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委員会会議録

質問文書

開催別議員別委員会別検索用


令和3年9月定例会産業委員会 質疑・質問
質疑・質問者:小長井 由雄 議員
質疑・質問日:10/11/2021
会派名:ふじのくに県民クラブ


○小長井委員
 それでは、一問一答方式でお伺いさせていただきます。
 産業委員会提出案件の概要及び報告事項23ページの盛土造成行為に係る点検について、先ほど5番委員がかなり詳しく質問されましたので私は若干お伺いします。
 今回の熱海の土砂災害を踏まえた緊急点検の結果が一覧表にありますが、これを見るとかなりの箇所が指導や是正されているとのことです。
 今回点検しなければずっと放置されていたと考えられますが、このような状況がこれまで確認できなかった理由と今後の対策についてお伺いいたします。

○宮崎森林保全課長
 法令違反案件につきましては、今回の緊急点検によって明らかになったものではなく、これまで把握してきた中で指導等を進めている箇所でございます。ですから今回の緊急点検以前から現状の違反を是正するように法令に基づいて指導を継続してきたところであります。中には工事者や土地所有者等の所在が不明で行政指導できない状況の箇所もありますが、随時違法開発地に土砂災害発生のおそれや異常がないか監視しております。
 県といたしましては、引き続き定期的に現場状況の把握を行うとともに、開発を行った事業者や土地所有者に対し市町と連携して異常箇所の是正をしっかりと指導してまいります。

○小長井委員
 指導を始めてから二年、三年たっている箇所もあり、条例の改正も検討されていると先ほど5番委員にお答えしていましたけれども、これらの案件を踏まえて経済産業部としてどういったことを盛り込んでほしいですか。
 二、三年指導しても何も是正しない取締りのやり方ではなく、もう少し迅速に処理ができる条例に改正するべきだと思いますので、今条例を検討しているところに対してどのような要望や声を届けているのか、あれば教えていただきたいと思います。

○宮崎森林保全課長
 経済産業部が所管する森林法に係る林地開発許可等については、審査基準に基づいて内容を審査し、違反があれば指導や中止命令等の行政処分が法的に整備されており、新しい条例により上乗せで規制するのはなかなか難しいと考えております。
 また、国でも盛土の関係法令の整備を検討していくと聞いておりますので、新たな条例や法改正により現行法体系のいろんな隙間が埋まればいいと考えております。
 検討している条例につきましては、交通基盤部がくらし・環境部と検討中であり、経済産業部は具体的な要望をする形で検討に加わっておりませんので、今ここでは申し上げられません。

○小長井委員
 こういった違反を指導しても、なかなか言うことを聞かないことに対して非常に御苦労されているのはよく分かるんですよ。法律がしっかりできていないから取締りがなかなか進まない状況もよく理解できます。国が法改正を検討しているとのニュースも伝わっておりますし、ぜひ現場の声を上げていただくことが必要だと思いますので、お願いいたします。
 それともう一つ、こういったことに対応するのは土木事務所の職員の皆さんだと思うんですけれども、これは昨年の本会議で申し上げましたが農林事務所も土木事務所も対応する職員の数がちょっと少な過ぎるかなと。私もいろんな関係で土木事務所や農林事務所の方と時々お話しさせていただいていますが、聞いていると職員が少な過ぎるんではないかと思いますので、ぜひその辺の話を三須経済産業部長が上へ上げていただいて、職員を確保できるようにお願いしたいと思います。

 次に行きます。
 説明資料55ページの新型コロナウイルス感染症による県内農業への影響と支援策についてです。 これは新型コロナウイルス感染症に関連しないものですが、花の都づくり関連事業に小学校への花卉の配布が第1回378校とあります。
 花の消費を拡大する緊急避難的な対策としては有効かもしれませんが、花育の面から考えると1回こっきりではなく定期的に何年か続けることで子供たちに花に親しんでもらうことも重要ではないかと思います。その辺についてどのようにお考えでしょうか。

○乾農芸振興課長
 県は、花と緑にあふれるふじのくに花の都しずおかづくりの取組を進めており、その中で花育にも取り組んでいます。9番委員御指摘のとおり、今回の小中学校花いっぱい提供事業は新型コロナウイルス感染症の影響で需要が低迷する本県の花卉の活用を促進するため、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用する際に花育にも着目して実施することといたしました。
 第1回目は、小中学校378校に対して6月までに配付しました。今後は第2回目の配付を11月から予定しております。また併せて県産花卉の紹介資料を配付するとともに、希望する学校に花屋が訪問して講座を開催するなどの花育の取組も実施します。
 県といたしましては、今後も様々な機会を捉えて花育を推進していきたいと考えております。

○小長井委員
 花育は、子供の頃から花に親しむことで将来の花の消費拡大につながることであり、新型コロナウイルス感染症に対する支援策を契機として積極的に取り組んでいただきたいと思います。

 あわせて、花壇を作っている学校が結構ありまして花壇で花を育てることも花育の1つであり、将来の花の消費につながっていくと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

○乾農芸振興課長
 学校花壇の活用についてお答えいたします。
 ふじのくに花の都しずおかアドバイザーを学校に派遣する花緑出張サービスを展開しており、学校花壇の設計や管理についてアドバイスを行っております。
 また、ふじのくに花の都しずおか・花緑コンクールに学校部門を設け、県内の学校に応募を頂いています。
 学校花壇についても、花育の一環として取組を進めていきたいと考えております。

○小長井委員
 昔は花いっぱい運動などをやった時代もあったかと思います。今でもやっているんですかね。とにかく町なかに花があふれる、お宅に訪問したときにドアを開ければ花が飾ってあるのは花の都につながっていくのではないか思いますので、積極的な取組をお願いします。

 次に、説明資料62ページの鳥獣被害防止対策についてです。
 表にありますように、平成21年から令和2年まで農作物被害額が減少してきており、鳥獣被害については県もここ長いこと非常に深刻な問題として積極的に取り組んでいただいているのが分かります。その対策が功を奏して年々減ってきてはいるんですけれど、これは被害を受けることによって作物を作るのをやめちゃうもんだから、被害額が少なくなっていると思うんです。実際のところ鹿の頭数なども捕っても捕っても増えていくことが同じようにあると思うんですよね。毎年同じようなことをやるよりも、やっぱり抜本的な対策が必要ではないかと思います。
 例えば、アメリカの公園だったと思いますが、一度オオカミがいなくなったことで山が荒れて川も氾濫してしまったところにオオカミを導入したら、本当に短い期間で植生が蘇り生態系が回復したという話を聞きました。オオカミの導入について私は言いたいのですが、これは20年ほど前にくらし環境委員会でも質問させていただいており、本会議でも当時鈴木智議員が質問したことがあります。抜本的にはオオカミを導入することが一番近道だと思うんですね。
 赤ずきんちゃんの話により一般的にオオカミが怖いと思われているようですが、諸外国の例で見ると熊よりオオカミの被害のほうが少ないという数値も出ているようですので、ぜひオオカミの導入を積極的に国に働きかけていただきたいと思うんですけれども、その辺をお聞かせください。

○吉住地域農業課長
 鳥獣対策の有効な抜本的対策としてのオオカミ導入についてお答えいたします。
 先ほどのアメリカの例は、イエローストーン国立公園だと思います。増え過ぎたエルクジカの対策として一度絶滅したオオカミを再導入したことで鹿の個体数がかなり減少したり植生回復の効果があったという報告がある反面、この公園は3つの州にまたがる大きな公園ですが、近隣州で牛や羊などの家畜やペットの犬などがオオカミにより捕食されたとの報告がございます。
 日本の知床国立公園でも、高密度となったエゾシカ対策としてオオカミの再導入が検討されたものの、群れで行動するオオカミに対して知床の収容力が小さ過ぎる問題や、導入後の第2世代以降の管理の難しさ、社会的な理解を得られるかといった問題により実現に至らなかったと聞いております。
 本県でも中山間地域の居住者や家畜を飼っていらっしゃる方々、それから登山者等への安全対策などの課題もありますので、オオカミの導入につきましては自然保護課などとの部局横断的な連携で効果的な対策を情報収集する中で、注目する項目の1つとして情報を共有していきたいと思います。

○小長井委員
 オオカミと言うと皆さんはお笑いになりますが、明治時代の初め頃にはオオカミはいましたし、子供の頃にオオカミの声を聞いた人から話を聞いたこともあります。熊が危害を加える話は聞いたことがありますが、オオカミは聞いたことがありませんので、ぜひそういったことも情報共有して前向きに検討していただければと思います。

 次に、説明資料63ページの茶業振興についてです。
 お茶は、静岡県の重要な作物としていろんな面で施策を展開していただいていますが、2011年を境に茶価の低迷や茶農家の高齢化、あるいは栽培状況の厳しさでどんどん栽培地が減り、また放置茶園が増えてきております。
 生産現場の現状や茶業振興に対する要望などについて農家や茶商の皆さんの声のうち代表的なものをお聞かせください。

○小林お茶振興課長
 お茶の生産者や茶商の方々の御意見について、ちょうど先般伺う機会がありましたので主だったものを報告いたします。
 お茶がしっかり売れて経営が成り立つことが何より重要で、そのためには需要が低迷しているリーフ茶の販路拡大の取組や茶園の集積・集約、基盤整備などが必要との御意見が多く聞かれました。
 加えまして、低コスト化や輸出に向けた取組として省力で安定した生産が可能な有機栽培技術の開発、超多収で病気に強い品種の開発、中山間地域に対応した機械の開発が必要との声も多く聞かれました。
 県では、こういった生産振興に加えて販路拡大や需要拡大への支援が非常に重要と考えております。

○小長井委員
 生産基盤につきましては、平坦地と山間地では条件が違いますし、それぞれ特徴のあるお茶としてふじのくに山のお茶100選など積極的に取り組んでいただいており、ありがたいと思います。また消費に関しましても、静岡県はお茶の消費が多いと言っても静岡市はたしか日本一だったと思いますが――市町によって異なり、35市町全ての消費量がすごく多い状況にしなければいけないと思うんですね。県内のお茶の消費拡大に向けた取組をお願いしたいのが1つです。
 そして、平坦地や山間地の地形特性に合わせたお茶の生産支援もやっていただいているのはよく分かるんですが、先ほど生産者の声にあったような、それぞれの特性を生かしたお茶を作る取組を推進していただければと思います。

 消費に関しまして、今は学校でお茶を出しているのでしょうか。

○小林お茶振興課長
 愛飲の取組としまして、お茶をしっかり飲んでもらえるように学校でお茶を提供する取組を推進しており、一昨年は約94%、昨年度は調査中ですがほぼ100%の学校で取り組んでおります。

○小長井委員
 お茶を提供していただくのは本当によいことですが、今のコロナの時代では給食を食べるときは黙って食べるように言っていますので、例えば校内放送で給食の時間に5分でも10分でもお茶の効用を流していただいて、併せてお茶の良さを子供たちに知らせるようなような番組やテープを作っていただければ効果がさらに高まるのではないかと思います。ぜひ検討していただきたいと思います。
 それから、今年の5月に策定したみどりの食料システム戦略の中で、2050年までに有機農業の耕作面積を100万ヘクタールに拡大すると言われておりますので、ぜひお茶に関してもそのような取組を進めていただければいいのかなと思います。これも要望とさせていただきます。

 次に、説明資料76ページの林業イノベーションの推進についてお伺いします。
 県産材の効率的な供給、流通体制の確立として収益性の高い主伐、再造林が求められており、経費の削減や作業効率を高めるために航空レーザー測量やドローンといった先端技術を導入することが必要になってきていることから、林業のイノベーションは早急に進めなければいけないと考えております。
 そこで、今年度から取り組み始めたデジタル技術現場実装支援の実施状況と期待される効果についてお聞かせください。

○小池森林計画課長
 デジタル技術現場実装支援事業につきましては、9月末時点で5件の申請があり、内訳は森林計測や業務日報のアプリ導入が2件、現場作業員が使用するアシストスーツの導入などが3件です。
 森林計測アプリは、スマートフォンの画像解析機能などを使って立木の太さや本数などの情報を取得できることから、現場調査の省力化が期待されます。
 業務日報アプリは、紙ベースの労務管理をデジタル化するものです。作業者は現場にいながら業務内容を報告できることから事務所に戻る必要がなくなり、また管理者は集計されたデータをどこにいても確認できます。労務管理の手間を省くとともに、働き方改革にもつながると考えております。
 県といたしましては、デジタル技術を活用した自動化、効率化により就業者の所得向上や作業安全の確保を図り、林業が若者や女性にとって魅力のある産業となるよう進めていきたいと考えております。

○小長井委員
 ありがとうございます。
 戦後の拡大造林が推進されて現在伐期に達した、あるいは伐期から大分たっている古い杉、ヒノキが結構な材積が蓄積されてきていると思うんです。それをカーボンニュートラルの意味からも更新する必要がある、樹木の若返りを図らなければならない状況にあろうかと思いますので、これを推進するためにも今は材価がウッドショックにより多少は高いようですが安定的に伐出することが必要になろうかと思います。そのためにも今お答え頂いた先端技術の導入をぜひ積極的に取り組んでいただくようお願いしたいと思います。
 それともう一つ、先ほど鳥獣被害防止対策について1つ言い忘れていましたけれども、カモシカによる被害も出ており、天然記念物であるため駆除するにもなかなか制約があるそうです。頭数が増えた以上は一度天然記念物から外してもらって、また減ったら再指定してもらえばいい。オオカミも同様です。増えたらその後の対策や管理が大変となるため柔軟に対応していただくことも必要かと思いますので、カモシカについても天然記念物から外していただくよう、国に働きかけていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

○田内委員長
 ここで休憩を取ります。
 再開は13時15分とします。

( 休 憩 )

○田内委員長
 休憩前に引き続いて、委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 では、発言願います。

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