本会議会議録
質問文書
令和5年決算特別委員会危機管理くらし環境分科会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 田口 章 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 11/01/2023 |
![]() | 会派名: | ふじのくに県民クラブ |
○田口委員
分割質問方式でお願いします。
初めに、主要な施策の成果及び予算の執行実績についての説明書75及び76ページ、消費者行政総合推進事業と消費者行政強化促進事業についてお尋ねします。
説明資料78ページに令和4年度の消費生活相談件数は2万6109件、相談員を東・中・西それぞれ5人ずつ配置しているとの記載があります。東・中・西ごとの相談件数は分かりますか。
○望月県民生活課長
今、資料を持ち合わせておりませんので、後ほど提出させていただきます。
○田口委員
東・中・西5人ずつ配員しているということですが、バランスが取れているか気になりました。資料提供は後からで結構ですので、バランスが適切かどうかきちんと確認してほしいと思っています。漫然と5人ずつ配員しているのでは困ると思ったので質問しました。
説明資料88ページ、消費生活相談における成果指標として、相談1件当たりの被害額が書かれています。
私、ちょっと違和感がありまして、被害額の総額を管理するのであれば何となく分かるんですが、相談1件当たりの被害額の現状39万5000円を目標値で28万円以下に抑えるというのは、どういう意図があるんでしょうか。僕は総額で管理したほうがいいのではと思いますが、1件当たりとしている理由を教えてください。
○望月県民生活課長
消費生活相談の成果指標について、相談1件当たりの平均被害額を指標とする理由については、相談件数や被害総額を指標とした場合、消費者被害が減少した場合だけでなく被害を相談しない人が多くなった場合にも数値が減少しますが、平均被害額は支払う前に相談する人、あるいは少額であっても諦めずに相談する人が増えれば数値が減少します。被害の減少だけでなく、消費生活センターが身近なものになっていることも測定できるものと考え、平均被害額を成果指標にしています。
○田口委員
理屈は分かりましたが、例えば相談をしたいけれどもできなかった人もいるかもしれない。あるいは、相談員が各センターに5人配置されているけれども足りないかもしれない。そういったあたりまで検証しないと適切な数値はつかめないんじゃないかと思ったから取り上げたわけです。
望月県民生活課長の考え方自体は否定しませんが、消費生活の被害が最近増えているのであれば、本当にこの指標が適切かどうか、もう一度考えてもらいたいと思います。
次に、消費者行政総合推進事業に約7000万円、消費者行政強化促進事業に約7800万円を計上していますが、中身を見てもよく分かりませんでした。
簡単に言えば、予防啓発と被害者救済に分かれると思うんですが、そういった区分での予算の区分けは分かりますか。
○望月県民生活課長
消費者相談及び事業者指導を被害者対策、消費者教育及び啓発を予防啓発と考えた場合、双方に係る経費もあることから概算でお答えしますと、消費者行政総合推進事業費は約9割が被害者対策に係る経費、消費者行政強化促進事業費は7839万円のうち市町への補助金を除いた県執行分2146万円の約9割が予防啓発に係る経費です。合計しますと約4分の3が被害者対策、約4分の1が予防啓発の予算となりますが、被害者対策には消費生活相談員の人件費等が含まれますので、事業費ベースで見ますと予防啓発に係る予算のほうが多い状況になります。
○田口委員
賀茂地域でも相談員を確保していて、そこに人件費がかかるのは否定しません。警察との連携もあるでしょう。
けれども、政策としてはやはり予防啓発に力を入れるのがいいのではないかと私は思います。そのあたりも含め、今回の決算の数値を見ながら、予算の適切な在り方について検討していただければと思います。
次に、説明資料114ページ、男女共同参画の成果指標にふじのくに女性活躍応援会議の登録事業所数とあり、目標がR7で300事業所、R4の実績は240です。この評価についてお尋ねします。
登録事業者数については、毎年更新しているとしたら240の事業所にお願いのアプローチをしたと思いますが、そのまま継続していただける仕組みであれば、前年度の236事業所に対して4つしか増えていないという見方もできるんですよね。
男女共同参画をしっかりやらなくちゃいけないセクションで、1年間に4か所しか登録事業所を増やせないというのは――ちょっと厳しい言い方ですが――何もしていないに近い気がします。所感を伺いたいと思います。
○高松県民生活局長
ふじのくに女性活躍応援会議は、県内の産業界における女性活躍を促進するための官民一体のネットワークで、企業や団体に加盟していただいていますが、8番委員のおっしゃるとおり、令和2年度の211と比べても登録事業所数に伸び悩みが生じていることは否めないと感じております。
