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委員会会議録

質問文書

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令和4年11月逢初川土石流災害検証・被災者支援特別委員会 質疑・質問
質疑・質問者:相坂 摂治 議員
質疑・質問日:11/11/2022
会派名:自民改革会議


○相坂委員
 都市計画法に関して今、清水先生がおっしゃった、宅地造成の一体的開発により、今回の源頭部の盛土が、土捨て場になっていたという御見解は、実はそれほど我々になじみのある考え方ではないので、少し伺っていかなきゃいけないと思っているものの、どう聞いていこうか悩んでいるんですが、では、1つずつ、最初のところから。まず県が地下水にこだわっている理由については、どんなふうに、お二人はお受け止めでしょう。先ほど、木を見て森を見ずというお話がありましたけれども、我々からすると、それだけの御意見や見解が一方でおありの中で、前回、この委員会の中でも、実は難波元県理事から、地下水の見解については、新たに示されたところです。でもそれ以前から、先生方がこの問題について指摘されていたことは、私どもも承知していましたので、この地下水に県がここまでこだわっている理由をお二人はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

○塩坂邦雄参考人
 科学的なことと、それから政治的なことに分けますね。
 まず、科学的なほうは、地質学の視点からいくと、私がもう一番最初に気がついたのは、あそこが谷の上流部で、あそこに盛っただけでは滑らないだろうという直感です。さらに2回目の調査をしていったら、さっき言ったように、非常に流域面積が狭いです。ところが、県の場合は、盛土の滑ったメカニズムに集中しようとしたのです。ですから、流域から水が入っている視点が全く欠けていた。それを、今度、私がたまたま8日かな、県庁で記者会見をやったのです。そのときは、専門家が私しかいなかったものですから、現場はマスコミがわんわん来てしまって、もう仕事にならないものですから、まとめて県の記者クラブでやりましょうと言って、その朝一番で、当時の難波副知事に私は電話を入れてるのです。これこれこういうわけで水が入っていますよって言ったら、知りませんでしたって言っていたのですよ。ということは、表流水のことは全く考えてなかった。彼は彼なりに専門家だったので、相当長い期間、記者会見をやられていました。
 そこに、私が逆に表流水のことを言ったので、プライドなのか、それは分かりませんけれども、普通、科学というのは詰めていって、99%までいっても、1%違ったら戻らなきゃいけないんです。それが地下水と発言してしまったことから、そのままずっとその論理で進んでいったのと、それから、委員の先生方も二、三名いらっしゃいましたね。ところが、水利地質の専門家はいないのです。せっかく、相当のお金がかかっていると思うんですよ。あの電気探査にしてもボリュームにしても。それを解析する判断力に欠けていたのではないかというのが、私の結論です。政治的なことは、私は分かりません。

○清水浩参考人
 私が思うのは、まずこの宅地造成の排水に全く触れていないという話を、かなり早い段階からさせていただいていますが、発災したところの2メートルすぐ横に、排水施設があるんです。これは本来であれば、熱海市に移管されて、熱海市が管理するのであれば、施設自体も正常に機能していた可能性はあるんですけれども、その移管作業自体が行われていないために、長年放置されて、実際、機能していなかった可能性が高いと見ています。これが機能していないということになると、開発行為のその許認可の在り方ということになり、本来の許可権者は最初は県になりますので、あと、熱海市の監督責任も、今まで以上に、土採取以上に主体的なものが求められてくると思うので、そういった理由も1つあると思っています。

○相坂委員
ありがとうございます。
 まず、塩坂先生に、本委員会で、難波元県理事が、この書類を出されました。本来これは、元県理事が我々に提出するのではなくて、検証委員会がやるべきことだったのではないかという気がして、そのときもそう申し上げましたけれども、この中に、やはり表流水の盛土内の浸透量は大きくないとか、元県理事の表流水に対しての考え方が示されていて、かつ、その背後には、非常にバイアスがかかってしまっていてという発言も、この委員会の場でなされているのですが、それについては、何かお考えがありますか。

○塩坂邦雄参考人
 さっき、短い時間で説明が不十分だったかもしれませんが、県にはその表流水が入っているという考えがまずなかったんです。だから、現地で調べたといっても、例えば草が倒れていることすら見過ごしているんです。それから、ガリと言うんですけれども、滑った上流のところの分水嶺です。尾根部からあふれて、当然この表流水が流れますから、ガリといって、溝ができる。その証拠もあるんです、現地に。そこもしっかりと踏査していないですよ。
 だから、県の砂防課の担当者2人と秘書課の3人に、私が説明したのです。ここにあるのだから、見てくださいと。ところが、一切それを調べていないですよ。調べたら反論したらいいですよ。唯一、道路から水が入った痕跡がないと言っているだけです。痕跡がないけれども、下にある崖は誰が削るんですかっていうと、表流水にしか削れないんですよ。そういう1個1個の痕跡、完全に無視しているのです。
 私もあのテープは聞きましたけれども、言い分としては、8月2日に写真を撮っています。災害が起きてから1か月後に撮ってるのですよ。そのときは、草なんかは立ち上がってるんです。そういうこともね、しっかりとすり合わせができていないですね。
 それと、もう1つは、2021年の災害以降、時間降雨で強い雨が降ったけれども、一切水が入っていなかった、だから、表流水はないんだという論調です。それは大きな間違いです。さっきシャワーで説明しましたけれども、シャワーをものすごく当てる水の量、これが時間降雨です。ところが、あの20から21万平方メートルの広い鳴沢川の上流域に総雨量500ミリの雨が降ったんですから。全然、比べられないものなんです。だから、そういう形で、話をごまかしている。私だったら、それを追及しますよ、おかしいじゃないかと。ところが、多分、専門家じゃないと、あたかもそのように聞き取ってしまうのだと思います、皆さんが。だから、その辺はじくじたるところです。

○相坂委員
 はい、ありがとうございます。
 そこは本当に専門的なことなので、原因究明の委員会は、9月で閉じてしまいましたけれども、やはりこうした、いろんな考え方は、原因究明の論点は、まだ残されていることが、分かりました。これ以上、ここでは聞きようがないという感じもしますが、また後ほど、追加でコメントがあったら教えてほしいと思います。
 次に、清水先生に伺いたいですが、源頭部の北東部あるいは北部の上流部のほうで宅地造成がされていて、そこの排水がこの源頭部へ流れる構造に、結果的になってしまっていましたが、この宅地造成の開発をするときの排水の許可、管理等は、先ほどもちらっとお話がありましたが、これはどのぐらいの時期に許可が出ていて、あるいはなされていて、それに携わるべき行政機関は、どういう仕組みになっていたのか、そこのところを詳しく教えていただけますか。多分、資料には載っていると思いますが、教えていただけたらと思います。

○清水浩参考人
 その辺は少し割愛して、細かくは出していないですが、別にまとめたものがありますので、そちらを後ほど提供させていただければと思います。
 1つ大きいのが、C宅地造成ですけれども、最初にC工区が許可になりまして、そこからD・E工区に拡大されたんです。拡大されたときに、排水計算とかもやり直しています。その後で部分完了しているんですけれども、部分完了しているときに、本来、2系統の排水を設置しないと、今回のこの流域の水は流し切れないです。それが片方しか設置されてない状態で、実は完了してしまったので、32ヘクタール上流部の水が全部、源頭部側に集まることになった。結果、排水施設の能力も不足しているのが実態です。それも、情報公開で、その流量計算書とか確認すると、もう明らかになっていますので、それが1つの原因ではないのかと思っております。資料は後ほど、共有させていただきたいと思います。

○相坂委員
 その点については、恐らく検証委員会の中では、ほとんど取り上げられてなかったのではないかと思いますけれども、今日の午前中、検証委員会の先生方にも来ていただいて、お話を伺って、先ほど8番委員からもありましたけれども、基本的には、残されていた公文書を読んで、日付順に並べ直して事実関係を把握して、それに対する行政の対応は適切だったのかだけを検証したので、砂防法についても、森林法についても、基本的には適用外だった、簡単に言うと結果的にそういう内容だったのです。
 今、出てきた、都市計画法に基づいた宅地開発による排水のことは、当然、検証委員会の範囲外であったでしょうし、そうしたものについて公文書など、今後検証していくとしたら、そういった記録とかは残っているものなんでしょうか。

○清水浩参考人
 今回の宅地造成のお話ですけれども、申請されて、許可になって、今、工事中なんです。C工区、E工区は部分完了はしていますが、実は全体として完了していないので、行為としてはまだ全てが継続中です。なので、基本的には全ての文書が保管されている、まだ保存期間にすら入っていない状態なので、検証はまだまだ深めていくべきだと思います。

○相坂委員
 そうすると、その公文書等が残されているだろうということですが、この本来あるべき排水の在り方であったり、あるいは、この宅地開発は今現在も、動いているということですから、どのような規定を今から、あるいは当時入れるべきで、この災害が発生しないように食い止めるためには、どのような措置を取るべきだったとお考えでしょうか。

○清水浩参考人
 まだ法的に閉じていないという趣旨の御説明をさせていただきましたが、D宅地造成の工事期間中に、地区外工事、かつ、その用途も適用外の、白地のところに是正の指導を出しています。なので、今回も開発行為の一連の行為であれば、都市計画法第81条に基づく措置命令が出せるのではないのかと、今回、お話しさせていただいております。

○相坂委員
 そうすると、過去に行っていた土採取条例を適用しなかったことが大きな原因だという、検証委員会の結果、あるいは県の考え方と、今現在も続いている開発行為を食い止めることが、今現在もできる状況であるならば、全く問題の質は変わってくるわけです。つまり、過去に危機感を持っていなかったから起こってしまったという受け止め方と、今現在も進められているこうした工事への対応が、災害を食い止めることができて、かつそこからの水の流入を防ぐことが、本来の業務として残されて、あるいはやるべきことでやったとしたならば、過去にやらなかったこととか、危機感を持っていたけれどもできなかったこととかから、現在進行形の行政の対応のなさに、問題が全く、時系列から変わってきてしまいますが、その点をもう少し教えてください。

○清水浩参考人
 資料を、追加で御説明させていただきたいと思います。
 これは工事中の航空写真で、これは水の流れを指しています。基本的には、こういうコンクリートのガラとか、そういったものが投棄されている。写真もあるんですけれども、木とかはそのままなぎ倒す、盛土がされています。あと大きな、これぐらいの石とか、そういうのが、その辺に投げられている。その辺にそのまま盛土がされているので、この辺に降った雨は、すぐ地下に浸透して、もともとの地表面と盛土の間を流れてしまっている、そういった形になると思っています。
 これを、現在の発災後の写真に置き換えると、ここに排水施設があって、これが結構深さのある排水施設なので、これを地下で超えていくにも水がいけないと思うのと、この辺に降った雨は、結果的にここに集まって、この地下で地表面と盛土の合間を流れていく。その地表面から水が入らないのは、全くもってそのとおりですけれども、こことかこの辺であふれた水が、そのすぐ上で浸透して、もともとの地山と盛土の間を滑っていったのではないか。それで、その地山とその境目、ここら辺の一番底のところはもともとの地山が見えていると思うんですけれども、そこの境目を軸にして、全てが起きていると思える。そういったところが、原因ではないのか。決して地下水を全否定しているわけではなくて、総合的に見て、こういう層としてあるのではなくて、あくまでも造成で水の流れが変わって、この上部に水が入って、もともとの谷筋に水が流れていった。ここの捉え方が少し違うと思っています。
 これは発災後に地元の方が送ってくれた写真ですけれども、今現在、ここの排水施設がどうなっているかというと、この辺、回っています。蓋のかかっている形状なので、直接中に土砂が入ることはないですけれども、上に蓋が開いているところになります。なので、この辺から木の枝が入ると、直角に折れているので、詰まる可能性が当然ありますし、これは発災後の写真ですけれども、蓋が開いていて、ここから水があふれていた。これは直後の話で、こっちから見た人もいる、あと、この蓋のすき間から水があふれて、葉っぱが外側に押し寄せられているのが写真でも確認できています。
 あとここは、蓋が開いているすぐ横に、水たまりがあるのも出ています。だから、ここに水が来て、何らかの形でうまく機能しない状態で、このあたりに水があふれてたことは、現地の状況で確認できているのです。当然この辺は岩とかが混じっているのであれば、すぐに浸透していくような地層になっているので、それがもともとの地表面とかで刺さって、滑りの原因になったのではないのかというのが、恐らく我々の認識になっています。地下水説を否定しているのではなくて、問題なのは、どこで水が浸透したか。自然発生的なものではなくて、あくまでも人工的に改変したことによって、水が浸透しやすくなったのではないでしょうか。であれば、原因はこの宅地造成ではないですかと、そういった指摘をさせていただいているつもりです。

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