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委員会会議録

質問文書

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令和3年9月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:鈴木 節子 議員
質疑・質問日:10/08/2021
会派名:日本共産党静岡県議会議員団


○鈴木(節)委員
 一問一答方式でお願いいたします。
 最初に新型コロナウイルス感染症対策から伺いますが、第5波の医療逼迫を経験して第6波に備えるべきということで病床確保の補正予算も入っております。新聞報道によりますと、もっと大きな波が来るかもしれないので慎重に病床を維持すべきだという議論と、ずっと確保しなければならないので縮小も必要だという議論が分かれているようですが、結論的にはどういう方向に行こうとしているのかお伺いをいたします。

○米山新型コロナウイルス対策課長
 第5波においては、1日当たりの新規感染者数が4月に想定した約3倍となったことにより、病床使用率は最高で73.1%、宿泊療養施設においても一部施設が満床状態となるなど、結果自宅療養者が急増しまして、自宅療養者に対して1日1回実施する健康観察業務が実施できないなどピーク時には十分に対応できない状態となりました。
 第6波に向けての病床確保ですけれども、現在国から10月1日に保健・医療提供体制整備計画を策定するよう通知があり、計画の策定を進めているところです。病床確保数については計画の策定の中で決めていくことになりますけれども、ワクチンの接種も進んでいる一方、抗体カクテル療法での重症化予防も進めている中でどの程度病床が必要になるかは専門家の意見も聞きつつ決めていくことにしております。
 第6波に向けて、病床確保をどの程度進めていくか、また自宅療養体制の整備、宿泊療養施設における医療体制の強化も併せて検討していく予定です。

○鈴木(節)委員
 確保していただいた病床数は709床と伺っております。確保医療機関は42病院とありましたけれども、応じていただいた医療機関はどのような医療機関なのか。公立・公的医療機関が大きな役割を果たしていただいていると思いますけれども状況をお伺いするのと、加えて病床確保に伴う医療スタッフの確保は順調に進んだのか、それとも一定の期間を要したのかお伺いいたします。

○米山新型コロナウイルス対策課長
 感染症法に基づく病床確保要請は県内の全病院に対して行いました。うち42病院で要請に対応していただきました。このうち34病院が公立・公的病院で、多くの病院で重症・中等症患者を受け入れていただくなど公立・公的病院は地域において中核的な役割を担っていただいているところです。コロナ患者を受け入れている病院は、やはり総合病院等規模の大きい病院が多いです。
 新型コロナ患者を受け入れている医療機関の病床確保の裏では、やはり休止病床が発生しております。これは人員確保が主な要因となっており、新型コロナ患者用の病床が増えますと医療従事者が必要となります。その分通常の医療を制限しており、8月末の病院協会が実施した調査では8割以上の病院が通常医療を制限しているという回答でした。病床確保ですけれども、8月10日に要請して700床を確保するまでに1か月半かかっている状況ですので早めに病院に要請していく必要があります。

○鈴木(節)委員
 病床に関しては後ほど地域医療構想との関係で改めてお伺いします。

 自宅療養者が8月には4,000人を超え、自宅で自分のことをしなければならない状況で食料支援は報告によるとまだ500人程度しか実績がないように思います。
 国から自宅療養者への食料支援は市町と情報提供した上で連携するようにと通達がありました。その後、県は県でやれると、情報提供しないという報道もありましたが市町との情報提供、支援の在り方はどのように進んでいるのかお伺いします。

○米山新型コロナウイルス対策課長
 食料支援等の市町との連携ですけれども、9月10日に市町と会議を開催しました。会議開催後、改めて9月30日を期限として各市町が実施する連携事業の希望調査を行いまして、現在細部を確認しているところで、連携していただける市町と覚書を締結する準備を進めています。
 食料支援については、現状実施していただいている市町の中には市民、町民が市町に直接要望を出すところもあります。市町のやり方が個別に違う状況も踏まえながら県で必要な個人情報を提供していますので、一律個人情報の提供が不要だという整理はしていません。

○鈴木(節)委員
 幸いなことに、現在は宿泊療養施設にも希望すれば入れる状況で自宅療養を余儀なくされる方は多くはないと思います。ただ、いつあのような逼迫状況が起こるか分からないので第6波に向けて市町への希望調査から覚書を締結するということですが、命を守るために食料支援をやりたいけれどもできないという大変歯がゆい声も市町から聞いています。市町の意向もありますけれども、その中でも積極的に進めるのかお考えをもう一度確認させてください。

