• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 委員会会議録 > 質問文書

ここから本文です。

委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和6年2月定例会厚生委員会 質疑・質問
質疑・質問者:鈴木 澄美 議員
質疑・質問日:03/07/2024
会派名:自民改革会議


○鈴木(澄)委員
 分割質問方式でお願いします。
 まず、厚生委員会説明資料1の50ページの在宅医療提供体制の整備の推進であります。
 (2)の図に在宅医療圏域の設定と書かれており、在宅医療の提供体制に求められる医療機能は1つ目として入退院支援、2つ目が日常の療養支援、そして3つ目が急変時の対応、そして4つ目が看取りであります。県は在宅医療における積極的医療機関及び連携拠点並びに在宅医療圏域の設定に当たっては、医療及び介護資源等の状況や医療と介護の連携の在り方が地域によって異なることを勘案し、保健所を中心にして市町、郡市医師会等関係者による協議を踏まえて次期保健医療計画に位置づけるとなっています。
 そこで、積極的医療機関についてお聞きしますが、自ら24時間対応体制の在宅医療の提供と他医療機関の支援、医療・介護・障害福祉の現場での多職種連携の支援と記述がありますが、24時間対応体制はどの医療機関でも可能とはいかないと思っています。新規事業として地域包括ケア推進関連事業費に在宅医療提供体制整備があり、在宅医療で積極的な役割を担う医療機関等に対して助成するとされていますが、対象となる医療機関をどう想定しているのか。
 また、診療所等の身近な医療機関が在宅医療を提供していると考えていますが、先ほど言った在宅医療に求められる医療機能のうちの1つ目の入退院支援を除けば他の3つは全て診療所等でもやっていると思いますけれども、診療所の扱いはどうなっているのかについてもお聞きしたい。

○内野地域包括ケア推進室長
 厚生労働省地域医療計画課長通知では、在宅医療において積極的な役割を担う医療機関としては、在宅療養診療所や在宅療養支援病院等の地域において在宅医療を担っている医療機関から位置づけることを想定しております。
 県では、保健医療計画策定に当たって専門家の意見を聞いており、在宅医療分野に関する専門家会議から、積極的な役割を担う医療機関は24時間対応の体制や患者の病状急変時の受入れ等を期待されているので2次救急医療機関も検討の対象に含めたほうがよいとの御意見を頂いております。
 また、在宅医療を行うのは身近な医療機関であることから、積極的な役割を担う医療機関等の選定に当たっては地域で決めたほうがよいとの御意見を専門家会議から頂いていることもあり、地域では国が示した在宅療養支援診療所や在宅療養支援病院に加え、2次救急医療機関も含めて地域の実情に合わせて検討を頂いているところでございます。
 診療所につきましては、先ほど申し上げました国通知で積極的な役割を担う医療機関に求められる事項が6つ記載されており、求められる事項の優先事項を国に確認したところ、医療機関が必ずしも対応し切れない夜間や医師不在時、患者の病状の急変時における診療の支援を行うことは優先的な事項であるとの回答を頂いてございます。このため24時間の往診体制や訪問看護体制の確保が要件となっていることから、在宅医療を担っている診療所のうち在宅療養支援診療所は積極的な役割を担う医療機関の対象と考えているところでございます。

○鈴木(澄)委員
 先ほどの在宅医療提供体制整備について助成する仕組みは、どのくらいの医療機関が対象になると想定しているかお聞きします。

○内野地域包括ケア推進室長
 26の医療機関を想定しております。

○鈴木(澄)委員
 私の解釈がちょっと違うかもしれませんが、例えば生活感のある話をすると、近くの診療所には行けない高齢で厳しい状況の人たちがいたとしたら、近くの診療所の先生がまさに24時間一生懸命支援をしてくれて、さっき言った4つの条件のほぼ3つはやってくれているわけですよね。もう少し体制を強化するために、働き方改革のことも含め後押しをする仕組みの事業はあるか確認します。

○内野地域包括ケア推進室長
 当該事業につきましては、地域の在宅医療圏の体制の整備やその地域の中にある病院、診療所自らが災害時等における適切な医療計画の策定を行ったり、他の医療機関の計画の策定を支援することを目的としている事業でございます。

○鈴木(澄)委員
 今後、各市町の医療環境などを検討した上でいろいろな対応を取っていくことになろうかと思いますので、今ここでやり取りしたことも踏まえそれぞれの地域から先ほどのような意見が出てきたときにどう対応するのかも考えておいてほしいと要望で挙げておきます。

○伊丹委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は15時10分です。

( 休 憩 )

○伊丹委員長
 休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 では、発言願います。

○鈴木(澄)委員
 次に、説明資料1の51ページのこども未来戦略に呼応した少子化対策の取組のうち、新規のこどもの権利擁護環境整備事業費についてお伺いします。
 施設入所児童等の意見表明等を支援する事業とあり、意見表明等支援員が施設や里親家庭等を訪問して子供の意見を聴取し、施設入所児童等の権利擁護に関する環境整備を行うものと書かれています。
 そこで、まずこの事業の目的と期待される効果についてお聞きします。

○村松こども家庭課長
 子供の中には大人へ意見を表明することへの抵抗感、あるいは自分の考えや思いを意見として整理して表明することが難しいため1人では意見または意向を形にして表に出していくことに困難を抱えている子供たちが少なくありません。
 そこで、児童相談所や施設と全く関係がない、子供の福祉に関し知識や経験を有する第三者を意見表明等支援員として任じ、子供が施設等での生活における悩みや不満、措置の内容に関する意見あるいは意向を聞き取り、勘案して児童相談所等関係機関にそれを表明し、その表明された意見をもって関係機関が子供に対してフィードバックを行うことにより、子供にとってより適切な処遇につなげるものでございます。
 効果として、まず子供にとって自分が出した意見が施設とか関係機関に戻ってくる、フィードバックされると自分の言葉、意見が認めてもらえた、反応があると、次からまた自分の思いを伝えようと意見を形成し表に出していくことで、その子供の主体性の回復につながっていく効果を期待したものでございます。

○鈴木(澄)委員
 極めて大事なことだと思いますけれども、ただ里親や施設で生活をしている中で血はつながっていなくても非常に関わりの強い人たちの場合、必要な情報を得ることでさっきおっしゃったようなプラスの効果はあるのかもしれませんが、家族の一員のような中でそれを言ったことによって自分がどう置かれるのか等微妙な空気になることがあると思います。そこに対する配慮がなくて事務的、単純に情報だけを得る形なのはいかがなものかと思いますが、そこは何かございますでしょうか。

○村松こども家庭課長
 子供の意見の聞き取りに当たり、まず何よりも子供と意見表明等支援員の信頼関係の構築が重要です。そのため意見表明等支援員は事務的にではなく、定期的に施設を訪問して子供の年齢に応じた教材を使ってコミュニケーションを図ったり、遊びを通じて子供との信頼関係をまず築き、そうした中で子供の率直な本音を聞き取ることにしていきます。
 また、意見表明等支援員は子供に対して言いたくないことは無理して言わなくていいよと働きかけますが、子供との信頼関係を構築していく中で児童相談所とか他人に話さないでほしいというデリケートな情報が出てくる可能性があります。その情報の内容にもよりますが、児童相談所など関係者に伝えないことでお子さん自身またはほかの第三者を守ることができない可能性があることを、話してくれた子供にきちんと説明して理解を得られるよう意見表明等支援員が誠実に子供に伝えていくことが重要でございます。
 この事業により、施設や里親の下で生活するお子さんの意見や意向が最大限尊重され子供の最善の利益につながっていくように、事業の実施に向けて児童相談所や児童養護施設、里親等の方々とも一緒になって、この事業をやるに当たっていろいろデリケートな部分もあることを十分理解した上で進めていこうと考えております。

○鈴木(澄)委員
 重ね重ね申し上げますが、やはり非常に微妙なテーマかなと思います。重要なことは分かりますが、何か言ったことによって改善されればいいですけれど、逆にそれがマイナスになってしまうこともあり得るかもしれない。この事業については誰かが冷静に判断して、しっかり状況を把握しながら本当に子供にとって幸せになる流れをつくってほしいと思っておりますので、十分に配慮していただきたいと申し上げておきます。

 次の質問に行きます。
 説明資料の54ページ、聴覚障害児の療育体制の構築です。
 これは、聴覚障害児への切れ目のない支援体制を構築するため、静岡県立総合病院と連携して聴覚障害児支援の先進国オーストラリアの効果的な療育手法を取り入れた全国のモデルとなる療育体制を構築する事業であります。
 1月の下旬に、我が会派の難聴に関する勉強会で横浜市にある総合リハビリテーションセンターに行きました。乳幼児期の療育と教育という2つの流れにどう対応するかを含め、それぞれの役割分担がありライフステージに沿った形での支援をする仕組みまでこの施設でつくっており、それを勉強しに行ったわけです。
 静岡県では、聴覚障害の子供の場合、例えば県立静岡聴覚特別支援学校で学ぶという支援体制があります。ばらばらに見ていけば療育も教育もちゃんとやられていますが、横浜市の場合は精密聴力検査機関の検査結果によってどのように子供にとって一番いい体制をつくっていくかをワンストップの窓口がしっかり振り分けをしており、入り口で教育と療育を分けていく流れがあります。あるいは障害を複数持ってる方で聴覚にも障害がある場合どうすればいいのかも含め、ちゃんと判断ができています。
 静岡県が今回取り組む事業は、療育はモデル地域になる期待がある一方で、どうやって教育と療育――教育委員会と健康福祉部の関係を入り口で理論的に分けて流していくのかが見えない。この部分はどう考えているのかお聞きします。

○村松こども家庭課長
 聴覚障害児総合的支援に向けた教育委員会との連携に関する御質問として受け止めております。
 5番委員御指摘のとおり、横浜市におきましては特別支援学校と難聴児養育を行う部門が密接に連携を取っており、市が主催して定期的な連絡会等を行いライフステージに沿った取組の報告あるいは症例の検討等を行っていると伺っております。
 本県の状況ですが、まず教育サイドの関係としては、県内の医療機関それから特別支援学校、行政の母子保健及び障害児支援部門で構成する平成11年に発足した聴覚障害児を考える医療と保健、福祉と教育の会において、難聴児の早期発見や特別支援教育などについて関係機関が連携を深めて取り組んでおります。
 最近の具体的な事例として、乳幼児教室を行っている聴覚特別支援学校には指導助言を行うために令和3年度から乳幼児聴覚支援センターの言語聴覚士を派遣しておりますし、令和4年度にはオーストラリアの療育機関に県立総合病院の言語聴覚士と浜松聴覚支援学校の教員が派遣研修に行き難聴児の支援に向けて連携を進めているところでございます。
 今後、聴覚障害児の療育体制モデルを実施していく中で、また聴覚障害者を考える医療と保健、福祉と教育の会において教育委員会等とさらなる連携を深めて、横浜市などの先進事例を参考にしながら療育及び教育における聴覚障害児の選択肢の拡大などに取り組んでいきたいと考えています。

○鈴木(澄)委員
 行政側から見たその仕組みは大事ですけれども、科学的な根拠に基づいて検査をしてもらった結果難聴あるいは聴覚障害があると判断されたときに、どこに行ったらその子供とって一番いいのか障害を持ってる人たちや家族が安心できる方向性を指し示すような仕組みがないといけないと思います。今回この事業で示されているのは、聴覚障害のスクリーニングをやり、専門家の機関で調べて問題がある、次は人工内耳に行く、もうそれしかないんだという仕組みでいいのかは考えなければいけない。
 オーストラリアの先進的な手法を取り入れた部分は、他の都道府県に比べて先進的な事例になるのかもしれないけど、その前にほかのやり方も選択肢として考えていかなきゃいけないと思っています。横浜市は非常に分かりやすいチャートで、こういうケースはこのように処理をして障害を持ってる人はどのような医療サービスが受けられるとか、支援が受けられるかが分かりやすい仕組みをつくっています。行政側ではなく障害がある子供たちの立場で分かりやすい仕組みをつくっていくことが大事ですので、ぜひとも御検討頂きたいと思います。

 次の質問に行きます。
 説明資料1の56ページ、障害のある人への就労支援策であります。
 生産活動パワーアップ支援事業費と農福連携による工賃向上支援事業費の2つについて、改めて主な事業内容の説明をお願いします。

○増井障害者政策課長
 初めに、生産活動パワーアップ支援事業費における共同生産体制の構築について御説明いたします。
 一般企業への就労が困難な障害のある方を対象とした就労継続支援事業所では、障害のある利用者の出勤が安定しないことなどによって生産量の確保や納期の遵守が困難なことがあります。具体的には一度に一定量以上の納品を求められるスーパー等の小売店への流通に乗りにくいことや、同じ商品を数多く求められる企業のノベルティーや贈答需要などに十分対応できていない課題がございます。
 このため、複数の事業所で共通の商品を製造し企業からの下請作業を受注する共同生産体制を構築することにより、1つの事業所の生産能力不足をほかの事業所でカバーすることで大量受注に対応できるだけの生産量の確保や納期の遵守を実現させることを目指しております。この取組は3年計画であり、初年度である来年度は勉強会や技術研修等で課題の洗い出しや目標設定などを行いまして、2年目の製品試作や販路開拓を経て3年目に本格的な生産受注につなげていければと考えております。
 2つ目の農福連携による工賃向上支援事業費におけるワンストップ窓口の運営ですが、農福連携は農業分野の担い手不足の解消に努めるとともに、障害のある人の農業分野での職域拡大を支援することで工賃向上と農業分野での一般就労を目指すものでございます。県ではこの推進のため令和2年6月にNPO法人オールしずおかベストコミュニティに委託し、静岡市葵区呉服町のビル5風来館内に設置した障害者働く幸せ創出センター内に農福連携ワンストップ窓口を設置しております。窓口には農業者からの情報収集を行うコーディネーターを4名経済産業部が配置し、障害事業所業務へ内容の紹介などを行う窓口担当者を2名当課で配置しており、両者が連携して農家と障害事業所とのマッチングを行っております。令和2年度に開始した当初のマッチング実績は24件でしたが、今年度は12月までで既に71件に上り過去最高を更新しております。

○鈴木(澄)委員
 12月の常任委員会で、香川県の例に触れて質問しましたが、それに近いものになっていければいいなと期待を持っています。
 発注する側として、物が安定して入ってくることはすごく大事だと思っています。そういう信頼関係ができて工賃が上がってくると思いますので、しっかりと取り組んでいただきたい。窓口をちゃんとつくって調整を図ることも必要で、農福連携にはその機能がありますがほかの分野でも幾つかの施設との調整を図りつつ、発注者側がその窓口になるのではなく公共的な立場の中で窓口をつくってあげないと機能しないと思っていますので御検討頂きたいと思います。

 次に、説明資料1の61ページの医師確保対策です。
 先ほど、7番委員が非常に厳しいことをおっしゃっていました。私も毎回医師確保について質問し今日で4回目になりますが改めて質問させていただきます。
 本県の医師確保や偏在解消に向けた様々な取組は、時間がかかりますけれども着実に前を向いて進んでいると感じています。
 今定例会に提出された関連する事業で、ふじのくにバーチャルメディカルカレッジ運営事業費のうち医師キャリア形成支援事業は、専任医師による修学研修資金を利用した人たちへのキャリア形成支援として、配置調整を行うお医者さんの数が現行の5人から1人増え6人体制に拡充されるわけですが、改めてこの事業の内容と増員によって医師少数区域にどのような効果が期待ができるのかお聞きします。

○松林地域医療課長
 5番委員の御質問にもありましたように、修学研修資金を利用した人は初期研修が終わった卒業後3年目から実際の配置が始まりますが、配置調整等を行う医師の業務といたしましては初期研修2年目以降の配置調整対象医師との面談、それから各病院との調整をして配置先の原案を作成をすることに加え、在学中の就学資金を利用されている学生さんからの相談対応やキャリア形成プログラムの整備支援等がございます。
 今回増員を行うことで、在学中からよりきめ細かな相談体制となりますし、今後増加していく配置調整対象医師の面談もより手厚く行うことができると考えております。これに加えキャリア形成プログラムの整備支援といたしまして、基幹病院と医師少数区域のより円滑な関係構築のためのサポートをしていただけると考えております。現在整備を進めておりますキャリア形成プログラムについて、できるだけ幅広い領域のプログラムで富士圏域をはじめとする医師少数区域等の病院がより多く参画頂くことにも貢献していただけるものと考えております。

○鈴木(澄)委員
 増員したことによって少数区域にどのようにプラスの効果が反映されるかについて、もう一度説明してください。

○松林地域医療課長
 配置調整については、浜松医科大学の出身で浜松医科大学のプログラムに入られる方は浜松医科大学に配置調整をお願いしております。
 一方、浜松医科大学のプログラムではなく、例えば富士市立中央病院や順天堂静岡病院のプログラムに入られる方々につきましては静岡社会健康医学大学院大学と県立総合病院で連携して配置調整の原案を作成をしていただいております。今回の増員はその静岡社会健康医学大学院大学に1名増員し、主に浜松医科大学以外のプログラムに入られる方のキャリア形成プログラムの整備支援に御協力を頂けると考えております。

○鈴木(澄)委員
 分かりました。
 幅が広がって対象となるところが増えれば、そこから出てきたお医者さんが医師少数区域に就かれる可能性が高まるという解釈でよろしいですかね。ありがとうございました。

○須医療局長
 若干補足させていただきますと、これから地域枠の医師が実際に配置調整の対象になり、その方々については医師少数区域で9年間のうち4年間働いていただくことになっていますので、当然こうした体制の強化によって地域の医師調整がより円滑に進むと思っています。

○鈴木(澄)委員
 分かりました。期待します。
 次の質問に行きます。
 説明資料1の61ページの下に、医師確保と偏在解消に向けた取組とあり、令和6年度から柔軟な運用を可能とするプログラムの提供を開始することでキャリア形成支援と医師確保の両立を図ること、それから病院総合医の養成と2つ記載されていますが、これは県が単独でできることなのか国との関わりがあって何か決まり事の中で活用していくのかについてまずお聞きします。

 それから、別添資料1の12ページの地域医療勤務環境改善体制整備事業費助成です。
 これは、医師の働き方改革の関係ですが、心配するのはやはり病院に勤務している先生です。派遣されている大学も、人材確保による引上げあるいはその後の派遣が中止される可能性があるのではないかと心配しています。この事業による効果は期待していますが、説明には12施設となっている内容について、どの医療機関からどの医療圏へ派遣されると想定しているのか、医師少数区域への重点配置があるのかについてお聞きします。

○松林地域医療課長
 今御質問頂いたうち柔軟な運用を可能とするプログラム提供と病院総合診療医の養成について御説明させていただきます。
 1点目の柔軟なプログラムの運営については、県内一定数の医師を確保する必要があり要請に当たって継続的に一定規模以上の中核病院等で経験を積む必要があるなど、県内の診療科の特性に応じた柔軟な対応を行うことが国の通知で規定されております。
 既に昨年度の時点で3分の1に近い県はこの運用を行っており、本県でもこの通知を根拠に今回運用を開始するものでございます。県の医療対策協議会医師確保部会を中心に昨年度から2年間にわたり集中的に協議を行い、4診療科で開始をするという結論に至るまでに非常に長い時間を要したところですが、県内の実情を踏まえた議論についてはこの通知により行わせていただきました。
 一方で、病院総合医の養成につきましては、医師法で医療提供体制に重大な影響を与える場合には省令で定める団体は医師の研修に関する計画について厚生労働大臣の意見を聞かなければならないと規定されており、厚生労働大臣はこれに先立ち都道府県知事の意見を聞くとなっております。総合診療医に関しましては日本専門医機構がこの省令に定める唯一の団体であり、日本専門医機構に病院総合診療医を含む体系的な医師の研修計画の整備に係る意見提出を厚生労働大臣に行っていただくことをお願いをすることについては検討していきたいと考えておりますが、仮に国の関与がなかったとしても進めていく必要があると考えておりますので、来年度は浜松医科大学や県内の医療関係者の御協力も頂きながら養成に向けた検討を行っていきたいと考えております。その上で地域医療介護総合確保基金を活用した事業を実施することになった場合については、確保基金による支弁について国の理解を得たいと考えております。

○村松医療人材室長
 地域医療勤務環境改善体制整備事業助成についてでございますが、この補助事業は新規事業でございまして、医師を派遣する大学病院等と医師の派遣を受ける医療機関の双方が補助の対象となっております。派遣元の医療機関からの推薦ですが、県内の医療機関は浜松医科大学のほか県外の大学病院、例えば首都圏の東京都や神奈川県、山梨県、中京圏、あとは関西圏からも医師の派遣を受けておりますのでこのあたりが対象となります。現在県内の医療機関に改めて医師の派遣の受入れの状況を個別に確認をしているところでございます。
 補助の対象となるのは、この医師の派遣のうち長時間労働の医師が勤務している病院への派遣の経費が対象となります。今回の12医療機関は医師の時間外労働の上限規制の特例水準を申請をする医療機関を中心に当初予算は計上しております。
 この4月から医師の時間外労働の上限規制がスタートすることによって医療機関への医師の派遣が滞らないように、派遣元の大学病院へ助成を行うことで、病院の所在地が医師少数区域であるなしに関わらず現在の医療提供体制を維持していくことが事業の目的でございますので、条件に合致する機関全て補助の対象となりますが、この県内外にある派遣元の医療機関が静岡県内に医師を派遣しやすい環境をしっかり整え事業を実施してまいりたいと思っております。

○鈴木(澄)委員
 4月以降が本当に心配で、静岡県全体でお医者さんが少なく、なおかつもっと厳しい医師少数区域、医師少数スポットもある中で、プラスになる材料はないですよね。これがプラスになるかと期待しましたが、今のお話を聞いていると決してカンフル剤にもなるかどうか分からないし、ちょっと心配だなと思っていますので、また様子を見ながら質問します。

 最後に、説明資料1の65ページの歯科保健対策の推進であります。
 歯科医療提供体制整備事業費についてですが、(仮称)歯科医師医療従事者バンクを開設する背景とその期待される効果について教えて下さい。

 また、在宅歯科診療の推進は地域包括ケアシステムの構築を実現する上で最も重要であると考えています。冒頭で在宅医療提供体制整備について質問しましたけれども、在宅歯科医療においても同様の支援が必要ではないかと思っていますが、歯科分野の在宅医療の推進についてどのように考えるかお聞きします。

○島村健康増進課長
 まず、歯科医療従事者バンクを立ち上げる背景についてお答えします。
 厚生労働省の調べによると、全国の有効求人倍率は歯科医師が3.27、歯科衛生士が3.39であり、医師1.14、看護師2.53などの医療専門職と比べて高い水準にあります。厚生労働省の令和2年医師・歯科医師・薬剤師統計によれば、人口10万対歯科医師数は64.4人で本県は全国36位と歯科医師が少ない状況にあります。前回調査の平成30年から令和2年にかけて全国的に歯科医師数が増加する中、静岡県は減少していた6県のうちの1つになっております。静岡県内に歯学部のある大学がないため歯科医師の供給は全て県外に依存する状況にあり、歯学部のある他県と比べて歯科医師が充足しづらい状況になっております。特に20代から30代の若い歯科医師の県内就業が平成30年の調査から2割以上減少しており、対策が必要となっております。一部の自治体からは、歯科医師や歯科衛生士の不足から歯科健診等市町の各事業の執行に影響が出ているとの話もあり、このような背景から歯科医療従事者バンクを立ち上げることにいたしました。
 期待される効果としましては、在宅歯科や障害者歯科などの歯科医療提供体制の充実、在宅歯科医療の推進による地域包括ケアシステムの構築につながること、県内の若手歯科医師減少の歯止めも期待されます。他県からの人材確保が主になるため、広義では首都圏等からのIターンやUターンも期待できます。市町での健診や歯科保健事業の円滑な実施により歯科疾患の予防や重症化予防などの推進が期待でき、健康寿命の延伸に係る効果も期待できると考えております。

 次に、在宅歯科医療の推進についてお答えします。
 歯科診療所が実施する在宅歯科診療は、地域包括ケアシステムを実現する上でとても重要なものと考えており、在宅歯科医療提供体制整備を推進するための支援は在宅医療と同様に必要であります。令和2年度まで歯科訪問診療用の機器の購入費助成を実施しており、また現在も県歯科医師会への委託により在宅歯科医療に実際に必要な知識や技術を習得するための研修や会議の開催の支援体制整備、人材育成等を実施しているところです。
 在宅歯科医療の推進窓口も設置しておりまして、関係者や県民向けに情報提供も行っております。在宅で療養している患者に対して、かかりつけ医や薬剤師、栄養士、ケアマネ、地域包括支援センター施設等との連携体制の構築を通じて質の高い在宅歯科診療の提供を推進し、住み慣れた地域で自分らしく暮らすための在宅歯科診療の体制づくりに努めてまいりたいと考えております。

○鈴木(澄)委員
 歯医者さん、お前もかみたいな感じですよね。医師が足りないという話でずっと集中して議論してきまして、歯医者はそんなに深刻じゃないと私は勝手に思ってました。全国では問題ないかもしれませんが本県では歯医者さんが足りない現状を見ると、医療系に対して何かもう少し一歩も二歩も踏み込んで考えなきゃいけないと感じます。地域包括ケアをやりましょうと国が音頭を取ってようやく2025年だと。団塊の世代が75歳になって、今のこういう状況は県民も非常に不安を感じていると思います。
 今回の能登半島地震では、DMATに相当するJDATを派遣し歯医者さんが口腔ケアをして災害関連死を防ぐこともやっています。必要なことはもうみんな分かっていて、非常時だからとか非常時でないからとかではなく、高齢化自体がもう非常時だと考えるとこの体制をしっかりつくらなければならない。支援すべきところは支援していかなければいけないと感じると同時に、やはり歯科医師さんの固まりである県歯科医師会やお医者さんたちの団体としっかり議論をしながら、少し先読みをした体制を取らなければいけないと思いました。
 ぜひ、もう一度支援等を再構築をして、お医者さんにしても歯医者さんにしても県内で不足している状況の改善が進むようにお願い申し上げて質問を終わります。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp