本会議会議録
質問文書
令和6年12月定例会総務委員会 質疑・質問
![]() | 質疑・質問者: | 鈴木 澄美 議員 |
![]() | 質疑・質問日: | 12/13/2024 |
![]() | 会派名: | 自民改革会議 |
○鈴木(澄)委員
分割質問方式でお願いします。
最初に、次期総合計画についてであります。
静岡県次期総合計画経営方針等案を読みました。ウエルビーイングの潮流があり、世界あるいは国内の自治体においてもウエルビーイングを導入しているということです。県としても、デジタル庁の表現ですが地域幸福度をウエルビーイング指標として次期総合計画に盛り込むとのことです。
今回、ウエルビーイング指標の構成として従来の統計データである客観指標に加え、住民アンケート等の主観指標を新たに追加したとのことですが、主観指標の導入理由や、ウエルビーイングの視点を取り入れ幸福度日本一が実感できる県政を目指し分析はほかとの比較を意識せず時間の経過とともによりよくなっていくことを追求すること、あるいは行政だけでなく県民、企業、団体等の多様な主体とウエルビーイングの考え方や分析に基づく県の施策の充実強化などの変化を共有することについて少し深掘りしていきたいと思います。
まず全体を通して感じたことは、県がこれから進めようとしているこの取組は、より県民主体の県政運営に根差すと理解はできるのですが、実際に実現していく上では様々な課題があると思っています。
最初の質問は、主観指標は数値で表すことが困難で曖昧さが残らないかということです。
先ほど、7番委員が質問したように県民アンケートはまさに県民が県政をどう評価するかの原点だと思っていますが、曖昧さがある中でどういう捉え方をして分析していくのか非常に関心がありますのでお答え頂きたいと思います。
2つ目の質問です。これまで施策の見直しは客観指標を用いて行われてきましたが、これからは主観指標の分析結果によって図られることになると思います。
別添資料2の4ページの政策形成の図にあるように今回新しく主観指標が入ることによって施策の見直しがどういう流れになるか説明をお願いします。各主観指標が関連する分野は多岐にわたると思うんですね。例えば環境教育というテーマを1つ取ってもくらし・環境部と教育委員会などにまたがります。主観指標の分析結果を施策に反映していく仕組みについてお聞きします。
3点目は、行政と多様な主体との共有、連携については具体的にどのように取り組んでいくかです。これまでと違って主観指標が入ることによってどう変わるのかお聞きしたいと思います。
4点目です。4つの地域に分けて様々な対応を取っていくとのことですが、私が住む東部地域の豊かな暮らしに係る取組として富士山世界遺産の保全と表現されています。
豊かな暮らしとは、地域経済も包含してるものと思っています。文化面では保全と活用の両面がありますので、そういう意味で考えるとどの程度まで展開していくのかお聞きしたいと思います。
○民谷総合政策課長
まず、1点目の主観指標の曖昧さをどう捉えて分析していくかについてです。
アンケートを取る際には、11段階あるいは5段階の選択肢から選んで回答してもらい点数化します。それも1年限りではなく複数年にわたってデータを取ることでより信頼性の高い値を把握していきたいと考えております。
2点目の主観指標をどう分析し施策に反映させるかについてです。
これまでの客観的指標では、どうしても県民の皆様がどう捉えていらっしゃるかの把握が難しかったところがあります。主観指標を用いることによって県民の皆様がどのように感じているのかを具体的に把握してまいりたいと思います。
その中で、幸福実感が低かった政策については客観指標と照らし合わせることで、例えば客観指標は高いけれども実感が低いといった場合には要因は何なのかといった今までにない視点での分析が期待できます。
5番委員のおっしゃるとおり、様々な分野にまたがるケースもあると思いますので、そういった場合には複数部局で共有し、政策の強化について一緒に検討してまいりたいと考えております。
3点目の多様な主体との情報共有に関しては、これまでもオール静岡で進めていく観点からあらゆる機会、媒体を通じて情報を発信してまいりました。
今後も引き続き情報共有していきたいと思っておりますが、ウエルビーイングの視点につきましても先進県である富山県の例などを参考にしながら共有や連携の方法を具体的に検討してまいりたいと考えております。
最後に、4点目の地域編の取組についてでございます。政策体系の3つの視点から各地域ごとに主な取組例を挙げております。これら地域編の取組につきましても、来年度の行動計画策定の中で具体的に深掘りしてまいりたいと考えております。
○鈴木(澄)委員
まだいろいろ検討段階ということです。総合計画に関する議論は今回が初めてで始まったばかりですので、その都度確認していかなければいけないと思っています。経営方針については今年度中にしっかり決めるとのことですので、議論するとしたら2月議会になると思いますが、今説明を受けたことがきちんと方向性として示されていくか具体的に見ていきたいと思っています。
1番目の質問について、複数年度でデータを見ていくことは大事ですが、行政は事業を単年度で見ることもありますよね。今までの客観的な指標は単年度で見るけれども、主観的な指標は広い目で時間をあまり切らず年度をまたいで見ていく考えと理解してよろしいですか。
○民谷総合政策課長
客観指標につきましても、単年度でももちろん見てまいりますが経年変化の視点も大事にして傾向を見ていきます。
主観指標につきましては、対象者が年によって変わりますので、ある程度複数年、同じ問いを重ねることでデータの精度を高め、より県民の皆様の意識を捉えてまいりたいと考えております。
○鈴木(澄)委員
冒頭申し上げましたように、自分たちがどう感じているかという観点は県民にとって分かりやすく非常に大事だと思います。
ただ、それを分析して実際にこなしていく立場からするとこっちを取ればこっちが立たないといったものも出てくるかもしれないし、非常に大変な、しかしやりがいのある流れと期待しています。
今後、特に行動計画にどのように表されるかも総合的に見ながら判断していきたいと感じています。
次に、地域外交についてです。
12月22日からインドに行くために私も準備していますが、グジャラート州との友好協定締結に向けた経過について総務委員会説明資料で触れられています。
私は友好協定締結に立ち会うのが初めてなので、静岡県と外国の地方公共団体との友好交流に関する条例第4条の規定の内容をお聞きしたいと思います。
次に、インドでは州政府が外国の地方政府と協定を締結する場合はインド外務省の承認が必要であり現在手続中との説明が先ほどありました。
正確な情報か分かりませんが、インドにおいて外国と地域間交流する場合は一対一で交流するものと聞いたことがあります。他国の場合は本県だけでなく日本のほかの都市とも友好協定を結ぶケースもあると思いますが、インドは特別なのでしょうか。
グジャラート州との友好協定締結に向けた手続の進捗状況も踏まえ、その点についてどう見ているのかお聞きしたいと思います。
3点目は、交流内容についてです。
インド共和国のグジャラート州とは、経済、教育、観光及び文化などの分野での交流を期待しているとのことですが、これらの分野はどこの国との交流でもまず挙がってくる分野だと思います。
友好協定を結ぶに当たっては、相手に期待する交流内容を双方がある程度具体的に持っていることが必要で、それによって交流の深化が図られるものと考えます。例えば台湾との交流の際には、空港の就航促進と防災の視点が取っかかりになりました。
本県はインドに対してIT技術者の確保に大きな期待をかけていると聞いていますが、インドから本県に対してはどのような期待があるのか。今回インドを訪問するに当たって、インド大使館やJETROの関係者から研修を受けましたのである程度話は聞いておりますけれども、グジャラート州が静岡県に対してどのようなことを期待しているのか、何か分かっていることがあればお聞きしたいと思います。
○小関地域外交課長
まず、静岡県と外国の地方公共団体との友好交流に関する条例第4条についてですが、知事は友好協定の推進に当たり議会との連携・協働を強化することとし、包括的な友好提携を締結する際にはあらかじめ議会の議決を経なければならないと規定されています。
今回のグジャラート州との協定は教育、文化、経済など幅広い、まさに包括協定ですので議会にお諮りしているところでございます。
2点目の手続の状況ですが、現地からはインド外務省のかなり上層部まで上がっていると聞いております。出発まで1週間ほどありますので何とか間に合ってほしいと期待しております。
また、グジャラート州はこれまでに兵庫県とも協定を結んでいますが、他県と協定を結んではいけないルールはないと確認しております。
3点目については、グジャラート州は本県に対して若者の就職支援や投資の促進を期待していると聞いております。
若者の就職支援については、5番委員からもお話があったとおり、静岡県にとってもメリットがありますのでウィン・ウィンの関係になれると考えております。
投資の促進につきましては、既に県内の自動車産業が進出していますが、インドには広大な土地があるため県内企業のさらなる進出を期待していると伺っています。
○鈴木(澄)委員
訪問する私たちもそれを心得て、短い時間ですがしっかり会話できる場面があればいいなと期待しています。
兵庫県が既に友好協定を結んでいるとのお話がありました。副議長だった去年、大阪でふじのくに交流会があった際、兵庫県にはインドの商工会の出先機関があり特に商業ベースでインドとの関係が非常に盤石な状態との印象を受けました。
そのとき関係者から一対一での交流という話が出たのですが、小関地域外交課長の答弁を聞いて、スズキ自動車の進出など静岡県の特異性もあり、一対一の交流がどうというよりも、静岡県に対するこれまで以上の期待を感じました。
今後の交流については、実は私も宿題を頂いております。静岡県の先端産業の1つで私も関わっているセルロースナノファイバーの関係者で昨年県のスタートアップビジネスプランコンテストで優勝した方が、インドはCNFの製造やその応用製品が進んでいるのでぜひ調査してほしい、関心が高まっているとレポートをくれました。現地で確認しようと思っています。
出発までもうあまり時間はありませんが、今回のインドとの交流を県民に向けて発信し、オプション的にでも静岡県の売りになることやインドで調査して交流のきっかけになるものを集めることも必要だと感じました。私は宿題を頂いていますので、ぜひともそういう点で関われればいいなと思っています。
次に、静岡県未来創造会議についてです。
会議で議論された結果はどう反映していくのか。また第2回会議のテーマは、今回のテーマを継続するのか、新しいテーマとなるのか伺います。
さらに、農業やエネルギーの分野も今後の静岡県にとって非常に重要な取組になっていくと思います。それぞれの分野に精通した有識者が求められると考えますが、委員の入替えはあるのか。また委員の任期等について何か規定がありましたら教えていただきたいと思います。
○民谷総合政策課長
未来創造会議においては、より具体的、実践的な意見や提言を頂きたいとお願いしており、頂いた提言は今後の施策や事業、次期総合計画の行動計画に反映していきたいと考えております。
また、第2回会議では、知事が指定した2つのテーマである県を牽引、創造する取組と基盤となる財政状況について意見の取りまとめをお願いしたいと考えており、第1回のテーマが継続する形となります。
委員につきましては、今回のテーマにふさわしい方を選んでおります。テーマが変われば入替えもあると思いますが、今後テーマを変えての開催などは未定のため、別途検討していくことになります。
なお、委員の任期は2年でございます。
○鈴木(澄)委員
知事の肝煎りの会議かと思っています。総合計画という骨組みができていくわけですから、テーマが変わることも踏まえた中で、この会議の全体の中での位置づけを明確にしていく必要があると思います。
必要に応じて知事の思いに沿った形で審議してもらう会はいくつもあります。しかしこの静岡県未来創造会議は、知事の肝煎りと先ほど申し上げましたが、委員の入替えはあるとしても全体を見ていく組織としての位置づけを明確にする必要があると思います。その部分については先ほどの答弁のままでよろしいですか。
○石川政策推進担当部長
県の最上位計画であり政策体系の一番上にある総合計画が、全分野、全政策の指針になるものと思っております。
未来創造会議はテーマを絞っております。今回は先ほど申し上げた2つの分野における最先端の方から意見を頂いており、今後総合計画の中に生かしていくことになります。あくまで特定の分野について意見を頂く位置づけでございます。
○鈴木(澄)委員
特定のテーマを取り上げる会議は今までもあったと思います。
総合計画との絡みが強いのであれば、先ほど例に挙げた農業もエネルギーも静岡県として非常に重要なテーマですが、果たしてこの会議でこなせるかというとどうなんだろうと思います。
今の答弁では、単発的な会議のように聞こえました。ちょっと納得できないです。
○石川政策推進担当部長
私の説明が悪かったと思います。
全般的、網羅的に県の政策全体を議論するのは、総合計画審議会だと考えております。これは条例上の位置づけもあり、関係する各界から代表の方がいらっしゃって議論します。そこは全く変わっておりません。
未来創造会議は、あくまで特定の分野について意見を聞くために設置したものでございます。そこで頂いた意見で必要なものについては、県の最上位計画である総合計画にしっかりと位置づけていかなければいけないと思っております。
未来創造会議では全般にわたって議論することはございません。あくまで総合計画が県の政策の最上位にある点は変わりません。
○鈴木(澄)委員
逆に言えば、総合計画審議会で出た課題には、ブレークダウンしなければいけないものや、将来を見据えて議論しなければいけないものもあると思います。そういう場合はこの未来創造会議や類似した会議を立ち上げて対応していくのですか。
○石川政策推進担当部長
御指摘のように総合計画については様々な議論がされ、貴重な御意見や御提言を頂いております。それぞれの内容に従って、いろいろな審議会もございますので、どの会議体、どこから知見をもらうのがいいのかはテーマに応じてしっかり対応してまいりたいと考えております。
○鈴木(澄)委員
次に、クラウドワーク・サービス利活用促進事業についてです。
令和7年度の事業予定として、高単価の仕事を受注可能な自立したワーカーの育成に向けスキルアップ講座における上級者育成コースを拡充するとあります。
本事業の広報、ワーカーの具体的な育成方法、定員、費用等について教えてください。
それから、これは民間でも取り組んでいるような事業ではないかと思います。講座の開催は民間に任せ、県は参加費の助成等に事業費を投入してより多くの県民に参加してもらうほうが効果があると考えますが、県が事業化する理由をお聞きしたいと思います。
○民谷総合政策課長
