本会議会議録
質問文書
令和6年決算特別委員会文教警察分科会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 坪内 秀樹 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 10/29/2024 |
![]() | 会派名: | 自民改革会議 |
○坪内委員
一問一答方式でお願いします。
それでは、主要な施策の成果及び予算の執行実績についての説明書64ページに記載されている警察本部企画調整費の支出済額である約750万円の使途と内訳を伺います。
○楠ケ谷総務部参事官
警察本部企画調整費について、令和5年度は新たな施策に向けた調査研究6件に約750万円を支出しました。
6件の内訳ですが、1件目はサイバーパトロール支援システムに関する各種調査研究に110万円余、2件目は証拠資料検索用ライトの正式導入に向けた調査研究に190万円余、3件目は採用活動において転職者を確保するための方策に関する調査研究に140万円余、4件目は無人航空機ドローンの交通事故調査での活用に関する調査研究に140万円余、5件目は電動キックボードの交通教育に向けた調査研究に110万円余、最後の6件目はドローンシミュレーターによる訓練効果に係る調査研究に40万円余であり、計750万円余を支出しました。
○坪内委員
6件の調査研究のうち、サイバーパトロール支援システムに関する各種調査研究、電動キックボードの交通教育に向けた調査研究、採用活動において転職者を確保するための方策に関する調査研究の3件について調査研究内容と成果を伺います。
○本間サイバー犯罪対策課長
サイバーパトロール支援システムは、インターネットの主要サービスであるSNSにおいて正規の求人を装った闇バイトなどの募集広告が掲載されている事例があることから、主要なSNSサービスにおける書き込みの把握、捜査及び迅速な削除を効率よく進めることが可能なシステムです。
具体的には、静岡県に関係するインターネット上の違法情報、有害情報に対してサイバーパトロール支援システムが効率よく情報を収集し対処できるかを調査研究するとともに、サイバー空間における違法情報や有害情報への対応業務の効率化が図れるかについて調査研究しました。
検証の結果、SNS上の闇バイト募集や犯罪に特化したキーワードに符合する書き込みを効率よく収集でき、捜査員の業務負担を軽減し効率化が図られるなど一定の効果が認められました。
ただ、現行システムはまだ開発途上でありシステム上の不具合も多く保守対応も不十分な側面もあったことから、今後は他の企業の同種システムを含め導入に向けて研究を継続していくこととしております。
○鈴木交通企画課長
電動キックボードの交通教育に向けた調査研究ですが、いわゆる電動キックボードと言われる小型モビリティーについては昨年7月に施行された改正道路交通法において特定小型原動機付自転車に関するルールが新たに整備されました。
現在は都市部を中心に普及が進んでおり、利用者による法令違反や交通事故が増加傾向を示しております。本県においても普及が予想されるため利用者が交通ルールを理解して遵守するように、またその存在を広く県民に周知するように特定小型原動機付自転車の実車を活用した交通安全教室を行うこととし、加えて安全教育の観点から実車活用の有効性について調査研究を行いました。
具体的には、実車を活用した場合と活用しなかった場合の交通安全教室をそれぞれ実施した上で、交通ルールの理解度をミニテストにより調査したところ、実車を活用した交通安全教室のほうがより理解が高まる結果となりました。
また、実車を活用した交通安全教室の参加者からは、実際に乗ってみたら想像よりも操作が難しいと感じた、車両の特性が理解できたため自分が自動車を運転する際には特定小型原動機付自転車の動きに十分注意を払いたいとの意見が寄せられ、安全行動の意識づけが図られたと認識しております。
このように実車を活用した交通安全教室は一定の効果が認められた一方で、より実効性が高い方策について継続して検討を行う必要があることから、引き続き県内における特定小型原動機付自転車の走行実態を注視しつつ研究を進めてまいります。
○戸塚警務課長
