本会議会議録


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令和6年決算特別委員会危機管理くらし環境分科会 質疑・質問
質疑・質問者:増田 享大 議員
質疑・質問日:10/29/2024
会派名:自民改革会議


○増田委員
 リニアと盛土について分割質問方式でお伺いします。
 主要な施策の成果及び予算の執行実績についての説明書143ページから147ページにリニア関係の実績が載っているのですが、事業名や決算額の記載が見当たりませんので、これらの活動に対する決算額について教えてください。

○加茂生活環境課長
 リニア中央新幹線に関するJR東海との対話等については、環境影響評価手続の一環で行っているため、説明資料187ページの下段、(5)ア(ア)環境影響評価審査指導事業1519万3000円余の内数となっております。
 具体的には、県専門部会員に対する報酬や旅費など、専門部会の開催に要する経費や国有識者会議等へ参加する職員の旅費などの経費として、決算額は535万9000円余となっております。

○増田委員
 交渉事や調整など予定にないこともやらなければいけないこともあるかと思うのですが、そういう枠組みの予算を使った経緯はありますか。

○渡邉南アルプス担当部長
 交渉に関わる経費と申しますと、打合せ等に要する経費となりますが、基本的には職員の旅費以外の経費はないと思います。

○増田委員
 民間企業だったら、交渉事はお金を使うところだと思います。県にはいろいろ規定があるとは思うのですが、JR東海との交渉、折衝、調整、また国との折衝もあると思うので、積極的に使ってもいいと思っています。交渉事に関する支出はやむなしと思っておりますので、そういった運営をしていただければと意見とします。

 説明資料146ページに記載がありますが、リニア中央新幹線建設工事に関して出前講座や研修会等を――掛川市にも来ていただいたことがあるのですが――開催していただきました。住民からどのような意見が県に寄せられたのか、主なものを教えてください。

○清水くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 出前講座等に参加された方々からは、県が正しい方向で話し合っていることが理解できた、今後も県民に正しい知識を伝えてほしいといった御意見を頂いています。

○増田委員
 今の知事になって、少し前のめり感があることは県民の皆さんも思っているところなので、より住民の皆さんへの説明、特に流域の皆さんの不安には適切にお応え頂きますよう要望します。

 次に、説明資料197ページの盛土等の許可申請に関して令和5年度の申請件数113件のうち47件が審査中となっております。この件は盛土等の規制に関する条例等検証特別委員会や会派でも指摘されているところですが、申請から許可まで処理に時間がかかる理由についてお伺いします。

 また、対策はされていると思いますが、申請から許可までの期間を短縮するためにどのようなことに取り組んだのか教えてください。

○岩本盛土対策課長
 まず1点目、許可から処理までに時間がかかる理由ですが、許可審査におきましては盛土の構造の安全性を確認するとともに、申請者について適切に盛土を行い管理する体制や資金が十分であるか、あるいは過去に違法な盛土を行っていないかなどを確認しております。
 そうした審査の中で申請書の不備等が判明した場合には申請者に書類の補正を求めておりますが、申請者からの補正資料の提出が遅くなるケースが非常に多く、時間を要することになっております。
 この中には補正の指示をしたにもかかわらず応答がない事例や申請者側の担当者が変わったにもかかわらず引継ぎがされていない事例もあり、遅くなっているものがあります。

 次に、期間を短縮するためにどのような取組を行ったかということですが、許可申請時には土壌の分析調査を必須としておりましたが、令和5年4月に条例施行規則の一部を改正しまして、土壌の分析調査のほかに土地の利用状況等の文献調査――地歴調査とも言いますが――を認めることとしたので、分析にかかる時間の短縮につながっていると考えております。
 また、申請書類作成時の留意点を周知するために令和5年1月から3月に説明会を開催し、その説明会の資料を盛土対策課のホームページにて公開しているところです。

○増田委員
 各土木事務所にも申請受付窓口を設置しているとのことでありますが、各土木事務所の利用状況について教えてください。

○岩本盛土対策課長
 令和5年度につきましては、島田土木事務所での12件をはじめとして、全ての土木事務所で合計55件を受け付けており、申請者の利便性の向上につながったと考えております。

○増田委員
 申請に時間がかかるのは、もちろん相手方の状況にもよると思います。慣れた業者だったらリアクションが早いこともあると思うのですが、そうではない業者もいる世界です。その辺はやむを得ないと思っていますが、審査に時間がかかることにより、真っ当な開発行為の足かせには絶対なってはいけない。民間の経済効果を妨げることにもなるのでいろいろ会派で要望させていただいています。
 県行政が時間がかかるというのはいつでも指摘されます。民間の製造現場の場合は、大きな会社の製造ラインを学びに民間のモデル会社に視察に行ったり、スキルがある人に来てもらって現場を改善してもらったりするときがあるんですね。県はなかなかそういうことをやれないと思うんです。例えば早く対応している機関があれば、参考のために勉強に行ってみる。こういう機関は緊迫感をもってスピードアップを図っていますので、よい事例も見習い、不断の見直しはあってしかるべきだと思います。評判のよい組織、機関、国、県、市の優良事例などを勉強するのも絶対ありだと思いますので、ぜひ幹部職員の皆さんに御参考にしていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。これは意見です。

 それと、説明資料199ページの中段に不適切盛土162件とありますが、県はこの162件に対してどのような措置を行ったのか教えてください。

○岩本盛土対策課長
 不適切盛土につきましては、その盛土が平地であるとか谷であるとかなどの盛土のタイプ、盛土の崩壊や変状の有無、災害防止のための排水施設等の状況や人家等の保全対象施設までの距離に応じて崩壊等の危険度や緊急性を評価して、優先順位をつけて対応しているところです。
 このうち緊急性が高いと判断した盛土につきましては、地質調査や安全性の解析を行いまして応急対策の必要性の検討を行うとともに、市町や場合により警察と緊密な連携を取りながら是正に向けた指導、命令を行っております。
 その結果、複数の盛土において行為者が自ら撤去等の工事を行い、是正が完了あるいは是正工事が進行中というものも出ております。
 なお、162か所につきましては、盛土対策課と出先機関が分担して定期的に巡回パトロールを行っており、盛土の変状の有無を常に監視しています。

○増田委員
 関連して説明資料202ページの課題に、盛土規制法の運用開始に伴い、許可申請が大幅に増加するとあります。説明資料197ページでは、令和5年度の条例の申請件数113件とありますが、法律が運用されると年間どれぐらい増えるのか、今の時点での見込みを教えてください。

○岩本盛土対策課長
 盛土規制法の運用が開始されますと、面積500平米を超える盛土あるいはそれより面積が少なくても高さが2メートルを超える盛土などが許可対象となりますので、現状の盛土条例の1,000平米、1,000立米に比べると非常に厳しい許可基準になっております。
 政令市の区域内の件数を除いたとしても、年間460件程度の申請があるものと見込んでおります。

○増田委員
 許可申請が大幅に増加するということであれば、マンパワーがまず必要だと思うのですが、これから組織改編が年度末にかけて入ってくる中、現時点でどのようなイメージで組織体制を見直していきたいとお考えなのか教えてください。

○井出政策管理局長兼総務課長
 盛土規制法の運用開始に伴いまして、申請件数が増え、さらに相談件数も増えてまいります。これに対応するためには、人員体制の見直しを含めた審査体制の拡充だけでなく、対応する職員のさらなるスキルアップが喫緊の課題だと考えております。
 こうした業務の増加に的確に対応するために、盛土対策課の人員配置の見直しを行ってまいりますが、それに加えて先ほど3番委員から御指摘がありましたよい事例を参考にというお話も踏まえて、外部委託の活用とよい事例も含めた審査体制の拡充について検討するとともに、対応する職員個々のスキルアップに向けて研修会の開催やマニュアルの整備などを進めていくことを今の時点では考えているところです。

○増田委員
 盛土等の規制に関する条例等検証特別委員会で審議し、提言もあっていろいろ検討すると思います。まだはっきり今の時点で来年度からの方針を県民の皆さんに言えない状況で歯がゆいところがあるかもしれませんが、交通整理をしっかりしていかなければいけないのと、今の課、部局の体制をもう少し大きくしたほうがいいのかもしれないし、いろんなことを考えなければいけない。
 経済のことを考えると、産業、農業も含め、よい開発行為まで止めてしまっているのが一番問題だと思っています。あまり悪い影響が出ないように、かといって安全面や衛生面からもしっかりと基準は守ってもらわないと県民生活に影響を及ぼすので非常に難しい仕事だと思いますが、万全の体制を取って組織的にも予算的にも適切な準備をしていただくよう意見とさせていただきます。

○杉本委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は15時30分とします。

( 休 憩 )

○杉本委員長
 休憩前に引き続いて分科会を再開します。
 質疑を継続します。
 では、発言願います。

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