私どもは、例年県内の経済団体――商工会議所や商工会議所連合会など――を回って、加盟や連携をお願いしているところでございます。
○田口委員
団体等を回るのが県の普通のやり方かもしれないですが、経済産業部は結構、企業訪問をやっているんですよね。以前、産業委員会の委員だったときにも、私はもっと企業を回ったほうがいいと話したことがあります。
団体とか市町にお願いするだけでなく、男女共同参画課として本当に進める必要があると思っているのであれば、実際に企業を回ったほうがいいですよ。もし皆さんが回れないのであれば、経済産業部が企業訪問するときに男女共同参画のことも織り込んでやってもらいたいと頼むなど、庁内で情報を共有したほうがいいと思います。
これを取り上げたのは、都道府県版ジェンダー・ギャップ指数の経済分野で静岡県は47都道府県中最下位という話があるじゃないですか。経年でこの指標を追いかけるのもいいですけれども、他の自治体と比較して静岡県が下位になってる部分はそれを引き上げていく取組を政策的に私はやるべきだと思いますので、今後改善頂きたいと思います。これは意見として申し上げておきます。
次に、説明資料116ページ、117ページの豊かな暮らし空間創生事業についてです。
昨日7番委員からも質問がありましたが、決算額59万円に対して当初予算は1000万円以上計上されていたんですよ。昨日の答弁で、ふじのくにのフロンティアを拓く取組の計画期間が2027年まであるから引き続き頑張っていきたいという説明がありましたが、所管課としてこの事業をどう評価しているのか。豊かな暮らしや多彩なライフスタイルを実現できる環境を整備するという県の上位目標に対して、この事業がどういう成果を上げているのか――2027年まで計画期間があるからやっているというのは事業を推進をする理由にならないと思いますので――説明をお願いします。
○稲垣住まいづくり課長
当初予算が一千数百万円で、その多く1000万円を宅地開発事業費助成として計上しておりました。ふじのくにフロンティア推進区域内の宅地造成に伴い道路・公園等の公共施設整備を行う事業者に対して市町が補助する経費の2分の1、上限1000万円を助成するもので、令和4年度は予定されていた1地区について事業者の意向や市町の要望を踏まえ計上しましたが、事業着手ができないこととなり取りやめとなりました。
都市圏と異なり自然が豊かなところが静岡県の最大の特徴と考え、ライフスタイルやライフステージに応じた住まいの選択肢の拡大として豊かな暮らし空間創生事業に取り組んでいます。宅地開発事業費助成は豊かな暮らし空間の創生に向けて、ふじのくにフロンティア推進区域内で都市圏にない生活と豊かな自然が調和した住宅地の整備を進める市町を支援するものであり、事業としては重要なものと考えております。
○田口委員
これ以上、今日は申し上げませんけれども、説明資料117ページの表を見れば分かるように、制度導入当初は参加する事業者が結構ありますが、だんだん民間でできるところは民間に任せるなどやり方を工夫されたほうがいいと思います。私も7番委員と同様の感覚を持っており、この事業については見直しが必要ではないかと思っています。
次に、説明資料119ページ、テレワークの推進と環境整備について質問したいと思います。
ふじのくにライフスタイル創出住宅リフォーム事業費助成は、国の交付金事業なので使えるものは使おうということだと思いますが、交付件数900件余は数的にかなり大きいと思うんです。申請書も拝見しましたがチェックだけでも大変だと思います。
この事業について、所管課の評価を聞きたいのですが、先に私の懸念を申し上げておきますと、例えばテレワークをしたいからこの事業を活用するというよりも、新築や増改築するときにこの事業が使えるみたいな、そんな使われ方になっていないか心配してるんです。900件の実績がある中で、どのようにこの事業を評価しているか教えてください。
○稲垣住まいづくり課長
昨年度は、コロナ禍でテレワークの実施が必須となっていた時期でした。多くの方が自宅――この事業の対象は一定程度経過した既存住宅――でのテレワーク環境に不満を持っているという民間の調査結果等がありましたので、適切に自宅でテレワークができ、子育て等もやっていけることを目指してこの事業は実施しております。
昨年、本制度を利用した方にアンケート調査を行いました。96%の方から、自宅でのテレワーク環境の不備、不満についてリフォーム後にテレワークがうまくできるようになり不満が解消されたとの回答がありました。コロナ禍におけるテレワークの環境整備に相当な効果があったものと考えております。
○田口委員
それは、やれば効果があったという回答が出てくるでしょう。効果がなかったと回答した4%について、むしろ変だなという気もします。
いずれにしても、テレワークが当たり前の勤務形態になりつつある中でこの事業やこういう予算づけをいつまでやるか考えたほうがいいと思います。1億円、2億円の予算があるなら、もっとほかに事業ができるんじゃないかという気がします。先ほども申し上げましたが、民間でできることはやっぱりどんどん民間に回していくほうがいいのではと意見として申し上げたいと思います。
それから、説明資料146ページのライフスタイルの転換について。
新しいクルポの運用を始めたとありますが、アプリの再構築にかかった経費を教えてください。
○佐藤環境政策課長
アプリの再構築に関する費用は決算額で849万2000円でございます。
○田口委員
登録者数は旧クルポと新クルポの合計で2万8000人ぐらいですけれども、登録者数とはダウンロードされた数でよろしいでしょうか。
○佐藤環境政策課長
ダウンロードしただけでは登録者数にカウントされません。ダウンロードした後に、年齢や居住地域など個人情報に当たらない一定の情報を入力してもらう必要があり、その登録をもって登録者数1件とカウントしています。
○田口委員
説明資料150ページに記載されている活動指標のアクション数とは何か――多分登録者が何かをやった回数だと思いますが――教えてください。
○佐藤環境政策課長
クルポは、脱炭素アクションアプリとも呼んでおり、クルポを通じて公共交通機関を使う、あるいは自転車を使うなど脱酸素に関する活動――メニューは全部で25種類ありますが――をすると1ポイントが加算されます。この数をアクション数としてカウントしています。
○田口委員
新クルポと旧クルポがあるので分かりにくいのですが、1人年間10回ぐらいアクションしていることになると思います。360万県民への広がりを考えたとき、クルポが脱炭素に向けて生活を見直していくのにどの程度効果があるか聞きたいと思います。
昨日の危機管理部の審査でも言ったんですが、アプリはよしあしでスマホで簡単に使える一方、ウェブブラウザのほうが啓発活動には便利だと言われているんですよね。アプリをダウンロードして使ってもらうことが目的化していて、本来の目標に届いていないんじゃないかと思っているわけです。そのあたりについて所見を伺いたいと思います。
○佐藤環境政策課長
クルポの取組は、県民のライフスタイルへの意識を変えることを目的としており、脱炭素アクション数を増やすことが当面の目標です。
36万回という目標を定めて進めていますが、少しでも数を増やしていく取組が必要だと思っています。旧クルポの時代は月々のアクション数が約1.9万回でございましたが、今のアクション数は約6倍、10万回を超えており、クルポのリニューアルは一定の効果があったと考えております。
脱炭素アクション数だけでなく、クルポの様々な効果を広げていくことによって、県民のライフスタイルの転換を進めていきたいと考えています。
○田口委員
コンテンツによるでしょうけれども、若年層には効果的かもしれません。ターゲットをしっかり見て進めてもらいたいと思います。くれぐれも手段と目的を間違えないようにお願いします。
次に、説明資料150ページの活動指標で、SNSや動画を活用して環境教育に関する情報発信を行った回数が61回とあります。目標の40回に対して積極的にやっているなという評価ですけれども、この事業の成果を教えてください。
○佐藤環境政策課長
SNSでは、環境保全活動のイベント等のお知らせや具体的な活動の紹介、先進的な取組事例の紹介などを配信しています。
成果、効果につきましては反響ということになろうかと思いますが、例えば2年前に環境配慮型ふじのくにライフスタイル動画、静岡エコライフ劇場というシリーズを7本制作しユーチューブで配信したことがあり、再生回数は13万回を数え一定の反響があったと考えております。
○田口委員
ユーチューブなどのSNSは、若い皆さんへの啓発には非常に有効だと思います。誘導の組み合わせを考えて、まずは若い世代へのアクションを強化したほうがいいのかなと思いました。
説明資料148ページ、環境学習指導員等フォローアップ研修に50人が参加したとありますが、そもそも環境学習指導員は何人ぐらいいるのか、また研修の内容についてもお尋ねしたいと思います。
○佐藤環境政策課長
まず、環境学習指導員の数ですが、令和4年度で登録者数が558名でした。
またフォローアップ研修は、県内を東部・中部・西部等4地域に分けて、9月から12月にかけて年4回行いました。自然共生社会、循環型社会、脱炭素社会などのテーマで環境全般について学べるように行ったところでございます。
○田口委員
地域バランスを考えてやっていただきたいと思います。地域ごとに定員が充足してるかどうか、研修を受けたいけれども話が聞けない状況にならないよう気をつけて実施してほしいと思います。
次に、説明資料149ページ、環境学習ポータルサイト「ふじのくに環境ラボ」の構築についてです。
私もサイトを見ましたが、コンテンツとしては非常にいいと思いました。この利用実績をお尋ねしたいと思います。
○佐藤環境政策課長
