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委員会会議録

委員会補足文書

開催別議員別委員会別検索用


令和4年11月逢初川土石流災害検証・被災者支援特別委員会
工学博士 塩坂邦雄氏 【 意見陳述 】 発言日: 11/11/2022 会派名:


○塩坂邦雄参考人
 塩坂と申します。よろしくお願いいたします。
 静岡県の関係では、リニア中央新幹線の地質構造地下水部門の委員もやっております。今回、逢初川のこの土石流災害に対しまして、たまたま函南町でメガソーラーの開発があったものですから、すぐ隣ということで、7月4日には現地へ行きました。規制線が張られていたんですけれども、後で映像が出ますけれども、ドローンで撮影したのが最初だと思います。ヘリがいたんですけれども、雲底が低く、ほとんど撮影されてないので、災害の後の最初のドローンとしては、これが一番新鮮なデータだと思います。まず、それを見ていただきたいと思います。これは基盤です。これ、ポイントだけ後で出ます。
 第2波は、この高さまで土石流が迫ってきているわけです。
 もう1つ、次にピントが合ったのが出てきますが、これはガスがあるので分かりにくいのですが、この辺までが土石流の範囲です。高さです。重要なポイントは、ここにあるんです。
 もう少し映像を進めます。
県の報告書はこれは一切検討しておりません。
 これは、後で説明しますけど、県の報告書は、ほとんど地下水に一辺倒です。表流水である根拠がこの映像に隠れています。ここに、こうへこんでますよね。これが重要なポイントです。土石流が行った後で、これを削るだけの水が流れたということです。流れないとできないんです。現実的にこれだけの地下水が出てきていないんです。後で分かりやすく説明します。
 あと重要なのはここの、浸食、削った崖があります。これが重要です。なぜかは、後で説明します。
 ここに穴が空いているのは分かりますか。ここも重要なポイントです。
 7月4日の湧水は、この旧逢初川の谷底のここからしか出ていない。これが水道管ですね。水道管で、位置がここです。後で説明しますけれども、道路の位置と水道管の位置が違う。これがそうです。
 あと、色です。黒い部分、ねずみ色と茶色と、大きく3種類あります。
これで一応ドローンが着陸となります。
重要なのは、この道路のところです。
 3分間あるものですから、映像だけ先に流して後で説明します。
 これは、YouTubeに出ているものなんですけれども、根來さんという方が、撮影したものです。
(映像と音声の視聴) 