令和7年度につきましては、これまで実施してきた普及セミナーやスキルアップ講座の開催、個別相談対応による受注支援に加え、県内4地域におけるコミュニティー形成を図ってまいりたいと考えております。
事業の広報については、主な対象者として子育て中の方々を想定しており、県の広報紙やSNS等に加え、市町の広報紙、保育所に案内を置いていただくなどの形でPRしてまいりたいと考えております。
育成方法については、事業を外部委託しておりますので、SNS運用やオンライン事務などの豊富な実績を持つクラウドワーカーを講師として委託先に用意頂きスキルアップ講座を実施することで育成を図ってまいります。また先輩ワーカーによるサポートも実施したいと考えております。
講座の定員は、全体で140名を予定しております。令和6年度の120名から拡大し、事業も3年目になりますので、内訳としては上級を拡充させたいと考えております。
費用につきましては、普及セミナー、スキルアップ講座、受注申請等々含めまして令和6年度は3000万円程度を予算計上しております。令和7年度につきましては現在予算要求中でございますが、同程度を見込んでおります。
また、民間サービスがあるのになぜ行政が行うのかという御質問については、確かに民間でもクラウドワーク・サービス事業は展開されていますが、実際はある程度スキルや経験を持った方が仕事を受注されています。県としましては多様な働き方を広めたいため、こういう働き方に興味や関心はあるけれどもスキルが低い、経験がない初心者の方々をこういった仕事の形態、働き方につなげたいと考え実施しております。
○鈴木(澄)委員
聞き漏らしたかもしれませんが、講座を受けるための個人負担額はどうなっていますか。
○民谷総合政策課長
個人負担はございません。
○鈴木(澄)委員
民間の反応が気になるところですが、分かりました。
最後に、県職員のデジタルリテラシーの向上についてです。
県が掲げるLGXは、行政組織改革の大きなテーマと受け止めています。
県職員のデジタルリテラシーの向上に向けてeラーニングを導入するとのことですが、どのような内容か、また研修の成果はどのように把握するのかお聞きします。
それから、職員のデジタルリテラシー向上は非常に重要な課題と認識していますが、実施する1月から2月下旬は職員の皆さんが一番忙しい時期ではないかと思います。働き方改革も含めた中で、eラーニングは就業中に取り組むのか、あるいは業務として就業時間以外に取り組むのか、研修の位置づけをお聞きしたいと思います。
○曽根デジタル戦略課長
まず、研修の内容でございます。DX推進における人材の重要性を踏まえて、国では経営層を含む全てのビジネスパーソンが身につけるべきものとしてDXリテラシー標準を定めています。このDXリテラシー標準においてはマインド・スタンス、DXの背景、DXで活用されるデータや技術、さらにはその利活用について知識等を身につけるべきとされており、今回のeラーニングによる研修はこれらについて学ぶ内容となっています。
次に、成果の確認については、eラーニングの前後にアセスメントを実施することとしております。研修前は知識が足りない領域など受講者の現状を把握するためのアセスメントを、研修後は研修の効果を確認するためのアセスメントを実施し、成果を確認していきたいと思います。
研修の位置づけについては、忙しい中ではありますが、隙間時間などにやれるようeラーニングという方式を採用しました。今回は管理職が対象ですが、基本的には時間内に実施するものと認識しております。
○山田デジタル戦略担当部長
若干補足させていただきます。
まず、効果測定についてです。本会議の答弁でも御紹介しましたが、県ではDX推進計画において処理件数が年間100件以上の事務をオンライン化する目標を掲げております。対象となる事務は県庁内で約600事務ありますが、現在の達成度は43%程度とはかばかしくないため、この研修はまさにこういった取組のスピード感を上げるために行います。研修の効果についてはDX推進計画を着実に実施していく中で、指標の中に現れてくるのではないかと考えております。
もう1点、なぜこの忙しい時期に行うのかについて補足します。民間におけるDX導入のスピードは大変な勢いがあります。委員の皆さんも生成AIの活用などについてお聞きになっていると思います。1日たりとも1週間たりとも1か月たりとも無駄にはできないとの危機意識から部局長調整費を使い年度内に実施したいと考えています。対象は局長級以上の幹部職員です。業務をやりくりして自覚を持って取り組んでもらえるものと考えております。
○鈴木(澄)委員
分かりました。
総合計画が来年度には出来上がり、それ以降、本格的に動いていきます。静岡県次期総合計画概要の右側に書かれている、職員が役所の中を変えていく行革の部分で非常に大きなウエートを占めるわけですから、まずは管理職の皆さん、そして職員全体にデジタルリテラシーを習得頂いて、それが十分機能するように議会としても応援していきたいと思っています。
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