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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和元年6月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:小長井 由雄 議員
質疑・質問日:07/02/2019
会派名:ふじのくに県民クラブ


○深澤委員長
 休憩前に引き続いて、委員会を再開いたします。
 質疑等を継続します。
 では、発言を願います。

○小長井委員
 私は、分割質問方式で2点お伺いいたします。
 1つは、山梨県と合同で5月に行われました、山梨県内、富士川支流早川等の濁り等の調査についてであります。これはサクラエビの不漁に起因しての調査だと思いますが、それと関連して上流でのリニアの水の問題も取り上げさせていただきたいと思います。そしてもう1点はリニア中央新幹線の中間意見書についてお伺いをさせていただきます。
 まず、山梨県内、富士川支流早川等の濁り等の調査についてであります。この5月に3回ほど調査を行っております。サクラエビの問題もあって、私も独自に専門家にお願いをして調査をさせていただきました。そのことも踏まえてお伺いをさせていただきたいと思います。
 まず、経済産業部水産業局水産資源課、くらし・環境部環境局生活環境課、山梨県森林環境部大気水質保全課の合同調査の目的についてお聞かせをいただきたいと思います。

○鈴木生活環境課長
 この調査は、早川や富士川本流の濁りの状況を把握するための調査でございます。

○小長井委員
 濁りの調査ということは、もとはといえばサクラエビの不漁と関係してくるのではないか。そのために経済産業部が入ったりしているものですから、その辺の認識を経済産業部とも多分共通して持っているのではないかなと思います。
 それと他県との合同調査、余り聞かないです。今回は山梨県との合同調査ですけど、こういった調査をこれまでになされたことはありますか。

○鈴木生活環境課長
 過去に他県との合同調査があったかどうかにつきましては、承知しておりません。

○小長井委員
 それでは次に、こういった水質調査をするということは、先ほど濁りの調査ということでございましたけれども、何らかの仮説を立てて、その仮説が正しいかどうかを実証することで調査をしていくのが普通ではないか――理科の実験などもそうなんですけど――と考えますけれども、今回どのような仮説を立てて調査を始めたのかお聞かせください。

○鈴木生活環境課長
 今回の調査は、濁りの状況を把握するために一定期間にわたる水質データの収集を目的としておりますことから、何らかの仮説を持って調査に臨んでいるものではございません。

○小長井委員
 なかなか大ざっぱなお答えかなと思うわけですけれども、この調査を見ると雨畑ダムの取水口から始まって早川が富士川へ合流していると。そういう調査を進めているということで、くらし・環境部としてはなかなか言えない、お答えとしてならないかもしれませんけれども、サクラエビの不漁の原因を探るのが多分一番大きな目的ではないかなと思います。そのために考えられるのは、この調査地点、全部で14カ所でやっているわけですけれども、私はこの中で抜けている部分もあるのではないかなと思います。
 それは、雨畑ダムから取水した水が導水管を通って、何度かの混水をして清水区の会社の発電で排水、放水口に来ているわけですね、日本軽金属の。そうしますと、最終的にはそこの放水口も調査地点として入れるべきではないかなと考えるわけです。放水口が調査地点として入っていないようですけれども、理由をお聞かせください。

○鈴木生活環境課長
 現在は、早川等の濁りで全部で15地点、5月から7月まで調査を継続している途中でございまして、7月までに収集したデータの検証結果を踏まえて今後の取り扱い等については検討してまいりたいと考えております。

○小長井委員
 調査も始まったばかりでございますけれども、これまでの中間速報値ということで公表されております3回の調査――6月もやっているのでしょうか――この調査の評価と、それについてどのような御見解をお持ちかお聞かせをいただきたいと思います。

○鈴木生活環境課長
 現在まで、浮遊物質量であるとかペーハー、透明度等は6回調査を行っておりまして、浮遊物質量が高い数値を示した回もございますが、降雨等の影響で一時的に高い数値を示すこともございます。先ほども申し上げましたけれども7月まで調査を継続して、その全体の調査結果を踏まえて検証してまいりたいということでございます。

○小長井委員
 濁りの調査について、水がどんなふうに流れていくかが非常に重要なことだと思うんです。調査地点では今、最終的な放水口のことも申し上げましたけれども、その水の流れをしっかりつかんでいかなければならないと思うんです。県のほうの調査地点の位置の図面を見ますと非常にわかりにくい。特に濁りがひどいという雨畑ダムから取水した水がどんなふうに流れていくかが非常に問題になるのではないかなと思います。
 簡単にお話しをさせていただくと、雨畑ダムで取水された水が導水管に入る。その後角瀬の発電所の下流で早川へ一旦放流されますよね。放流された後、身延山の七面山から流れてくる春木川と合流して薄まるというか水が混入するわけですね。その後槫坪堰堤でまた導水管に入る。それで途中で、今度は田代ダムからの水と混入するわけですね。田代ダムはもちろん大井川の水系から来ている水でございまして、早川の水とは違う大井川水系からの水とも混入する。その後、波木井堰堤や富士川中流の塩之沢堰堤からの水、そして富士川支流の佐野川の水が混入する。最終的に十島堰堤の水も混入されて、その後導水管によって蒲原まで送水されて駿河湾に放出される流れになっていると思うんです。
 つまり、雨畑ダムで非常に汚れた水が、途中7カ所で他の水が混入して薄められてきていると思います。先ほど言いました春木川の水との混入も入れると8種類の水が混入されて駿河湾に放流されているわけです。これは駿河湾への放流、先ほど日軽金の放出口の調査地点は今後検討するというお答えだったと思うんですけれども、実はことしの1月から3月にかけて経済産業部水産業局水産資源課で調査をやっていますよね。この調査を見ると日軽金の放水口、放水路でも調査をしていまして、7カ所、8カ所の水が混入しているにもかかわらず、こちらの調査を見ると先ほど言いましたSS――浮遊物質の値が非常に高いものになっています。もともとの雨畑ダムから取水した水が1,600ミリグラムという数字がたしか県のほうの調査で出ていたと思いますので、7カ所、8種類の水が混入したとしてもかなり汚れたものが来ていると思います。
 こういったことから、やはり濁りを調査するとなるとこの日軽金の放水口での調査は早急に始めなければいけない問題ではないかと、それでないとなかなか全体の濁りの状況がわからないと考えますが、再度、この調査地点を早急に追加して調査することについての考えをお聞かせください。

○鈴木生活環境課長
 水質調査につきまして、水産業局と連携して検討してまいりたいと考えております。

○小長井委員
 なるべく早く始めたほうが正確なものが出てくるんじゃないかなと考えますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。

 次に、この合同調査に対する山梨県の評価と問題点についてお伺いしたいと思います。
 本会議でも質問があったかと思いますが、報道によりますと山梨県の幹部の発言として、静岡県には濁った水は流しておりませんとか、あるいは富士川本流で濁りがなかったのでほっとしているとあったと思いますが、この発言に対する御認識をお聞かせいただきたいと思います。

○鈴木生活環境課長
 先ほどの民間企業の導水管の早川における取水口の付近での濁りの値は決して低い値ではございません。そういった状況も見られますので、今後もその点に注視しながら、山梨県との合同調査を継続してまいりたいと考えております。

○小長井委員
 この発言は、多分富士川の県境部での濁水調査ですよね。多分この調査地点の14番、富士川県境を取り上げて発言されたものではないかなと思います。この値を見ると、SS――懸濁物質が3.0、富士川の基準が25でございますので、確かにここの部分では汚れていないですが、先ほど申し上げましたように、雨畑ダムからの水が富士川の本流に一部入ったとしても、そのほとんどは導水管を通って駿河湾に流れ込んでいる現実があるわけでございます。山梨県側にもそういった現実をしっかりと把握してもらい認識を改めていただくようにお願いをしていただきたいとお願いをしておきます。

 次に、この調査から推測をされます駿河湾へ注がれる濁水の広がりについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 くらし・環境部でサクラエビという話を出すと答えにくいでしょうけれども、サクラエビにどのような影響があるか非常に関係があると思いますので、富士川、早川から流れ出る水の駿河湾への広がりについて伺いたいと思います。
 この日軽金の放水口の汚れと、それから反対側、富士川を挟んだ東側と西側の汚れについては非常に違った条件、富士川断層があると聞いております。
 富士川断層は、ほぼ富士川の右岸側をずっと来ているような断層だと思いますが、この断層は、この2万年の間に西側、つまり静岡側が隆起して沼津側――東側が沈下しているようでございます。ここはこの2万年の間に火山流が流れて、火山岩の地層が重なり合っている断層でございまして、この隆起と沈下によって東側は火山岩が120から150ぐらい海底にあると。西側の静岡側は隆起をして、積もった火山岩が波に洗われて非常に少なくなっている状況の地層のようでございます。この地層からは富士川の伏流水がその割れ目を通って吹き出してきている状況のようで、例えば白糸の滝なんかを見ますと滝の3分の1ぐらいからは水が吹き出てくるわけですけど、それも火山岩の割れ目のすき間から流れてくる。ああいった状況が海底にあるようでございます。
 産業技術総合研究所の資料を見ますと、東側は沈下したことによって火山の割れ目が120から150メートルぐらいの地点でその水の吹き出しが見られると。これはいろんな調査をやったようですけれど、その深いところから吹き出していると。西側は隆起しているから水の吹き出し口がかなり浅いところ、20メートルぐらいのところにあったということでございますが、現在はほとんど吹き出していないと。というのはなぜかというと、さっき言いましたように雨畑ダムから来た汚れ、泥のようなものが放水をされて、その吹き出し口を埋めたと言われております。
 一方、東側ですけれども、これは確かに富士川の濁流氾濫で砂利とか、泥とか、砂とか流れてきてはいるんですけれども、沈下したことによって火山の水の吹き出し口がかなり深いところ、120から150メートルぐらいなものですから、まだそこは塞がれていないと。この部分は富士川断層を挟んで東と西で大きな差があるということで、今駿河湾に注がれる汚れ、濁り、そのことに非常に影響しているのではないかなと。一面的に富士川の流れだけ見ても濁りの状況がつかめない状況だと思いますが、そのことについてどのようにお考えかお聞かせください。

○鈴木生活環境課長
 海底堆積物につきましては、今後研究してまいりたいと思っています。

○小長井委員
 サクラエビのことから言うと、東側は深いところにあるものですから、真水が出てくるとそこに植物プランクトンが出て、それを食べに動物プランクトンが来ると。その動物プランクトンを狙ってサクラエビが来るようですけれども、百数十メートルというと非常に深くて光が入らないからなかなかそこまでは行かないと。ところが西側は20メートル前後なものですから光も入りプランクトンも繁殖していたと。したがってサクラエビの産卵場所であったようですけれど、先ほど申し上げましたように堆積物、泥でその水の噴出口が覆われてしまって今は出なくなっていると予測しているということでございます。
 そのことから、今後県の調査の方向ですけれども、今もお答えをいただきましたが海底の堆積物の調査が非常に重要ではないかなと思います。今後これを検討していくということですけれど、早急にやる必要があると思うんです。濁りで駿河湾にどういう影響があったかという点から見て、その辺のところをもう一度お聞かせください。

○鈴木生活環境課長
 繰り返しになりますが、今後の水質調査の結果を踏まえ、水産業局と連携して今後の方向については検討してまいりたいと考えています。

○小長井委員
 富士川断層の東と西側の堆積物の調査は、東側は先ほどお話しさせていただきましたけど、火山岩があるということで火山性のものが含まれる。雨畑ダムから導水管を通ってほぼ直接来た部分ては火山性のものはほとんどないということで、調査すればどこの由来のものかはわかるようですので、この点については早急に取り組んでいただきたいと。もちろん経済産業部と連携をとってということになろうかと思いますが、早急に調査をしていただきたいと思います。

 次に、リニア中央新幹線工事による河川汚濁の影響でございます。リニア中央新幹線の工事は早川の上流では既に始まっているということですが、この工事の汚濁が富士川に与える影響についてはどのような認識をお持ちかお聞かせください。

○鈴木生活環境課長
 現状では、富士川の濁りとリニア工事の因果関係を示すものはないと考えております。山梨県と合同で調査しております水質調査の結果を取りまとめて、検証していく過程で慎重に見きわめたいと考えております。

○小長井委員
 現状ではないということでございますが、私が今回専門家に依頼した調査では、早川上流のリニア中央新幹線の第4南巨摩トンネル早川東非常口に泥水処理プラントがございまして、この放水口の下流100メートル付近でSS――懸濁物質、浮遊物質をはかってもらったところ35ミリグラムと、環境基準の25ミリを上回っている数字が出ております。また透視度――水の澄みぐあいは10.5センチメートルでした。この泥水処理のプラントの上流1.5キロの部分でも調査をしていただきましたけれども、ここでは透視度が87センチメートルと非常に澄んでいることから、リニア中央新幹線の工事がこの早川の水質に影響を与えていることが確認できたと私は思っております。これは私がした調査でございますが、こういった結果をどのように受けとめていただけますでしょうか。

○鈴木生活環境課長
 JR東海は、本県の環境保全連絡会議の専門部会で工事の排水は濁水処理施設を設置して浮遊物質等を環境基準内に低減させると説明しておりまして、山梨県においても同様に実施されると認識しております。
 専門部会では、委員からJR東海に対して9番委員がおっしゃっていたのと同様の指摘がなされておりまして、このときJR東海からは、濁水を適切に処理していますという話だけでは納得がいかれないと思うので処理した水がどうなっていくかをお示しできる形にしていきたいという説明を受けております。
 このことから、河川の浮遊物質の発生には複数の原因があると考えられますので、今後JR東海が公開する情報を確認しつつ専門部会等でリニア工事が河川に及ぼす影響について検証してまいりたいと考えております。
 なお、現在実施しております山梨県との合同調査において、リニア中央新幹線工事の現場付近においては水質について異常な数値はあらわれておりませんけれども、今後も調査結果を注視してまいりたいと考えております。

○小長井委員
 今もお答えがありましたけれども、中間意見書の8ページ、9ページにもJR東海は中央新幹線保全連絡会議の専門部会で水質については適正に管理するとか、管理していると言っているわけでございますが、既に始まっているこの山梨側の工事の現状でも環境基準を上回っております。いろんな要素があると今お答えがございましたけれども、私のほうの調査をお願いした点では環境基準を上回っているということでございます。こういった数値を見ると、南アルプスの工事が本格的に始まれば果たしてJR東海はどのような管理をしてくれるのかと水質管理に不安を感じるところでございます。この点については今後のことだとおっしゃるのかもしれませんけれども、実際こういった数字も出ているので、この点についての考えをもう一度お聞かせいただきたいと思います。

○鈴木生活環境課長
 繰り返しになりますが、今後も調査結果を注視してまいりたいと考えています。

○田島くらし・環境部参事
 中間意見書の11ページに監視体制の構築とございます。静岡県としましては、JR東海の実施する環境対策が適正に行われているかどうかを第三者的な委員も含めて、監視体制を整えていきたいと思ってございます。

○小長井委員
 大井川の水についてはそれができるかもしれませんけれども、富士川の場合は山梨、静岡と2つの県にまたがっていまして、実際今、私が申し上げたのは山梨県側の調査の結果でございます。その辺も含めて、今回せっかく山梨県との合同調査をやっているわけでございますので、ぜひこの点についても山梨県側と意見を交換しながら、環境基準のクリアがしっかり行われているかどうか監視体制をとっていただくようにお願いしたいと思います。