採用活動において転職者を確保するための方策に関する調査研究ですが、少子高齢化の進行に伴い就職適齢人口が減少する中、増加傾向にある転職希望者をターゲットにした採用募集活動がこれまで以上に重要になるため、転職情報サイトへの情報掲載、転職イベント出展を試行し令和6年度春の警察官採用試験における受験者確保の効果を検証しました。
具体的には、転職情報サイトへの採用情報の掲載、サイト利用者へのPRメール送信、転職イベントへの県警ブース設置による転職希望者への働きかけを実施しました。
効果ですが、令和5年12月から令和6年2月にかけて行った転職情報サイトへの情報掲載では閲覧回数が約6,000回となり、また令和6年1月に行った対面型イベントへの出展では27人が県警ブースを訪問し転職情報サイトを活用した他の企業の平均人数よりも多くの方に利用していただきました。
また、令和6年度春の警察官採用試験の申込者のうち転職者の割合は、大学卒業または卒業見込みの方を対象とした警察官A区分で約20%、新たに新設した高校既卒者を中心とした警察官B区分では約60%を占めるなど多くの転職者の方に申込みを頂きました。
国内の転職希望者が増加する一方で、今後さらに就職適齢人口が減少していく中では転職者の確保が重要となるため、工夫を凝らしながら継続して取り組んでまいりたいと思います。
○坪内委員
意見ですが、サイバーパトロール支援システムは現在社会問題化している闇バイト対策にも有効であると考えます。日頃の警察活動に加えオレオレ詐欺などにはこのような先進技術を活用した対策も積極的に取り入れていただきたいとお願いします。
次に、先ほど採用活動において転職者を確保するための方策に関する調査研究に関する説明がありましたけれども、採用事業に関連して説明資料12ページ(2)エの働き方改革において多様な働き方の1つとして静岡県警察官再採用制度を運用して令和5年度に1人の女性警察官を採用したとありますが、制度の概要と狙いについてお伺いします。
○戸塚警務課長
静岡県警察官再採用制度の概要ですが、都道府県警察官として4年以上の在職経験を有する者が定年に達する前に結婚、出産、育児、介護等の理由によりやむを得ず退職しこれらの事情がやんだ後、再度警察官として働くことを可能とする制度であり、令和4年度から毎年度募集しております。
選考試験は、任用しようとする職に必要な職務遂行能力及び適性を有するか否かについて、選考される者が有する知識、技能等に基づき厳格に判定しております。その後人事委員会で選考請求の手続を行い承認を得て静岡県警察官として任用することになります。再採用された警察官の階級は退職時の階級を考慮し、また給与は条例等に基づき再採用時の階級や過去に就いていた職の期間により個別に決定します。人事配置は再採用以外の警察官と異なる取扱いはしておりません。
なお、これまでに3人を再採用し警察署の専門部門に2人、交番に1人を配置しております。
本制度の狙いですが、育児、介護等の理由で退職せざるを得なかった方に再度警察官として働く機会を提供するとともに、即戦力として受け入れることによる職務執行力の強化や組織の活性化にあります。
近年は就職適齢人口の減少等により採用情勢は非常に厳しい状況ですので、引き続き再採用制度を含め優秀な人材の確保に努めてまいります。
○坪内委員
少子高齢化等の影響で、民間と同様に警察官の人材確保も大変厳しい現状と伺っております。
そのような中、先日津田警察本部長自らが県内大学生に講義を行ったとの新聞記事を拝見しました。講義では警察が行う治安対策や制度説明のほか、職務の魅力について御自身の経験を踏まえながらお話しされたとのことであり、津田警察本部長の発信力の強さから警察関係者の皆様が組織を挙げて取り組んでいく意気込みを感じました。
まさに警察業務は人材が必要不可欠ですから、先ほどから答弁頂いている転職者への働きかけや再採用制度などの取組を含め効果的な採用活動を推進していただきたいと思っております。
最後に、今回お伺いした警察本部企画調整費による調査研究の中で、今年度に採用された事業はあるのか伺います。
○楠ケ谷総務部参事官
今年度に採用された事業は1件だけあり、先ほど戸塚警務課長から答弁しました採用活動において転職者を確保するための方策に関する調査研究について効果が認められることから、令和6年度事業に反映させるものになります。
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