○塩坂邦雄参考人
 この2階から撮った映像でちょうど今、土石流が迫ってくるところです。
 これが第1波で、この後第2波がきます。
 この第2波が来て、次に大量の水が流れてきます。一度、第2波がきて少し後に水だけが来て、全体をグチャグチャにしてしまう。
 この間、時系列で、県と私がキャッチボールし、まず7月4日に、私が現地へ行って、このドローン撮影をやりました。県は、担当者が朝、調査をしたとこの報告書にあります。これ、どう歩いたかルートマップがしっかりと入っています。ところが、表流水が入ったという証拠の場所は歩いていないです。だから、知らなかった。7月4日に私が行って、また6日にも行って、これが、逢初川の流域です。この赤いところが土石流です。大きく3つの支流がありますが、一番最初、私が行ったときに、上流の面積が4万平方メートルしかないのです。通常は、この鳴沢川からもう1個ある、ここに水は流れてくる。ところが、これで滑るはずがないじゃないか。確かに盛土のやり方は、排水管を入れなかったとか、しっかりと小段を造らなかったとか、いろいろ問題もあったけれども10年間滑らなかった、という事実があるのです。じゃあ何なのか考えてみると、別のエネルギーを考えないと、つじつまが合わない。
 調べてみたら、こっち側、鳴沢川といいますが、鳴沢川の上流の20から21ヘクタールの水が、こちらへ入ったのです。そうすると、問題はその雨の降り方です。こういうピークの雨は、過去に何度もありました。けれども、10年間滑らなかった。だけど、今回の雨が非常に困ったのは、累積がほぼ500ミリぐらいだった。総雨量が問題なんです。降雨量は、人間でいうとシャワーを浴びる、シャワーを強くばーっと浴びる感じ、これが時間降雨で1時間に何ミリ降るかです。ところが、こちらはお風呂の全体の水なんです。それを、県の報告書を読むと、ほとんど、この今言った、あの流域だけで物を見ていたのです。「しかし」という説明をしなければいけなかったのです。
 当時の難波副知事が、県の記者会見の公式の場で私の名前を挙げて、誹謗中傷したのです。それに対して、6日ぐらいしたら、また謝罪してました。謝罪したけれども、この報告書を見てみると、地下水説から一歩も出ていない。地下水が、なぜ矛盾しているかを今から説明します。
 逢初川の上流のこれが分水嶺です。盛土のところが黄色で、滑ったところが赤い色。水が入っている場所が、明確に分かるのは、ここと、こことここと、それからここです。つまり、分水嶺を越えて水が入っている。この破線で書いたのは、こっち側のさっき言った20ヘクタールの水が、全部越えながらここから入っていく。県の報告書を見ると、その痕跡はなかったのです。
 これは、ここを上から撮った写真。人が指を指していたんですけれども、ここは勾配が20%、自転車でも怖くて下れないくらい急勾配になっています。だから、雨水はここを通って、ここからこちら側に落ちた。落ちたのは、ちょうど、昔、農家の方は雨の日に着るみのかさってあるじゃないですか。あのように草の上を水が流れているんですね。1か所に集中したら、ガリといって、削れてしまうのです。ところが、面でいったので、そのガリがないのです。
 ところが、重要なのは、今の道路はここです。ここはものすごい急ですね。こう来て、本当はこっちに流れていかなければいけないところ、ここから流れて、その結果、ここに崖を造っているのです。これが重要なポイントです。ここに痕跡がなくても、ここに痕跡があるのです。この削るエネルギーは、表流水しかあり得ないです。なぜかというと、土石流がばあっといった後でも、この崖が残っている。水が供給されている。それから、このさっきの穴ぼこは、後で清水さんからお話がありますけれども、ここに一応盛土を止めるための施設があった。ちょうど、のりじりをこの表流水が削って、そして円弧滑りなんです。なおかつ、上流からも水がどんどんきていますから、全体の総量が増えた。だから、第1波は、この表流水が流れて、さっき、根來さんという方の撮影のように、10時28分とか31分ぐらいにありましたが、それはほとんど表流水で、この谷底の水が来たくらいで大したことはなかった。
 第2波は、今度は、これは盛土の断面、上流から下流を見ますと、今回滑ったのはこの赤いところです。あの映像を見ると、最初、土石流の先端が黒いでしょう。これは、多分、油を含んだ廃棄物だと思います。それから、色が黒いのと、灰色と茶色があるんですけれども、この灰色はどういうのかというと、盛土の中に水が入りますが、県の報告書にも、透水係数というのがあり、それが1掛ける10のマイナス5乗センチメートルセコンド、つまり1秒間に0.0005センチしか動かない。1日で換算すると10センチしか動かないのです、この盛土の中の水が。1年間でも3メートル60センチしか動かないです。これはなぜかといったら、透水定数がマイナス5乗だからです。これが、滑ってしまったら、地下水があるんだから、もっと大量に出てなければおかしいのです。
 それから、先ほどの映像を見て分かるように、最初の土石流が来て、後から大量の水がブルドーザーで押しているような映像があるでしょう。泥がこう、ゆっくりと動いている。あれは、一度たまった土石流の先端がそこへ止まって、次の水の力で押してるのですよ。ブルドーザーのようにそれでああいう映像が出ている。
 私も最初、勘違いしたことが1か所ありまして、こちらは地元の方が撮影していたと思いますが、ここに新しい水道管がありました。水道管が破裂して、小学校のプール2杯分、900立方メートルぐらいが出たのですけれども、ただこれは、断面が決まっているので、一遍に900立方メートルがどんと出たわけじゃないです。堰を上げて。ある時間出たけれども、次の日はもう止まっていました。