○米山新型コロナウイルス対策課長
 逼迫時には市町の協力が不可欠と考えています。各市町のやり方の違いに応じて協力をしていただきたいということですので、前向きに検討して今後各市町と覚書を締結したいと考えています。

○鈴木(節)委員
 次に検査体制を伺います。
厚生委員会資料1の11ページに検査キットの配付について書いてあります。医療機関や介護・児童福祉施設、学校1万1312施設に検査キットを配付したとありますが、この検査キットは資格がなくてもどなたでも使うことができるのか、それとも看護師さんでなければ使用できないのか実態をお伺いします。

○米山新型コロナウイルス対策課長
 今回お配りした抗原検査簡易キットについては、基本的に医療従事者の監視下で利用するとなっていますけれども厚生労働省で一定の研修を受講した者の監視下でも利用できるとされておりますので、施設に看護師などの医療従事者がいない場合は、研修を受けていただいた施設長等の下で実施をするよう施設にお願いしています。
 使用実績ですけれども、まだ8月中しかまとまっていませんが報告のあった施設は182か所で、医療機関17か所、入所系施設が108か所、通所系施設が57か所です。

○鈴木(節)委員
 医療従事者の監視下なら、知識がない人でも一定の指導を受ければ使用していいということでしょうか。医療機関以外は医療従事者がいませんので、大体の施設がこの簡易キットが配布されたのはうれしいけれども、医療従事者じゃないので使用できないという声が聞こえています。使用した施設が182施設とありますが、ここは看護師や医療従事者がいらっしゃる施設なのか。
 せっかく検査キットを配付していただいても活用していいのか戸惑っているという声が挙がってきているんですがどう受け止めているのでしょうか。

○米山新型コロナウイルス対策課長
 検査キットの使用については、医療従事者がいなくても厚生労働省のホームページに公開されているガイドラインをしっかり確認して、理解度テストを受けて全問正解していただければ検査キットを使用する責任者でいいということも案内しながら施設にお配りしています。
 先ほど使用した施設は182か所と申し上げましたけれども、これは8月中の実績でして学校には9月になってからお配りしておりますので学校の実績は入っていません。

○鈴木(節)委員
 検査キットを使う場合は、調子が悪いと思った方が自発的に検査キットを活用するケースが多いと思うのですが、検査キットで陽性となったらその後はちゃんとPCR検査を受ける流れに乗るということでいいのでしょうか。

○米山新型コロナウイルス対策課長
 今回の検査キットは、あくまでも施設に行ってしまった後に発熱等が分かって直ちに検査が必要な場合に使うということで配付しております。基本的に体調が悪い方は職場や学校に行かないという周知を徹底しているところです。仮に、施設・学校で検査キットを使った結果陽性になれば、速やかに医療機関を受診していただいてPCR検査や抗原定量検査を受けていただく流れになります。そこで陽性となれば医療機関から保健所に発生届が行く流れになりますので、陽性になった場合は医療機関を直ちに受診していただくよう施設にはお願いしています。

○鈴木(節)委員
 確認ですけれども、静岡県の新ビジョン(総合計画の評価)30ページに検査を必要とする方がすぐに検査を受けられる体制を維持するとともに、検査機関の体制を強化しますと書いてあるのですがどういうことでしょうか。これまでだと検査してほしいといっても熱がなければ駄目、濃厚接触者であっても症状がなければ駄目とかなりハードルが高かったのですが、新ビジョンに記載されている内容はどういうことを指しているのか確認させてください。

○米山新型コロナウイルス対策課長
 検査が受けられる体制の維持ですが、こちらは検査体制の充実により感染拡大を未然に防止していくということです。第5波の中で検査を受けたくても受けられないことがありました。県としては発熱等の症状がある方が身近な医療機関で検査を受けることができるよう発熱等診療医療機関をさらに指定していくことと、施設等で感染拡大を未然に防止するために先ほど申し上げた簡易検査キットなども配付して、体調の悪い職員も速やかに検査ができる体制の維持を想定しています。
 検査の体制強化ですけれども、県の環境衛生科学研究所をはじめとした公的な検査機関の検査機能の強化や、民間の検査機関の検査能力をさらに上げていただき、県内で感染者が急拡大した場合に検査ができる体制を整えていくため必要な検査機器の整備を進めていくことを踏まえた記載内容です。

○鈴木(節)委員
 確認ですけれども、8月、9月は陽性者が増えたことにより家庭内や職場の中で濃厚接触者がかなり出ました。PCR検査を受けたいと言ってもあなたは濃厚接触者なので検査を受けなくてもいい、自宅で2週間待機してくださいといった扱いを受ける状況であった濃厚接触者と認定される方たちも検査の対象にするということなのか、第5波の感染拡大により検査が十分にできなかった事態を踏まえての方針なのかもう一度確認させてください。

○米山新型コロナウイルス対策課長
 第5波の際には、想定を超えた陽性者ということで検査ができない事態が生じました。この方たちに検査を受けていただける体制を整えることはもちろんやっていく方向ですけれども、濃厚接触者に関しては基本的に自宅で待機していただいて、その間発症したら検査していただくという整理を第5波ではさせていただきました。
 今後さらなる感染拡大が生じたときに、濃厚接触者の調査、検査をどうするのか検討して、必要であるならば検査体制を整えていくように考えています。

○鈴木(節)委員
 無症状、無自覚でも実は陽性であった方が大変見受けられます。ワクチンを2回打っていても陽性だった方も増えていますので早期発見が必要という意味でのPCR検査の拡充・体制強化なのかなと期待していたんですが、いつでも誰でも何度でも無料で受けられるところに近づけるという方針もお持ちなのかどうか確認させてください。

○米山新型コロナウイルス対策課長
 いつでも誰でも何度でもというフレーズは、検査の中でよく言われていますけれども実際にはかなりハードルが高いところです。
 ただ、今後ワクチン・検査パッケージなどを進めていく中で検査体制の拡充は必要になっていきますので国の動向も踏まえて考えていかなければいけないですが、現状で全ての方にいつでも誰でも何度でもという体制を整えるのはかなり厳しいと考えています。

○鈴木(節)委員
 いつでも誰でも何度でもという検査体制は、ハードルは高いけれども拡充は必要であるとお答え頂きましたので、厳しいけれどもコロナに対応する早期発見、保護というのは大変必要な措置だと思いますので、ぜひその方向で御検討頂きたいと思います。

 次の項目に移ります。保健師の配置の問題です。厚生委員会資料1の11ページに、業務逼迫に対応するために保健所への応援態勢として本庁から人員を派遣したということでした。会計年度任用職員を17人も増員していただいてはおりますけれども、第5波の逼迫状況を目の当たりにして人を増やすのは必要ですが、応急手当てではなくて感染症にしっかりと向き合うため保健師の業務に対してどのように考えているのかお伺いします。

○米山新型コロナウイルス対策課長
 7番委員が御指摘のとおり、感染症の対応業務は患者数に応じて大きく変動するものです。第5波においては患者急増時の人材確保と業務の効率化が大きな課題となりました。
 現在、第6波の備えとして厚生労働省からの通知に基づき策定作業を進めている保健・医療提供体制確保計画において、保健所の体制についても検証することになっていますので、現在進めているところです。
 新型コロナをはじめとする感染症への応援体制ですけれども、平時の業務量を前提として人員配置をした上で感染拡大時に速やかに部内、全庁から人員を配置できる体制を事前に整えておくことで対応していくことになると総論としては考えています。

○鈴木(節)委員
 保健師だけではなく、保健所の数も増やす必要があると思っています。1990年代と比べると全国的に見てかなり保健所の数も減らされて、保健師さんも減らされている。静岡県内ですと過去に保健所が17か所あったときもあります。今それが政令市を含めて9か所に半減しておりますけれども、やはりこうした保健所業務は感染症だけではなく難病や狂犬病対策だとかいろんな業務を担っていただいているところに、感染症という大変な業務が逼迫しております。保健所の数だとか保健師の人数は県独自では決められないとおっしゃるかもしれませんけれども、国に向けてもしっかり問題提起しておられるのか県としてどのようにお考えなのかお伺いします。

