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委員会会議録

質問文書

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令和元年6月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:飯田 末夫 議員
質疑・質問日:07/01/2019
会派名:自民改革会議


○飯田委員
 質問形式は分割質問方式で、内容については水産業についてお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 最初の質問といたしましては、今回の6月補正に計上されておりますサクラエビの主産卵場調査費の内容について3点伺いたいと思います。
 1点目、近年漁獲が減少しているサクラエビについて資源量を把握し、より効果的な資源管理につなげることを目的にされると思いますが、資源量を把握するための手段としてはどんな方法が考えられるのか。特に今回早急に把握するためと明記されておりますけれども、ほかにはどんな手法が考えられるのか質問します。

 2点目、今回計上されている調査費により具体的にはいつどこでどのような調査を行うのか、その内容について説明をお願いします。

 3点目は、水産業の持続的な発展には継続調査も必要と考えられますけれども、今後の調査についてはどのように考えているか教えていただきたいと思います。

○森水産資源課長
 サクラエビに関しまして、幾つか回答させていただきます。
 まず、これまでの調査につきましては、翌年の春漁期の資源量予測が困難となっておりましたことから、来年の春漁に向けて資源量を推計するためより精度の高い緊急的な調査を実施していきたいと考えているところです。
 具体的には、網を水深別に水平に引くことで成育に適した水温帯のサクラエビの卵や幼生数を把握しまして、翌年の春までに成長するサクラエビの量を予測し春漁における資源量の予測向上を図り、より適切な資源管理につなげてまいります。
 その他の手法については、サクラエビは春夏に卵を産むことから卵を産んだ親の量を把握する従来の調査を今まで以上に精緻化して資源量の把握に努めていきたいと考えております。

 2点目の調査の具体的な場所と時期です。
 調査は産卵場として知られる富士川沖の2地点と焼津沖の1地点の合計3地点におきまして、産卵盛期である8月ごろから3カ月程度をめどに水産技術研究所が実施を計画しているところです。

 3つ目の今後の調査の考え方につきましては、適切な資源把握に基づく資源回復が喫緊の課題と考えておりますことから、先ほど申しましたようにこれまでも水産技術研究所で取り組んでいる卵の量から卵を産んだ親の量を把握する調査のさらなる精緻化を進めるとともに、今回の6月補正予算に計上しました調査を含めてサクラエビの資源量を把握するための調査研究を一層進め、漁業者が操業方針を適切に判断できるよう県として支援してまいりたいと考えております。

○飯田委員
 答弁ありがとうございました。
 サクラエビについて私も大変関心は持っていたんですけれども、それこそ新聞報道等で大変危機的な状況だとひしひしと伝わってまいりました。その中で対策を進めていただけることは非常にありがたいことだと思っておりますので、ぜひともよろしくお願いします。
 それと、6月3日の新聞記事にサクラエビに異変ということで漁師の皆さんが大瀬崎の神社にお参りをする話があり、漁に対して信仰も絡んでくるとのことで、自然を相手にしている方たちの真剣な思いをぜひ酌んでいただきながら、資源管理、そして漁獲量がふえるよう今後とも対策をお願いしたいと思っております。
 本県を代表する水産業の中で、サクラエビは先ほど言ったとおり人々に旬を告げる産物の1つですけれども、とかく世間でも関心が高く6月議会でも質問に取り上げられたと思います。その6月議会の質問の中では水質汚濁等についても触れられていました。特に水質については今回の予算に直接的な関係がないと思い言及いたしませんが、ただやはり生き物であるので水の濁りを嫌うとも聞いております。今回漁獲量を減らして不漁につながったことが水質とは無縁であることを念頭に置いていただきまして、原因究明にはさらに調査、研究をしていただきたいなと要望しておきたいと思います。

 質問を続けます。
 静岡県の漁業産出額は全国7位、そして漁業生産量は全国5位とかなり全国的にも誇れる数字、水産王国にふさわしい順位であると思うんですけれども、その中で今取り上げましたサクラエビ、テングサ、シラスウナギ、アサリなど県内を代表する数々の水産物の不漁のニュースは県民にとっては大変つらいと捉えておるところです。
 これらの水産業品のうち、私の住んでおります県西部では特にアサリ、シラスウナギ――本当はここにクロマグロを入れるといいと思うんですけれどもさすがに西部まではクロマグロがなかったものですから――について3点伺いたいと思います。
 1点目としてアサリ、シラスウナギの近年の漁獲状況と課題について伺います。

 2点目、新聞報道にもあるとおりウナギの稚魚であるシラスウナギの採捕が今期過去最低となりました。今後県としてどのように取り組んでいくのか質問させてください。

 3点目、漁獲量の減少に伴い価格が高騰することから漁業者以外が商売目的で漁をする、いわゆる密漁が問題となってきております。新聞報道にもありましたけれども、高価で有名なイセエビも入っていると思います。密漁の状況をどの程度把握状況とそれに対する取り締まりなどの状況等について教えていただきたいと思います。

○森水産資源課長
 まず、1つ目のアサリ及びシラスウナギの現状と課題についてお答えさせていただきます。
 アサリにつきましては、昨年約1,800トンと平成28年のレベルぐらいまで回復しましたが、ことしにつきましては5月までで300トン程度と、前年同月と比べて大体4割程度まで減少しておりまして、安定的な資源回復につなげていくことが課題と考えているところです。
 また、シラスウナギにつきましては昨年12月から本年4月末までの採捕期間の採捕量は479トンと5年ぶりに1,000トンを下回りまして過去2番目に少ない量となっております。シラスウナギの来遊量につきましては非常に変動が大きいこともございまして、取り締まりの徹底により密漁を減らしていくことや流通の透明化など着実に進めていくことが現在の課題だと考えているところです。

 2つ目のシラスウナギ関係についての取り組みにつきましては、採捕者に対して全ての流通経路を届け出ることの義務化や不正規流通に関与した流通業者にも規制措置適用の可能性を明確化するなどこれまで流通の透明化を行ってきたところです。このような他県に先駆けた取り組みに加えまして、秋季における県内全河川のウナギ採捕の禁止であったり浜名湖における親ウナギの買い上げ放流等の活動への支援や県警、海上保安部と連携した取り締まりの徹底といった取り組みを引き続き総合的な対策として実施していきたいと考えているところです。

 3つ目のイセエビ等も含めたアサリ、シラスウナギの密漁の現状と取り締まりについての質問についてお答えいたします。
 国が取りまとめました結果によりますと、本県において県、県警、海上保安部により検挙される違反件数は毎年100件から200件程度ございまして近年は増加傾向にございます。特に漁業者以外のいわゆる一般の方による違反割合が9割以上と密漁がふえている現状です。そのため漁協が行う密漁防止看板の設置に対する補助や、県警や海上保安部とともにイセエビやシラスウナギ等の合同巡視を実施しているところです。加えまして本年につきましては県警、海上保安部、地元の漁協とも協力いたしまして、南駿河湾漁協の管内等におけるイセエビの密漁防止看板を設置して密漁の防止に努めているところです。

○飯田委員
 ありがとうございます。
 特にアサリ、そしてシラスウナギが少なくなってきている。なぜあえてイセエビを出したのかというと、やはり値段が高騰すると密漁者にとってはやりがいが出てしまう部分があると思うんですけれども、浜松市で昨年シラスウナギの密漁で捕まった方がまたことしもやっていることがあり、罰則が緩いんじゃないか、罰金が少ないんじゃないかなと思っております。特に県外の密漁者がわざわざ浜松ナンバーの車を仕立てて違和感のないように近寄ってきていることを聞いたときに、やはり許すべきではないなと思っておるものですから、法令遵守はもちろんなんですけれども、一般の真面目な漁業者が決まったルールのもと漁を行うのが前提になっています。ですからルールを守らない密漁者に対しては厳罰で臨むなど、きちんとルールを守っている正直者がばかを見ないような対応が必要だと思いまして、管理する県としては毅然とした対応をお願いしたいと思っております。
 また、漁については減ってきているわけなんですけれども、その中で資源管理のためさらなる調査研究を重ねて、その結果が成果につながるように御尽力をお願いしたいと思います。

 ちょっと話題を移して、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 県西部の浜名湖に県水産技術研究所の浜名湖分場で調査研究をやられると思うんですけれども、そこに浜名湖体験学習施設ウォットという施設があります。最近この施設の来館者がふえていると報道があったわけなんですけれども、そこに注目して2点伺わせていただきたいと思います。
 いま一度、この施設の目的と概要を教えていただけたらと思います。
 それと、現在何をしているのかということと、今後は何に取り組んでいくのか教えていただきたいと思います。

○瀬水産振興課長
 体験学習施設ウォットの概要と今後の取り組み方針についてお答えいたします。
 浜名湖弁天島にあります本施設は、水産技術研究所浜名湖分場の附帯施設として平成12年にオープンいたしました。館内では触れ合いが可能な浜名湖の水産物を展示する体験ゾーン等を設置しているなど、数少ないスタッフながら目新しく多種多様なイベントや体験教室などを企画、開催しており、体験学習施設として教育的見地からも意義深い内容となっております。
 近年の取り組み強化によりまして、入館者数は平成28年度が7.5万人、平成29年度が9.6万人、平成30年度が11.1万人とこの3年間で増加しており、この4月21日には通算150万人を達成したところです。
 現在、主に小学生向けの展示を行っていますが、今後は大人向けの専門的な要素なども取り入れてリピーターを取り込むとともに、頻繁にホームページでイベント案内の更新等を行うなど新規来場者の取り込みの努力も指定管理者にお願いしたところです。今後とも県民に愛される施設として管理、運営に努めてまいります。
 もう1つ、私どもで漁協漁港マップという食堂のマップをつくっており、7月に更新いたします。それに伴いましてスタンプラリーを開催いたします。3カ所食堂に行くと豪華景品がもらえますが、食堂のほかにウォットを初めとする展示施設の利用もスタンプラリーの対象といたしました。集客の一助となるように今後ともPRの努力をいたす所存です。

○飯田委員
 御答弁ありがとうございました。
 県の施設として、いろんなことをやっていただいている取り組みを私たちも多く知って広報に努めたいと思いますけれども、皆さんにおかれましても県民の皆さんの広報に努めていただけたらと思います。

 それでは、最後の質問をさせていただきたいと思いますけれども、ことし2月議会において議連を中心とした議員提案により水産振興条例が上程、可決、制定され、水産施策の取り組み強化が始められたと思います。水産振興、資源管理、人材確保の取り組みについて、2点質問させていただけたらと思います。
 1つには、資源管理としてシラスウナギのクラウドファンディングによる資金調達を平成29年から始められたとのことです。全国的に最近クラウドファンディングが資金調達の手法として大変有効であり世の中で広く出回ってきているんですけれども、実績を見ますと平成29年度が53万2000円で平成30年度が36万8000円とちょっと減っているんですが、今後もう少し伸ばしていく取り組みについて1点教えてください。

 それと、もう1つが人材確保の観点として担い手育成で、先ほどスタートアップとマッチング支援を行うと御説明いただきましたけれども、どのくらいの規模、人数をイメージされているのかをもう少し詳しく教えていただけたらと思います。

○森水産資源課長
 ウナギのクラウドファンディングの関係についてお答えさせていただきます。
 親ウナギの放流につきましては、平成24年から実施されておりまして放流魚のキロ数は平成28年が410キロ、平成29年は少なくて174キロで昨年につきましては421キロと過去2番目の尾数を放流することができています。一般の消費者を含めてウナギ資源に関心を持ってもらうために始めた事業ですので、これからもさまざまな関係者と連携してできるだけ多くの方に協力していただけるよう取り組みをさらに進めていきたいと考えております。

○瀬水産振興課長
 委員会説明資料の71ページにございます水産イノベーション対策支援推進事業のスタートアップ・マッチング支援の関係です。現在県漁連に相談体制窓口をつくっており、ちょうど申請を受け付けているところです。
 水産業のマッチングは非常に難しくて、例えば外食産業の方が何かやりたいと申しましてもなかなか漁業者をマッチングできません。相談体制窓口に相談いただいて水産イノベーション対策の補助金制度を有効に使っていただく制度でございまして、6月30日まで申請を受け付けましたところ50件以上の相談が寄せられ、今ちょうど取りまとめておるところですので、また御報告したいと思います。

○飯田委員
 御答弁ありがとうございました。
 別にクラウドファンディングの額が減ったことに文句を言うわけじゃないんですけれども、ただ何かあったらなと目についたものですからお尋ねいたしました。
 条例を制定して県としても本格的に水産振興、資源管理、人材確保に取り組んでいくとのことで大変頼もしく感じているものですから、今後ともよろしくお願いしたいと思っております。
 最後になりますけれども、新人議員研修のときに説明いただきましたが経済産業部が実は県庁の中で一番職員が多いことがとても印象的でした。それともう1つとして経済産業部ではお金を生む仕事をしているんだと先輩からも教わっておるところです。本当に皆さんにはいろいろ期待したいと思いますので、またぜひいろんなお知恵を使っていただきまして静岡県の振興のために今後とも御尽力いただけたらと思います。以上で質問を終わります。

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