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委員会会議録

質問文書

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令和3年12月定例会危機管理くらし環境委員会 質疑・質問
質疑・質問者:増田 享大 議員
質疑・質問日:12/15/2021
会派名:自民改革会議


○増田委員
 分割質問方式で、移住施策と県環境基本計画とリニアについて伺います。
 まず、危機管理くらし環境委員会説明資料の10ページ、移住施策の推進に関連しながら県や各市町の取組、それからもう一方で空き家対策の取組もありますので、それに絡めた質問をさせていただきます。
 まず、本県がコロナや新しい時代の潮流もあって移住先の人気ランキングで上位になっていることは非常に喜ばしい話であるとは思っております。そんな中で上半期に887人の方が移住されたことは本当にいいことですが、この人たちがどのような形で移住されたのか。人を介してなどきっかけはいろいろあると思うんですけれども、どういうルートで本県に移住してきたのか伺います。
 それから移住先とは、例えば市町の分譲住宅団地なのか。空き家を活用してそこに県外から人を呼び込む活動をしている市町もありますので、そういったところにどれくらいの人が入居したのかという素朴な疑問があるので確認させていただければと思います。
 東京の県移住相談センターで皆さんが頑張っていただいていますけれども、例えばそこを経由して紹介を受けて移住された方が何人くらいいらっしゃるか把握できているでしょうか。教えてください。

○千葉企画政策課長
 まず移住のきっかけについて、今年度夏にアンケートを行いました。その結果によると、本県への移住を考えた動機としては6割の方が「自然豊かな環境」、4割以上の方が「地方・田舎の暮らしに関心」あるいは「住まい」を挙げております。
 また、本県と他県を比較した本県の魅力としては、7割が「自然環境」、5割以上が「首都圏に近い」あるいは「温暖な気候」を挙げております。豊かな自然や首都圏との近接性という恵まれた環境と大都市圏では実現できない暮らし方が移住者にとって魅力があると考えています。
 それから、本県への移住のきっかけもアンケートによりますと「海が近い」が最も多く、「首都圏に近い」、「観光や出張で訪れた」、「富士山が見える」といった順番になっています。非常に意外だったのは海がきっかけで移住を考えた方が多かったことで、今後本県の魅力のPRの仕方も多少変わってくるのかなと考えています。
 それから、移住者の方は一軒家の庭つき等を希望していますが、所有されている方は売って処分したい方が多いです。ところが移住を希望されている方は借りたいのでミスマッチが生じております。浜松市では空き家を提供してくださる方に奨励金をお支払いして支援しているところもあると承知しております。
 東京の移住相談センターについては、まず相談を受け、相談者が希望するのはどういうものかを整理して、各市町の窓口につないで実現に向けています。

○増田委員
 ありがとうございました。
 人気が高い静岡県に移住しようと思う人は、例えばネットで不動産会社を調べて自力で来れると思うんです。一般の民間市場原理の中でやれば引っ越せるんですけれども、県もかなり予算も取ってこの移住政策をやっているし、県内の各基礎自治体も税金を使って移住政策をやっているし、空き家対策もやっている中で、行政の努力でどれくらい効果が出ているのかが一番知りたかったことです。
 空き家バンクとかを見てみると、例えば空き家を発生させないとか有効活用とかいろいろな観点があると思います。有効活用の観点で各自治体は少しでも引っ越してきてもらって、しかも空き家も解消されるのが一石二鳥でいいとは思うんですけれども、意外と載っている空き家は少なかったりします。地元の宅建協会の方と意見交換したときに、業者の方が把握している空き家は実数に対してどのくらいなんですかと聞いたら、多分1割くらいしか把握していないと思うと言っているんです。要するに空き家がどれくらいあるのかも分からない中で、一般流通の中でどんどん契約ができてきているんだなと思います。
 この前、公明党静岡県議団の牧野議員が議会で質問したときに数字をおっしゃっていたので、個人的にはびっくりしたんです。
 県として各市町が把握している空き家の数を統合した数字だったのかは分からないんですけれども、今把握している県内の空き家の数はどれくらいでしょうか。またその数の集計根拠はどういうルートになっているかお答え頂けますでしょうか。

