本会議会議録


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令和6年12月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:山田 新 議員
質疑・質問日:12/13/2024
会派名:ふじのくに県民クラブ


○山田委員
 一括質問方式で3点ほど質問させていただきます。
 1つ目は、男性の育児休業の取得率向上のため、国に先駆けて今年から手取りを10割にする目的で静岡県では男性育児休業取得応援手当を支給されているかと思います。
 これについて、取組内容と半年ほどたった現時点の申請状況などをお聞かせください。

 2点目は、厚生委員会説明資料20ページ静岡県内の自殺者の状況・取組についてです。
 私もそうですけれども、働き盛り世代の自殺者が多いとのことでつらい気持ちになります。このことについてどのように分析されているか教えていただきたいです。
 また、男女比が分かれば教えていただきたいと思います。
 これまで行ってきた施策があれば併せて教えてください。
 あと、これから実施される出張型ゲートキーパー研修についてもう少し内容を教えていただきたいです。

 3点目は、がんセンターの病院経営についてです。
 がんセンターについての第4回検討委員会が11月に開かれたと思います。短期的な経営改善策の取りまとめと中長期計画について検討されていると思いますけれども、その内容についてお聞かせください。

○松本こども未来課長
 中小企業等に勤務する県内在住の男性労働者に対する男性育児休業取得応援手当ですが、令和6年11月末時点で96件の申請があり、そのうち76件について支給済みとなっております。当初予算では年間300件の申請を見込んでいたため、現在までの進捗率は32%となっております。
 取組内容としましては、中小企業等に勤務する県内在住の男性労働者に対するもので、現在その取組を周知するため市町や関係団体と協力して広報を実施しております。
 具体的には、市町の母子手帳配付担当課へ依頼し母子手帳の配付時に当事業のチラシを配付していただくほか、静岡労働局を通じて県内のハローワークにチラシを配架し、企業の労務担当者などが育児休業給付金の申請に訪れた際に手に取ってもらえるようにしております。
 さらに、民間団体とも連携し社会保険労務士協会や労働保険事務組合連合会、経営者協会、商工会議所に依頼して会員等への周知に御協力頂いております。

○影山精神保健福祉室長
 40歳から50歳代の働き盛りの世代に自殺者が多いことの分析ですが、自殺の原因については社会的な要因や個人的要因が複雑に関係していると言われておりますけれども、健康問題や経済的な問題を動機としている場合が比較的多いのが現状でございます。
 近年は、過労やハラスメントなどを起因とした精神疾患による労災認定も増加しており、有職者による自殺が多い状況です。コロナ禍や物価高騰による生活困窮の影響も受けていると思われます。
 2つ目の男女比は、令和5年度の結果としては男性対女性が4対1で比較的男性のほうが多い現状でございます。
 出張型ゲートキーパーの研修については、来年の1月に実施する予定です。個別の事業所に出向き研修を行う取組はこれまでなかったのですが、要望を受けて事業所に保健所職員が出向いて実施します。
 ゲートキーパー研修については、ゲートキーパーの定義を自殺対策において、悩んでいる方に気づいて声をかけて話を聞き必要な支援につなげて見守る人として呼称しておりますが、役割を理解して必要な技術を習得していただくように研修を行っているところです。

○鈴木がんセンター局マネジメントセンター長兼経営努力室長
 静岡がんセンターに求められる医療と持続可能な病院経営の検討委員会について御回答させていただきます。
 医療機関を取り巻く経営環境は厳しさを増しております。当センターにおきましても人件費の上昇、急激な物価高騰などの影響により4期連続の赤字決算となっております。
 これを踏まえ今年度、外部有識者による検討委員会において社会から求められる医療水準またその方策、経営の改善と運営に必要な資金確保について議論を重ねていただきました。
 これまでの会議では、主に令和7年度予算への反映を視野に入れて短期的に実施する経営改善への取組について収入と支出の両面から実施可能な方策を取り上げていただいております。
 11月に開催した第4回検討委員会においては、第3回までの議論を踏まえ、短期的な経営改善についてこれまでの対応案にさらに上乗せ可能な収入として診療報酬加算等の獲得、また支出において委託業務の内容の見直しによる費用圧縮などについて御意見、御議論を頂き現場との調整を行った上で実施していくことといたしました。
 収入面の具体例としましては、簡易な設備改修を行い必要最小限の人員配置を行うことで、新たに日帰り手術の診療報酬加算を獲得していくこととしました。
 また、寄附の募集拡充につきまして多くの方々にがんセンターを応援していただけるよう寄附の具体的な使用目的を設定、明示しどのような目的に対して寄附金が使われるのかを分かりやすくし、ハードルを下げる取組を進めていくこととしました。
 支出面におきましては、大きな割合を占めている委託費の削減、具体的には診療に直接の影響が少ない清掃業務の範囲や回数の見直しによる契約額の圧縮など、また人件費の増加を一定程度抑えるために業務の見直し、効率化による時間外勤務の削減を図っていくこととしました。加えて診療に使用する材料につきまして品質を保ちつつ廉価な品物に変更が可能か検証して費用の削減を行うこととしました。
 これらの取組は現場の医療者の協力が欠かせないため、意思疎通をより強化して共に取り組んでいくことが必要であると考えております。
 今後、当分の間厳しい状況が続くことも想定されますが、職員の意識改革の機会とも捉えて経営改善に引き続き取り組んでまいります。
 また、中長期にわたる計画につきましては今後当センターに求められる診療機能、患者家族支援、研究機能またファルマバレープロジェクトとの連携などについて議論を頂くことになっておりますけれども、具体的な内容の検討は年明けに予定されている第5回以降の検討委員会で行うこととしております。

○山田委員
 御答弁ありがとうございます。
 要望を1点、再質問を2点させていただきます。
 最初に、男性育児休業取得応援手当についての要望です。
 予算枠が1500万円だったかと思いますけれども、それに対して今300万円弱で申請期間も来年3月末あたりまでだと思いますので、限られた中でその予算が余ることを少し心配しております。
 各団体にチラシを置かれているとのことだったんですけれども、私が静岡市清水区の商工会議所に行きチラシがあるか聞いたところ、ありませんとの回答があり周知がどうなのかなとの印象を受けました。これは質問ではないんですけれども、予算を残さないように周知に力を入れていただきたいと思います。

 2点目は自殺者の状況についてです。
 ゲートキーパー研修自体は誰が実施されるのか、また既に企業からお話があるか今の状況を聞きたいと思います。
 それから、ゲートキーパー研修以外に何か来年度考えられている施策があれば併せて教えてください。

 3点目はがんセンターについてです。
 寄附の拡充のお話があり、例えばほかの病院ではふるさと納税で人間ドックができる病院もあるのですが、がんセンターのがんドックでそういったことができないかなと思ったので、現場の状況がどうなのかお聞きします。

○影山精神保健福祉室長
 ゲートキーパー研修は、県精神保健福祉センターで心理職や精神保健福祉士の専門的な知識を持つ職員が実施しています。
 先ほどの出張型ゲートキーパーの事業所につきましては、今年度初の試みでして御殿場の保健所管内でただいま1か所、保健所の職員が出張する形で予定しております。
 今年度は、企業に対する出張型ではないオンラインによる自殺者対策の人材養成研修や産業保健特別セミナー――産業保健総合支援センターと連携したメンタルヘルスに係る講座を共同開催するものがありました。来年度につきましては予算の関係もございますが働き盛り世代に対する新たな取組も考えております。
 先ほどの答弁で、これまでの取組について答弁漏れがございましたので実績をお伝えさせていただきます。
 企業における自殺対策人材養成研修につきましては、平成30年度から企業の人事労務担当者に対して令和3年度までは対面方式で行っておりましたが、令和4年度からはオンラインで年2回実施しています。
 参加者につきましては200人程度です。今年度も来年1月と3月に実施する予定でおります。

○鈴木がんセンター局マネジメントセンター長兼経営努力室長
 がんドックをふるさと納税の返礼とする可能性についてお答えします。
 当センターでがんドックを実施しておりますけれども、数か月お待ち頂いている状況を考えると、なかなかすぐに返礼として充てていくことは難しいところもあるのかなと考えております。

○山田委員
 御答弁ありがとうございました。
 最後のがんセンターなんですけども、それだけニーズがあるのなら何かしらやりようがあるかなと思いますので、また御検討頂ければと思います。

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