本会議会議録
質問文書
令和6年決算特別委員会産業分科会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 小長井 由雄 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 10/29/2024 |
![]() | 会派名: | ふじのくに県民クラブ |
○小長井委員
一問一答方式でお願いします。
静岡県公営企業決算審査意見書11ページの審査の意見について伺います。
工業用水道の収支状況ですが、各工業用水道の課題と今後の見通しについてお聞かせ頂きたいと思います。特に湖西工業用水道は当年度純損失を計上しておりますので、経営改善策と併せてお答え頂きたいと思います。
○岩井経営課長
工業用水道事業の事業別の決算状況ですが、企業局が経営する6つの工業用水道のうち柿田川、ふじさん、静清、中遠、西遠の5つにつきましては、令和5年度は黒字決算となりました。厳しい経営状況が見込まれるものの今後も黒字を維持できるものと考えています。
湖西工業用水道は、愛知県の豊川用水が水源になっており、維持管理の負担金を独立行政法人水資源機構にお支払いしているのですが、その負担金が増加したことなどにより令和5年度は230万円の赤字を計上しております。今後も建設改良や維持管理の負担金が増え、継続的な赤字が見込まれる状況です。このため来年度から料金改定を行う方向で今年度ユーザー企業と協議など必要な手続を進めています。
なお、湖西工業用水道については、今年度新たに1件の新規契約を頂きましたので給水収益は増加する見込みです。引き続き新規ユーザーの獲得など営業活動を行っていきます。
○小長井委員
湖西工業用水道が静岡県外から給水しているため費用負担があるとのことですが、今後ほかに何か問題が発生する心配があるかお聞かせください。
○岩井経営課長
湖西工業用水道というよりは、工業用水道事業全体として今後の課題があるかとのことでよろしいでしょうか。
○小長井委員
県外から給水していることで何か課題がないかという質問です。
○岩井経営課長
県外の水源に頼っているため、どうしても水資源機構が行う整備や維持管理に一定の割合で負担を求められますので、企業局の経営努力がなかなか働かない課題があります。
湖西工業用水道については、豊川用水にかかる費用負担がかなり大きな割合を占めているので、企業局独自でできる取組が限られるという課題があります。
○小長井委員
費用負担が課題とのことですが、渇水で水を止められることは考えられませんか。
○小南水道企画課長
豊川用水の渇水で工業用水を止めた案件は今まで起こっておりません。
○小長井委員
今までなかったということで、そこまでにしておきます。
次に、同じ公営企業決算審査意見書の8行目ですが、今後も企業の移転や生産規模の縮小、水源転換等により給水収益が減少する可能性があることに加え老朽化する施設等の大規模な更新が必要となり、さらに厳しい経営状況が見込まれるとの審査意見に対して、どのような取組をしているのかお聞かせください。
○岩井経営課長
企業局としましては、先ほども申し上げたとおり経営戦略に基づいてコスト削減や収益確保の取組を進めています。
費用の中でも電気代などの動力費及び浄水発生土処理の委託に係る2つの経費がかなり大きな割合を占めていますので、動力費についてはデマンドレスポンスの取組や高効率の空調機器の導入を一般会計から繰り出し今年度節減に努めています。
浄水発生土処理の委託については、脱水した発生土を昨年度から有価販売しておりますが、今年度から民間の販売網も活用しながら園芸土に加工して販売する取組もスタートしており、浄水発生土処理の委託料の削減に努めています。
9月定例会の委員会でも御報告いたしましたが、ふじさん工業用水道についても官民連携手法の導入として契約を結び、水運用の最適化においても今年度から暫定的に一部芝川の水を有効利用する取組が始まっております。より標高の高いところの水を使うことで動力費の削減にもなりますし、芝川の水はきれいなので浄水発生土の抑制にもつながりコスト削減に取り組んでいます。
そのほか、昨年度は未利用地の売却もしており、引き続き不動産市況も踏まえ収益確保にも取り組むほか、再生可能エネルギーによる発電の可能性も視野に入れて未利用地の有効活用にも取り組みたいと考えています。
○小長井委員
公営企業決算審査意見書でも述べられているように工業用水道事業は課題も多いですが、企業局の創意工夫とアイデアによって克服していただきたいと期待しておりますのでよろしくお願いします。
最後に、公営企業決算審査意見書11ページの中段@には、若手職員や中堅職員を計画的に配置するなど長期的視点に立った人材育成を進め組織体制の充実や技術力の向上に努めながら経営革新に取り組まれたいとの意見が述べられております。
近年、土木技術職をはじめ現場で働く若手職員や技術職員の採用が非常に難しく、せっかく採用しても早期退職するケースが目立っているようです。現場の職員の仕事の負担が減らないとも聞きます。企業局においても水道事業等の技術職員の確保は重要な課題と考えますが、現状をお聞かせください。
○沼野企業局参事
企業局では、技術職員の高齢化が顕著になってきており、将来の企業局を支える中堅幹部職員の養成を視野に入れながら中長期的視点に立ち若手、中堅職員を計画的に配置することが重要と考えております。
ただ、職員採用につきましては、知事部局が行っているため企業局だけではなかなか対応が難しい部分もあり、知事部局と中途採用を含めたバランスのよい人材配置を協議していきたいと考えております。
また、技術職においても土木や電気、工業化学など様々な職種があり派遣元の部署がそれぞれ異なるため、人事異動の時期に関連部局としっかり協議していきたいと考えております。
○小長井委員
企業局に限らず、土木事務所や農林事務所の技術職員が非常に不足していて限られた人たちが大きな負担を抱えて仕事を進めているケースがよくあります。今お答え頂いたように職員の採用は知事部局との関係があるのはよく分かります。ただし通常でも不足しているのに災害が起こると余計に技術職員が足りないことが響いてきますから、我々も知事部局とも話は進めたいと思いますし、企業局からも強く折衝をやっていただきたいと思います。
このページに関するお問い合わせ
静岡県議会事務局議事課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3482
ファクス番号:054-221-3179
gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp