本会議会議録
質問文書
令和5年6月定例会総務委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 伊藤 謙一 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 07/05/2023 |
![]() | 会派名: | 無所属 |
○伊藤(謙)委員
それでは分割質問方式で5項目に関して随時質問させていただきます。
まず、総務委員会説明資料4ページ目の広聴・広報の取組に関してお伺いしたいと思います。
説明資料中段ですけれども、ホームページやSNSに関して、画像生成AIの活用という言葉があります。具体的にどのような手法をイメージしているのか、現在検討してる段階で結構ですので御答弁頂きたいと思います。
この質問に関して1点心配しているのは、著作権の関係です。5月30日に文化庁が公開したAI著作権の関係等については、類似性、依拠性の双方において該当すれば著作権侵害に当たるとのことで厳しいなと感じているんですけれども、そういった中でこの活用の懸念がないか、リスクヘッジの部分でお答え頂ければと思いますのでよろしくお願いします。
○岩崎広聴広報課長
まず、画像生成AIの活用につきまして御説明いたします。
本事業はAIを活用したシステムの利用により、県政の各事業の内容を要約した正確かつデザイン性の高いイラストやグラフィックなどの画像コンテンツを生成するものになります。具体的に言いますと、文字情報をこのシステムに入力してイラストや図表、グラフィックなどの画像コンテンツを生成し、ホームページや記者提供資料のほか我々が持つ媒体である県民だよりやSNS等の記事に使用することを考えており、これまでの作業に比べてより分かりやすく、かつスピーディー、効率的になることを狙いとしています。
7番委員御懸念の著作権や安全性につきましては、このシステム導入に当たり事前にAIについての学習を行うことが想定されます。このときに事業者が著作権を所有する、あるいはライセンス制約のない画像素材を用いるものに限定するなど、これから契約する中でそういった条項を明記するつもりでおります。
なお、これからコンペティションを行い審査を行いますけれども、その審査に当たりましても我々の審査課の中に職員以外の専門家、この場合だと著作権等の専門家お1人に出席頂くことを予定しておりまして、この中でもきちんと法的な観点での審査を行った上で契約したいと思っております。
また、実際の契約に当たりましても、契約条項に合わせて県でAIに関するガイドラインを定めておりますので、これに沿った形で運用していくことを考えております。
○伊藤(謙)委員
今のところで要望させてください。
著作権に関してはリスクヘッジが担保されてるなと感じましたけれども、先日大手出版社の集英社が7日に生成AIを使ってあるアイドルの写真誌を発表して非常に反響を得たんですけれども、僅か1週間ほどで販売を取りやめました。
その背景にあるのは、社内での議論が不十分だったことです。その内容は話題になればなるほど、ツイッター上でそのアイドルが実際の芸能人にすごい似ていたと。類似性、依拠性という部分でAIで作ったことを売りにして出版していたので、そこに関して理由が担保できなくて出版を取りやめたという背景があります。
なので県としては、多分今おっしゃっていただいたように内部としてはもうリスクヘッジされているとのことですけれども、やはり画像を広報物に出すときに、AIで作ったのかどうかを事前に確認しながら表に出すことを要望したいと思いますのでお願いします。
次の質問に移らせていただきます。
次も人工知能系で恐縮ですが、説明資料9ページの生成AI利用ガイドラインの策定に関してお伺いします。
まずは1点目ですけれども、生成AIをチャットGPTに限った理由の詳細をお伺いしたいと思います。入力内容が学習データに使用できないものと付け加えてありますので、逆に学習できると何が問題なのかお伺いします。
もう1点は、生成AIの利活用に関しては今県内の市町でも非常に活発な議論がされていると思います。例えば掛川市では、本年6月定例会の一般質問でチャットGPTの運用を本格的に使用していくかどうかをガイドラインの作成を含めながらスタンスを明確にしているんですけれども、足並みがそろってない35市町の状況を県としてどのように注視し認識しているのか見解をお伺いしたいと思います。2点お願いします。
○曽根デジタル戦略課長
それではまず先に、入力内容が学習データに使用されたときの問題点からお答えしたいと思います。
入力情報が生成AIの学習データに利用された場合、その入力情報が別の第三者の質問に対する回答に使われる可能性があります。結果的には情報漏えいと似たような状況になることも考えられることから、ガイドラインにおいては入力内容を学習に利用できないように設定することと定めてございます。現時点では、入力情報がAIの学習データに利用されないよう設定できるものがチャットGPTしかないことから、当面の間チャットGPTに限るとしているところです。
続きまして、県内市町の対応についてでございます。
今7番委員からもお話がありましたけれども、積極的に活用する自治体も幾つか見受けられているところでございますけれども、現時点では否定的な見解を示しているところは聞いておりません。県といたしましては、この生成AIを使っていくことは業務の効率化や行政サービスの向上に有効な手段の1つだと考えております。
今回6月15日にガイドラインを策定したところでございますけれども、こちらについてはその日のうちに県内の全市町に向けて情報提供をしたところでございます。県が積極的な利用をする姿勢を示して、今後県でも使っていく中で効果的な事例なども情報提供しながら、適正で安全な利用を各市町に伝えてまいりたいと思っております。
○伊藤(謙)委員
1問目に関してだけ再質問させてください。
今おっしゃっていただいたチャットGPTに限るといったところに、私は論点が2つあると思ってまして、1点目の論点は、果たして学習しないAIを使うメリットの享受がどこまでできるのかということだと思います。
先ほどの1問目と矛盾するんですけど、確かにリスクを考える中で情報漏えいについて考慮することは大事なことですけれども、例えば範囲を限定した中で生成AIに学習させた場合どうなるかについても非常に重要ではないかなと思います。
質問は後段の2点目の議論でさせていただきますが、ガイドラインを作成して利用されると思うんですけれども、このガイドラインの見直しをどのタイミングで図っていくかです。現在はリリースからとのことですが、生成AI自体も本当に数か月単位で非常に世間に与えるインパクトが変わっており、チャットGPT自体も昨年の11月にリリースされて、1月には全世界で1億人のユーザー数を突破しました。グーグルのBardが追い抜くのかなと思いきや、3月にはGPT−4をリリースして、今は国内では一強体制に近い形でチャットGPTが使われようとしている中、県が考えている利用の基準が学習機能を選択できるかどうかでチャットGPTを選んでますとのことでした。例えばほかのプラットフォームで選択できるようになったり、後発のBardはグーグルの検索エンジンにひもづいてくる可能性があり、非常に便利なものになるかもしれない中で、ガイドラインの改定のタイミングを庁内でどのように考えているかお伺いしたいと思います。以上です。
○曽根デジタル戦略課長
7番委員御指摘のとおり、こういった革新的技術は日々変化して様々なものが出てきております。今回のいわゆるオプトアウトの設定については現在チャットGPTしか確認されていませんけれども、当然ながら今後そういった設定が確認できたものについては、随時ガイドラインの改定を考えていきたいと思います。
それ以外にも、当然ながらこれからいろいろと利用が進む中で新たな懸念やリスクも出てくると思います。様々な動向を注視し、ガイドラインの逐次見直しを検討していきたいと思っております。
○伊藤(謙)委員
次の質問に移りたいと思います。
説明資料17ページ目の公文書の管理に関する条例の制定に向けた取組に関してお伺いします。
逢初川土石流災害に関して、県議会の特別委員会の提言を受けて今回本条例を制定すると伺っていますけれども、改めて本条例が制定されることでこれまでの公文書管理の体制、やり方が具体的にどう変わるかお伺いしたいと思います。
○小坂文書課長
これまでの文書管理等の具体的な変更点についてお答えいたします。
変更点の1つ目は、公文書は県民の共有財産であり、県民の説明責任を全うするという県民の視点を意識した公文書管理を行うことだと考えております。
次に、条例による実施期間の統一ルールを定める点でございます。これまでは知事部局、教育委員会などの各実施機関が規則等を個別に定めて公文書の管理に当たってきたところでございますが、新たな条例につきましては実施機関における統一ルールを規定することといたします。
最後に公文書の廃棄決定についてでございます。これまでは文書管理者である所属長が保存年限が経過した公文書の廃棄決定を行っておりましたが、新たな条例では各実施機関はまず文書課に廃棄の報告をし、外部の審査会の意見を勘案した上で廃棄の決定をする規定を検討しているところです。以上が具体的な変更点となっております。
○伊藤(謙)委員
要望させていただきます。
今おっしゃっていただいたルールの変更もよく分かったんですけれども、やっぱり2つ論点があると思っていて、まずは庁内に対していかに浸透させるかということ、もう1点はこの条例の目的である公文書は県民共有の財産であること、公文書管理の基本的事項、県民への説明責務等が県民側に周知されてるのかなと思います。やはり1つの条例をつくったときに、管理する側の行政とそれを監視する――監視するという言葉が合っているか分かりませんが――県民との間で共通の認識が取られないと条例として機能しないと思いますので、その辺りも含めて周知をよろしくお願いします。要望とさせていただきまして、次の質問にさせていただきます。
次に、県庁働き方改革の取組、特にペーパーレス改革についてお伺いしたいと思います。
県庁を挙げて取り組んでいただいているペーパーレスの取組ですが、昨年度文書削減のモデル実施をされているとのことですけれども、その結果がどうであったか。
また、今年度どのように文書削減の全庁展開を進めるか、その目標や意気込みを伺いたいと思います。
○兼子行政経営課長
県庁のペーパーレス化について、まず取組の背景、経緯に触れていきます。実は昨年度当初に県庁の知事部局各フロアの文書量を調査いたしましたところ、冊子等も含めて本庁だけで約1億9400万枚の紙がフロア内に保管されていることが判明いたしました。このため本庁の保管文書を令和8年度末までの5年間で50%削減することを目標として掲げましたが、まずは既存の紙文書の削減方法、手法を確立するため、昨年度経済産業部の一部の所属をモデル所属としまして文書削減に取り組んだところでございます。
その結果でございますが、フロア内の文書の保管の要否を判断する際にどういった着眼点があるのか、文書削減の進め方等を文書削減手順書に整理して、モデル所属内におきまして約300万枚、率にいたしますと約50%以上の文書を削減することができたと考えております。
本年度以降の展開でございますが、昨年度確立いたしました文書削減の手法を全庁に展開し既存紙文書の削減を本格的に進めるとともに、本年度から各年度3部局程度を重点部局として選定いたしまして、部局ごとに順次集中的な文書削減に取り組むこととしたところでございます。
今後、既存文書の削減とともに業務のペーパーレス化によって新たな紙文書の作成抑制にも併せて取り組むことで、職員の働き方を変革させて業務の生産性の向上を一層図ってまいりたいと考えております。
○伊藤(謙)委員
最後に1点だけ今の項目とはまた別で伺うんですけれども、昨日知事に対しての報道で、約440万円の報酬が返金されなかったとの報道を目にしました。
私自身は当時議会に所属していなかったものですから率直な感想で申し上げたいんですけれども、知事を支える事務方として、コミュニケーションは今日まで問題がなかったのか、イエスかノーか端的にお答え頂きたいと思います。お願いします。
○川口秘書課長
まず、政策推進に当たっては少なくとも各部ないしは各部局連携で知事に説明、協議を行い、各行政分野について推進、促進しているとこでございます。
ただ、今回の問題につきましては知事の給与に係ることである点、あとは知事が熟慮を重ねて公人、知事として職責を果たすという熟慮の結果、結論に至ったということがございまして、我々事務方としてこの件について積極的に進言することはできておりませんでした。この点については、適時適切なタイミングでということで配慮が足りなかった、配慮に至らなかったと反省しているところでございます。
このページに関するお問い合わせ
静岡県議会事務局議事課
〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
電話番号:054-221-3482
ファクス番号:054-221-3179
gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp