• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和4年9月定例会建設委員会 質疑・質問
質疑・質問者:鳥澤 由克 議員
質疑・質問日:10/05/2022
会派名:自民改革会議


○鳥澤委員
 一問一答方式でお願いいたします。
 本日、馬塚参考人におかれましては、本当に身に伝わってくるような熱い思いと使命感を持って、まさに今お話を伺いました長い年月、36年間ということで着実な歩みを進めていただきまして環境保全、またそれで次世代につながる大切なものをしっかりと渡していこうという思いが伝わってまいりまして大変ありがとうございます。またこのたびはこの調査の検討内容につきまして、御自身の大変豊富な経験と知識を我々にも御提供頂けるということで、今日は貴重な時間ですがよろしくお願い申し上げます。
 まず、馬塚参考人が長年関わられたアカウミガメの保護の留意点を簡潔にもう一度教えていただけますでしょうか。

○馬塚参考人
 私は、偶然37年前に中田島砂丘で亀に会いました。しかしその亀が車に乗せて持ち去られようとしていました。こんなことが起きていいのかどうか分からなかったんですが、調べてみたら絶滅危惧種だった。だったらこれを何とか保護していこうと思ったんですが、たくさんの車が走り回りごみは散乱してそれを盗んで売っている人がいる以上、何とか絶滅危惧を回避させるために1匹でも海へ帰そうという活動をずっと続けてきたわけですね。その中で、実は本に書いてあるとおり、亀は夜産まれる、だから夜海へ帰すものだと私も思っていました。だから夜海に帰していました。ところが明日の朝4時からまた産卵調査に出かけると、浜に子亀だらけなんです。つまり再上陸してしまっているということです。日中砂浜がやがて60度にもなっちゃうんですよ。そうすると干からびて死んでいるもの、タイヤのわだちで死んでいるもの、それからカラスに食べられるものがあって。確かに自然の野生生物ですからそのままにしておくのがいいかなと思いますが、私は今の段階では人の手を加える以外は保護はできないと思っています。

○鳥澤委員
 ありがとうございました。
 まさにその調査内容について、方法をもう少し考慮したらいいんじゃないかというお話がございました。もし加えるとなるとどのような方法で再調査をしたらいいのか御提案があればお聞かせ頂きたいと思います。

○馬塚参考人
 先ほど言ったように、人が後ろについてしまったら亀は絶対その方向には行かないので、人がいない状態で同心円を書いて真ん中に亀を置いて、どちらに向かうかとやれば正確なデータが取れると思います。それがなぜできなかったか私には分かりません。今回県がその計画を立案したということですが、何を加えるかはZOZOマリンのように現場があるわけですから、なぜそこで調査しなかったかも問題ですよね。私は今の段階の中でもっとたくさんやればいいと言いましたけれども、もっとたくさんやっても結果は同じです。じゃ何かといったら、やっぱり同心円で人を排除して私たちは遠くから見守る形で、要するに亀の目線の中に光とかそういうものの影響を及ぼさない形で、私たちが10歩、20歩、30歩下がった所で見守って調査するのがいいと思いますね。

○鳥澤委員
 分かりました。我々もその調査内容のサイクルについての行動パターンは、把握はできなかったんですけれども、今まさに馬塚参考人のおっしゃる調査方法についての考慮が、私は本当に必要だったのかなと思います。

 それで、亀が浜に来るのは、その浜の自然環境状態に大きく左右されるんじゃないかなと思っています。ここにおいては、様々な生物多様性または豊富な自然環境が残されているゆえにアカウミガメも来ます。オオタカやカワラハンミョウ等昆虫も生息しているし植生も豊かで、ハマダイコンやコウボウムギも当然あるということですが、現時点で亀が上陸する環境を整える上で何か御提言がございますでしょうか。

