本会議会議録
質問文書
令和5年決算特別委員会産業分科会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 鈴木 唯記子 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 10/31/2023 |
![]() | 会派名: | ふじのくに県民クラブ |
○鈴木(唯)委員
それでは分割質問方式で6問ほどお願いします。
主要な施策の成果及び予算の執行実績についての説明書の48ページ、UIJターンの就職の支援の(イ)「30歳になったら静岡県!」応援事業、それと49ページのふるさととつながる「ふじのくにパスポート」事業の成果をお伺いします。
○八木労働雇用政策課長
「30歳になったら静岡県!」応援事業におきましては、各種SNSでの情報発信、SNSフォロワーを対象としたオンライン交流会及び合同企業面接会を実施いたしました。これまでの取組により、令和5年9月末時点においてX――旧ツイッターのフォロワー数が9,996人、インスタグラムのフォロワー数が5,240人となっており、約1万5000人余りに対して継続的な情報発信を行っているところでございます。
オンライン交流会は、先輩移住者や移住・就業支援金対象企業とオンラインで直接交流・質問できるような内容として昨年度3回開催し、143人が参加いたしました。
1回目のオンライン交流会参加者に対して実施したアンケート調査によりますと、約60%が「30歳になったら静岡県!」応援事業に興味がある、約72.6%が静岡への移住の関心が高まったという回答を頂いております。
また、合同企業説明会を全4回開催し、うち1回は東京都有楽町の交通会館で実施したところ、26社45名が参加いたしました。またオンライン開催を3回実施し延べ114社98人が参加いたしました。
この取組の総括としましては、県外在住の30歳前後の若者に対してSNSでの発信やイベントを通じ継続的に情報発信や企業情報の提供を行ったことにより1万5000人余りのフォロワーを獲得したことから、令和5年度も引き続き情報発信に努めており、一層のフォロワー数の獲得に向けて取り組んでいるところです。
しかしながら、UIターン就職サポートセンター利用者の社会人の県内企業内定者数が目標に達していないことから、今後より効果的な施策を展開できるよう検討しているところです。
ふるさととつながる「ふじのくにパスポート」事業につきましては、高校を卒業して県外に進学する学生などふるさとを離れて県外に転出する人とのつながりを維持するため、高校等卒業生に継続的な情報発信を行っております。これまでの取組によって、現在LINE登録者数は2万350人、ホームページのアクセス件数は45万5022件となっております。
なお、令和4年度に実施したLINE登録者に対するアンケートの調査結果によりますと、回答者の約半数がふじのくにパスポートの情報発信で県内企業へ就職したい意欲が高まったと回答しておりまして、働く魅力ムービーや県内で活躍する若手社員の意見などがロールモデルとなり意欲の向上につながったと分析しております。
引き続き、UIターン就職につながるよう、県内企業の魅力ある情報を継続的に発信してまいります。
○鈴木(唯)委員
今の回答に対して、質問させていただきます。
まず、「30歳になったら静岡県!」応援事業ですが、合同企業説明会やオンライン交流会は両方とも平日開催ではないということでよろしいでしょうか。
次にふるさととつながる「ふじのくにパスポート」事業ですが、bの大学1、2年生向け取組というところで(b)オンライン企業説明会、(c)若手社員等交流会とあるのですが、オンライン企業説明会の企業5社、若手社員等交流会の企業5社というのが、静岡県の事業で見たときになぜ5社なのかというところが疑問に思いまして、もう少し広げたほうがいいのではないかと思ったのですが、その根拠があったら教えてください。
○八木労働雇用政策課長
「30歳になったら静岡県!」応援事業の実施した日については確認させてください。
ふるさととつながる「ふじのくにパスポート」事業のうち、オンライン企業説明会、若手社員等交流会の参加企業数5社についてですが、令和4年度は大学1、2年生向けの取組として実施いたしました。
参加企業数を5社に設定した根拠については、この事業は大学低学年生がインターンシップに参加する前段階として企業と交流して業界の理解を深めてもらうことを目的としており、企業研究のきっかけとして業界、業種を絞ったものであります。
アンケート結果では、回答者の8割が参加企業以外の県内企業についても調べようと思ったと回答しております。
令和5年度においては、こうしたアンケート結果も踏まえて参加企業数を8社に拡大し、より多様な企業と触れ合える場を提供しました。
○鈴木(唯)委員
合同企業説明会などは御確認頂けるということで了解しました。
これは意見になりますが、「30歳になったら静岡県!」応援事業というのは、20歳代後半の方が対象だと思うので、学生の方は少ないと思います。
そうなると社会人の方は仕事をしているから休まないといけなくなると思います。その都度休んで来るというリスクも高いとなると、SNSなんかで情報を見ていたとしてもその会に参加できないのでは、静岡県にというつながりが弱くなってくると思うので、ぜひ会社に勤めながらでもそういうものに参加できるよう、県から企業に休日や夜間の開催といった仕事を休まなくてもいい形での開催を検討していただきたい。
この5社とか8社というところですが、先ほど回答の中にUIサポートセンターの話もありましたが、会派でも視察した方がいて、現状として若者なので今得られる必要最低限の情報が得られればよいということを目途にしていること、昔のように面接官が3人いるところに1人で面接に行くという体系ではなく、コロナ後なので1対1になったりオンラインに移行しているとのことでした。
先ほどのオンライン説明会や合同企業説明会もそうですが、オンラインでできることはオンラインでいいと思っている若者も多いです。情報発信に関してはしっかりやらなければ行けないと思いますが、今の若者のニーズをしっかり捉えていただきたい。
また、先ほど業界、業種を絞ったという説明もありましたが、それがなぜ5社から広げて8社にしたのかという意味合い、段階を踏んでいくということだと思うのですが、広げ過ぎていいというわけでもなく、現状に合ったものをしっかり捉えていくことが必要だと思うので、ぜひ検討頂きたいと思います。
○八木労働雇用政策課長
先ほどの「30歳になったら静岡県!」応援事業のオンライン交流会や合同企業説明会の開催についてですが、いずれも土日に開催しております。
○鈴木(唯)委員
週末だったということで、ありがとうございます。ぜひ続けていただきたいと思います。
次の質問は説明資料の52ページ、一番下のソ障害者雇用推進コーディネーター支援による就職者数ですが、人数的には増加となったものの目標値650人の達成には至っていないとあります。
こういうものは、目標を設定してそれに向かって進めることはとても大事だと思うのですけれども、特に障害者雇用の場合、この推進コーディネーターの人数と募集して来た方とのバランスが難しかったりして、何回も相談を聞いたり、その後のフォローなど様々なことが必要なのではないかなと感じました。
現状、例えば離職の状況の把握や就職後のフォローなど、相談とは別のフォローが必要であるのか分かったら教えてください。
○八木労働雇用政策課長
障害者雇用促進コーディネーターは、企業や実際に求職をされている方を訪問してそのマッチングを行っております。そうした中で、前職をどのような形で離職したのか、どこが合わなかったのかなど総合的に相談に乗っており、そうしたことを踏まえたマッチング支援を行っております。
○鈴木(唯)委員
総合的に相談に乗っているということで事業としては安心しましたが、先ほども申したようにこういうことは1人1回でいいというわけではなく、何回も何回もいろいろな支援とかフォローが必要だと思います。この目標値の達成に至ってないというところが、事業が行き詰まるような形になってはいけないと思いますので、目標設定だけを求めるのではなく、ぜひ慎重に進めていただきたいという意見でお願いします。
次に説明資料の58ページになります。
(イ)技能の場力強化事業のところで、WAZAチャレンジ教室の開催とありますが、私の見方なのかもしれませんがものづくりというところでアートモザイクやフラワーアレンジメントというものがイメージと結びつきませんでした。なぜWAZAチャレンジ教室のものづくりのすばらしさを体験するものとして、こういったものが選ばれたのかお聞きしたいと思います。
○佐野職業能力開発課長
WAZAチャレンジ教室は、県内の小中学生や特別支援学校生徒を対象として技能士の指導の下、ものづくりのすばらしさや楽しさを体験し、子供たちのものづくりへの関心を高め技能の大切さを知る機会とすることを目的として実施しております。
制作物の選定に当たっては、生徒が技能を体感しつつ限られた授業時間内で制作物を作り上げ達成感を得られるものという観点から、技能士と県で協議の上決定し、県内の小中学校等に募集をかけ希望制作物を確認し実施しております。
先ほど8番委員からお話がありましたアートモザイクにつきましては、タイル煉瓦技能士会と相談して、タイルを使って装飾を学びながら実際にタイルの施工技能を体験できるというもの、フラワーアレンジメントにつきましてはフラワー装飾技能士会と相談して、フラワー装飾の技能を体験できるということで選定させていただきました。
○鈴木(唯)委員
選定の理由などはよく分かりました。
これは私の個人的な意見ですが、例えばその次のbの静岡県技能マイスター事業にかわらぶき工とありますが、WAZAチャレンジ教室では銅板へら出しとか、アートモザイクもタイルを使ってとのことなので普段できないものに触れることでこういう職業があることを知る機会になる点では有効的だと思いました。
フラワーアレンジメントは学校で実施するとなると時間数も限られていますし、学校にお願いするのは負担になるという感覚もあるので、職業訓練や伝統工芸といったものに触れてほしいのであれば、県内何校とかではなくて全県的に何年生と対象を絞って毎年実施するぐらいの形で学校と相談して導入していく。何をしたくてどの学年に入れたいというのがこの事業だと分かりにくいと感じています。
もう県内でやらない、なるべく全県的に触れたいというのであれば、この学校は今年はやったけど来年はやらないでは、もうその生徒たちは卒業したりとどんどん学年が上がります。そうすると、このものづくり体験の楽しさをやった子がどれだけ広げるかというかなり裾野が狭い事業に感じたので、いろいろやり方も含めて検討していただきたいと思います。以上は意見です。
次に、説明資料の63ページになります。
ア感染症拡大防止と社会経済活動との両立の推進に認証店の記載があるのですが、クラスターは発生していないことから感染防止上の効果はあったものと考えられると書いてあるのですけれども、これに対して検証がされたのかどうか伺います。
○鈴木商工振興課長
クラスターが発生していないことの検証に関しましては、一般論としてコロナウイルスが目に見える形ではないものですから、どこで感染したかというエビデンスははっきり分からないものであるという前提はあります。そういう中で、認証店においてクラスターが発生したという事実は健康福祉部でも確認されていないという意味合いです。
○鈴木(唯)委員
難しいとは思うのですが、走りながら組み立てていった事業だと思います。しっかり国の通達があって進めていたということも分かるのですが、この事業自体を後から振り返ってしっかりと検証し、本当にお店の方が求めることが何なのか、このアフターコロナのうちにやっていただけたらなという意味で、ぜひ検証をお願いします。
続いて、その下イのフーズ・ヘルスケア産業における新製品・サービスの開発促進、新たなサービス産業の振興というところですが、先ほど増田経済産業部長の御説明の中に科学的根拠に基づく高付加価値食品等の製造開発という話があったのですが、どのような食品でどのような成果であったか伺いたい。
○鈴木商工振興課長
この説明資料63ページの記載ですが、フーズという言葉も入っておりますが当課ではヘルスケアサービスのビジネス化という観点での事業を行っております。当課としましては食品関係の事業に関しては実施しておりません。答えとして申し訳ないのですが、当課の取組としてはそういうことになります。
○餅原産業革新局長
フーズ・ヘルスケア産業と言いますと、以前は商工業局にありました新産業集積課でフーズ・ヘルスケア関係のプロジェクトをずっとやってきておりました。新商品開発としては、機能性食品や特保に着目しながら製品開発を進めてきました。
しかし、最近では地域の食材ですとか、例えば新しくMaOIなどいろいろやっていますので、そういったものの中で機能性を持った新しい製品を作っていきたいとやっております。過去一緒にやってきているものですからこういった記述になっておりますが、現在では産業革新局が担当しておりますので御報告申し上げます。
○鈴木(唯)委員
せっかく科学的根拠に基づいているのに、商品を見てもそれが前面に出ていないというのが第一印象です。県が開発しているというのであれば、安全性だったり安心性があるわけですね。これはもう民間の企業が開発したのではない、県がこれだけ力を入れているんだということが商品で見えにくいところがあると思ったので、もし売るのであれば全面的に出すべきです。
これはもう全てなのですが、研究は県とかそういった機関が一企業や中小企業ではできないものをしっかりやるべきだと思うのですが、商品開発は企業がやるべきではないかと私は感じています。
開発に至るまでの成分などの研究は必要だと思うのですが、そのすみ分けはいま一度しっかりと検討していただきたいという意見として質問させていただきました。
次に、説明資料84ページの、ウ魅力ある買い物環境づくり支援事業ですが、これは市町に補助を出していくということだったのですね。次のページのエ地域商業機能複合化推進事業もそうですが、それぞれ実施箇所が2か所とあります。
これは、もともと2か所とか3か所とそんなに多くではなく、しっかりじっくりと1か所を重点的にやっていくという意味合いでの2か所なのか、それとも募集をかけたけれども2件ずつしかなかったのか伺います。
○池谷地域産業課長兼商業まちづくり室長
魅力ある買い物環境づくり支援事業費助成と地域商業機能複合化推進事業費助成のいずれも2件ということですが、こちらにつきましては事前に市町を通じて事業実施主体への募集をかけ、令和4年度は要望が上がって駄目だったというところはございません。
ただ、予算に限りがあり、前段の魅力ある買い物環境づくり支援事業費助成につきましては、年度によっては市町や実施団体である商店街等が予算化するのが難しい場合もあるものですから、必ずしも全て助成しているわけではありませんが、昨年度については全て助成しております。
○鈴木(唯)委員
特にウ魅力ある買い物環境づくり支援事業費助成の熱海市のアーケード改修工事などにはお金がかかるため本当に苦慮されている商店街はすごく多いと思います。やっぱりやりたいけれども、補助金を出してくれるというのも分かっているけれどもつながらないと。
予算の面もあると思いますが、本当に困っている方がいらっしゃるので、予算の中でできるようにというのは当然なのですが、そこがうまく市町につながるように、該当要件を申請しやすい形、通りやすい形となるよう見直しをかけていただけたらと思います。意見です。
最後になりますが、説明資料85ページ、(3)県内企業のデザイン活用の推進の(ア)デザインマッチング事業についてですが、生産者とデザイナーとの1対1の相談会を実施とあります。1対1というところはもちろん大事だと思うのですが、このマッチングの業務契約の成立が4件だったということで、数字の結果が全てではないと思うのですが、県が行う事業として、4件は少ないと感じてしまいました。その辺の様子について伺います。
○池谷地域産業課長兼商業まちづくり室長
県内企業のデザイン活用の推進については、デザイン支援を希望される企業を募集して、県工業技術研究所のデザイン専門部署で応募があったところ――昨年度は13件あったのですが――について企業の相談内容に沿った形でデザイナーを選びマッチング支援を行いました。13件の相談があり4件が契約に至りました。その後はデザイナーと企業とのビジネスの話になるのですが、その機会をつくるために取り組んでおります。
件数については少ないとの御指摘ですが、相談希望が上がってきたものについてマッチング支援を行うものであり令和4年度の相談は13件でしたが、コロナ前の令和元年は50件以上の年もあったため、コロナの影響もあって少なかったとは捉えております。
今後もより件数が増えるように周知していきたいと思います。
○鈴木(唯)委員
ありがとうございました。
(ア)から(オ)まで幾つか事業がありますが、全体で850万円という金額は安くはないと感じるところです。ですので、どこを目指してどのようにつなげていくのか、デザインということで難しいかもしれませんが、それでも契約に結びつけていかなければなりません。安かったらいいというわけではないのですが、それでもかなりの金額だと思いましたので、ぜひ進め方に関してもいま一度検討していただき、しっかり進めていただきたいと思います。
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