本会議会議録


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令和6年12月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:増田 享大 議員
質疑・質問日:12/13/2024
会派名:自民改革会議


○増田委員
 分割質問方式でお願いします。
 危機管理くらし環境委員会説明資料16ページ3(1)浜岡原子力発電所の安全性の確認のうちア安全性の検証において、10月に静岡県防災・原子力学術会議原子力分科会が津波対策分科会と合同で開催したとありますが、どのような議題で開催され、どのような議論が行われたのか確認させてください。

○神村原子力安全対策課長
 10月28日に開催した静岡県防災・原子力学術会議の分科会は、10月11日に原子力規制委員会に了承された浜岡原子力発電所の基準津波を議題としたことから、原子力分科会と津波対策分科会の合同会議として開催し、それぞれの委員に専門家の立場から議論頂いたところです。
 会議では、専門の立場から基準津波の25.2メートルは相当高く想定された津波高であると感じるものの、基準津波をどこまで大きく見積もっても自然に対するリスクはゼロにならないので、津波が防波壁を超えた場合のソフト対策等も含めた多重の対策を中部電力はしっかりと取り説明すべきであるとか、津波による土の粒子や漂流物の影響で取水口から水が吸えなくなることがないか周辺設備の検討をしていただきたいなどの議論がありました。

○増田委員
 会派において中部電力の浜岡原子力発電所の対策についての説明会が開催されましたが、静岡県防災・原子力学術会議原子力分科会の結果や課題、委員の皆さんの懸念を受けて中部電力はいろいろ対策を決めたのですか。中部電力との意思疎通、連携状況について確認させてください。

○神村原子力安全対策課長
 5番委員御指摘の中部電力の津波対策の発表は11月に入ってからになりますので、10月28日の合同会議が先になります。
 合同会議では中部電力の説明に対し委員から議論や質疑応答がありましたので、委員の意見は中部電力に確実に伝わっております。しかし意見が反映されて発表に結びついたのではなく、あらかじめ中部電力が検討していたものを11月に発表したと思います。

○増田委員
 国の規制委員会が何回も中部電力に指示をし、浜岡原子力発電所が対応するハードルがどんどん上がってゴールが遠くなることを不思議に思いますが、県の分科会において中部電力から発表があった対策をもう一回分科会へ諮るのか確認させてください。

○神村原子力安全対策課長
 今回の合同会議における基準津波が25.2メートルであることへの議論については、委員からの対策はどうするのかとの質問が残っているので、今回発表した中部電力の対策が審査を受けてこれでよいだろうとなった後の段階で、発表のあった中部電力の対策について静岡県防災・原子力学術会議の分科会で議論頂くことになると考えております。

○増田委員
 目的は安全性を高めることなので、事前の意思疎通を行いどういった対策をするかを共有した上で解決策に反映してもらいたい。また中部電力が費用をかければ、電気料金に反映され最初からやっておけばよかったとなりますので、なるべく連携を取って進めたほうがよいので調整頂ければと思います。

 関連して説明資料18ページにウ原子力防災訓練の実施とあり、10月にはオフサイトセンターの図上演習と避難退域時検査場所要員研修をしたとありますが、内容と成果について教えてください。

○神村原子力安全対策課長
 10月16日、17日に実施したオフサイトセンター図上訓練は、内閣府の主催で静岡県オフサイトセンターにおいて国、県、関係市町、関係機関の対策要員が参集し、原子力災害時における各要員の役割、資機材の活用等を再確認するとともに、一連の対応を検証し対策要員の習熟と各機関の連携を強化することができました。
 また、10月22日に実施した避難退域時検査要員研修では、屋外に避難退域時検査の資機材を展開し、車両検査や住民検査について車両を通したり住民役を設けたりして運営する要員が実際に研修を行い、検査会場の開設手順や避難手法を確認しました。やり方の検証と要員の習熟につながったと考えております。

○増田委員
 防災訓練は、避難計画も含めて精度を高めるのはとても大事だと思っていますので、引き続き精度を上げていただくようにお願いします。

 役員からの指示もあって我が会派も広域避難計画の確認を始めるつもりです。年明けに提言ができればと思いますが、この前勉強会をやったときに緊急事態の避難先の方向の話が出ました。例えばUPZ圏内に90万人程度いて、そのうち原子力発電所から見て北北東方面の志太榛原地域だけで30万人程度いらっしゃいます。風向きの関係で、もし放射能が漏れたときに駿河湾方面に逃げることはないとの意見が結構出ました。掛川市の人は通常は風が西から東に吹くのでよいが、雨のときは風が逆に吹くのでもし何かあったときは怖いと言っています。地域の皆さんは風向きをすごく気にされていて、どうして風の吹く方向に逃げるのかとの話が結構出ましたが、風向きの考慮は多分やっていないですよね。円状にUPZ内の90万人をうまく分散させる考え方をしていますが、方角や風向きを考えているのか確認させてください。

○神村原子力安全対策課長
 避難先の方向の御指摘だったと思います。
 私も浜松に育っていますので、常に西風が強いイメージ、遠州の空っ風を常に感じてそのような感触はありますが、気象条件、各季節ごとに予測した拡散状況では冬場は西風が吹きますが、季節ごとにあらゆる方向に拡散することを確認しています。福島第一原子力発電所事故のときもいろいろな方向に放射能が拡散したのですが、飯舘村では雪が降って放射能が沈着した報告もあり、どちらかの方向に拡散しやすいという予断を決して持ってはいけないと思います。そのためできるだけ遠くの避難先を確保しています。

○増田委員
 すごく勉強になりました。そう思っている議員がいたので、一般の人も気にしているかもしれない。しかし今の説明を聞けば納得でき、状況によって風向きが変わるのであれば真っ当な計画かと思いますので、情報提供が必要と思いました。
 より避難計画の精度を上げるために我が会派も協力しますので、連携を取りながらお願いします。

 改めてどうなったときに避難が必要になるか見ると、EALとOILの基準があるではないですか。原発施設の電源が止まったときはEAL基準、漏れた放射能の量で判断するのがOIL基準です。避難計画は市議会でも話題にされ新聞にも出るので、一般の方も浜岡原子力発電所で何かあったときは避難するイメージはできていますが、EAL基準ではUPZ圏内は屋内退避です。ただOIL基準により漏れた放射能の量によって避難が1日とか1週間といった基準になる。このことを分かっている人がどのくらいいるのかと疑問に思います。皆さん福島第一原子力発電所の事故をイメージされると思うので、例えば水素爆発が起こったり、テレビで電源が止まった報道が流れたら避難してしまうと思います。OIL基準の20マイクロシーベルト毎時や500マイクロシーベルト毎時などの基準が分からないと思います。これだけ中部電力が対策をしていれば、屋内退避の可能性が高いと思いますが、屋内退避でよいときに避難を始めてしまう人がいたり、90万人を避難させるとなると大渋滞になったりするので、避難する基準をはっきりさせたほうがよいと思います。OILの避難基準は福島県の事故を参考にしているかと思うのですが、一般の方の避難の目安を教えてください。

○神村原子力安全対策課長
 500マイクロシーベルト毎時は日常で測る放射線の約1万倍の値になります。何が起こったときのどういった基準かにつきましては、国の様々な検討から出たものなので分かりやすい説明は持ち合わせておりません。
 まず、UPZ圏内の方の屋内退避を基本とし基準値を超えたら避難指示が出ますが、政府の災害対策本部やオフサイトセンターの現地対策本部でこの区域が該当すると明確に決めて周知するので、ここは避難、ここは屋内退避といった情報を伝える仕組みになっております。

○増田委員
 これはとても難しいと思いますし、地元でもよくこの話は聞かれますが、分かりやすさはすごく大事だと思います。20と500マイクロシーベルト毎時という基準について、例えば福島第一原子力発電所事故の際のこの町のこんな状況などと住民の方がイメージできればよいと思います。
 わたしの避難計画もあり、災害に対して考える中で、事故があったら避難と思っている人が多いと思っています。施設の電源が止まる緊急事態も実は屋内退避でよいはずです。ただ放射能がこれだけ出たときは避難するとの線引きが住民の皆さんに分かりやすく伝わる形で広報活動も御検討頂ければありがたいです。

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