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委員会会議録

質問文書

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令和3年12月定例会文化観光委員会 質疑・質問
質疑・質問者:佐野 愛子 議員
質疑・質問日:12/14/2021
会派名:ふじのくに県民クラブ


○佐野委員
 一問一答方式でお願いします。
議案第140号、文芸大の中期目標に期待しますが、グローバル化――海外の大学等との連携、交流とありますけれども、具体的に姉妹校のようなことは考えているんでしょうか。

○江間委員長
 質疑が始まったばかりですみません。
ここで休憩を取らせていただきます。
再開は14時35分からで、答弁は再開後にお願いいたします。

(  休 憩  )

○江間委員長
 休憩前に引き続き、委員会を再開します。
 では、8番委員への答弁からお願いします。

○手老大学課長
 静岡文化芸術大学の海外協定の学校数についてお答えいたします。
 第2期中期目標期間中の実績になるんですが、16校と海外協定を結んでいます。海外協定に基づく留学生としましては、送り出しが9校、受入れが5校という実績になっています。
 
○佐野委員
 新規と書いてあるものですから新しく始めるのかなと思ったんですが、そういうわけではなくて、今現在の協力を続けるという解釈でよろしいですね。

 もう1つ、SDGsとかフェアトレードの取組とあり、浜松市はフェアトレードで有名な国際都市なんですが、大学としては具体的にどのようなことをやる計画でしょうか。

○手老大学課長
 フェアトレード大学の推進ということで、令和元年度については浜松市内の関係団体や企業の協力を得て浜松チョコプロジェクトなどをスタートし、フィリピンのカカオ生産者からフェアトレードで仕入れたカカオを原材料としたチョコレート商品の開発に取り組んでおります。
 令和2年度では新型コロナウイルスの影響で一時活動を停止しておりましたが、12月からの販売を目指して活動を再開しているところです。また大学教職員の名刺の素材として、フェアトレードペーパー――バナナの繊維を原材料の一部に使用した紙とか、地産地消ペーパー――葛の繊維を原材料の一部に使用した紙を選択できるよう整備して教職員のフェアトレードやSDGs推進活動の機運を高める活動をしております。

○佐野委員
 文芸大のコンセプトとフェアトレードのコンセプトがすごく共通しているように見受けられます。大学生が率先してフェアトレードに取り組むことは全体的な推進になると思いますので、ぜひとも学生の活躍を期待したいと思います。
 そのほか、要望にしますが、バランスを取ってコロナによるオンラインと対面方式もこれからぜひ進めていただきたいと思います。
あと、職員に対するハラスメントや様々な規律についても書かれていますけれども、取組としてしっかりと挙げていただきたいと要望します。

 次に、先ほど6番委員も質問されましたが、スポーツコミッションとは具体的にどのようなものなのか。組織的には県のスポーツ政策課、スポーツ振興課の中に入るのか。また県内に11団体のコミッションを設置とありますが、どのような組織なのか具体的にお話ししてください。

○高倉スポーツ局長
 まず、組織ですけれども、本部長は広岡スポーツ担当部長で、その下に副本部長として鈴木オリンピック・パラリンピック担当参事と私が入ります。担当スタッフにつきましては、オリパラの業務も12月で受賞関係の業務が一段落したところもございますので、引き続き今CSCのトレーニングビレッジ構想を担当している職員だったり、あるいはボランティアの今後の活用を検討している職員などを中心としたオリパラの職員、それからスポーツ政策課、スポーツ振興課の職員でスポーツコミッションの業務体制を組んでいこうと考えております。
 現在、県内に11団体のスポーツコミッションが設置されていますが、スポーツコミッション自体につきましては、スポーツ庁が認証している制度で、2016年で既に全国で56団体ありました。現在は全国で159団体、その中に本県でも認証されているものが11団体あります。
 具体的には、かつては経済産業部で所管していた地域スポーツ産業振興協議会が県内の東・中・西にあり、それぞれコミッションという形で認証されております。最近メディア等でも取り上げられていますけれども、フェンシングのまち沼津推進協議会もコミッションの一部になります。
既存のコミッションもありますので、これからはそういったコミッションの皆さんとも連携しながら事業を進めていきたいと考えております。

○佐野委員
 現存する各市町の体育協会がありますよね。県にもあり知事が会長のようですが。あと地域型スポーツクラブとかもあるじゃないですか。そのようなものとコミッションがどういうふうに絡んでいくのかよく分からないんですが、市や町のスポーツ振興課も関わっていくものなんでしょうか。役所や民間との関わりをもう少しお話しください。

○高倉スポーツ局長
 スポーツコミッションの成り立ちは全国でも本県の中でもいろいろな形態があります。今8番委員からお話があったようなスポーツ協会や観光協会が主体になっているところもあります。また御指摘のように市あるいは県が主体になっているところも様々な形態があり、地域の実情に合わせて形態は変わっていくものであります。県としてもこうでなければいけないという概念は持っていませんので、それぞれの地域の実情に合わせていきたいと思っています。

○佐野委員
 体育協会やサッカー協会、地元のスポーツ少年団とか様々な団体があるんですが、具体的に地域で活躍する団体になることを期待したいと思います。まだ少し自分の中ではよくつかめていないし見えていないので、今後の活躍を期待したいと思います。

 次に、静岡県スポーツ推進計画ですが、イベント中心の取組から日常におけるスポーツ振興への転換を目指すというように、今回の計画は随分変わってきたかなと思います。
 今まではトップアスリートを目指すとか子供たちにも早期教育をするという観点もありましたが、そちらとのバランスはどのようになっているんでしょうか。

○大石スポーツ政策課長
 新しいスポーツ推進計画ですけれども、決して今までものを排除するわけではございません。
 今回、ラグビーワールドカップ、それからオリンピック・パラリンピックが終了したことで、県民の皆様に明るく楽しく過ごしてもらうために、もともと県民のスポーツ実施率65%を目標にしていますし、皆様に体を動かしてもらうところを原点に立ち戻って重視しています。
 アスリートにつきましては、引き続き次のオリパラに向けていろいろな努力をしていくとか、アスリート雇用も引き続き続けていくなどアスリートへの支援も当然やりながら、県民の皆様全員が健康に文化的にスポーツを身近に感じられるように、スポーツをする人だけじゃなくてボランティア等の支える人とか、あとは見ることも非常に重要なことでありますのでいろいろな試合をスポーツコミッションを使って誘致したりとか、全般的にスポーツを身近に感じられる世界を目指して、このような方向性にしています。
ただ、やはりアスリートの動きは子供たちやいろいろな人たちへ夢を与えることにもつながりますので、引き続きそちらもやりながら、今回日常におけるスポーツ振興への転換ということで、全体的にバランスよくスポーツを身近に感じられる静岡県になることを目指した形に変えています。

○佐野委員
 ありがとうございます。
 国体やいろんな大会では順位とか選手の育成や活躍を一方では望んだり、また一方では幅広く裾野を広げることも望んだりしますが、私としては今回の方向は、多くの人がスポーツを楽しんだり、健康増進や様々な競技を体験してもらううれしい方向だと思います。そしてスポーツの聖地も、ただレガシーではなくて、みんなが楽しんでみんなに広がる意味で聖地に視点を変えたと捉えていい方向だと思います。

 eスポーツとかがありますよね。それに対してはどのような位置づけになっているでしょうか。

○大石スポーツ政策課長
 eスポーツに関しましては、まだいろいろな議論が述べられている最中でございます。確かにスポーツとしていろいろな大会で賞金が出たり盛り上がっている面もありますけれども、子供が何時間もずっとやってしまうのはどうだろうかという御意見もありますので、慎重に注視してどういった方向性がいいのか考えていきたいと思います。

○佐野委員
 頭を使うのもスポーツという捉え方もあると思いますが、しっかりと方向性を定めてそれなりの対応をしていただきたいと思います。
 先ほどの障害者スポーツもちゃんと推進計画の中に盛り込まれていまして、多くの県民に周知できるような計画になっていけばと思います。

 次に、自転車活用推進計画について聞きます。
 国の自転車活用推進計画はカーボンゼロの環境的配慮や高齢者健康づくり、交通社会などがありますが、国の自転車活用推進計画に比べて静岡県は――同じ名前なんですが――随分視点が違うなと思います。
静岡県は、サイクルスポーツの聖地として競技――サイクルスポーツという捉え方なんですが、国との違いはどのように認識されているでしょうか。

○大石スポーツ政策課長
 基本的には国の計画を勘案して本計画をつくっています。今回の計画においてもSDGsを取り入れたり、新型コロナ等による生活様式の変容への対応や自転車通勤などの観点を取り入れています。
 また、国の計画ですと競技人口はここまで大きくないですが、本県の特徴といたしましては自転車のいろんな施設が他県に比べてもともと非常に多くあります。サイクルスポーツセンターがあり、そこに今回世界に冠たるMTBコースができ、それからベロドロームがあると。他県ではまだまだそういう自転車競技施設がないのがスタンダードです。
 ですので、本県の場合は一歩進んでこれを活用していこうということで競技振興の項目が立っています。ここが一番大きく違うところで、見た目上サイクルスポーツにかなり振れていると見えるのはこのせいかもしれません。ただ当然裾野拡大や安全走行空間整備とか、一番身近に自転車を楽しむ環境づくりは非常に重要でありますので、前計画でも対応しておりましたし、聖地創造会議の各部会の中では各担当課に入っていただいていろいろな議論を重ねてきたところです。今後もいろいろな関係部局も入りながら民間の意見も取り入れながらやっていきたいと思っております。
 特に連携としましては、昨年度本県が自転車通勤の宣言をしたんですけれども、それを広く一般にも広めようと安全講習ビデオを作りました。その辺は警察とも連携しながら、当然警察の監修も入りながらいろんな連携を過去にも取ってございますので、今後もそういったいい関係を続けてサイクルスポーツの聖地づくりを推進していきたいと考えています。

○佐野委員
 丁寧な御説明ありがとうございました。
 本県は、この計画をスポーツ振興課でつくったことが特徴だと思います。
 オリンピックの自転車競技のレガシーとして自転車活用推進計画をつくって競技として振興したり、県民がサイクルスポーツを楽しむ視点だと思っている方が多いと思うんです。ところが特に国では先ほどもお話ししたようにカーボンゼロや健康づくり、交通安全とかが主眼となって、健康福祉部や警察本部がつくるような自転車活用推進計画かもしれません。
 ですので、本県は特色があることはいいことだと思うんですが、子供たちが通学に使っていますよね。自転車の安全への配慮や正しい乗り方、交通ルールの確認とか、あと自転車道――矢羽根の道もありますが、ふだん走る歩道と自転車道の区別とか、基本的な安全のことにも力を入れながらこの計画を進めていただきたいと思います。
 警察とか教育委員会とかと連携を取っていただき、その上で楽しむことが競技になってくると思いますので、こちらの認識や確認を要望したいと思います。

 文化振興基本計画、文化プログラムについて伺います。
 コロナで様々な文化に対する形態が変わったり、芸術家の方は活動できなかったりしました。そんな中で文化振興基本計画をつくると言うんですが、文化芸術は不要不急かということを突きつけられたコロナ禍でありました。観光もそうなんですが、今回つくっている文化振興計画は、アフターコロナを前提にしているのか、ウイズコロナを前提にしているのか、その辺はどのように認識しているのでしょうか。

○室伏文化政策課長
 次期文化振興基本計画でございますが、アフターコロナやウイズコロナというよりも、またコロナのような事態になっても持続可能な文化活動の在り方という観点で計画を策定しているところでございます。

○佐野委員
 文化観光委員会説明資料14ページの持続可能な文化活動、あらゆる事態に対応できる文化活動はその辺を意図しているのでしょうか。
 一人一人が表現者になるとか誰もが文化に親しむなどに力を入れていると思います。障害者の文化、障害者の芸術、食文化等も一緒になっていてその辺も特色があるなと思うんですが、そのあたりに対する見解はいかがでしょうか。

○室伏文化政策課長
 障害のある方の文化芸術活動の所管が昨年度に健康福祉部からスポーツ・文化観光部に移ったこともありますし、障害のある方の文化芸術を文化芸術としてしっかり捉えて、次期文化振興基本計画でも障害者文化芸術活動の推進計画を盛り込んだ上で策定しております。
 食文化につきましては、静岡県内は魅力ある多くの食材がございますので、その食材や食文化をうまく活用して文化振興につなげていきたいという思いで今回は食文化についてもページを割いて政策を記載しているところでございます。

○佐野委員
 私もその2点は大変期待される特色がある振興計画になっているなと思いました。またスポーツ推進計画のときもそうでしたが、文化でも一人一人が表現者になるとか県民全体に目を配った計画になっているなと感想を持ちました。ぜひとも共生社会や多様性を文化で実現できるような静岡県づくりをしていただきたいと要望します。

 文化プログラムですが、大変立派な冊子を頂いて、写真がたくさんあって見るだけでも楽しかったです。決算承認後、県へ余剰金を返還して組織も解散するということですけれども、報告書にかかった予算や部数を教えてください。

○落合スポーツ・文化観光部理事(文化プログラム担当)
 文化プログラムの成果については、一昨年の推進委員会で各委員の皆さんからしっかり成果を発信すべきと言われまして、今年度当初予算にプログラムの成果物の作成費600万円を計上しその予算を使っています。
 成果物につきましては、この本だけではなくてホームページにも載せますし、英語版で海外に向けても発信する予定でございます。そういうものをひっくるめ600万円の予算の中で見積り、550万円で落札しています。
 1冊当たり幾らかというと、落札率が97%ですから、我々の設計ですと1冊1,200円になっていますので約97%で1,164円になります。1,000部作成してございますが、あちこちから引き合いが多くて足りなくなりそうになっています。

○佐野委員
 千数百円するということで、貴重なものを頂いてありがたいと思います。でも最近は紙媒体で残すのはどうかという話もあります。デジタルで閲覧する方法もありますので、また今後の検討課題にしていただければと思います。
 いろいろ頂いても活用する場合もできない場合もありますので、オリンピックもそうだと思うんですけれども、こういう成果については新しい対応も必要かなと思いました。

 成果報告書に予算等がありますが、残金の約3800万円は全県のプログラムは実行できなかったことで生じたんでしょうか。

○落合スポーツ・文化観光部理事(文化プログラム担当)
 確かに昨年から今年にかけて中止になったものが地域密着を合わせまして4件程度ありましたけれども、全部で70件ありますので大方のものは執行できています。ただ内容が人をたくさん集めてやるものではなくてオンラインになったりして若干の剰余金が出ています。それが3800万円でございます。これは1月に推進委員会の理事会を開き県にお返しすることを決定しましたら、2月補正予算で県に返還する形を取りたいと思っております。

○佐野委員
 十分にできなかったこともあると思うんですが、延べ1,300以上の文化プログラムを認証して今後に引き継ぐものも多いと思いますので、立ち上げた文化プログラムをこれからも県の財産にしていただきたいと思います。

 アーツカウンシルについて伺います。
 先ほど文化財団についての御質問がありましたが、アーツカウンシルと文化財団はどのような関係になっているんでしょうか。

○落合スポーツ・文化観光部理事(文化プログラム担当)
 アーツカウンシルは文化財団の一部門と考えていただければいいと思います。ですから今まで文化財団はグランシップを運営するのが1つの目的ですが、文化財団自体はグランシップ以前からあり、自主事業として表彰とか地域支援をやってまいりました。最近利息が安いので出捐金が少なくなってその事業は小さくなっているんですけれども、グランシップ事業に今度はアーツカウンシル事業が加わったと理解していただければよろしいかと思います。
 アーツカウンシルにつきましても、県文化プログラム成果報告書の22ページと23ページに記載があり、22ページの上のほうに組織体制があります。文化財団の理事長の下に副理事長が2名、1人はグランシップの館長で、1人がアーツカウンシル長という形で2つの部門をつくって、グランシップはグランシップを活用した――言うなれば文化会館を利用した文化振興を進めていく。アーツカウンシルは地域に密着した住民主体のアートプロジェクトの各地域の振興、2つの役割を文化財団に持っていただくようになったということです。

○佐野委員
 アーツカウンシルは、もともとあった芸術協議会というか芸術家を支援するのが本来の役割だと思います。静岡県は文化財団と役割を分けて、アーツカウンシルは地域振興やまちづくりとかに特化した団体と捉えていいでしょうか。

○落合スポーツ・文化観光部理事(文化プログラム担当)
 最終的な目的は地域のまちおこしとか地域資源の活用になるんですが、そこに文化芸術の力を活用できないだろうかと考えていくのがアーツカウンシルしずおかの役割でございます。
 8番委員御指摘のとおり、アーツカウンシルの始まりでありますイギリスでは芸術家の支援とか直接的なことをやっているんですけれども、静岡型のアーツカウンシルは逆に地域に文化芸術の力で1つのプロジェクトを起こして、それに芸術家も参加することで芸術家も仕事を得る。それによって地域の課題に対応していくと。
例えば、沼津市にもともと西武デパートがあって――今は潰れちゃっているんですけれども――その催事場をパフォーミングアーツの舞台として活用している団体がございます。これもアーツカウンシルが支援したんですけれども、そういうことをやりましたら、空きビルに人が集まるようになって、それでまた町のにぎわいを取り戻した例もあります。また文化プログラムで支援した大井川の無人駅のように――無人駅はまさに過疎の象徴なんですけれども――そこでアーツプロジェクトを展開することによって一昨年は全国から2万人ぐらいの方が訪れて、アーティストもそこに3か月ぐらい滞在して作ったことで交流人口が生まれてきたと。
 要するに、文化芸術の力でそういう地域の課題を解決できないだろうかということでアーツカウンシルをやっているのが静岡型アーツカウンシルの業務だと考えております。

○佐野委員
 静岡型ということですね。県の中にも文化政策課、そして文化財団が、アーツカウンシルがあって、先ほどお話があったみたいに人件費も重ねてかかるわけですよね。直接芸術家に支援が行くのではなくて、そのような段階を経ることでかえって非効率になるのではないかなと危惧はしますが、芸術家に対する直接の支援は文化財団が行って、また繰り返しになりますが、アーツカウンシルはあくまでもまちづくりや地域おこしという捉え方でしょうか。

○落合スポーツ・文化観光部理事(文化プログラム担当)
 芸術家に対する直接支援といいますと、例えば絵描きさんの絵を買ってやるとか、そこまでは行政がやる話ではないのかなと思っております。
 グランシップでは文化イベントを開催することによってアーティストの皆さんに出演料が支払われて直接の支援になっています。アーツカウンシルでは、芸術家の支援もあるんですけれども、基本的には地域の課題を解決するために文化芸術の力を使うと。そうすると文化芸術をやっているアーティストの方が入ってくるので、その方々にも間接的な支援になると。
 8番委員のおっしゃるとおりグランシップはどちらかというと直接的に支援しアーツカウンシルは間接的に芸術家を支援しています。ただ芸術家にしてみれば仕事の場ができることは非常にありがたいことだと思うものですから、両方とも文化芸術のためになるし、逆にアーツカウンシルはさらに地域の課題も解決できるので、非常にすばらしいことではないかと考えております。

○佐野委員
 今後の活躍に期待したいと思います。お金も出すけれども口も出すというか、一緒にやることはある意味伴走型で地域の人とアーツカウンシルのディレクターと一緒に地域に関わりながら進めていくことになると思うんですけれども、地域の人材づくり、特性の発掘も含めて、また今後の活躍に期待したいと思います。

 そして、文化振興計画にも関係しますけれども、全ての県民が表現者とか全ての子供たちに体験ということが今後の目標となっていますが、子どもが文化と出会う機会創出事業――過疎地の子供たちや学校に直接出向いてプロのオーケストラ等が音楽を聴かせる事業がありますが。まさにこの文化振興計画の狙いに即した事業だと思います。成果や評価をどのように捉えているでしょうか。

○室伏文化政策課長
 子どもが文化と出会う機会創出事業につきましては、令和元年度から音楽については県内プロオーケストラの富士山静岡交響楽団とシンフォニエッタ静岡を活用して、県内全域の小中学校や高校、あと地域のホールなどで音楽を体験するプログラム、また未就学児が親子で楽しむことができるコンサートを実施してまいりました。
 音楽については、令和元年度は50回、令和2年度は75回、今年度は31回ですが、いずれも大変好評であり、どの子も本物のオーケストラを聴き終わった後は目が輝いていたという話を聞いておりますので、文化政策課としては大いに評価しています。

○佐野委員
 これから来年度事業の厳しい予算取りが進むと思いますが、ぜひとも効果的な事業のさらなる充実を要望したいと思います。

 文化財保存・活用団体について1つだけ聞きますが、文化財保存・活用は有形文化財を指すのでしょうか。具体的にどのような団体なのかお話しください。

○三保文化財課長
 文化財保存・活用団体につきましては、有形文化財に限らず、無形民俗文化財の保存・活用団体も対象としております。
 現在39団体を認定しておりますけれども、その中で無形民俗文化財につきましては4団体を認定しています。

○佐野委員
 有形文化財の建物とか、まちおこし等につながる大事な活動だと思いますので、表彰制度を充実していただきたいと思います。
 また、無形民俗文化財というか伝統文化については、鳥取県とか島根県に神楽のすごく盛んなところがありますよね。子供たちが小さいときから御神楽を踊って、都会へ出てからもその団体を継続しているすばらしい取組に感激しました。ぜひとも静岡県も様々なところを発掘すると御神楽とか伝統芸能がありますので、廃れることなく推奨していただきたいと要望します。

 次に、ふじのくに「有徳の人」づくり大綱についてです。
 教育振興基本計画の基礎になるのがふじのくに「有徳の人」づくり大綱だと思うんですけれども、説明資料19ページの育成の理念に誰一人取り残さない教育の実現とありますよね。誰一人取り残さないというのはSDGsの基礎となる理念でよく耳にすることなんですが、有徳の人とはというところに知性、感性、身体能力とか、才を磨く、徳を積む、才徳兼備とか、誰一人取り残さないという理念と視点が離れていると感じられますが、いかがでしょうか。

○縣総合教育課長
 今回のふじのくに「有徳の人」づくり大綱の改定に当たりましては、従来の有徳の人の育成という基本理念を承継し、それに加えていわゆるSDGsの誰一人取り残さないという理念を強調する形でサブタイトル的に入れたわけなんですけれども、誰一人取り残さない教育の目指すところは、全ての県民が教育の恩恵を享受できる環境を整備すると。それで持続可能な社会の担い手として国内外に貢献できる人材を育成していくことであると考えております。
この計画では主に第2章に掲げてあるんですけれども、多様性を尊重する教育ですとか様々な課題を抱える子供たちの支援などの取組を加えセーフティーネット的な考え方だけではなくて、能力をより伸ばしたいと考える人に対する教育の充実も誰一人取り残さない教育に含まれると考えておりまして、例えば優れた才能や社会に貢献する力を伸ばす教育の充実であるとか、地域産業を担う人材の育成などにも併せて取り組むこととしております。

○佐野委員
 言葉尻を捉えるようですが、SDGsにあるからくっつけたよと受け取れました。やはり誰一人取り残さないという理念は、SDGsにあるみたいに貧困、飢餓、健康を保障するとか、あとは教育の平等ですよね。そしてジェンダーとかいろいろな全ての人や国の平等とかが誰一人取り残さないSDGsの理念だと思います。ですので、なんかくっつければいいと聞こえちゃって残念なんですけれども。教育振興計画の中で貧困や教育の平等だとか今社会的な問題がありますよね。そして特別支援やヤングケアラー、LGBTとか様々なそういう子たちを取り残さない。こういう言葉を入れてくれたのに、グローバル人材や才能を磨くとかに有徳の人が向いているように思えるのですが、もう一度聞きます。いかがでしょうか。

○縣総合教育課長
 8番委員御指摘のとおり、昨今ヤングケアラーや貧困の問題ですとか様々な課題が顕在化してきておりますので、その部分については次期計画においても、今の計画ですと少し政策が散らばっていたものを集約して非常に重視していることは間違いないですけれども、一方で先ほど申しましたような様々な才能を持った子供たちが――大人も含めてですけれども――おりますので、そういった才能にもさらに磨きをかけていく取組も必要だと考えております。

○佐野委員
 ありがとうございました。
 知事は本会議の答弁の中で、今回の教育振興基本計画は意欲的な施策を盛り込んでいく、そしてICT化や様々な多様性に向けた計画とすることも力強くおっしゃっていました。
 計画を策定するに当たっては、教育委員会と総合教育課とどのような関係でつくっているんでしょうか。

○縣総合教育課長
 大綱につきましては、法律上知事と教育委員会で組織する総合教育会議の協議を経て定めると決まっております。ですので、事務局レベルでの事前調整も含めて総合教育会議でもきちんと御議論を頂いた上で大綱としてまとめております。教育振興基本計画についても、教育委員会の施策はかなり多く含まれておりますので、事務局レベルで事前に調整して総合教育会議、あるいはその前の実践委員会等々でも様々な御意見を頂いて策定を進めているところです。

○佐野委員
 大綱が一番の基本になって教育振興基本計画もできると思いますので、大綱に誰一人取り残さない教育の実現に向けというタイトルをつけた以上、その理念を実行できるような内容がたくさん盛り込まれることを期待しています。

 観光基本計画についても伺います。
 観光振興条例は平成26年に議員提案で制定して、計画が第4期くらいになるのでしょうか。条例をつくったときと随分社会の状況が変わってきたと思います。条例ができてからの社会の変化をどのように捉えているでしょうか。

○川口観光政策課長
 観光振興条例第10条の施策の基本方針にある国際競争力の高い観光地の形成であるとか観光産業の振興、人材育成、来訪促進、安全・安心については基本的には変わっていないのではないかと思います。
 一方で、取り巻く環境は大きく変わっているという認識です。ワーケーションが促進されるように、観光というと日常から非日常を楽しむことなんですけれども、日常と非日常の境界がいわゆるテレワーク等で曖昧になった中でも楽しみを何とか生み出そうとしていることですとか、デジタル化が進展していること、あとはコロナ禍で新しい生活様式が定着しつつあり旅行者の意識もSDGsに変わっていると。そういったところは大きく変わっておりますので、基本的な方向、観光の果たす役割、効用は大きく変わっていませんが、時代の変化とか取り巻く環境を踏まえて、この観光基本計画を今まさに策定しているところです。

○佐野委員
 ありがとうございます。
 観光基本計画にも観光振興条例の基本理念とありますね。この理念は状況が変わっても変わらないなとつくづくと私も改めて見たところでした。
 観光が産業になることもまだ出始めたばかりで観光は観光という感じで、その後観光客が4000万人というように観光産業が発達したり、コロナになったり、SDGsとか様々な変遷があったなと思います。
 そういった中でもしっかりと理念に即して、理念を忘れることなく現在の状況を鑑みた基本計画になっているなと思いますので、計画を基に観光政策が実施されることを期待します。
 ついでですが、表紙は光が富士山から出ているじゃないですか。観光というのは光を観ることなんですよね。それを分かってこれにしたのかなと思ったんですが、光を観るというのは、そこに行った人が、地域の人たちが輝いて生活をしている、生き生きと生活をしている実態を観る、そういう光を観るのが観光と言うそうです。ですので静岡県を訪れてくれる観光客に静岡県民が豊かな生活をして輝いている生活を観ていただくことを忘れないで、またおもてなしの心も忘れないで、この観光基本計画が実行されることを期待したいと思います。

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