 ここで注目するのは、道路の位置はここなのです。この間が6メートルにあります。ということは、水道管は通常、道路の下、60センチに埋めるんです。そうすると、その残り5メートル余分、新たに土を盛ってるってことなのです。それが、県の報告書では、2017年ぐらいのことなのかな。ということは、最初の地権者と後の地権者がいますよね。最初の地権者の上に、最後の地権者の方が乗せたことになるんですよ。そうすると、撤去命令出すのであれば、両者に出さなきゃいけないんですよ。多分、こちらにしか出してないです。それも、少しおかしい点です。
 それで、もう1つは、現地へ行きますと、こんなグレーチングってなかったんですよ、最初は。圧力を抜くために、ここにこういうものを造ったんです。これは熱海市が設置したんです。ここにちゃんとこう、水が行かないような土のうを積んである。県警に言わせたら、これは、自白したようなものです。こっちに水が行かないんだったら、潰してないです。ここから急なんですね。
 そもそもここはどういう場所かというと、全体が湯河原火山の噴出物でできている。それで、また現地へ行く機会があれば御案内いたしますけれども、これは県のデータです。どういうデータかというと、電気検層と言います。これが、電流を流して、高圧電流を流すのですが、地下に流すと、水があると電気を通しやすいじゃないですか。それが固い岩盤だったら、電気を通しにくい。そういうのを使って調査する。そうすると、これは比抵抗って言いますが、岩石だと、2000とかすごいオーダー、こういう赤いところです。逆に、水分のあるところは1桁。ものすごい差がある。県の報告書は、多分、専門家がやらなかったんですかね、これを都合よく解釈している。これはどう読むかというと、この断面は鳴沢川と逢初川の断面で、今、私どもが問題にしている分水嶺はここになります。このデータから、ここに青いのがある。こっちからこっちへ水が来ているという説明になっています。
 ところが、さっき見たように、確かに水はあるんですけれども、泥流です。泥です。その証拠に、何で泥流だと言うかというと、現地へ行くと、この直径2メートル、3メートルの大きな巨石がころころ転がっている。これは、泥流、泥じゃないと、ころころいかないのです。勾配が緩くなると、これが下りてくるんですよ。そういう石が何か所かあります。確かに水もあるのです。さっき言った透水係数がマイナス5乗ですから、ほとんど移動しない。もっと素人向きに説明すると、お豆腐を包丁で切ります。そうしたら、お豆腐から水は出てこないでしょう。でも、お豆腐には水が入っている。そういう状況なんです。
 ですから、さっき言った、第2波がどーんといって、もし盛土の中の水と地下水だけが行ったのだったら、そこで終わりなんです。第3波は来ないのです。そうしないと、つじつまが合わない。では、水はどこから来たか。地下水ではないです。
 それで、これは、2021年7月4日の、さっき言った、水が入っていますよと私が言ったヘアピンカーブの場所。この場所はどこかというと、このヘアピンカーブのこの位置です。上流からこれがこういうふうに曲がってくる。ここです。そうすると、ここに、もうこぶし大の石が転がってるのです。これくらいの石は、この水位が10センチ以上なければ流れない。それで次の日に行ってみると草が倒れていますが、草は1日で立ちます。これは、それでも数日たってるかな。車が通れるように、こうやってどかしているのですけれども、同じことがこっちでも言えます。
 まとめますと、県のこの報告書を、私も数十回読みましたけれども、この赤のところが大体矛盾点です。青はちょっとあやしい点。相当あるんです。時間があれば、清水先生もやってくれています。
まずポイントは、地下水にこだわり過ぎている。つまり、表流水をかたくなに拒否してきた。ですから、木だけ見て森を見ていない。つまり、水というのは、もう少し広域的に見ないといけないのではないか。
 それから、決定的なのは、やはり10年間不法な盛土をしたけれども、災害が発生していなかったという、1つの事実です。何で発生しなかったのか。それはやはり地下水の流動スピードが遅いからです。
 もう1つ、さっき滑った、作業用道路がここにあるんです。つまり、これは切土ですから、商売をやるときに、この土をこう運んだのですね。運んだけど、どうもこの最初が、2010年ぐらいはこう下っていたんだけれども、映像を見ると、高くなって、ここはフラットになってます。それがさっき、水道管のところに盛ったことになるのです。それで、グライ土場と言うんですけれども、これは土壌の世界だけど、水田なんかへ行くと、あまり耕作してない放棄した水田に行くと、水田の粘土が、青っぽくなったり、灰色になったりするのです。さっき言ったように、ここに灰色があったのは、地下水が存在した証明で、なぜかというと、土粒子の間を水が移動する間に、その中の酸素を取ってしまうのです。それで、アルカリになるんです。だから、灰色になる。黒いのは油のせいです。
 そういうことで、ここに、ダンプが通ったことによって、粘土化が進みます。そもそもここは谷だったんです。こっちとこっちは。谷の入り口をダンプが通ったことによって、地下に粘土のダムができてしまった。すると、ここに水がたまるわけです。だから、第2波はここからずんと落ちた。その後、この辺にかなり表流水が入ってきますので、こちら側とこちら側から流れたという、時系列的にはそういうことだと思います。

○竹内委員長
 引き続き、清水様、よろしくお願いいたします。

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