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委員会会議録

質問文書

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令和4年決算特別委員会危機管理くらし環境分科会 質疑・質問
質疑・質問者:伊藤 和子 議員
質疑・質問日:11/01/2022
会派名:ふじのくに県民クラブ


○伊藤委員
 分割質問方式でお願いいたします。
 3項目について質問させていただきます。
 まず最初に、主要な施策の成果及び予算の執行実績についての説明書141ページの下段になりますけれども、(3)ア(ア)静岡の海の生物多様性を育む事業の詳細と成果についてお伺いさせていただきます。

○清環境政策課長
 この事業は、駿河湾の生態系の保全とその豊かな恵みの持続的な利用を目的とするものであり、富士川や大井川水系と駿河湾沿岸部をケーススタディーとして陸や海の環境変化が海の生態系に与える影響を科学的に検証したものでございます。
 令和元年度に海洋や森林等を専門とする研究者10人で構成する「森は海の恋人」水の循環研究会を設置して、3年間研究活動を開催いたしました。令和3年度は全体会を3回、陸域と海域の各部会をそれぞれ1回開催し、3月に研究会の成果報告書を取りまとめました。陸域の環境変化が駿河湾内の生物生産に与える影響を検証するためには陸域と海域における水や栄養塩物質等の動きを過去から現在まで再現できるシミュレーションモデルが必要です。このようなモデルが当時なかったことから研究会では国等が開発したモデルを改良することとし、駿河湾に流入する河川の水質データをはじめ森林面積や人口などの流域の情報、海洋や気象に関する過去数十年にわたるデータを収集、入力いたしまして、モデルの再現性の確認を行いながらシミュレーションモデルを構築いたしました。通称スルガベイ・シミュレーターと呼ばれるこのモデルは陸域と海域の2つのモデルを連結させて構成されており、陸や海の環境変化が海域の植物プランクトンの生産にどのような影響を与えるか定量的に把握することができるものです。研究会ではこのモデルを活用して様々な解析を行いました。
 成果については、まず先ほどのスルガベイ・シミュレーターを構築したことが挙げられます。このモデルは森林から河川、海域にかけて全体を対象として連続的に構成されたものであり、全国的にも実践例の少ないものと研究会委員からも評価していただいております。
 解析を行った結果、森や里など陸域から海に流出する栄養塩物質等が海の生態系の基礎をなす植物プランクトンの生産に寄与していることが科学的に明らかになったほか、季節ごとにプランクトンを支える栄養物質の供給源が異なっていることも明らかになりました。具体的には駿河湾に流入する栄養塩物質の主な供給源としては河川水、地下水、外洋からの湾外水がありますが、春は外洋からの湾外水の寄与度が比較的大きいのに対して、夏から秋にかけては陸域から流入する水の寄与度が大きいことが分かりました。
 このほか、陸域からの代表的な栄養塩物質である窒素やリンの供給源につきましては生活排水や森林、畑地の寄与度が高いことが分かったほか、安倍川や大井川流域においては他の河川と比較して森林や畑地の寄与度が比較的高いことなど河川ごとの特性も分かってまいりました。
 県では、この研究会の成果を踏まえて今年3月に策定された第4次静岡県環境基本計画の中に森・里・川・海の保全という新たな小柱を立てたところであり、森から海へのつながりに関する科学的知見の充実とその保全の重要性に関する県民の皆様への普及啓発、理解促進を図ることを施策として掲げておりまして、本年度以降取り組むこととしております。

○伊藤委員
 大変詳しく御説明してくださいましてありがとうございました。評価されているとのことで、本当にすばらしいと感じました。

 一方で、本当にすばらしい割には認知度が低いというか、関心が低いように感じるんですけれども、その点を少しお伺いさせていただきます。
 それと、研究会委員が10名、また顧問・アドバイザーがいらっしゃるとのことですけれども、どのような方が選任されていらっしゃるのかお伺いさせていただきます。

○清環境政策課長
 研究会の認知度に関してですが、研究会を開催する都度報道機関に提供しており、今年の3月に研究会報告書が取りまとめられたときには研究会の鈴木委員長から知事に直接報告書を持参して研究内容を報告しました。その後も報道機関向けに説明会を行ったところでございます。
 また、モデルの活用では今年度の取組になってしまいますけれども、オープンイノベーションとして外部研究者が活用できるようにしており、その説明会には国内の大学、研究機関から30名ほどの参加がありました。
 今後、県民の皆様により分かりやすく取組を普及させるため、リーフレットの作成なども行っていく予定でございます。
 研究会の委員につきましては、委員長は元東海大学海洋学部教授で国立研究開発法人水産研究・教育機構フェローの鈴木伸洋先生に、また委員長代理には東京都市大学名誉教授で林学や緑化が専門の吉ア真司先生に就任していただいております。そのほか森林や海洋生態、水質などを専門とする国内の研究者など合計10人に就任していただきました。また顧問には山梨県立富士山世界遺産センターの秋道智彌先生に就任していただき、補完的な立場で御意見を頂いているところでございます。

○伊藤委員
 すばらしく評価されていることがよく分かりましたので、ぜひ認知度を高めていただき県民の皆さんにも興味関心を持っていただけるような事業にしていただければと意見として申し上げさせていただきます。

 次に移らせていただきます。
 説明書145ページの(2)芝生文化創造プロジェクトの推進についてですが、ア(イ)園庭・校庭の芝生化推進事業の成果についてお伺いさせていただきます。

○諸田環境ふれあい課長
 園庭、校庭での芝生化を促進するためには、芝生の施工や維持管理ができる人材を養成する必要があることから、まずは県民の芝生への関心を高め新たに維持管理に関わる人材を掘り起こす芝生相談会などを本事業で行ってまいりました。令和3年度は2か所で芝生相談会を開催すべく資料映像を作成し準備していましたが、コロナの影響でやむなく中止することとなってしまいました。
 資料映像は、天然芝のグラウンドができるまで、芝生を活用した魅力あるふじのくにの形成を目指してと題しまして、令和3年度に芝生化に取り組んだ伊豆の国特別支援学校に取材させていただき、芝生化の計画を立てるところから生徒が芝生の苗を植え成長していく過程、最後は芝生の完成をお披露目する芝生開きまでをまとめた映像を作成いたしました。この資料映像は令和3年度に活用できませんでしたので今後活用しようと考えております。
 相談会につきましては、申し込み頂いた段階で中止となってしまいましたが、申込みのあった46名の方には相談会で使用する予定でありました資料とアンケートを送付したところ、芝生維持に関する20項目ほどの質問を頂きましたので県芝草研究所と調整して全員に回答いたしました。

○伊藤委員
 御説明ありがとうございました。
 園庭・校庭の芝生化推進事業では、実際に芝生化を希望している施設はどのぐらいあるのでしょうか。

 また、芝生の管理はすごく大変だと思うんですけれども、芝生の管理面での議論はされているのか、内容はどうでしょうか。

 それから、数値目標が載っていないんですけれども、将来的な数値目標があるのかどうか、お伺いさせていただきます。

○諸田環境ふれあい課長
 芝生化を希望している施設につきましては、グリーンバンク事業の園庭等芝生化の事業要望で把握しておりまして、令和3年度は7件の要望があり6件実施したところでございます。

 また、芝生の管理面につきましては、芝生化の相談を受ける中で散水や芝刈り、肥料をまくといった維持管理が大変であり、どのようにやっていけばいいのかと議論になります。実際に進めていく上では様々な機械をうまく使いましょうということで当初の資材や設備はグリーンバンク事業を活用して整備したらどうかと話をする中で、その後2年間は維持管理の補助が出るものですから、その間将来にわたって芝生を維持できる体制を固めてもらい今後につなげていただきたいと話をして進めているところです。

 将来的な数値目標については、後期アクションプランで、芝生文化創造プロジェクトで芝生化した園庭・校庭数として令和7年度目標96か所を挙げております。

○伊藤委員
 ありがとうございました。
 芝生化がなかなか進まない要因の1つとして、維持管理費を確保しなければいけない現状がよく分かりました。
 今後、費用面においても支援できる体制を議論していただければと思います。これは意見として申し上げます。

 最後の質問ですけれども、説明資料155ページになります。
 中段の(イ)南アルプス魅力発信事業のa南アルプスユーチューブカレッジの動画視聴者数とその効果についてお伺いさせていただきます。

 また、その下のbドローンによる高画質撮影をどのように生かし、どんな反響があったのかお伺いさせていただきます。

○上家富士山・南アルプス保全室長
 まず、南アルプスユーチューブカレッジについてお答えいたします。
 南アルプスユーチューブカレッジは、南アルプスの豊かな自然を多くの方に知っていただくため南アルプスの調査研究などを行っている専門家等10人によるライチョウや高山植物、地質などに関する講座を昨年10月からユーチューブで無料配信しております。これまで23本の動画を配信し4万2000回を超える閲覧を頂いております。
 効果としましては、なかなか行くことができない南アルプスについて、現地に行かなくても大自然の魅力にふれあう機会と学ぶ場を提供することによって県民の皆様、さらには国民の皆様に南アルプスの魅力と価値をお伝えできたと考えております。

 2つ目のドローンの撮影につきましては、撮影した映像はユーチューブでの配信や南アルプスを未来につなぐ会などの各種イベントの際に放映し、南アルプスの魅力発信に活用しております。
 また、高山植物保護への活用として、ドローンで撮影することによりこれまで急峻で人が立ち入ることができなかった場所で4,500株以上の絶滅危惧種や鹿の食害を受けていないお花畑を発見することができました。
 反響としましては、ドローンによる取組が新聞にも取り上げられたりテレビ局が取材に同行し最終的に全国放送につながったりしており、高い注目を集めることができたと考えております。

○伊藤委員
 詳しく御説明してくださいましてありがとうございます。
 私は、9月定例会の委員会でも南アルプスをもっと身近に感じてもらえる取組が必要ではないかと質問させていただきました。先ほど御答弁されたようにアクセスがなかなか難しいので、南アルプスの魅力や価値を知ってもらうために高画質で本当に素晴らしい動画を――私もいつも見させていただいておりますが――県民や国民の皆さんにもっと見ていただいて身近に感じていただくことがとても必要だと思います。
 ユーチューブの視聴者数を増やす努力はどのようにされているんでしょうか。

○上家富士山・南アルプス保全室長
 視聴者数を増やす努力として、1つは動画の見せ方を工夫しております。例えば最も多く視聴していただいている動画は、激レアコウモリを捕まえたというちょっと興味が湧くタイトルをつけ、また講座全体は1時間と長いので20分程度に動画を分割して飽きないようにしています。さらに視覚的に訴えるテロップも多く入れることにより分かりやすく説明しております。
 また、多くの方にこのユーチューブを知っていただくために当課が発行する各チラシにQRコードを記載するとともに、職員の名刺の裏にもQRコードを印刷してお会いする方に説明し職員自らが積極的に広報を行って周知を図っております。

○伊藤委員
 ありがとうございました。いろいろ努力されていることがよく分かりました。
 私も南アルプスを未来につなぐ会に入会しております。定期的に配信される動画は本当にすばらしいと感じており、やはりもっと多くの方に見ていただきたいと思っています。1人でも多くの方に見ていただけるように努力されているとの話をお聞きしましたけれども、周知方法をもっといろいろ考えて情報発信に力を入れていただければと意見として申し上げさせていただきます。以上です。

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