 それから、次に行きます。リニア工事での濁水プラントからの排出の水質データをJR東海は毎日はかっているんだろうと思いますが、県として、先ほどもお答えがございましたけど、山梨県側も含めて早急にこのデータを公開するように求めていくべきだと考えますが、その辺についての考えをお聞かせください。

○鈴木生活環境課長
 JR東海は、4月26日に行われました水資源専門部会におきまして、委員からの水質データ公開への質問に対して公開する旨を回答しておりますことから、静岡県におきましてはJR東海の対応を確認したいと考えています。

○小長井委員
 静岡県のデータはこれから公開するということでございますが、今話をしました第4南巨摩トンネル早川東非常口も最終的には静岡県側へ水が流れてくるわけでございますので、この辺の数値も早急に公開してもらうようにお願いをしたいと思います。
 私も現場をずっと確認してきました。日曜日で作業のないときに、橋の上からのぞくしかできなかったんですけれども、この非常口から濁った水が出ているのを確認できましたので、そういった情報の公開につきましては速やかにやっていただくようにお願いをしていただきたいと思います。

 次に、中央新幹線の中間意見書についてお伺いさせていただきます。
 中央新幹線の連絡会議は、6月6日にJR東海との対話の論点を明確にするために中間意見書を取りまとめてJR東海に発出しているところです。今回のこの専門部会では発出とか対話とか、余りこういったものにはなじまない言葉があるんですけれども、発出したと書いてありますのでそういうふうに申し上げます。
 この部会で取り上げている内容は専門的なことがたくさんありますけど、昨年6月に私も議会で質問させていただきました水量の問題ですとか、あるいは排出土の問題についても取り上げられておるところでございます。私も専門部会を全て傍聴しておりますが、JR東海側の回答に納得のいくものが少なく歯がゆい思いをしているわけでございます。質問に対して正面から答えることが少なく、質問をはぐらかすような官僚答弁――と言うと皆さんに怒られてしまいますけれども――そういった場面が随所で見受けられて非常に残念な思いをしているところでございます。
 この工事は、過去に類を見ない大深度の大規模工事で、これについて検討して専門家としての意見を述べていただく2つの専門部会の皆さんも責任の大きさに非常な緊張感を持って挑んでいただいていると感じるわけでございます。恐らくこのような工事の中では、これほどまでに詳細に丁寧に率直に意見を述べてもらっていることは余りなかったのではないかなと思っております。
 中間意見書の内容については先ほども何人かの方からいろいろ意見がございましたけれども、この専門部会の議論の中で出たものについて、中間意見書という形でJR東海へ発出しているので、中身についてはもうJR東海からの回答を待つことに尽きると思います。
 その上で、先ほど何人かの方から質問が出たことについて私なりの感想を述べさせていただくと、国の調整はこれは民間事業者のことでございますが、県から国に調整を頼むのではなくJR東海が国へ調整をしてくれと頼むのが筋だと思うので、県はこの点については特に触れる必要はないのかなと思っております。
 回答期限については決めていないということでございますが、JR東海が工事を早く進めたかったらしっかりとした意見をJR東海自身が出すべきで、こちらからとやかく言うものではなく、回答が来るのをしっかり待っていればいいと思うわけでございます。
 また、地域振興も知事の発言からいろんな見方をされておりますが、このリニア中央新幹線工事に対してJR東海が対応していかなければいけない自然環境、水とか残土とかのたくさんの問題の1つにすぎないので、特に地域振興がどうこうと、それだけ取り上げる必要もないことではないかなと考えているところでございます。

 そこで、お伺いをさせていただきますが、このリニア中央新幹線、大井川の水の問題、知事が視察したときには場所によって毎秒二、三トンぐらいしか水がないだろうという専門家の意見があったということでございます。つまり何もしなかったら、もともとJR東海は2トンの水がなくなるということでございますので、知事が視察した段階でもし工事が始まっていれば水が全くない河原砂漠のような状態が現出していたことも考えられるわけでございます。非常に危ういことでございます。特に資料の中に大井川の節水が147日、この1年間にあったということでございますので、大井川の水の確保には非常に苦労をしているということ。この大井川の水が飲料水として62万人の1日の量を確保していることや、牧之原を初めとした広い畑のかんがい用水としても使われておりますし、静岡の経済を支える工業用水としても使われていると。さらには中部電力の発電用の水としても使われているわけでございまして、この水の確保は、もしかしたらこの静岡県の存立にかかわるような非常に重要な水だと私は思うわけでございます。
 そこでお伺いしますが、今後JR東海との協議、対話の中でこの水の確保については絶対妥協することは許されないと私は認識しておりますが、鈴木くらし・環境部長はどんなふうにお考えかお聞かせいただきたいと思います。

○鈴木くらし・環境部長
 大井川の水の問題につきましては知事も再三申しておりますけれども、知事も最初はリニア賛成だったと。ところがこの水が失われるという問題に気づいてから、これはあってはならないということで最優先課題として考えていくということでございます。私たちも知事のその意向を受けまして、また地元の皆さんからの要望、水が失われることは絶対あってはならない、全量戻しをぜひとも実現させてくれという要望を受けまして、今現在、JR東海と対話という形で進めております。
 今、何が問題かということがありましたけれども、今までのJR東海の仕事の進め方に関しまして今一番大きな課題になっているのはリスク管理のあり方だと思います。今までJR東海としては自分たちの工事によって出てくる影響をこういうふうに考えますという、その考え方はあったんですけれども、そこの考え方に不確実性があるところまでは思いが至っていなかったのではないかということです。
 それを、有識者の専門部会の皆さんから、例えばボーリングの数をどれくらいやればいいのかとか、皆さんは1つの推計方法でそう考えますけれども別の推計方法もありますよという中で、やっているリスクが1つだけじゃないんです、それがどこまで広がるかわからない状況なんですと。そこをしっかりと認識した上で、リスクがまだまだこの辺まである、もっと大きいリスクが考えられると。それに対応するだけの対策を今から考えておかないとそのリスクが出たときに対応ができなくなりますと。そこを認識していただくことが非常に重要で、JR東海がそこの認識に至るまでに少し時間がかかったということでございます。そこの認識をJR東海に持っていただいた上で、今、さらに具体的な方策について検討を始めている状況でございまして、大井川の水問題は決して譲れるものではないと考えております。

○小長井委員
 JR東海の回答がどんなふうに来るかわかりませんけれども、この工事が進む限りにおいては、意見書にも本工事により南アルプスの貴重な自然が失われることは避けられないと書いてありますが、どんな手当てをしても自然は失われていくということでございます。今、鈴木くらし・環境部長から御発言がございましたように、水の問題を初めとして環境に対するJR東海との対応は妥協なく進めていただきたいと思います。

 最後に1点お伺いしますが、先ほどから、この問題を進めるためには住民の不安が払拭されたとの判断があったときというお答えがあったかと思いますが、誰がどのように判断するのかお聞かせいただきたいと思います。

○鈴木くらし・環境部長
 この中間意見書に対する回答が出てきた段階で、回答が専門部会の皆さんにお諮りして議論していただけるものなのかどうかをまず確認したいと思います。その上で専門部会の皆さんに御議論いただき、専門部会の皆さんがここまで対応してくれるならば、まあ大丈夫じゃないかという判断に至れば、その状況を地元の皆さんにお知らせしたいと考えています。
 それで、それを踏まえた上で地元の皆さんがどのように御判断いただけるかということかと今は考えております。

○小長井委員
 ありがとうございました。
 工事をとめる権限は県には与えられていないということですが、ただいまの鈴木くらし・環境部長の答弁を聞いておりまして、また知事もこの問題については体を張るというような発言もどこかでされたような記憶もありますので、しっかりと対応していただくことをお願いいたしまして質問を終わります。
 ありがとうございました。

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