○石川総務課長
 保健所及び保健師の数についてですけれども、まず保健師の数につきましては本会議でもありましたが、国の方針で2年間で1.5倍の保健師さんを配置しようということで交付税措置がされております。それを踏まえ来年度は保健師の増員を考えております。今回の第5波を受け、かなりの保健師、行政、それ以外の職員も負担を受けました。今回の経験を生かして今後外部委託等も検討しなければいけませんし、専門職でなくてもできる業務を洗い出し専門的な業務内容、業務量を精査した上で来年度保健所への適正配置を検討していきたいと考えております。
 保健所の数ですけれども、7番委員御指摘のとおり県で決めることはできないですが、地域保健法に基づき厚生労働省の告示によって平均的な二次医療圏――人口で言うと約35万人、面積1千平方キロメートルごとに1か所を設置するべきとされており、静岡県では二次医療圏に保健所を設置しております。二次医療圏において複数設置できる場合もあるのですが、平均的な二次医療圏の人口及び面積がおおむね2倍を超える場合とされております。今の静岡県の保健所の配置は適合しておりますので、増やすことは今のところ考えておりません。

○鈴木(節)委員
 国の縛りがありますので、全国的な課題が顕著になったと思うんです。ですので静岡県のみではなく全国知事会などで保健所体制の在り方について――国の方針で保健師を増員していただいているのは分かりますけれども――保健所の果たす役割がどういうものか国に意見を強く言うべきだと思います。これは要望としておきます。

 次の項目ですが、先ほども触れましたけれども病床確保の問題です。今回、令和3年度9月補正予算概要(第100号議案関係)の11ページにもありますけれども病床機能再編支援事業費助成があり、削減病床数を56床と当初よりも削減病床数が増えたため補正という説明でしたが、この56床の内訳とどういう理由で削減するのかお答え頂きたいと思います。

○高須医療政策課長
 削減病床56床の内訳としては、病院が1、診療所が4です。56床の機能別の内訳としましては急性期が19床、慢性期が37床です。急性期19床については全て診療所で、このうち産婦人科が17床、整形外科を持っている診療所が2床となります。それから慢性期については病院が20床、診療所が17床となっております。
 削減の理由ですけれども、あくまでも医療機関側が示した理由として幾つか御紹介しますと、例えば17床ある産婦人科の病床については出生数が減少していることにより分娩件数も減少し、今後もその傾向にあることから削減に踏み切ったという理由がありました。そのほか現在の医療スタッフの年齢構成、人員の確保状況を踏まえますと今の体制、病床数を継続していくことは困難であるとの判断でした。ほかには、近隣の市町において同様の医療を提供する病院が多くありますことから他の医療機関と連携していくことで医療機能を集約化していくことが地域にとって必要だと考えたという理由がありました。
 これはあくまでも医療機関側の理由であり、県としては補助要件の中に各圏域に設置いたします地域医療構想調整会議でこれについて協議し、医療審議会で了承を得ることが必要でありますので、削減が地域の医療にとって本当に必要なのかどうか医療関係者の方から御意見を伺いながら適正かどうかを判断していきたいと考えております。

○鈴木(節)委員
 今回は医療機関側から手を挙げて削減しますという御意思の表れとは伺っておりますが、角度を変えてお聞きします。
 地域医療構想そのものでお伺いいたしますけれども、国がそもそも高度急性期を中心に全体で20万床を削減する計画があります。それで今回、新型コロナウイルスとの関係で地域医療構想をどうするのか国もかなり議論はしておりますけれども、その中で国は地域医療構想は将来の年齢構成にもよる中長期的な取組であると言っています。一方で、今回の新型コロナウイルス感染症のような新興・再興感染症は短期的な医療需要発生への対応が必要だと。その中で病院の統廃合、ベッド削減を進める国の考え方に対して危機感を持たれている医療関係の方は大変多いと思うのですが、国の考え方に対して県はどのようにお考えなのか。本会議でも有事を想定した医療提供体制に対して答弁がありましたが、もう一度御説明頂いてよろしいでしょうか。

