本会議会議録


質問文書

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令和7年2月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:野田 治久 議員
質疑・質問日:03/06/2025
会派名:自民改革会議


○野田委員
 一問一答方式で3問ほどお伺いします。
 まず、説明資料はありませんが、本会議でもカスタマーハラスメント対策について質問と答弁がありました。
 今いろいろな業種で問題になっていますが、私は元々旅館の人間だったものですから、旅館でも今いろいろな対策をしています。かつての旅館はとにかく何があっても断れない時代があり、対策がなかったのが実情です。そういう中で、新型コロナウイルス感染症対策を背景に令和5年12月13日に旅館業法が改正され宿泊を拒否できるようになりました。ただ宿泊業や飲食サービス業という職業柄、なかなか拒否し切れない部分もあります。
 特に、お年寄りや障害者のリクエストに十分に対応できない非常につらい場面など、現場でいろいろな問題が起こっている実態があるのですが、まず県としてこのようなカスタマーハラスメントの実態に関してどのような調査を行っているのか伺います。

○八木労働雇用政策課長
 県では、県内5,700事業所を対象にカスタマーハラスメントの有無や対策等について今年度からアンケート調査を実施しております。現在集計作業を進めており、3月中の公開を予定しております。
 また、厚生労働省が公表した令和5年度職場のハラスメントに関する実態調査報告書では、過去3年間で27.9%の企業がカスタマーハラスメント被害の相談を受けております。中でも顧客からの著しい迷惑行為に関する相談が多かった業種として宿泊業、飲食サービス業が46.4%となっており、医療・福祉の53.9%に次いで2番目に多い状況になっております。

○野田委員
 そのアンケートの結果等を踏まえ、県としてこれまでどのような対策を実施してきたのか、また今後どのように対策を講じていくのか伺います。

○八木労働雇用政策課長
 県では、これまで発生時の対応などを学ぶセミナーの開催や東・中・西部地域の中小企業労働相談所で相談を受け付けております。そのほか県ホームページでカスタマーハラスメントの防止などに関する情報を発信し、県民への意識啓発に努めております。
 加えて、今後カスタマーハラスメント防止対策協議会を立ち上げ、ホテル・旅館業を含めた関係団体や市町、有識者の意見を伺いながら、より具体的で効果的な対策を検討してまいります。

○野田委員
 今後の対策は、非常に重要な課題だと思っております。今定例会の本会議の答弁では条例制定も視野に入れるとの発言もありましたが、今後具体的にどのように進めていくのか、村松経済産業部長に伺ってよろしいでしょうか。

○村松経済産業部長
 国会でも改正法案の提出が見込まれて、国でもこの問題をかなり重要視していると感じております。また都道府県では、東京都や北海道が既に条例を制定しており、県内では長泉町が来年度の条例制定に向けて進んでいるとの話も伺っています。
 県としても先ほど八木労働雇用政策課長が説明したセミナーなどの啓発により、カスタマーハラスメントは絶対に許してはいけないという姿勢をしっかり示す必要があると考えております。
 今後協議会を立ち上げますが、条例制定も視野に入れ、様々な方から意見をお聞きしながらスピード感を持って対応したいと考えております。
 経済産業部は従業員の対策を盛り込み、くらし・環境部では消費者目線の対策、経営管理部では庁内の関係部局からも丁寧に意見を伺い、来年度スピード感を持って対応してまいります。

○野田委員
 経済活動を行う上で非常に大きな問題です。経営そのものにも関わるし、従業員を守る立場でも重要です。ぜひ県と市町と連携してよい条例を早く制定していただくよう要望します。

 次に、産業委員会提出案件の概要及び報告事項22ページ、令和7年度経済産業部組織定数改正の概要についてお聞きします。
 自民改革会議は組織体制再編に対する提言をしており、私は一般質問でも質問しました。その答弁の中でスポーツ・文化観光部に部理事(観光産業振興担当)を設置し、経済産業部との兼務とするとの話が出ました。
 この部理事の役割について具体的にどういうものか教えていただきたいと思います。

○大橋総務課長
 役割につきましては、観光産業のさらなる振興に向けスポーツ・文化観光部と経済産業部の連携の強化を図るため、両部にまたがる施策の調整等を行います。
 具体的には、食文化と観光を融合させたガストロノミーツーリズムの推進や観光事業者の経営力向上、マーケティング強化などの取組を総括します。

○野田委員
 理事などの役職者が部をまたいで兼務することは、今までもよくあったことなのかどうか教えていただきたいと思います。

○佐野政策管理局長
 最近の例では、ガストロノミーツーリズムで経済産業部マーケティング推進課は観光部門の業務と密接に関わっており、3年前は経済産業部参事がスポーツ・文化観光部参事を兼ねておりました。現在はスポーツ・文化観光部参事が経済産業部参事を兼ねております。

○野田委員
 今後もあることだと思うのですが、我々にとっても、県民や事業に関わる人たちもよく分からないのではないかと思います。
 例えばスポーツ・文化観光部は、私学振興課が新設したこども若者局に移り相当軽くなります。もちろん文化観光は交流と営業で目的が大きく違いますが、経済活動的なものはもう少し分かりやすい形にしたほうがよいと思います。その点についてコメントを頂きたいと思います。

○佐野政策管理局長
 観光産業は非常に特色があり、1つは産業の裾野が広いことです。宿泊業に限らず小売業、運送業などは経済産業部と不可分ですので本県が産業成長戦略をまとめるときに既に大きな柱に位置づけています。
 一方、地方の人口が減少している中で、各県にとって交流人口の拡大が非常に重要な課題になっています。その対応策として非常に有効なのが観光産業です。人口減少を止めることはできないかもしれないですが、観光客の誘致や二拠点居住者の確保により影響を緩和して地域を活性化できる特色を持っていると考えております。
 県民への分かりやすさという点は、これから考えていかなければならないですが、今の方針はそういったことも御理解頂きたいと思います。

○野田委員
 インバウンド数は4000万人で、日本へ観光に来たい外国人がそれだけいるわけです。47都道府県で取り合いですよね。知事がおっしゃるように静岡県の主幹産業として観光を打ち立てていく以上はしっかりとした体制を取るべきかと思います。
 確かに今の組織の中で観光をいきなり産業、営業に対応する部局にするのは相当難しいとは思うのですが、近い将来にはそうしたほうがよいと思いますので、意見とさせていただきます。

 最後の質問です。
 説明資料73ページ、静岡茶再生に向けた取組です。令和7年度当初予算主要概要(経済産業部)では27ページです。
 本県茶業の再生に向けて大幅に増額した当初予算案が計上されております。説明資料を見ると、新規事業として、静岡茶統一ブランドの戦略展開と輸出向け品種転換等による生産体制強化支援の2つが主要な取組と思われます。その2つについて質問したいと思います。
 まず統一ブランドについて、静岡茶リブランディングプロジェクトは、海外展開を主な目的としているようですが、成果品等は国内でも活用していくのか伺います。

○佐田お茶振興課長
 静岡茶は産地が多く様々な味わいが楽しめる一方、県外の消費者からは静岡茶全体の特徴が分かりにくいとの指摘もあり、国内でも静岡茶を改めて知ってもらう必要があると考えております。
 首都圏や関西圏の茶商組合と連携して行う新茶フェアや静岡茶キャンペーンでは、茶商からポスターやのぼりなどの販促物が求められていることから、国内でも活用し海外と統一したプロモーション展開を考えております。関東圏や関西圏では日本文化やお茶文化に興味関心を持つ欧米からの訪日客が多いため、このような訪日客に対して国内で静岡茶を印象づけ、帰国後も静岡茶を購入してもらい輸出拡大につなげたいと考えております。

○野田委員
 次に、品種転換支援の改植支援は「つゆひかり」などの特定品種しか対象にならないのではないかとの声がありますが、対象とする品種の考え方について伺います。

○佐田お茶振興課長
 対象となる品種は、病害抵抗性や多収といった有機栽培に向く特性や、抹茶の原料であるてん茶に加工した際の色の鮮やかさや味、香りなどの品質が海外で求められている需要に合致する品種であれば対象とする予定です。現在例示している品種は、静岡県が開発し他県よりも品質戦略として優位に立てることから示しておりますが、担い手が減少する昨今、収穫期の分散も重要なため早生、中生、晩生の品種をバランスよく導入する必要があると考えております。
 なお、例示している「つゆひかり」はやや早生、「しずゆたか」は晩生で収量が中生の「やぶきた」の2倍で、玉露やてん茶品種で有名な「ごこう」を親に持つ品種です。

○野田委員
 ぜひ頑張っていただきたいですが、そもそも生産現場で煎茶からてん茶、てん茶から抹茶への転換は簡単にできないとの声がありました。産業委員会視察で鹿児島県の生産者からいろいろお話を伺うと、海外ではオーガニックでないと買い付けもされないとかなりはっきりしたお答えをされました。一緒にオーガニックをやってもらっている生産者仲間もいるとのお話でしたが、海外展開に当たりてん茶、抹茶を輸出する際の条件が厳しくなっている状況をどのように捉えているでしょうか。

○佐田お茶振興課長
 煎茶からてん茶への転換は非常に大変です。また有機栽培となるとこれまで以上に作業や栽培管理が大変になると考えております。そういった点は農林事務所や農協と連携し、栽培技術の普及を図ってまいりたいと考えております。

○野田委員
 お茶を復活させて海外展開していくには、こういった厳しい条件がつくということです。ナンバーワンだった静岡県が、今後また新しい展開をしていく上では新しい努力もしていかなければならないので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

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