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委員会会議録

委員会補足文書

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令和2年9月情報通信技術利活用特別委員会
総務省情報流通行政局地域通信振興課デジタル経済推進室 課長補佐 天野宏 氏 【 意見陳述 】 発言日: 09/02/2020 会派名:


○天野宏氏
 よろしくお願いします。
 私は、総務省地域通信振興課デジタル経済推進室で課長補佐をさせていただいております天野でございます。今日はお声がけいただきまして、ありがとうございました。
 本日は、5G及びローカル5Gの現状とこの普及・活用の推進に係る総務省の取組や、Society5.0といったものの全体像が分かるような形でお話できたらと思います。
 まず、お話に入る前に、説明させていただく私のことを簡単に御説明させていただきたいと思います。
 私は愛知県の岡崎市出身で、高校卒業まで愛知県にいたんですけれども、静岡県につきましては、浜松市がほぼ東三河の隣ということで、名古屋に行くよりは浜松のほうが近いといったところもございまして、静岡県には非常に親近感を覚えております。
 今は、総務省デジタル経済推進室に今年の7月から着任したところではあるんですけれども、その前に3年間、和歌山県庁に出向しておりました。和歌山県庁に出向していたときは情報政策課長ということで、もちろん庁内のIT化だけじゃなくてですね、地域の情報化であったり、あるいはIT・ICTを利活用した地域活性化みたいなことをやっておりました。
 3年前に、和歌山県が先陣を切って始動したワーケーションという取組の発案者でございまして、そのワーケーションを広げていく中で、去年の7月に、和歌山県と静岡県の下田市さんなどの全国の自治体さんと一緒になって、ワーケーション全国協議会を立ち上げた経緯がございます。そういった折にも静岡県様には非常に多大な協力をいただいたところでございまして、今、総務省に戻っている身ではあるんですけれども、その際の御協力を、この場で改めて感謝申し上げたいと思います。
 あと、和歌山県で情報政策課長をしているときに、5Gの実証事業にも携わらせていただいて、和歌山県で遠隔医療をテーマに、5Gを使ってどうやって新しい遠隔医療の形を築けるんだろうかというところで、総務省の実証事業の予算を使って、ドコモさん、和歌山県庁及び和歌山県立医科大学の地域医療センターさんと一緒になって、過疎地における、あるいは条件不利地域における安全安心を確保するための、新しい時代の遠隔医療とは何なのかといったことを検討させていただいたところでございます。
 そういったわけで、地域の自治体の立場から、5Gの導入あるいは可能性を追求してきたところもございまして、そのような観点も含めて総務省の取組をまず説明させていただきつつ、その後に質疑応答をさせていただきたいと思っております。
 本日の説明の枠組ですけれども、まず5Gの説明をする前に、日本全体あるいは世界全体として、情報通信技術がどういったような立ち位置を占めているのか、Society5.0とは何なのかを簡単に説明させていただいて、その中で5Gってどんな役割があるんだろうかという説明をさせていただきます。
 また、5G、ローカル5Gを含めたインフラを使って、具体的にどういったことが実現可能なんだろうかといったユースケースを説明させていただいて、最後に5G、ローカル5Gを全国推進していくに当たって、総務省はどういった取組をしているのかを最後に説明させていただいて、終わりにさせていただきたいと思います。
 では、資料をおめくりいただいて、1ページ目ですが、Society5.0は何かといった話でございます。Society5.0は5番目の社会と言われていまして、1番目は狩猟社会、2番目は農耕社会、3番目は工業社会、4番目は我々が生きているITを使った情報社会で、Society5.0というのは、その情報化社会の次の時代と言われています。第4世代の情報化社会ってどんな時代だったのかというと、人がサーバーなどにアクセスすることで、そこからの情報を使っていろんな利便性を享受する。例えば、何か近くに大きいレストランはないかと考える中で、グーグルで検索してレストランを見つけて、そのレストランに行くといった単純な使い方でございます。
 ただ、Society5.0の時代では、5GとAIをうまく活用して、様々な情報をデータセンター側で解析して、得られた情報に対して、どういった手段が一番最適なんだろうかといった解決策を提供する。今までは人間が情報を手に入れて、その手に入れた情報を使って、人間がどう考えるかでしたけれども、その情報を分析した最適解も機械が提案するといった時代が、Society5.0となっています。もちろん人間は人間で考えなきゃいけないことはありますが、そういったことの一部を担ってもらう時代がSociety5.0となっています。
 2ページ目を御覧ください。
今までの時代は、例えばブログやツイッターや、あるいは機械で得られた情報もそうですけれども、情報を人が集めて、データセンターに入れてきた時代になります。これからはIoTの時代になりますので、いろんなところに設置してあるセンサーが、自動的にデータを収集してデータセンターに送って、その情報をAIが分析して、解析結果を自動的にフィードバックするといった、情報の収集、送信、蓄積、分析が自動化される時代がSociety5.0です。
 5Gで集められたデータをデジタル世界に送って、蓄積、分析されて、それを現実の世界にフィードバックされる。ある意味で、デジタル世界と我々が存在している世界は、これからシンクロナイズドしていく時代になっていくわけでございます。
 非常に抽象的な議論で申し訳ないんですけれども、Society5.0というのは、自動的に情報収集し、AIが分析して対応を考えてくれます。その対応案が人間にフィードバックされます。人間は、別のことに力を割いたり、よりよい解決策を見付けたりすることができます。
次のページをおめくりください。
 Society5.0という概念があることが分かったとところで、現実の社会においてどういった意味をなすんだと。我々が主催している検討会で、三菱総合研究所さんから出していただいたんですけれども、Society5.0、5G、光ファイバー、ICTインフラ整備などの利活用により想定される経済効果として、試算では2030年時点で合計73兆円に達するとのことです。ですので、我が国が、まずやるべきなのはインフラ整備であるということで、我々としては光ファイバーとか、4G、5Gといった高度なICTインフラの整備を推進しているところです。
 我々としてはそういったインフラを整備するだけではなくて、そのインフラを使って何ができるかも併せて、今、総務省として関係省庁と連携しながら検討を進めているところでございます。
 Society5.0の時代の基盤となるICTインフラの整備推進戦略であるICTインフラ地域展開マスタープランのポイントは3つあります。4G・5G・携帯電話インフラの整備支援、地域での5G利活用推進、光ファイバーの整備支援からなります。これは2019年に策定したものを、今年の7月にアップデートして、マスタープランの2.0を発表させていただいたところです。
 次のページをおめくりください。
 先ほど申し上げた3つのポイントについて、マスタープラン2.0では新しい取組が2点あります。1つは、5G投資促進税制です。例えば全国的な5Gを前倒しして整備する通信事業者さん、あるいはローカル5Gを整備される事業者さんに対して、税制優遇が与えられるといったものです。
 もう1つは、光ファイバー整備予算の大幅拡充。今年度、補正予算が付きまして、2023年度末までに全国の光ファイバーの未整備世帯を18万世帯に減少させるといった目標を、2021年度末までに前倒しする予算もいただいたところでございます。5G投資促進税制と光ファイバー整備促進の2点について、ICTインフラ地域展開マスタープラン2.0に追加させていただいたところでございます。
4ページ目をお願いいたします。
 地域実装のところを見ていただくと、スマートシティーと書いてあります。静岡ですと、この前トヨタさんがウーブン・シティーといったコンセプトで発表されて、全世界から注目を集めているところであるんですけれども、スマートシティーというのは今までいろんな地域で個別にやっていたと思います。もちろん各市町村や都道府県さんが、自分たちの創意工夫で、自分たちに合ったスマートシティーをつくり上げていくことは全く否定されるものではないんですけれども、同じような取組をやっているのに相互連携ができていないのはよくないと思います。全く別の取組でも、組み合わせるといい効果が生まれる可能性もあります。今後、我々としては、スマートシティーについて、これまで個々にやっていたものが全体的にまとまって見えるにしていきたいと思っています。
 総務省としては、地域のICT利活用は非常に重要です。ただ、グローバル社会において、日本自体が技術を輸出して稼いでいかなきゃいけない。ですので、地域でスマートシティーであったり、ローカル5Gの実証の成果をパッケージ化して、地域で作った製品を海外に売り出していけるように、日本のメーカーさん、キャリアさんを支援していかなきゃいけないと考えているところでございます。
 海外で今後スマートシティーの導入が進めば、その規模の経済が動きますので、行く行くは日本にフィードバックされて、さらに高性能、あるいは安価な情報技術がいい循環で導入されることを期待しますし、自戒も込めて言いますけれども、国としては地域でいろんな実証実験であったり、導入支援をやらせていただいているのに、どうしても日本国内に制限されてしまう。せっかくいい事例があるんですから、海外に対して、また海外からの逆輸入という形で日本としても循環をつくっていかなくてはいけないと思っております。
 7ページ目は、ICT地域展開マスタープラン2.0で何年までに何をやるかといったロードマップでございます。こちらは細かな話が多いので、後ほど御覧いただければと思っております。
 8ページ目は、5Gの話でございますが、5Gの話をする前に前段の話をさせてください。携帯電話を使ったインターネットの使用がもうとどまることなく、ずっと右肩上がりできています。2G、3G、3.9G、4G、5Gと来て、4Gまでに携帯電話が通信できるデータの量が増えてきたんですけれども、それに合わせてデータ通信の需要、データ通信のトラフィック自体が増えているので、そういった観点からも5Gの導入を、その需要にも合わせて進めていかないといけないといったところでございます。
 次に9ページ目です。
 下の図の一番左下の写真は、第1世代の肩かけの携帯電話です。この時代はせいぜい10キロbpsでした。第1世代、第2世代、第3世代、第4世代、第5世代までの40年の間に5世代進化している中で、通信速度は10万倍にまで達していて、その10万倍に比例した通信需要となっています。
 通信速度とか通信量を見てみても、我々の社会でインターネット、あるいは携帯電話は通信とともに変わってきたのは明らかです。
 10ページ目でございます。
 5Gは、今年4月に携帯電話の通信事業者さんの正式なサービスが始まったところでございます。5Gには、ポイントが3つあります。速い、低遅延、いっぱい接続できるという3つです。超高速で言うと、最高伝送速度10ギガbpsで、具体的に言いますと、2時間の映画を3秒でダウンロードできます。今の個人の携帯電話は5分かかります。超低遅延は、いろんな機器を通信で接続したときにタイムラグがなくなり、LTEの10倍の精度でリアルタイム通信を実現できます。これは重要で、例えば自動運転やロボットの遠隔制御のほか、遠隔医療にも使えると思います。今、ダヴィンチという遠隔医療は、いろんな大病院で導入されています。例えば、ダヴィンチによる遠隔の手術システムで、光ファイバーが届いてなくても、5Gで接続して手術することができます。
 多数同時接続は、先ほど最初に申し上げましたとおり、いろんなセンサーがいろんな情報を集める時代には非常に重要なんじゃないのかと思います。4Gでもセンサーに接続できます。でも、PCとかスマホを4個か5個ぐらいです。5Gになると約100個接続できます。例えば工場のいろんなところにセンサーを設置して、精緻な動作を点検してくれる。また農地において、水位計、土壌、温度、湿度、あるいは鳥獣害被害もあります。地方では結構あるので、和歌山でも毎年数億円の鳥獣害被害が出ていまして、鳥獣害被害のほうがもうけより多いみたいで、鳥獣害被害を防止するためにセンサーを取り付けたりしています。
 11ページ目、お願いいたします。
 先ほどSociety5.0の時代というのは、センサーをいろんなところに設置して、情報収集して、AIで分析して、その結果をフィードバックすると申し上げました。Society5.0で一番重要になるのが、このセンサーの台数と、それを接続するイントラネットです。Society4.0の情報社会の時代では、人間がインターネットから情報を見たりとか、あるいはユーチューブを見たりしていたので、人間が情報を使うので速ければよかったのですが、Society5.0の時代はそうじゃないと。いろんな機器がネットワークに接続して情報を吸い上げることとなるので、多数同時接続して、タイムラグなく超低遅延とう二大要素が、Society5.0では5Gが非常に適していることになってきます。これで新しいビジネスが生まれてくるんじゃないかと我々は期待しています。
 超高速だけですとテレビ会議をしたり、ユーチューブを見たり、インターネットを見たりと、人が使う前提でしたけれども、例えば工場で多数同時接続のセンサーを入れれば、コスト削減になるかもしれません。
 実際に農業では、岩手県でトマトの水耕栽培をしていて、温度と光と水の量を常にセンサーで感知して、常に最適になるように管理していました。このトマトは全部同じ株から増殖したので、全く同じ形のトマトが増えていて、不気味ではありましたけれども、トマトを選別するコストもなくなりますし、常にきれいなトマトで、味の一定したトマトを安定してレストランや市場へ供給することができます。
 そういったところで、5Gを完全に個人が活用する、あるいは新しいIT機器と組み合わせて新しい価値を生み出したり、コスト削減につながるような形で、インフラを事業者間で活用していく時代にこれからなっていくのではないかと考えております。
 今までは通信事業者さんが個人、企業に通信サービス、インフラを提供していました。今後は、B2B2Xと言いますけれども、通信事業者さんと個人、企業、エンドユーザーさんとの間に、サービス提供事業者として、先ほどのトマトの水耕栽培で言ったら、5Gを使ったトマトの水耕栽培のシステムを全国の農家さんに販売するような事業者さんが、できてくるかもしれない。
 今まではインフラ事業者さんがインフラを設置して、はいどうぞという時代でしたけれども、これからの時代は、そういった殿様商売にはなりません。インフラを構築した上で、うまく利活用できるようなサービス事業者さんと一緒になって、新しいサービスを開発して、エンドユーザーさんに売っていく、みんながちゃんと手を携えてオープンにイノベーションする時代にSociety5.0の時代はなっていきます。
 13ページ目でございます。
 5Gは今年の4月から始まっていますが、うちのところにはいつ来るんだといった話はあるかと思います。通信事業者さんには、5Gのサービスを展開してもいいよと許可を出すときに、2019年から2年以内に全都道府県でサービスを開始してくださいとお願いしています。なおかつ、5年以内に全国50%の場所でのサービス展開を求めています。
 ローカル5Gも、昨年12月から免許申請の受付を開始して、もう何社か申請をしていただいて、周波数を割り当てているところでございます。
 14ページ目でございます。
 5Gという新しいインフラを使って、どんな新しいサービスを提供していくかが、5Gの利用展開あるいはSociety5.0の新しい社会を実現するために重要になってくると申し上げましたけれども、いきなりキャリアさん、あるいはエンドユーザーさんに、5Gという基盤だけを利用して、あとのビジネスは皆さん後で考えてくださいよというのは無責任なので、総務省としては、5Gを使ってどういったサービスを展開することができるんだろうかと。
 建機の遠隔操作は、2017年から2019年まで3か年やってきたんですけれども、その他にテレワーク、高精細コンテンツ配信、運輸車両の縦列走行、遠隔医療、防災倉庫と発展してきたところです。
 具体的なそのユースケースの実証試験の内容が、次のページの15ページでございますが、細かい話でありますので、また後ほど見ていただければいいんですけれども、一番上のFの遠隔高度診療が和歌山県でやった話でございます。
 16ページが具体的に全国で行われた5Gの総合実証の概要でございます。
 静岡県さんですと、トラックの縦列走行の事例をやらせていただいたところでございます。あと、和歌山県でやったのが、一番左上から2番目の遠隔高度診療といったところでございます。
 18ページになりますが、和歌山は非常に多くの地域課題がありますが、林野率が全国的にトップクラスで、集落が山とか森の中に点在しています。そういったところでは、直ちに高度な医療を受けるのは難しく、診療所はあるんだけれども、診療所にいるお医者さんも全ての分野を高度に診れるわけではないですし、あるいは医学部を卒業したての新しい新任のお医者さんもいるので、その地域あるいは集落にずっと住み続けたくても医療が安定していないので、安全安心に不安を感じて、町中や他県に移住するといった事例が多くございました。
 そういったところでも、診療所は少なくともあるんだから、診療所ベースで高度な医療を展開できないかと。集落の診療所は、通信的にも不安定な場所が多く、光ファイバーをつなげることが難しいような山の中にあることが非常に多くございますので、5Gの電波を使って、和歌山市にある和歌山県立医科大学の大学病院と、和歌山県日高川町という人口1万人未満の町の集落の診療所を5Gでつないだ事例でございます。
 5Gで和歌山県立医科大学と日高川町の川上診療所をつないだ際に、いろんな高度な医療機器を使っていただきました。1つは、遠隔診療をしますので、和歌山県立医科大学のお医者さんと診療所のお医者さん、あるいは患者さんがお話できるように、4Kの高精細なテレビ会議システムを入れました。あと、診療所側にいるのは、経験の少ない若手の医師が多いので、例えばエコーとか、高度な医療機器が診療所側にあったとしても使いこなせないため、それをネットワークでつないで、和歌山県立医科大学側でも映像を見れるようにして、県立医科大学の専門医から現場のお医者さんに対して指導できる体制をつくりました。2019年には、和歌山県日高川町を5Gで覆って、高度な医療機器を積んだ移動診療車で患者さん宅まで行って、診察をするといったことを先駆けていました。この遠隔高度診療は、僻地にある診療所に対しては、非常に大きい効果が2つあります。
 1つ目は先ほど申し上げましたとおり、僻地でも高度な医療を市内の専門医の判断を仰いで受けられる。もう1つ副次的な効果がありまして、和歌山県立医科大学と地域医療支援センターさんと一緒になって相談したことなんですけれども、和歌山県立医科大学というのは、県民枠がありまして、県民枠で入った学生さんは卒業したら3年間ぐらい僻地の診療所で医療行為につく形になっています。しかし若手のお医者さんって、病んじゃうんですよ。というのは、現場経験が少なく、僻地の診療所に行くのですが、その地域の住民の皆さんからしたら、唯一のお医者さんであるわけです。いろんな医療の知識を持って、経験を持って、ちゃんとできると信頼されているんです。それが負担で病んじゃう人が多いんです。また間違った判断をすることもあります。これまでは、和歌山県立医科大学のお医者さんであったり、教授さんが、僻地診療所を毎日回って、若手の医者のケアだったり、指導をしてきたそうなんですけれども、この遠隔診療システムを使えば、若手医師の指導とか、あるいはメンタルの相談も受けられるようになります。そういった意味でも、高度な医療を地域に展開できるのも1つの効果ですし、そういった地域に行った若手のお医者さんのしっかりとした指導、育成もできるようになった。そういった1つの事例ではございます。
 22ページへお願いいたします。
 先ほど5Gとローカル5Gと申し上げました。5G自体は、よくあるそのドコモさんとか、KDDIさん、ソフトバンクさん、あるいは楽天さんが全国的に展開する、今ある4Gと同じようなサービスですけれども、同じように利用できるサービスとしてもう1つが、総務省が2019年12月に新しい制度をつくりまして、それがローカル5Gでございます。ローカル5Gというのは、非常に限られたエリアではあるんですけれども、例えば企業さんとか自治体さん、あるいは農家さんなどの様々な人が自分で建物とか敷地内にスポット的にネットワークを構築して、その中で5Gを使えるようにしていこうといったものでございます。
 これは、3つ利点がありまして、5Gが展開されていない地域でも、もし5Gを使いたいと思ったら、先行して展開が可能です。自分で設置するので、必要となる性能を柔軟に設定することができます。通信事業者さんとかが展開する5Gは、いつでも、どこでも、誰でも利用できるように、その通信速度などが一定の場合が多いです。利用者さん側にとっては、ダウンロードのスピードは遅くていいから、アップロードのスピードを速くしたい。あるいは、超低遅延は要らないから、多数同時接続を強化したいといった需要は、事業者さん同士であると思うので、自分で5Gを、自分の敷地内につけるとしたら、必要となる性能を取捨選択して、それを安い値段でやっていく形はあり得るんじゃないかと思います。そういった意味で、通信事業者さんの5Gだけでなく、各地域あるいは事業者さんでも、5Gを自由に使えるように、ローカル5Gという制度を2019年12月につくりました。
 26ページ目をお願いします。
 ローカル5Gの免許申請を2019年の12月から開始しまして、8月20日現在、17事業者が申請をしています。9社に免許を交付したところで、スマートファクトリーといわれるIoTを使った高度な工場や、ケーブルテレビです。山とか林がある、光ファイバー回線が来づらいところを無線で、5Gで代替するような形。あとは、5Gを使って、地域で各社がどういったサービスをこれから作っていけるかといった実験用に、6社に免許が交付されているところでございます。
 27ページ目、お願いします。
 これは今年度から始めた話ではあるんですけれども、先ほど申し上げましたとおり、2017年度から2019年度までは、全国で5Gを使ってどういったユースケースが想定されるかといった実証実験をやっていました。それをローカル5Gが昨年12月から始まったことに併せまして、ローカル5Gを使っていろんな企業、あるいは農家、あるいは運輸事業者がどういった使い方をできるかといった実証実験を今年度から開始させていただいたところでございまして、農業、防災、モビリティあるいは地場産業とかで、19件の実証実験をこれから始めるところでございます。
 そういったローカル5Gの実証実験の結果を公表して、自治体や、関係団体さんと共有を図っていきたいと考えています。
 最後に、どんな支援があるかといった話でございます。
 条件不利地域である、過疎地、辺地、離島、半島などで携帯電話のエリア整備をする際に使えるような補助制度を用意しております。もちろん5Gを整備する場合にも、使える形になっています。
30ページ目でございます。
 5Gの基地局だけ置いても意味がなくて、基地局までにつなげる光ファイバーの整備も通信事業者向けに補助金を作っているところでございます。
 32ページ目ですが、私は5G投資促進税制の担当をしております。これは、5Gを前倒しして整備する全国の事業者、あるいはローカル5Gを整備する事業者が導入した設備の一定額に対して、税額控除を設ける制度が今年の8月31日から開始したところです。税額控除については、当該施設に関わる税金の15%が控除される見込みとなっております。ローカル5Gの場合も、15%税額控除でございます。その上で、ローカル5Gについては、固定資産税が2分の1減免されます。補助金だけでなくて、5Gの基地局等の導入に係る法人税や固定資産税の減税措置を設けることで、今後、我々としてもできるだけ早期の5G、ローカル5Gの全国展開を推進していきたいと思っております。
 先ほど申し上げましたとおり、補助金がありまして、税制優遇があります。最後に、ソフト面ですけれども、地域情報化アドバイザーの派遣制度というものもあります。これは、お金があっても、あるいは先ほど申し上げました実証実験の成果が公表されても、よく分からないという御意見をいただくと思うんです。そういった自治体向けに、地域情報化アドバイザーを派遣する制度でございます。こちらは、自治体だけじゃなくて、関係の企業、あるいは団体であっても、勉強会をやるといった形での利活用もございます。特に令和2年度は5Gに詳しい有識者を5名追加しました。ですので、5Gを技術的にどう導入したら分からない、どう使ったらいいか分からない、実際どういうふうな感じになるんだろうといった悩みをお持ちの自治体、あるいは企業等がございましたら、地域情報化アドバイザーを御活用いただいて、何でもお悩みを相談してくださいといった制度も設けてございます。
 最後の34ページ目です。
 分からないことがございましたら、総務省本省だけでなくて、地域の総合通信局にも御相談いただければと思っています。静岡県さんは、名古屋にある東海総合通信局の管轄になりますので、そちらのほうに、何かございましたら御相談ください。
 私の説明は以上でございます。御清聴いただきまして、ありがとうございました。

○落合委員長
 ありがとうございました。
 以上で、天野様からの講演は終わりました。
 これより意見交換に入ります。
 それでは、天野様に質問や御意見等ありましたら、御発言を願います。

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