ふじのくに環境ラボは、環境学習の総合ポータルサイトとして今年3月にリニューアルオープンしました。
実績としては、閲覧数が1つの指標になると思いますが、過去にプロトタイプみたいなものを公開していたときには約1.3万件でしたが、新規公開した後は7.8万回まで閲覧数が上がっております。
○田口委員
こういうコンテンツを充実させることは大事です。さっきも言いましたが、導入してすぐは割と閲覧数が上がるんですよね。そこからだんだん冗長化しちゃうので、そうならないようどんどんリニューアルしていってほしいと思います。いずれにしてもこういう啓発活動にはウェブブラウザのほうが有効な気もするので、組合せについてはまたよく考えていただきたいと思います。
次に、説明資料152ページ、自然ふれあい施設についてお尋ねします。
まず、指定管理者のところと直営のところがありますが、どういう区分けをされているのか教えてください。
○深江環境ふれあい課長
指定管理者制度を使っているところが県立森林公園と県立森林公園の中にある森の家、県民の森でございます。これらは宿泊施設の運営や自主事業の実施など民間のノウハウを生かした管理運営が効果的と思われることから、平成18年度から指定管理者制度を導入しております。
その他の7施設は、市町等関係者と連携を図りながら県で運営しています。
○田口委員
指定管理についてもう少し聞きたいんですけれども、例えば森林公園や森の家は、自然に触れ合う目的で使う方もいるでしょうけれども、会議室の利用などの目的で使う方もいると思うんです。そういった理由で指定管理を導入しているわけではないんでしょうか。
○深江環境ふれあい課長
森林公園の中には会議室があり、県民の森にもロッジの中に会議等ができるスペースがございます。会議利用のほか宿泊利用も含め、民間のノウハウを活用していきたいと考えているところでございます。
○田口委員
使える施設は指定管理制度でやっていると理解しました。ただ、自然ふれあい施設の中には、天竜の森のように何もないところもあるわけですよね。設置の趣旨に沿った運営ができているかは考えていただきたいと思っています。
次に、説明資料153ページに自然ふれあい施設の改修や更新のために6315万円余、天竜の森の水道施設の撤去等とありますが、施設もそれぞれ老朽化してきて、今後こういう事業が増えてくると思います。観光施設整備事業費なのでスポーツ・文化観光部の予算を使っていると思いますが、観光施設という位置づけなのか、そのあたりの考え方について教えてもらえればと思います。
○深江環境ふれあい課長
自然ふれあい施設の修繕は観光施設整備事業費を使って行っています。観光施設としての位置づけかという点については、観光的な一面もある施設ということでスポーツ・文化観光部の事業を活用させていただいています。
○田口委員
自然ふれあい施設は、県あるいは市町の類似施設も合わせてこれから老朽化が進んでいきます。対応については、統廃合を含めて考えていったらどうかなと思います。意見にしておきます。
次に、説明資料155ページ、芝生文化創造プロジェクトの予算660万円の中身について、もう少し詳しい説明をお願いします。
○深江環境ふれあい課長
芝生文化創造プロジェクト事業費については、県内の芝生化を進めるための研究に要する経費を計上しています。低コストで使いやすい芝生の選定や育成管理方法等の研究を行っています。
○田口委員
上位計画は何でしょうか。芝生の新種を開発することもあるのでしょうが、最終的には芝生を県内の学校やいろんな施設に導入してほしいということだと思うんです。そのときのネックは維持管理だと聞いています。研究開発もいいですが、普及促進にもう少しお金を配分したほうが事業として前に進んでいくんじゃないかと考えています。予算配分についてしっかり検討していただきたいと思います。
最後に、説明資料174ページ、食品ロス削減推進事業についてお尋ねします。
啓発事業の効果測定は非常に難しいと思うんですけれども、84万円余かけてやっている事業について評価を教えてください。
○片山廃棄物リサイクル課長
啓発事業によってどれだけの効果があったか明確にお示しすることは難しいですが、県は食品ロスの削減推進が必要と考えており、国の食品ロス削減事業や国からの交付金を活用して長期的視点で地道に啓発活動を行うことがひいては食品ロス削減につながると考えております。
○田口委員
意見にしておきますけれども、キャンペーンはやっぱりさっきおっしゃったように効果測定しにくいんですよね。
フードバンクのように実質的に動かしている事業のほうが分かりやすい気がします。ぜひそういう方向も検討していただければと思います。
今日は、会派で議論したことをお話ししたため、私の言葉になっていなかったかもしれませんが御了承ください。終わります。ありがとうございました。
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