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委員会会議録

質問文書

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令和2年決算特別委員会産業分科会 質疑・質問
質疑・質問者:加藤 元章 議員
質疑・質問日:11/04/2020
会派名:自民改革会議


○加藤委員
 一問一答方式でお願いします。
 工業用水道事業の収支改善について伺います。
 最初に、静岡県公営企業決算審査意見書2ページのイ経営状況の表についてです。
 未処分利益剰余金がマイナスとなっている工業用水が4か所ありますが、そもそも未処分利益剰余金がマイナスとなっていることについてどう評価したらいいのか教えてください。

○内藤経営課長
 未処分利益剰余金がマイナスということは、過去から利益が積み上がっていないということです。これは事業の改善が必要であると考えております。

○加藤委員
 全体として、先ほどの松下企業局長の説明と決算審査意見書も含めてですが、利用料金の考察というか状況について資料にないことがどういうものなのか私は分からないのですけれども、それがないと判断ができない。非常に大きなファクターなので、今どういう状況なのかお答えください。

○内藤経営課長
 料金につきましては、各工業用水ごとにそれぞれ施設整備に係る費用や運営コストのばらつきがありますので、それに応じた単価設定になっていると思います。累積赤字のある4工業用水については収支の改善に向けてコスト削減をやるのはもちろんですが、それと併せて料金改定に取り組んでまいりました。中遠工業用水については平成26年度に改定しております。静清工業用水は平成29年度、湖西工水は平成27年度、西遠工業用水につきましては平成31年度にそれぞれ料金改定を行っています。これによって昨年度は単年度損益が4工業用水全てで黒字となっております。
 なお、経済産業省の工業用水道料金算定要領によると標準的な料金算定期間は5年となっております。今後もおおむね5年ごとに単年度損益黒字を維持するため資金収支の計算を行い、必要であれば料金改定を行っていきます。

○加藤委員
 料金の考え方、マネジメントについては理解できました。
 経営状況に合わせて5年ごとに見直しをして料金を改定していくのはよいことで、企業局側からすればやりやすいことだと思います。実際にユーザー側からすると経営にも大きく影響することで非常にセンシティブな問題だと思うのです。こちらの収支が悪いから改定するといってもそれはいかがなものかと思うのですが、その点はどうなのでしょう。

○松下企業局長
 今、価格を上げることだけを説明させていただいたので、そういった意味でどうなのかと5番委員から出されたと思うのですが、当然価格の改定に伴い契約水量と実水量の見直しを同時に実施しております。全体説明をした後で全てのユーザー様に了解を取るべく、1社ごとの確認もさせていただいております。その際に、基本は価格を例えば25%上げたとしたら、契約水量、実水量の差も同じく25%まで削減できる権利を同時に付与しておりますので、我々の一方的な形で進めることはございませんし、そういう形で進めることはユーザーの理解も得られません。
 それとともに、今一番やはり大事なのは、ユーザーの皆さんのところに割と新聞記事などで頑張っている様子が届いていることが追い風になっている部分と、我々がやっている広報の中で、いわゆる総費用直線をシフトダウンさせるような抜本的なコスト削減手法も同時に説明させていただき、それらが合わさってユーザーからの理解を得ていると考えております。
 今後も、ユーザーが競争力を保ちながら静岡県でよかったと思われるように、精いっぱい全力を尽くしてまいります。

○加藤委員
 ユーザーは何社もあるわけでしょうけれども、ケース・バイ・ケースだと思いますが、それぞれ料金改定のときには個々の企業同士との調整を図ることでよろしいのか。そういうことだとするならば、例えば企業によってはオーケーだったり、とある企業にとっては受入れできないケースも生じると思うのですけれども、全体合意にはならないケースがあるのではないかと思います。そういうのはどうされるのですか。

○内藤経営課長
 おっしゃるとおりでありまして、契約水量と実使用水量の差がかなり激しい企業については、水量を落とすことで逆に料金が上がっても実質的な負担額は下がる場合もあります。ところが契約水量どおりにしっかり使っている企業においては、料金単価が上がった分だけで上がってしまうということで、それは反対と意見表明をされることもございます。ですので契約水量を下げるにしても希望どおり全部下げるのではなく、そこら辺の合意ができるぎりぎりのところを見極めて、今回ここまででお願いしますと皆さんを説得して回っています。今までは少なくとも料金改定したところについては、我々のコスト削減の努力をよく説明させていただいて全ユーザーの御理解を頂いた上で改定してきております。

○加藤委員
 先ほど富士川工業用水の給水量減の理由として、簡単に言うと供給する企業が撤退したので減りましたと説明がありました。これは料金との兼ね合いも多分あったりもすると思うし、工業用水ですからかなりの量だと思うのですけれども、それを代替する策のイメージが湧かないのですが、具体的に企業側はどのように手当てしているのか教えてください。

○内藤経営課長
 いろいろなパターンがあります。例えばさっき言った2社の例で言いますと、1社についてはほかの地域にも工場を持っていて、そちらの地域の方が水が簡単に手に入る、安ければそちらで水をたくさん使うものを生産し、こちらでは逆に変えるといったことをやる企業もございますし、あともう1社の例は、実はその会社は地下水と東駿河湾工業用水も使っておりました。東駿河湾工業用水と富士川工業用水と地下水でやっていたのですけれども、節水の技術が大分向上してまいりまして、1回使った水でも循環させてもう一回使う、もちろんそういった設備を用意して、企業は努力していることから、富士川の水はなくても済むようになってしまったとのことです。

○加藤委員
 収支の改善についてお伺いしているわけなのですけれども、料金のこと以外にも先ほど御説明にあったようにコスト削減ですとか、新規顧客の開拓等によって収益の増大を図っていく取組は重要だと思います。それらの具体的な取組内容も含めて、工業用水事業全体に係る収支改善についてどのように取り組んでいるのか、改めてお伺いします。

○内藤経営課長
 新規顧客の開拓につきましては先ほどの説明と重複するのですけれども、企業訪問や管路近傍のユーザーに対する働きかけ、それから不動産会社や金融機関などに対する働きかけといったところに力を入れていきたいと考えております。
 あとは、運営コストの縮減で、例えば浄水場の維持管理業務の民間委託であるとか、省エネルギー機器の導入や電力契約の見直し、先ほどちょっと話が出ましたけれども電力契約についても相当削減ができております。
 これは今後ですけれども、浄水過程で大量に発生する発生土につきまして処分費を削減していく取組を始めたところです。
 それから、何といっても施設整備費、これから老朽管の更新が始まりますが、これにつきましては施設のダウンサイジングはもちろんのこと、新工法や低コスト工法の導入だとか、施設の長寿命化による更新経費の削減に取り組んでございます。

○加藤委員
 令和元年度決算時点で結構ですけれども、今の御説明の中にもありましたが、要するに大規模な水道施設更新事業等は市町がやっていることも含めて非常に大きな課題です。それがこの時点で将来的にどのくらいの費用になっていくのか、今後の見通しがあったら御説明頂ければと思います。

○内藤経営課長
 大規模更新につきましてはこれから始まるので、今この決算書上に数字はございません。

○加藤委員
 分かりました。その辺も見据えてしっかりと御答弁のとおり経営改善に取り組んでいただければと思います。

 次の質問に移ります。
 次は、同じく決算審査意見書23ページですけれども、固定資産について伺いたいと思います。
 (2)事業収入に関する事項のウ@固定資産売却益303万円余が計上されておりますが、企業局においてこのように売却可能な固定資産を現在どの程度保有し、今後の売却がどの程度見込める状況なのかお伺いします。またこれまでの売却に当たって高く売却するための工夫などをしているのか併せてお伺いします。

○内藤経営課長
 固定資産の売却予定についてです。
 未利用地については、経営戦略の中で経営基盤強化のために売却を進めていく方針になっております。こうしたことから平成30年度に例えば職員住宅だとか、事業用地でも利用していない部分につきまして全体的に売ってもいいものを洗い出しました。この処理方針によりまして、平成30年度には西遠工水の神原浄水場の一部事業用地を売却しております。このほか今後売却可能な資産としては、柿田川工業用水と西遠工業用水でそれぞれ職員公舎があるものですから、そこの部分はもう使わないだろうということで売却していく方針であります。事業用地につきましては、西遠工業用水道事業の初生浄水場の一部の用地で売却してもいいだろうという土地がございますので、そちらを売却していく予定となっております。
 売却にあたっての工夫ですけれども、今後の話になってしまいますが、例えば初生浄水場の職員公舎の用地には、今職員公舎が実際に建っているわけです。その住宅を壊して売ったほうがいいのか、あるいは現状のまま売却したほうがいいのかいろいろ考えまして、そのまま売るパターンと取り壊してから売る、あるいは造成までしてから売るといった3つのパターンで不動産の専門家に調査を依頼し、最も効果的な売却方法――今のところ公舎を取り壊して売るのが一番いいだろうとの結果が出ておりますけれども――少しでも高く売れるような方策を考えております。

○加藤委員
 この件に関しては、今後施設のダウンサイジング、統廃合等がさらに進められることが必要ですし、また慎重に検討し、かつ積極的に行って収支改善を図っていただければと思います。

 次に移ります。
 決算審査意見書5ページに、施設、管路の耐震化を計画的に進めるとともに、災害、漏水事故等の緊急事態に対し、常に迅速的確な対応が取れるよう関係機関と連携しつつ、訓練等の危機管理に万全を期せられたいとの意見が記載されています。そこで耐震工事の進捗はどのような状況であるのかお伺いします。
 また、緊急時に備え安定した用水を供給するためにどのような防災訓練を実施しているのか、お伺いします。

○海野水道企画課長
 まず、耐震工事の進捗状況について御説明します。
 企業局では、予想される南海トラフ巨大地震や近年多発する風水害につきまして、施設の強靱化、早期復旧、復旧状況の見える化を原則としまして、第3期耐震計画に基づき地震対策に取り組んでいます。特に被災時において復旧が長期間にわたってかかると予想される浄水場の施設につきましては優先的に取り組んでいまして、令和元年度には全体で21か所の耐震事業に取り組んだところであります。現在令和元年度末の耐震化率は浄水場等の施設について88.5%、管路につきましては47.7%の耐震化を進めています。
 続きまして、訓練についてであります。
 大規模災害時には受水ユーザーに用水供給ができなくなることが想定されますことから、災害時の早期復旧に向け応急的に体制を確立するために、ユーザーに仕切弁を閉める動作をお願いしなければなりません。このため、受水ユーザーにメールやファクス等で確認を行う訓練を行いました。あわせて企業局ではインターネット等で災害時管路情報システムによって被災状況を提供していますけれども、その情報発信訓練も行いました。昨年度の訓練ではユーザー参加率が54%であったため、今年度はユーザーに訓練直前に再度訓練を呼びかける取組を行い、75%のユーザー参加率となっております。
 このほか、近隣の東海4県や神奈川県とも災害相互応援の協定を結んでいるところから、これらの関係機関と情報訓練を実施しています。

○加藤委員
 御説明は分かりましたが、実際令和元年度で漏水や水が行かない事例があったかと、一般的な話としてあった場合にどういう緊急対応のマネジメントをする体制になっているのかお伺いします。

○海野水道企画課長
 令和元年度には、駿豆水道において管路が台風の土砂災害によって破断し、7.5日ほど通水が止まった事例がございます。この件につきましては近隣の自治体の協力を得まして、給水車の派遣などで何とかその期間の対応はしたところであります。

○加藤委員
 ありがとうございます。
 耐震の話に戻ります。
 施設の耐震化の進捗が88.5%とかなりいい数字になってきていると思いますが、管路については50%行かない47%程度の数字ですけれども極力100%に近い数字を目指す中においてどういう見通しなのかお伺いします。

○海野水道企画課長
 管路の更新につきましては、現在長期修繕改良計画等で計画的な更新を図っておりますけれども、耐震化は管路をそのまま新しい材料に変える作業になりまして、部分的に切った、貼ったという耐震補強にならないことから、計画的に長期にわたって更新する、これから迎える大規模更新事業と併せて耐震化を考えていく必要があります。今後2028年ぐらいから大規模更新が始まりますが、その大規模更新の時期と合わせて管路を更新していきます。

○加藤委員
 水道の危機管理は本当にライフラインのことでございますので、しっかりとこれからも取り組んでいただいて、より一層の県民への安心を届けていただけることをお願いして終わります。

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