○馬塚参考人
 まず、テトラポットを取ること。そして静岡県で行われている養浜工事を中止すること。養浜工事によって今何が起きているかというと、皆さん行ってみてもらいたいんですが、中田島砂丘周辺約数キロメートルは、今は天竜川の河原状態です。実はあれは私との約束で、遠州灘海岸のアカウミガメの産卵地を守る事業だったんです。浸食が激しいから土砂を入れたいと言ったんですが、実際には最初砂を入れると言ったんですが、開けてみたら天竜川の河原のしゅんせつしたものを全部馬込川河口に入れているんですよ。御存じでしょうか。私は建設省にも聞きました。こんなことは違法行為じゃないかと聞いたら建設省からの答えは、ちゃんとふるいにかけて砂しか入れていないと。静岡県が当時の建設省にそう回答したんだなと私は思いました。ですからあまりにもギャップがあり過ぎて現場を見ればすぐ分かることをやっていていいのかどうか。10年間もう中田島には卵産めなくなっちゃったんです。一番卵をたくさん産んだ中田島砂丘の海岸が、今は産卵がゼロなんです。今日も亀崎さんが産卵が減っているのは帰ってこないせいじゃないかと言うんですが、海岸へ行ってください、今100メートルあるいは200メートルも海岸には砂浜がなくなっちゃっているんですよ。それは海岸に人工構築物を造ると当然起きます。テトラポットを置けば西側は必ず浸食されます。もうこれは明白です。だから海岸で知ってほしい。書物とか学識経験者あるいはその話を聞くんじゃなくて、現場に視察に行けばすぐ分かることですから。
海浜植物も大事です。コウボウムギがなかったら砂浜はできません。コウボウムギがあるとコウボウムギのところに西風で砂がたまるんですよ。たまると植物は生きていくためにまた芽を出すんです。また砂がたまってどんどん高くなると前に砂浜が延びていって、やがて海岸が延びていくんです。なんでコウボウムギがなくっちゃっかというのは、実は海岸を車が走り回って、コウボウムギ以外の植物もそうですけれども、それを枯らしたために砂浜がどんどん低くなっていったんです。浸食されていません、低くなっていったんです。低くなるとどうなるかといったら、海面の高さは変わりませんから、どんどん海の水が中に入ってきた状態です。ですから今100メートル以上向こう海の中まで歩いていけますよ。というのはそこまで砂浜だったということです。テトラポットが置けるのは浅いから置いているんです。そういうことを考えたときに、植物も非常に大事、それから人工構築物を置かないことも大事です。あとは礫浜をなくすこともウミガメの産卵にとってはとても大事だなと思います。

○鳥澤委員
 確かにリスク上、防災・減災の意味からそういう形になったかもしれませんが、生物を守る観点からすると、それは違うとのお話を今伺いました。例えばこのアカウミガメの産卵ステージを3つに分けたとします。上陸、産卵、ふ化の中で今現状における課題等が見えてくることがあれば、何か教えていただけますでしょうか。

○馬塚参考人
 まず、上陸と産卵は、亀が好きで上がって好きで卵を産んでということだとは思うんですけれども、実際に産卵を待っている親亀は海岸を100メートルから200メートルのところで見ているんです。ですから、実は亀って昼間も産卵に来るんです。しかし、今の遠州灘海岸の利用方法を考えたときに、みんながあれだけ騒いで遊んでいたら亀は上がってきませんよね。私たちは昼間でも産卵しているのを見ています。それから上陸はどこかといったら、できればきれいな、そして穴を掘って卵を産める砂浜でないと産卵はないです。そして専門家は夜ふ化すると言うんですけれども、あれは夜見に行くからですよ。昼間行ってくださいよ、昼間もふ化しますから。亀のふ化するタイミングってあって、実は夜のほうが危険が少ないと思って夜ふ化することが多いんですが、例えば夏のように夕立が降ったり温度が急激に下がると、夜だと思って昼間でもふ化してきちゃうんです。私たちは四六時中保護しに見回っています。ですから、常識にとらわれると実際にやっている私たちとはかなり隔絶した感がありますね。

○鳥澤委員
 分かりました。
 放流をして海まで戻る県の調査内容が示されました。それの真偽とか、明かりのあるときとないとき、海に帰る直線距離が短かったという御指摘もあるんですが、そうしますと私どもに提示された調査内容についてはまだまだ不十分だという認識なんですかね。だったら方法論として何かあれば教えていただけますか。

○馬塚参考人
 新月、満月は両極端の日を選びたかったと思いますが、亀は毎日ふ化しているんですよ。毎日海に行くんです。ということは、その意味は何だったのかということなんです。できれば私は連続した日をずっと選んでやってもらったほうがよかったなと思うんです。満月、新月は関係ありません。月の満ち欠けで行くのだったらそうですよ。しかし、月の満ち欠けであるわけがないんです。そうだったら毎日ふ化しませんから。満月の日に産まれれば海に行けると思うなら生態系の上でそうするでしょう。しかし、毎日月の満ち欠けはあるわけで、それは全く無意味だったなとは思いますね。

○鳥澤委員
 そうすると、今回の調査はある程度の期間を区切っての調査だったんですけれども、例えば起点日から例えば1週間、10日とか期間について御意見ございますか。

○馬塚参考人
 要するに、私は前提が違っているからこうなったと思っているんです。前提が新月と満月にやろうと思ったからなんですよ。そうじゃなくて、いつでもいいからやっていただければ。浜松市で私たちが活動して、たくさんの卵を保護して亀も毎日産まれるわけですから調査は可能なんですよ。私たち毎回30匹とか40匹弱ぐらい提供したんです。しかし、もっとどんどん産まれるんですよ。だから提供はもっとたくさんできるんです。ただ、そのぐらいでいいと言われたからそれだけ提供しただけで、1回に出てくるのは亀は100個あるうち100匹出てくるわけじゃないんです。何回かに分けて出てくるもんですから、最初に出てきたものをすぐお届けした形で、それを使ってやったわけで、たくさん亀はいますから産まれた日にやればいいわけで。あとはどうしても私は同心円でやってもらいたい。見てないから御存じないと思うんですが、人がGPSを持ってずっと亀の後を歩いて回ったんです。追っかけたんですよ。この調査データでは駄目ですね。やはり、さっき言ったように同心円で真ん中に置いて放してもらいたい。そういう方法でやったら違った結果になるかなと思います。

○鳥澤委員
 馬塚参考人も御存じだと思いますが、今回公園の配置計画も示されています。そうしますと当然、人の出入り、街路灯、樹林帯、人工植林をした中で環境が変わってくる。それで特に何といっても全体の公園計画の中で位置関係も当然変わってくる。風とか環境が変わる可能性もありますし、やはり隣接に道路ができ人が来る。もし仮にナイターとか巨大イベントがあり産卵期とぶつかったとすると大きな懸念があるとお考えでしょうか。

○馬塚参考人
 亀は暗くて静かできれいな海岸に産卵に来ているはずなんです。しかし今度大型施設ができたり人がたくさん来ると、夜な夜な人が海岸に来れます。ほんのわずかですから距離は。そうすると人が騒いだり明かりをつける。暗いから多分ランプを持って遊ぶと思うし、花火をやるでしょうし、光によって亀が卵を産みに来なくなる。そして産まれたものも海に帰れなくなる。海に帰っても、それが再上陸してしまう懸念は大いにあります。しかし、そのときに紫外線じゃないランプ、つまり赤色、いわゆるオレンジ光の低圧ナトリウム灯を使ったって低圧ナトリウム灯では興味なんか出ませんし、公園につけたらみんな顔が紫に見えて気持ち悪くてしようがないですよ。みんなそれが公共の施設に使えるものではないということです。浜名バイパスをやるときにもその調査をやりました。水銀灯では駄目だっていうことになって、低圧ナトリウム灯を使っているわけです。でも道路だからいいんです。それから東名高速道路の中も、高速道路の中だからいいんですけれども、こういう大型施設の中ではナトリウム灯は似つかわしくないですよね。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp