本会議会議録
質問文書
令和6年12月定例会総務委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 相坂 摂治 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 12/13/2024 |
![]() | 会派名: | 自民改革会議 |
○相坂委員
一括質問方式で伺います。
聞くだけで終わるものから、こだわらなければいけないものまで8項目あります。
私ども自民改革会議と前任の知事との間には、様々な意見の食い違いや議案の修正を求めた経緯があったことは皆さんも御承知のとおりです。知事が替わっても、県行政に弊害が生じていると思われた川勝県政時代の風土、文化等が変わらなければ大きな成果は出ないという前提に立って、幾つかの指摘をしながら質問させていただきます。
まず1点目、知事が新しくなりました。県庁全体の雰囲気は変わりましたか。知事直轄組織において、前知事の時代と現在とで重点的な取組、業務等に変化はありますか。
また、ローカル・ガバメント・トランスフォーメーション――LGXについては、浜松市長時代も同じことをされていた鈴木知事が今年8月頃に県でも宣言をしたようです。「巧遅より拙速」などの経営の視点と具体的な行動が5つあります。
組織文化を変え、職員の意識改革をするという知事の宣言の下、県庁組織にどのような変化があるか伺います。
2点目です。開会日の12月2日我が会派から組織改編について8項目御提言申し上げました。
当局の受け止め、そして知事からどのような指示が出ているか、さらに現在の議論の状況を教えてください。
3点目は来年度の予算編成についてです。
財源不足等様々な課題がありますが、我が会派の政務調査会を中心に今後細かい議論は行うとして、今日は総務委員会説明資料にあるチャレンジ事業について伺います。
昨日、来年度当初予算の部局調整案について御説明頂きました。我が会派としては、知事が替わって最初の当初予算編成であるにもかかわらず、新規事業が少ないという感想、印象を持ちました。知事がノープランなのか、あるいは皆さんと知事とのやり取りが少ないのか、あるいは各職員にはいろんな思いがあっても知事直轄組織や財政課との議論の中で沈んだまま表面化していないのか分かりませんが、新規事業数を含めてかなり期待して待っているところです。
チャレンジ事業について、テーマ別や部局ごとに現在どの程度提案されているのか、状況を教えてください。
余談ですけれども、僕はコロナ禍のとき産業委員会の委員長でした。いろいろな事業が停滞する中、感染対策をすれば事業を認めようという動きがあり、行く行くはチャレンジ事業という名前に変わる事業が生み出され、いろいろなアイデアが寄せられたんですよ。天野経済産業部長のときです。その後コロナ対策だけじゃなく様々な発案を採用していく事業へと育っていきました。
今回のチャレンジ事業もそのように育っていく可能性が物すごくある。知事からのメッセージではないかと思っています。そういう意味でも財政課がなるべく多くの事業を吸い上げて事業化のお手伝いをしていけるかどうかも含めて期待しています。
4点目は人事です。ちょっと聞きにくいのですが副知事の件です。
知事が替わったときに、どのような副知事体制になるかは県によっても違うでしょうし、いきさつによっても違うでしょう。今の副知事お二人がどうなさるかは、御本人たちが考えることですから聞きません。
私が伺いたいのは、副知事の職権の在り方についてです。
川勝知事時代に我々が非常に分かりにくいと思っていた、あるいは不明瞭だと思っていた組織の在り方として、副知事が担当の部を持っていたことが挙げられます。ある副知事はこの部署の担当、もう一人の副知事はあの部署の担当、あるいは担当制で各副知事が何らかの事業を抱えている不自然さは解消できないのか。
それぞれの部には責任者の部長がいるわけで、我々からすると屋上屋を架す感じで、部長の決裁権が優先するのか、副知事の決裁権が優先するのか、どっちが責任者なのかよく分からない体制です。
副知事というのは、あくまで知事を政治的にサポートしたり、人脈を構築したり、あるいは代理行為を果たすことがその主たる任務ではないかと思っていたところ、なぜか我が県では事務官のような対応をして決裁権を持って部署の担当制のようなことをしています。これは本来副知事ではなく担当部の担当官が責任を持って当たるべき仕事ではないかと私は考えていますが、副知事の職権の在り方について皆さんのお考えを伺います。
5点目は総合計画についてです。総合計画については2つ聞きます。
知事は、総合計画に幸福度日本一という主観的な評価指標を入れていくとおっしゃっています。これはこれでいいと思います。ウエルビーイングは世界的な潮流になっていて、行政やまちの在り方を一人一人の人間がどのように評価し感じているかに焦点を当てていますから、ある意味では成熟した社会に向かっているのだろうと思います。
しかし、このウエルビーイングを裏づけるための社会的基盤、経済的基盤、生活上の基盤が総合計画の中には何ら数値目標として書かれていない。これをトータルしたときの、県の勢いと書く県勢の目標、ビジョンが同時に示されていないので、何をどこまでやったら県民一人一人のウエルビーイングが上がるのかさっぱり分からない計画がつくられているわけです。県政運営の基本方針のローカル・ガバメント・トランスフォーメーションもウエルビーイングの視点を取り入れることも載っている。ところが一番肝腎な県民に分かりやすい県のビジョン――こういう県になるんだというイメージが分かりにくい状態になっていると感じます
総合計画の基盤をどうつくって、県民にどう分かりやすく見せるのか工夫を伺います。
6点目、総合計画に関する質問の2つ目はリニア中央新幹線についてです。
総合計画の中にリニア中央新幹線をどう盛り込むかという議論は本会議でもあり、先ほど6番委員もしてくれました。私も同感です。
6000万人が僅か1時間でつながる経済圏がつくられるメガリージョン構想を社会の大前提として、駅がつくられる神奈川県から岐阜県までの各市、また神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県の総合計画を本県の総合計画を策定する民谷総合政策課長は御覧になっていますでしょうか。他県の総合計画にリニア中央新幹線がどのように位置づけられ、どのようなビジョンでリニア中央新幹線を生かしたまちづくり、経済対策、産業集積の計画がつくられているか御存じでしょうか。
我が県に駅が造られないという問題ももちろん大事な要素ですが、我が県に駅がないことでこの高速移動網の中から取り残されていくような受け止め方では、やはりまずいと思います。
我が県には空港も港もあります。山梨県、長野県とは隣接していますから、そこが享受する経済効果、あるいは成長効果を我が県にどう引き込んでいくかが我が県の戦略でなければならないと思いますが、次期総合計画には水と自然のこと以外書いてありません。
時代の潮流に、リニア中央新幹線が開く日本の社会の在り方、我が県に与える影響、それが我が県の強みなのか課題なのかという仕分けをしっかりと記載すべきではないかと思いますが、この点について改めて御見解をお聞かせください。
7点目は未来創造会議についてです。
未来創造会議はテーマによってメンバーが変わるとのことです。産官学金労言の時代ですので、こうした方々をテーマによって選び直していくのかもしれません。
今回のテーマについてはよく分かりましたけれども、総合計画を読んでも知事がスタートアップを重視しているためとかくミクロ経済というか経営的な視点が強いと感じます。
でも、県行政がやらなければいけないのはマクロ経済の捉え方であって、いろんな施策を積み上げたときに静岡県経済をどう動かしていくかという議論はここでやらないとやる場所がないと思うんですね。今後そういうテーマを取り上げていく考えがあるか教えてください。
最後、8点目はエアモビリティーについてです。
スケジュールがこれだけ細かく示されていますから、知事直轄組織の手を離してそろそろ事業課に渡してあげたらどうかという質問です。
以上8点たくさんありますが、納得のいく回答であれば再質問はいたしません。よろしくお願いします。
○石川政策推進担当部長
まず、1点目の知事が替わり県庁全体の雰囲気あるいは知事直轄組織の仕事が変わったかについてございます。
変わった部分はやはりあると思っております。
大きくは経営の視点ですが、単に企業経営というよりも県あるいは県民がさらによくなっていくために時代や環境の変化に柔軟に対応していくというもので、県の発展、県民のためにという意識が非常に強いと思います。
もう1つはスピードと熟議です。相反するところではあるのですが、スピード感を重視しつつも議論すべきところはしっかり議論するため様々な背景もちゃんと教えてほしいとの意向を感じます。
さらに、将来世代への責任も強く感じます。長期的な視点で意見や考え、分析を求められることも増えたと感じております。
次に、6点目の次期総合計画へのリニア中央新幹線の位置づけについてでございます。
3番委員御指摘のとおりリニア中央新幹線の開業は日本全体あるいは我が県の社会経済構造に影響を及ぼすと考えておりますが、基本的に情報が足りないと思っております。陸海空を結節させて本県をどのように発展させていくかは、必要な視点ですし、経営方針の中で交通ネットワークとして触れ、行動計画でより具体化していきたいと考えています。
次に、7点目の未来創造会議におけるマクロ経済の議論についてでございます。
県の経済全体についての会議は、経済産業部の産業成長戦略会議がありますが、あらかじめ何を議論する、しないと決めているわけではございません。必要なテーマが生じれば、それに会議体を合わせ、あるいはほかの部で審議するなど柔軟に対応してまいりたいと考えております。
○鈴木経営管理部長
まず、知事が替わったことによる新たな変化のうち、LGXの関係についてお答えいたします。
3番委員からもお話がありましたように、8月に知事がLGX宣言を職員に向けて発出しました。知事が出したことによりLGXという言葉が広く浸透してきているのではないかと思っております。
また、至るところで知事がLGX宣言について説明する機会がありますので、特に幹部職員には5つの視点等が徐々に浸透してきていると思いますが、各課、各班、各職員まで浸透しているかというと、そこまでは把握できておりません。
今後、LGXについては総合計画にもしっかりと明記し、行政経営の視点として浸透させていきたいと思っております。
次に、2点目の組織の関係でございます。
自民改革会議から頂いた御提言は大変貴重な御意見であり、県としても重く受け止めております。
知事は、特に御提言の中にある施策を機動的、効果的に行うための県庁組織の重要性については同様の認識を示されており、常日頃から県政運営において経営の視点を掲げています。
こうした知事の考えを踏まえまして――我々としては知事からの指示と受け止めておりますけれども――LGXにありますように、環境の変化に柔軟かつ迅速に対応できる組織づくりを目指してまいります。
なお、議論の状況につきましては、自民改革会議から頂いた御提言の内容も踏まえながら、今検討を進めているところでございます。具体的には、次期総合計画を推進していく令和7年度の組織体制をしかるべき時期に御説明したいと思っております。
次に、4点目の副知事の関係でございます。
3番委員御指摘のとおり、地方自治法第167条に副知事は知事を補佐するとの記載があり、次に知事の命を受け政策及び企画をつかさどりその補助機関である職員の担任する事務を監督しと続きます。
私どもとしては、副知事はまずは知事の補佐であるとともに高度化、複雑化する社会的な課題を解決する中で、知事の考えを受け止め県の施策を部局横断的に推進していく要の位置づけであると認識しております。
なお、県政の最終的な意思決定はあくまで知事が行い、副知事はその意思決定の過程に関与していただくものと認識しております。
○民谷総合政策課長
3点目のチャレンジ事業につきましては、各部局から12件の提案がございました。
内容につきましては、庁内で協議を進めており、予算編成過程を経て最終的には予算発表の中でお示ししたいと考えております。
5点目について、次期総合計画にウエルビーイングを裏づける社会的基盤、経済的基盤、生活上の基盤の数値目標が書かれていないとの御指摘を頂きましたが、今回は経営方針として基本的な考え方や目指す姿に幸福度日本一の静岡県を掲げること、実現するための政策体系までをお示ししました。具体的な取組につきましては、行動計画の中でお示ししたいと考えております。
○杉山デジタル戦略局長
8点目の次世代エアモビリティーの取組については、現在7部局にまたがっており、総合調整は今後も引き続きデジタル戦略局が担うことになると思いますが、環境が整い次第、事業部門に業務を移管することも進めてまいります。
機体開発支援やサプライチェーンの構築などに関する業務は、来年度から経済産業部で進める方向で調整しており、その他につきましては、今後の進捗の度合いや具体化の状況に応じて各部局への業務移管を考えていきます。
○相坂委員
いずれも、分かりやすく淡泊なお答えをありがとうございました。
要望を2点申し上げます。
1点目は、総合計画の記載の仕方です。
知事の公約である県民幸福度日本一をクローズアップしていくことは大事なことですが、客観的に分かりやすいかどうかはまた別の問題です。
知事の政治家としての表現を分かりやすく県民に伝えるのは、職員の皆さんの腕の見せどころだと思います。ウエルビーイング指標を向上させる基盤をどこに置きその目標は何なのか、またそれぞれの分野の社会のありようや、共感して力を発揮する社会をつくることが分かる総合計画を意識していただきたいと思います。
2点目は、リニア中央新幹線についてですが、石川政策推進担当部長にはあの人にもこの人にも再三同じこと聞かれて申し訳ないと思いますが、記載できるタイミングでぜひ総合計画に記載していただきたいと思います。
書きにくい事情がひょっとしたらあるのかもしれません。水と自然との共生に重点的に取り組んできた本県における議論の在り方もあるでしょう。急に転換することへの社会的な抵抗もあり、理解を求めることも必要で時間がかかっているのかもしれません。
しかし、先ほど申し上げた社会の変化は皆さんも既に御承知のとおりですから、他県の動きに遅れずに、駅はなくとも本県の位置づけをしっかり打ち出す記載の仕方を検討していただきたいと思います。
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