○鈴木住まいづくり課長
 県内の空き家の数は、平成30年の住宅土地統計調査の結果によると約28万戸となっております。この中には賃貸用の住宅や売却用の住宅、利用目的が決まっているものが含まれていますので、それを除いた利用目的が定まっていないものは約8万8000戸というデータが出ています。
 ただし、住宅土地統計調査は全数ではなくて抽出で調査した中で推計でこの数値が出ております。実際に各市町が空き家の実態把握としてそれぞれ独自に調査を行っておりまして、その中で出てきている数字が今までに解消したものも含む累計で1万5800件余で、主には老朽空き家、建物に損傷があって利活用が難しいもの、あるいは建物はいいけれども敷地内に植物が繁茂して適切に管理されていないものを中心に市町が把握を進めています。
 そういった空き家や建物については、恐らく解体、除却の方向に進まざるを得ないと思いますので、喫緊の課題として調査を進めているという現状です。

○増田委員
 ありがとうございました。
 端的に聞いたほうがいいかもしれません。
 上半期887人の移住者の中で、各基礎自治体が持っている空き家バンクなどに登録しているところに入居された方は何人くらいいらっしゃったのかは分かるんでしょうか。教えてください。

○鈴木住まいづくり課長
 申し訳ありませんが、その数字については把握しておりません。

○増田委員
 分かりました。
 地元の掛川市役所にいろいろ話を聞くと、地元に、静岡にと言っていて、しかもできればこの辺の、こういう空き家にと希望を持って移住しようとしている人はいるんですけれども、うまくマッチングできているケースは非常にレアというかあんまり聞いたことがありません。でもこれだけ人気が高くて移住した人やしようとしている方もたくさんいらっしゃると思いますので、どう誘導して、県にも自治体にもいい施策にするのかがこの政策の肝心だと思いますので、やはり状況をしっかり調査するのは必要だと思います。また発信もしながらもうまくマッチングを進めて、県や基礎自治体、引っ越す方や移住する方にもハッピーだという話が増えるように期待しておきます。

 次に、説明資料27ページの県環境基本計画について確認させてください。
 この中の地域循環共生圏の創造は、知事直轄組織にも出てきている話なのでくらし・環境部がどこまで所管されているのか分からず聞いてしまうんですけれども、地域循環共生圏が個人的には非常に分かりにくいので内容について教えていただきたいです。
 まず、資源が循環する地域を形成するとあるんですが、この資源とは自然なのか、エネルギーなのか、経済的なことなのか、イメージを教えてください。

○清環境政策課長
 この地域循環共生圏とは、平成30年4月に閣議決定された国の第5次環境基本計画の中で初めて打ち出されたもので、環境をテーマとして将来目指すべき持続可能な社会の地域の在り方として枠組みを提示したものです。
 各地域がその地域特性を生かした強みを発揮し、それぞれが周辺地域とも連携しながら循環、共生した社会をつくっていくという概念で、抽象的ではありますが、国ではエリアとして市町村レベル、もう少し広域的な県と県域を越えたものなど様々な形で各地域がその資源を活用して循環、共生するという概念です。
 資源につきましては、物質的な資源も当然ありますし、エネルギーもあります。そのほか自然的な資源など様々なものを包含したものと理解していただければと思います。

○増田委員
 エネルギーとなると、次のページの地球温暖化対策実行計画にもあるのかもしれないんですけれども、この環境基本計画の地域循環共生圏をつくっていく中で、例えばこの資源はこれくらいとか何か数字的な目標まで立てる予定はあるんでしょうか。イメージというか概念の計画になるのか。例えばエネルギーはこの地域圏の中で循環させましょうとか、これくらいの数値を目標にしていきましょうといった地域循環共生圏内の数字的な目標はつくられる予定なんでしょうか。教えてください。

○清環境政策課長
 地域循環共生圏の環境基本計画の位置づけとしては、今後環境政策を取り組む上での方向性として将来像を実現するための考え方として掲載しており、特段各地域ごとエネルギーの目標値を定めるものではありません。

○増田委員
 ありがとうございました。
 エリアを区切っているのが一番気になっていて、東・中・西と4つくらいに分かれていてオーバーラップしているところがある図になっておりましたけれども、これから環境はすごく脚光を浴びてくるし、どこの自治体も政策の柱にしていく中であまりこういう計画で縛ってしまわないほうがいいかなと思っています。ほかにも地域行政連携はいっぱいありますけれども、地域間にあんまり変な線引きをしないほうがいいのかなと感じています。ものによってなるべく柔軟にいけるような、例えば掛川市で言うと西側の町を向いたほうがいい話もあれば、東側の町を見たほうがいい話もあり、東・中・西の線引きが気になっていたもんですから、ぜひその辺は柔軟にお願いしたいです。環境基本法に立っていることは非常に大事なことだと思っているんですけれども、地域の発展性を限定せず広がるような計画にしていただきたいと要望させていただきます。

 最後に、説明資料40ページの中央新幹線静岡工区に係る動きについて幾つか確認させてください。
 県とJR東海の話がなかなかうまくかみ合っていない中で、仲裁役として国の有識者会議で議論していただいてきたと認識していますが、第12回が終わって今度の第13回で水に関してはある意味最終的な有識者会議としての回答案を出すことが間近に迫っていると思います。
 有識者会議が果たした役割は、いろいろな議論があるかと思いますけれども、やはり一定の効果はあったと思っております。そんな中、10か月の工事期間中に山梨県側に流れ出てしまう湧水について、議会でも県の広報でもたくさん、メディアでも伝えていただけるんで非常に関心は高まっていると思うんですけれども、地元の皆さんは山梨県側に水が出る仕組みがよく分からないし、一番分からないのは量のイメージです。水がどれくらい出てその量が分かったとしても、それがどう私たちの生活に影響するのかが非常に分かりにくいという声を聞いています。
 いまだに地元でリニアの話は聞かれるもんですから頂いた資料を一生懸命アレンジして説明していますけれども、リニアによって大井川の水がゼロになると思っている人もまだいます。やはりそのくらいリニアと水の話は難しいというか、うまく分かりやすく伝えるのは難しいんだと思います。分かりやすく伝えられることができればという思いで聞かせていただきたいです。
 まず、今JR東海側が言っていらっしゃる最低10か月間――なのか私には分からないですけれども――山梨県側に流出する湧水の量はどれくらいの認識でいらっしゃるでしょうか。確認させてください。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 現在、JR東海の解析結果――JR東海モデルによれば約300万立米、静岡市モデルで約500万立米の水が10か月間に山梨側に流出すると言われております。

○増田委員
 ありがとうございます。
 この数字をぽんと地元の人に言っても分からないというか、水の量のイメージが非常に分からない。大井川の水で換算するのも何度か試みたんですけれども、年間変動があるので総量で言うと非常に説明しにくいんです。
 伝わりやすいのは、水がそもそもなくなってしまうといった毎秒2トンという言い方が一番分かりやすいかなと最近個人的には思っています。その毎秒換算にした場合に、10か月山梨県側に流出する湧水は何トンと言うことができるんでしょうか。教えてください。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 有識者会議の資料の中の記載によれば、JR東海モデルで毎秒0.12立方メートル、静岡市モデルで毎秒0.21立方メートルになります。

○増田委員
 ありがとうございます。
 2.2立方メートル減るのに対して、さらに県外に出ちゃうのが0.12立方メートル、0.21立方メートルだと思うんですが、例えば大井川の水全部を毎秒立方メートル換算で言うと、年間変動があるので非常に出しにくいと思いますが、イメージとして雨が多いときは80トンくらいでしょうか。水が少ないときは40トンくらいだったでしょうか。
 イメージとして、大井川の水はこれくらいじゃないかという数字はございますでしょうか。教えてください。

○市川水利用課長
 今細かな数字は持ち合わせておりませんが、当然大雨が降れば、例えば塩郷の所では毎秒600トンとか800トンという数字は出ます。通常は河川維持流量を除いては中部電力の最下流の川口発電所で発電した後放流していますので、それが最高で毎秒90トンです。
 水が豊水期は90トンでずっと流していますが、現在非常に渇水傾向にあります。冬場はいろいろな関係があって、基本約40トンを目安に流そうと少ない時期もやっておりますが、例えば現在は多分20トンくらいで流しています。
 多いときは90トン、最低40トンを目指しながら、冬場だとそれ以下になることがあるイメージです。それにプラス大井川の本川を流れてくる水が夏場では塩郷で5トン、冬場は3トンの放流がありますので、そういう水が別に川を流れてくるイメージだと思います。

○増田委員
 ありがとうございました。
 やはり90トンとか、何か単位をそろえたほうが分かりやすくなると思っていまして、若い世代の皆さん方は特に量の感覚が分からないと思います。大井川の清流を守る会などに聞くと、昔の大井川のきれいな水が流れている頃と開発行為でダムもいっぱいできて大井川は今こうなっていますとか、環境政策的な話で言うと私たちはいろいろ考えなければならないきっかけにもなっていると思います。県民だよりなどでもいろいろ御報告を頂いていますけれども、やはり専門的な話が多いと思いますので、どうか量の分かりやすさをぜひお願いしたい。90トンから40トンくらいの大井川の中で2トンくらい減ると言われていて、さらに県外に流れ出るのが0.12トンだということも、客観的な事実を踏まえて情報発信に心がけていただくよう要望させていただきます。

 その上で、県外に流出する水を全量戻してほしいというのはもちろん地元の総意というか意見ですが、JR東海の説明が非常に分かりにくくて、基点に出しているのは椹島のところでしたね。椹島から上流は減るんですよね。表流水も地下水も減ることになって、椹島から下流は上流で出た分を戻すから表流水は増えると言っている。でもどこかの水が減るわけなんです。個人的には地下水が減ると思っています。ただ、将来的には相殺されてとんとんくらいになるような言い方にも聞こえたりもします。JR東海の話を聞いていると県外に流出するけれども軽微と言ってみたり、影響がほとんどないと言ってみたり、総量としたら増えるという言い方を使ってみたり、水は基本的には容量が決まっているはずなのでどこかが減ればどこかが増えるんでしょうけれども、総量が増えることはあり得ないと私は思っています。
 簡単で結構なんですが、その点のイメージは県としてどのように考えていらっしゃるのか。椹島の上流と下流に起こる現象、水の量がどうなるのかについての見解を教えてください。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 5番委員御指摘のとおり水の総量は変わらないものですから、どこかの水が増えればどこかの水が減ると考えております。それに対してJR東海では、解析結果によれば椹島以降の地下水の低下の結果は見られなかったと説明しています。
 一方、静岡県としては、やはり実際にリニアのトンネル工事で出てきた湧水は周りの地下水を集めて流すものですから、実は下流の地下水になっていた部分もありますので、そういう実現象を正しく理解していないのではないかと今年4月に鉄道局長に対して申入れをしております。

○増田委員
 私は掛川市なんで、こういう言い方をどうしてもしてしまうんですけれども、掛川は表流水を頂いているエリアで、大井川の地下水は来ていないんです。掛川の地下水は小笠山由来らしいと前に教えていただき、表流水を頂いている側からすると表流水が増える可能性があるように聞こえちゃうんです。
 ただ、やはり地下水が減るとイメージするので、地下水に依存しているというか活用されている自治体がありますから、そういった皆さんこそ県外流出分の話に関してはより深刻なんだろうと思います。
 だからなるべく掛川市では表流水のことだけを言わずに、地下水を活用する企業に働きに行っている方もいるので、表流水は増えるかもしれないけれども地下水が減る可能性があるから問題なんですという言い方をしていますけれども、最初の水量の話と一緒で、ここら辺も県民の皆さんに分かりやすく情報発信していただけるとありがたいと思っていますので、要望させていただきます。

 その上で、せんだって皆さんに本当にお世話になって私の地元の市議会議員の方々と一緒に最上流部まで視察に行かせていただいて、本当にありがとうございました。すごかった。百聞は一見にしかずだったので見に行ってよかったという御意見もたくさん聞いていますし、自然が今でさえ大変傷んでいるところもあったりして、心配なことが出てきたという意見も聞いています。
 その視察で、一番奥とか、この下をリニアが通りますとかいろいろ見させてもらった中で、市議会議員の方々が一番気になったのは、トンネルから出てきた工事発生土を盛る燕沢とか藤島沢の辺りは大丈夫かです。僕らがいろいろ話をした一番のポイントは、二重遮水シートとはどんなものなんだということです。実際見たことがないので、それで囲ってカバーして耐久性がどれくらいあるかと何度も聞いたんです。
 例えば、導水路トンネルは何年もつんですか、メンテナンスも必要でしょうと言うと、コンクリートの耐用年数とかパイプの耐用年数的な話をしていただいたんですけれども、この二重遮水シートの耐久性はどれくらいの工業規格があるものなんでしょうか。とても一生涯もちそうなものではないように感じたんですが、県の認識を教えてください。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 二重遮水シートについて、JR東海の今までの説明によると数多く採用された実績のある工法とのことです。シートの耐久性については、基準を満たしかつ現地の地形を踏まえ最適な材質を有するものを選定するという説明に終わっています。私たちとしては、具体的にこのシートがどれだけの耐久性を有しているかは把握していません。
 一方、5番委員御指摘のとおり、この発生土置場は半永久的にJR東海が管理することになるわけですから、二重遮水シートの耐久性は1つのリスクだと考えています。

○増田委員
 表流水は浄化されて回ってきますが、掛川市の南部で農業をやっている方の、例えばイチゴハウスに水が供給されているんですけれども、そのまま来ているものがありますので、それがもし上流で何かあったときの風評が実は一番心配で地元で話をしているとかなり意見が多かったものですから、法律にのっとってしっかりとチェックして害の及ばないように安全性も担保される残土置場といいますか、残土処分にしていただきたいと要望させていただきます。

○四本委員長
 ここでしばらく休憩します。
 再開は11時45分とします。

( 休 憩 )

○四本委員長
 休憩前に引き続いて、委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 では、発言願います。

○増田委員
 あと2つだけリニアに関して質問させてください。
 難波副知事の答弁だったと思うんですが、先ほど市川くらし・環境部長もおっしゃられた環境影響評価の精度がリニアに関しては不十分と思う人は多いと思うんですけれども、この評価が不十分であったとJR側がだんだん認識し始めてきたとおっしゃった記憶があります。実際JR東海側がそういうことを何か示唆し始めているのでしょうか。再調査は本来あまり聞いたことがないので、現実的にそういう可能性があるのか教えていただければと思います。

○渡邉くらし・環境部参事(南アルプス担当)
 環境影響評価の不十分さにつきましては、当初地下水位の低下については大きな影響がないと言っていたものが、今の有識者会議においては300メートル以上低下するとJR東海が説明しています。
 一方、動植物につきましても、例えば環境影響評価のときには重要な魚類の生息環境が保全されると説明していたのが、現在では河川周辺における動植物の生息・生育環境の変化が発生する可能性があると説明しています。
 そのほか、例えば重金属等を含む有害な土についても環境影響評価のときには発生しないと言っていたものが、現在では発生することを前提に検討しているものになります。
 このことから総合的に考えて、JR東海は環境影響評価のときと説明を変えている、リスクがだんだん分かってきたのではないかと感じています。
 それから、環境影響評価のやり直しについて、確かに環境影響評価法に基づく手続は終わっていますけれども、現在私たちが行っている対話は県の環境影響評価条例に基づく手続の中で行っております。引き続き対話を行うことでJR東海に対して環境保全の対策を求めていきたいと考えています。

○増田委員
 では、今後はいろいろな可能性があると認識させていただきます。

 最後に、有識者会議から中間報告が出されると、もう一度県とJR東海、静岡県民、流域住民との話に戻ってくるわけですよね。その場合に、なるべく説明会をやったほうがいいんではないか、そこにJR東海にも来てもらって意見を聞いたらどうだという声もあったりするんです。
 一方で、知事が議会で答弁した中に、説明したことが既成事実となり理解されたと思われてしまうという発言をされたのが気になって、説明をあまりしないほうがいいと思っていらっしゃるのか。中間報告に対する県の意見の中には、地域住民との対話を丁寧に進めていくことを要望されていたと思いますので、流域住民の皆さんへの説明というか対話の仕方の考え方が分からなくて、JR東海に来てもらわないほうがいいと思ってらっしゃるのか。
 一方で、対話を丁寧にやっていってほしいと中間報告案に対する意見の中に載っていたと思いますので、どう整理したらいいのでしょうか。県の見解を確認させてください。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 知事が本会議で申したことは、地元理解を得る点について、例えば地元に対してJR東海が説明した事実だけをもって何も意見がなかったから理解されたと解釈されたら困るという懸念を伝えたと理解しております。
 地元の理解を得るためには、まずは専門部会の場でJR東海から分かりやすい説明資料で説明していただくことと考えていますので、専門部会の場で対話を続けることで地元の理解を得られる形に持っていきたいと考えています。

○増田委員
 はい、分かりました。
 ただ一方で、選挙のときに地元でリニアに関してもアンケートがあったので正直に言うと、水は大事だしリニアに対する思いもいろいろある一方で冷静な御意見もありました。県の情報もJR東海の情報も同じようにテーブルに出さないと客観的な判断が難しいのかなと思っているんですが、JR東海が流域の各市町を訪れて、例えば説明会やシンポジウムみたいなものをやるのは、県としたら今はまだその段階ではなくて、専門部会でやっていきたいという考えでよろしいでしょうか。確認させてください。

○織部くらし・環境部理事(南アルプス環境保全担当)
 3年ほど前に大井川利水関係協議会が設立された際に、県が窓口になってJR東海と調整や対話をしてほしいとの依頼を受けて対話がスタートしています。当面は県が窓口となって専門部会の場でJR東海と対話していく方針をこれからも続けていきたいと考えています。

○増田委員
 ありがとうございました。
 ぜひしっかりとした対話をお願いしたいですし、その方針であればこそ、専門部会や県の皆さんには流域の住民の皆さんと本当に対話をたくさんして意見をたくさん聞いて素朴な疑問にも答えていただき、分かりやすく説明頂き、情報発信に努めていただきますよう要望させていただいて終わります。

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