○高須医療政策課長
 まず、国の方針に対する県の考え方ですけれども国で地域医療構想についてどのように進めていくのか議論をしている話は聞いております。
 ただ、県としては今回の新型コロナウイルス感染拡大への対応に総力を挙げて取り組んできていますので、国における議論についてはまずその対応に支障を生じないよう他の都道府県と共に国に要望しているところです。
 先ほどお話がありましたとおり、地域医療構想については人口減少や高齢化が進んでいる中で増加する医療需要に対して、限られた医療資源で対応していくことはコロナが発生する、しないにかかわらず大きな課題であると考えております。
 地域医療構想の背景となる中長期的な見通しは変わっていないということですので、効果的・効率的な医療提供体制を構築するためには病床の機能分化と連携を進めて地域医療構想を推進していくことが必要ではないかと考えています。

○鈴木(節)委員
国は公立・公的病院を名指しして統廃合すべきだと方針を出しました。それに対しては県内の病院長からも大変な反発がありましたが、先ほど感染症病床を確保していただいた医療機関42病院のうち34病院が公的・公立病院とお答え頂いており、果たしている役割は大変重いんです。私たちも大変感謝を申し上げなければならないのですが、こうした医療機関がしっかりと新型コロナ対応をしていただいている一方で国の方針がベッドを削減せよ、削減に応じたら稼働率に応じて1床当たり114万円から228万円の補助金を出すとしていますが、一度病床を削減したらもう元に戻せないんです。新型コロナという大変な国難と向き合いながらベッドを削減せよと迫る国のありようが大変不可解でならないんですけれども、先ほどお答えは頂きましたがベッドを削減していいのかという本来の問題に対する認識をもう一度お聞きしたいと思います。

○高須医療政策課長
 公立・公的病院の評価については、昨年度地域ごとに地域医療構想調整会議の下に部会を置き検討した結果いずれの病院も必要だという結論が出ております。今回の新型コロナも経験しまして公立・公的病院の重要性は我々も十分認識したところです。
 ただ、同時に必要だと思ったところは特に地域によって病床数自体は多いけれども中小病院が散在している地区はやはり病床や人員の確保がなかなか難しかったと見受けられるところです。
 また、患者の重症度によって対応する医療機関も異なります。新型コロナの総括を待たなければならないかもしれませんけれども、地域における医療機関の役割分担であるとか連携体制を強化していくことが必要であるという思いを強くしたところです。地域医療構想については7番委員御指摘のとおり病床削減という側面もありますけれども、医療機関の機能分化であるとか、連携を進めることで地域の医療をより強くするための機能再編という側面もあるのではないかと考えます。
 新型コロナウイルス感染症対策は重要でございますので、並行して医療機能の分化・連携を進めたいと考えています。

○鈴木(節)委員
 具体的な状況でお聞きしますが、新型コロナ対応で確保に応じていただいた700床を超す病床の中で、病床区分として高度急性期や急性期が何割程度占めているのかお答えできればお願いしたいのと、新型コロナのような感染症が爆発的に拡大したときに一般医療と感染症の病床が両立して命を守るために必要となる病床数は一体どれだけなのか見通しを出しているかお伺いします。

○米山新型コロナウイルス対策課長
 700床のうち高度急性期、急性期の病床数の割合といった資料が手元にありませんので御回答ができません。
 感染症に対応する病床数ですけれども、新型コロナの第5波相当に対応する病床が何床必要かといった計画をこれから立てますが、他の感染症が発生したときの必要病床数については現状策定しておりません。

○藤曲委員長
 分析できる資料は作成できますか。

○米山新型コロナウイルス対策課長
 後ほどお持ちしたいと思います。

○藤曲委員長
 では、後日委員の皆さんに配付してください。

○鈴木(節)委員
 県の考え方は本会議でも示されたとおりだとは思いますが、地域医療構想そのものがこれだけの感染症における拡大を想定していないところに問題があると思いますので、高度急性期、急性期が何割を占めているかは数字を見ないと分かりませんが、これだけ公的・公立病院が大きな役割を占めている中で病床削減にかじを切り続けることはやはり再検討すべきと思いますので、十分な御検討を要望させていただきます。

 違う項目でお伺いします。説明資料別冊4ページのヤングケアラー実態調査事業費でお聞きしますが、概要は調査を行うことですけれども、文部科学省が実施した調査を見ますと対象は中学2年生と高校2年生のみとなっています。県は小学校5年生・6年生、全中学生、全高校生と対象を広げている理由と意図をお伺いするのと、調査内容が5問から10問程度とありますがどういう内容を聞こうとしているのかお伺いします。

○河本こども家庭課長
 対象が小学校5年生からとなっている理由ですけども、国が実施した実態調査によると世話を始めた年齢は中学2年生では小学校高学年からが最も多く、高校2年生では中学生からが最も多くなっている結果からより正確な実態把握に向け小学校の高学年である5年生、6年生を対象とすることとしたものであります。
 調査項目については、国の実態調査を参考とし、家族の中にケアをしている人の有無、ケアをしている相手、内容、頻度、時間、負担感等を設問とする予定であります。

○鈴木(節)委員
 他県でもヤングケアラーのアンケートはやっていて、負担にならない程度だと思いますが子供が本当に悩んでいたり困っていることを聞き出そうという努力がかいま見えます。
 ですので、せっかく調査をするんであればもう少し実態を把握できる内容にすべきだと思います。子供さんが自由に書ける自由記述欄――例えば自分の悩み・実態の話を聞いてほしい、自分が置かれている状況を理解してほしい、どういうことを支援してほしいといった項目を設ける予定があるのか、また学校側も子供はなかなか自分が困っていることを先生、友達、もちろん家族に言わないので実態把握が難しいことに対して抱えている悩み、スクールソーシャルワーカーの配置要望といった学校に対するヒアリング調査をするべきだと思いますが、どう取り組むのでしょうか。

○河本こども家庭課長
 今回の調査は、県内の小学5年生から高校3年生の全数を対象に実施することにより県内全体のヤングケアラーの状況、傾向を把握し、必要に応じて事業を検討する目的で実施するものであるため自由記述欄は設けない予定です。学校では個別の支援を予定しており、その中で出てきた意見等を確認することで対応していきたいと考えております。
 学校への調査については、教育委員会ではヤングケアラーに対応したケースの有無やヤングケアラーへの対応に関する学校の課題を聴取する予定であります。

○鈴木(節)委員
 せっかく教育委員会と連携して実施しますので、何に困っていてどうしてほしいのかという子供の気持ちを酌み取ってこそ的確な対応ができると思いますので、ぜひ子供さんが答えやすい、安心して書いてもらえるアンケートにするべきだと思います。学校に対してもやはり実態把握をする意味では、学校への調査もぜひ充実させていただきたいと要望させていただきます。

 次に生活保護の関連で伺います。全国的にコロナ禍によって仕事がない、非正規労働者が仕事を失った、自営業者が減収で生活できないといった暮らしに困る実態が増えている下で、生活保護は最後のよりどころです。コロナ前と今とで一定の数字的な推移はあると思いますけれども、相談、申請、保護開始の実態をまずお伺いします。

○鈴木地域福祉課長
 相談件数について、令和元年度は8,364件、令和2年度は9,380件と1,016件増、前年比112.1%と増加しております。令和3年度は4月から8月までの5か月間は3,573件。令和2年4月から8月までの前年比と比較しますと411件減少して前年比89.7%となっております。
 申請件数については、令和元年度は4,356件、令和2年度は4,578件と222件増、前年比105.1%。令和3年8月までの5か月間は1,925件、前年比では16件増加し、前年比100.8%増加しております。
 保護開始の世帯数については、令和元年度は3,809世帯、令和2年度は4,054世帯と245世帯増、前年比106.4%。令和3年8月までの5か月間は1,656世帯、前年比較では16世帯減少し前年比99%となっております。

○鈴木(節)委員
 具体的に数字をお示し頂きました。生活保護行政は県が全部担っているわけではないにしても、最後のセーフティーネットとして大変必要な業務だと認識しています。
 その下で、ケースワーカーを増やしていただいていますけれども相談支援体制などの実態をお聞きするのと、今年1月の国会、参議院で扶養照会は義務ではないという答弁がありましたが、県として市町にどのように国の方針を徹底されているのかお聞きします。

○鈴木地域福祉課長
 相談支援体制につきましては、県及び市の各福祉事務所において生活保護に関する相談対応を行っており、相談件数の増加が懸念される福祉事務所においては状況に応じて国の補助金を活用し、主に面接を行う相談員等を配置しております。
 令和2年度は8市で配置しておりまして、そのうち磐田市は新たにポルトガル語の通訳を含む2人を配置しております。また令和3年度は袋井市において1人増員するなど体制を強化している市もあります。
 また、各市町の相談窓口においては生活保護だけではなく総合的な相談窓口にあっても生活不安や困窮などの内容についてワンストップで受けられる相談体制、連携を図っているところもあります。
 それから、市町への周知ですが基本的には扶養照会の対応については国の通知に基づき行っております。取扱いの改正について令和3年2月26日付で国から通知を受けましたので、各市及び健康福祉センターに周知をしております。

○鈴木(節)委員
 国の通知を市町にも周知していただいているということでした。全国的に見れば生活保護は最後のとりでですが、相談をちゅうちょする方が大勢いらっしゃる中で、福祉事務所側から生活保護申請は国民の権利ですという文言を入れたポスターを貼り出しているんです。政令市でもやっていますので、思い切って行政の側からいろんな方にアピールすることも必要だと思うのですが、その辺の必要性についてはどうお考えでしょうか。

○鈴木地域福祉課長
 各福祉事務所に対しては、会議や研修、指導・監査等を通じて相談にお見えになった方々に対して親身になって御相談して、生活保護の申請の意思が確認された場合には生活保護の申請書を渡して御説明頂くように指導しているところですので、現在のところポスターの制作までは考えていない状況です。

○鈴木(節)委員
 生活保護はなかなか敷居が高く、相談に行くのも一人ではとても心細くて行かれない方が多いです。ぜひ相談に来てくださいと行政の側から迎え入れる姿勢を示すことが行政の責任だと思いますので、前向きに御検討頂きたいと思います。

 最後ですが、児童虐待の関係です。
全国的にも虐待から死亡させてしまう事例がありましたけれども、お伺いしたいのは2点です。
保育園・幼稚園・小学校との連携は強化していると思いますが何か新たな取組があればお聞きしたいのと、児童虐待は増加しておりますが再発防止や予防の取組はどう取り組んでおられるのか特徴的なことをお伺いしたいと思います。

○河本こども家庭課長
 保育園・幼稚園・小学校との連携につきましては、児童虐待への対応においては関係機関が緊密な連携を図り子供の安全確保を最優先に対応することが重要であります。そのため、各市町が設置する要保護児童対策地域協議会に児童相談所、教育委員会、学校、警察などの関係機関が参画し、支援が必要な児童に関する情報の共有や児童の状況に応じた適切な支援策を協議し児童虐待に連携して取り組んでおります。
 保育園・幼稚園・小学校との連携についてですが、直ちに警察や児童相談所が介入し保護するほどリスクが高くないケースにつきましては、要保護児童対策地域協議会において関係機関の間で役割分担を行い保育園・幼稚園・小学校等に日常的な見守りを担ってもらうことがあります。日々の登園、登校の中で傷、あざがあったり気になる現れがあった場合には、直ちに関係機関で情報を共有し状況に応じて必要な体制を整えて対応してまいります。
 再発防止・予防への取組につきましてですが、再発防止につきましては、一時保護や児童福祉施設の入所措置を解除して児童が家庭に戻る際には、家庭に戻ってからすぐに虐待が再発することがないよう子供の不安な気持ちにも配慮しながら、まずは保護者との面会を行った上で必要に応じて外出や週末の外泊、さらに長期の外泊などを行い、子供と保護者が一緒に生活できることを十分確認した上で、家族に戻すこととしています。
 家族に戻す際には、児童相談所の児童福祉司、児童心理司等が定期的に子供や保護者との面接を行い児童虐待の再発防止を図っているところです。
 また、必要に応じて虐待の加害者である保護者に対し県が外部の心理カウンセラーに委託しております加害者向けの再発防止プログラムを受けていただくこともあります。
 また、予防につきましては育児不安や養育の知識やスキルの不足が虐待につながることから、児童相談所が必要に応じ保護者向けのペアレントトレーニングを実施することで保護者の養育力を高める取組を行っています。

○藤曲委員長
 新たな取組を今は聞いているので、全体的なことではなく新たな取組に特化して答弁してください。

○河本こども家庭課長
 新たな取組はありませんが、御説明したように関係機関が連携して丁寧に取り組むことで対応をしていきたいと考えております。

○鈴木(節)委員
 コロナ禍で自宅待機の方が多かったのですが、外部からなかなか家庭の中はかいま見ることができず密室性が大分問われている観点でしっかりと対応するよう要望させていただきます。

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