。今は測量や設計は全部外注ですが、当時は問題があると自力でゼロから計画し、路線選定、測量、設計、積算、発注、監督も幾度となく経験させていただきました。その経験が市町村の林道災害の指導に当たった際にも迅速な対応につながったと考えております。後輩にはなかなかそうした機会がないのですが、現場の技術を経験し力をつけ、災害対応等に役立てていただければと思います。
 林業・木材産業の関係は、私が入庁した昭和60年前後は国内の森林はまだ植えて育てるのが主という状況でした。外材の輸入に頼り、そこから供給されて需要が賄われていましたが、平成11年に私が木材関係の業務についたときには、国産材、県産材の約8割が柱材や住宅資材として使えるように蓄積がたまってきた時期でございました。
 あわせて、当時地球温暖化対策が叫ばれ始め、森林の二酸化炭素の吸収源や木材の炭素の固定といった機能――カーボンニュートラルの取組が注目され始めた時期でした。その中で大きな転換があり、今までは外材に頼ってきたが、今後は国産材を使う方向にしようとなり、それは未知の世界でした。新しい需要を掘り起こすとなりますと、作るだけ、育てるだけでなく、製材して流通して住宅までと非常に裾野が広く、住宅メーカーや工務店に情報をお聞きしながら、また関連業界とも話しながら仕組みをつくっていく必要がありました。先生方の御協力も頂きながら、全国に先駆けて、県産材証明制度などの認証制度から住宅助成制度までの一連の流れ、仕組みをつくりました。それは今も引き継がれており、国の政策にも反映されるなど非常に充実した時期だったと思います。
 環境政策につきましては、先ほど2番委員から過分な御紹介を頂きましたので割愛させていただきますが、緊張感を持ってやらせていただきました。
 結びに当たり、38年間県議会の先生方をはじめ、上司、同僚、後輩にお世話になりながら何とか過ごすことができたことに非常に感謝しております。
 また、林業の技術職として、環境政策とともに林業政策についても先生方の御支援、御尽力を頂ければと思っております。よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。(拍手)

○天野(一)委員
 次に、伊藤晃くらし・環境部参事について御紹介します。
 林業職として県庁に奉職し、中部農林事務所を皮切りに、経済産業部の林業振興課長、賀茂農林事務所長、政策管理局技監兼農林技術研究所森林・林業研究センター長を歴任され、令和4年度からはくらし・環境部の自然共生担当参事として御活躍されました。
 経済産業部では、東京オリンピック・パラリンピック関連施設への木材の提供や、カーボンニュートラルの実現に向けた早生樹の育成に関する研究の立ち上げなど、新たな課題の解決に向け尽力されたと伺っております。
 くらし・環境部では、県民と自然との触れ合いや芝生文化創造プロジェクトの推進、ニホンジカをはじめとする自然保護対策などに取り組まれました。現場で何が問題となっているのか、関係者は何を望んでいるのかを常に心がけ、的確な判断を下されてきました。
 このように、実直かつ熱心に本県の森林・林業、環境行政に貢献されたことに心から敬意と感謝を申し上げます。ありがとうございました。
 一言よろしくお願いします。

○伊藤くらし・環境部参事(自然共生担当)
 ありがとうございます。2番委員から身に余るねぎらいの言葉を頂き感謝申し上げます。
 私は、昭和63年度に林業技術職員として採用され、宮崎くらし・環境部参事と同じように林業振興のソフト事業、治山事業などのハード事業とともに環境政策の業務に携わりました。
 くらし・環境部関係の事業としては、若い頃、富士市の育種場に勤務し、杉、ヒノキの緑化木の生産を行いました。その頃、富士山の植生復元のため、富士山特有の高山植物を植栽する取組が始まり、富士山からフジアザミやバッコヤナギの種子を採取し、苗木を育て、県民の皆様と御殿場口で植栽活動を行いました。
 昨年6月、30年ぶりに植栽場所を訪れ、フジアザミやバッコヤナギがしっかり大地に根づき、富士山の緑化が進んだ反面、森林ではニホンジカの食害が見られました。時代の流れに即した環境対策が必要だと実感しました。
 また、平成16年に開園した静岡市内にある遊木の森では、開園時に入り口の門柱や看板、園内の遊歩道などの工事を担当しました。開園時には多くの子供などが訪れ、里山を楽しく利用していただいたことを思い出します。今でも静岡近郊に残されている里山として、地元の子供たちや県民など年間2万人以上が訪れる場所になっています。整備した施設が時代とともに自然環境にマッチし、自然を生かす配慮に重要性を感じております。
 最近では、森林・林業研究センターでニホンジカなどの研究に携わり、環境局に来てからも動植物に関する多くの知見を得ることができました。特に伊豆半島などのニホンジカ対策は、委員の皆様の強力な支援を頂き、他県より早く管理捕獲に取り組むことができたことから、伊豆半島ではニホンジカの生息頭数がピーク時と比較して4割減少しております。
 しかし、本日の土屋委員の御意見のとおり、この取組は継続しないと一気に増加に転じます。今年北海道庁に聞いたところ、エゾジカの捕獲を進めていたが、1年間捕獲圧を緩めたところ一気に生息頭数が増加し、その後減少傾向になっていないそうです。このことから、本県の管理捕獲が継続的に行われるよう委員の皆様の御理解、御支援を頂きたいと思います。
 いずれの職場でも、時代の流れを捉え、自然の状況を把握し、自然との共生を目指すことが重要と感じております。
 36年の長きにわたり、大過なく今日まで勤め上げることができましたのも、委員の皆さんをはじめ、上司の導きや同僚の支えがあったからこそと感謝申し上げます。
 最後に、県議会の先生方に様々な場面で御支援、御指導を賜りましたことを改めて感謝申し上げます。長い間、本当にありがとうございました。(拍手)

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp